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1
Simulation study of personal dose equivalent for external exposure to radioactive cesium distributed in soil
佐藤 大樹; 古田 琢哉; 高橋 史明; Lee, C.*; Bolch, W. E.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(9), p.1018 - 1027, 2017/09
福島第一原子力発電所事故で土壌に沈着した放射性セシウム($$^{134}$$Cs及び$$^{137}$$Cs)による外部被ばくに対する公衆の放射線安全性を確保するため、新生児, 1歳, 5歳, 10歳, 15歳及び成人が装着した個人線量計でモニタされる個人線量当量を、放射線輸送計算コードPHITSを用いて解析した。放射性セシウムは土壌中の特定の深さ(0.0, 0.5, 2.5, 5.0, 10.0及び50.0g/cm$$^2$$)に平板一様分布しているとし、各年齢の人体は精密人体数値模型により再現した。年齢別の個人線量当量の解析結果から、年齢が小さいほど個人線量当量の値が大きくなることが分かった。しかし、汚染環境中においても実用量である個人線量当量は防護量である実効線量をよく代表することと、地上100cm高さの周辺線量当量の値を超えないことが明らかになった。また、体積分布した線源に対する個人線量当量を導出する加重積分法により、福島で観測された指数分布線源による個人線量当量を解析したところ、解析値は福島で成人男性が装着した個人線量計により取得された実測値とよい一致を示した。
2
Examination of $$^{131}$$I and $$^{137}$$Cs releases during late phase of Fukushima Daiichi NPP accident by using $$^{131}$$I/$$^{137}$$Cs ratio of source terms evaluated reversely by WSPEEDI code with environmental monitoring data
日高 昭秀; 横山 裕也
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(8), p.819 - 829, 2017/08
福島第一原子力発電所事故の評価では、炉内事象と環境モニタリング測定との結びつきの議論が重要であるが、事故から6年近く経過した現在でも、両者の事象を統合的に扱った研究は必ずしも進んでいない。WSPEEDIコードと環境モニタリングデータから逆算で詳細化された$$^{131}$$I/$$^{137}$$Cs比に基づき、福島事故後期における原子炉建家等の地下汚染水からの気液分配に基づく$$^{131}$$I放出量を再評価するとともに、これまで検討が行われなかった$$^{137}$$Cs放出挙動に関して化学形や放出機構等について検討した。原子炉建屋等の地下汚染水からの$$^{131}$$I放出量に関する再評価では、全ソースタームに対する地下汚染水からの$$^{131}$$I放出の寄与分は約10%となった。また、3/21$$sim$$3/23及び3/30$$sim$$3/31の$$^{131}$$I放出量に対する$$^{137}$$Cs放出量の超過は、炉心冷却水がわずかに不足したことに伴う炉心温度の再上昇により、制御材を起源として生成するCsBO$$_{2}$$の放出でほぼ説明できる見通しを得た。
3
Corrigendum; Examination of $$^{131}$$I and $$^{137}$$Cs releases during late phase of Fukushima Daiichi NPP accident by using $$^{131}$$I/$$^{137}$$Cs ratio of source terms evaluated reversely by WSPEEDI code with environmental monitoring data, J. Nucl. Sci. Technol. 2017, Corrected vertical axis of Figure 6
日高 昭秀; 横山 裕也
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(8), P. i, 2017/08
以前に発表した論文(Examination of $$^{131}$$I and $$^{137}$$Cs releases during late phase of Fukushima Daiichi NPP accident by using $$^{131}$$I/$$^{137}$$Cs ratio of source terms evaluated reversely by WSPEEDI code with environmental monitoring data [Journal of Nuclear Science and Technology, vol.54(8), pp.819-829 (2017)])における図6の縦軸の訂正である。
4
Temperature performance of portable radiation survey instruments used for environmental monitoring and clean-up activities in Fukushima
三枝 純; 柳澤 華代; 波澄 篤; 清水 武徳; 内田 芳昭*
Radiation Physics and Chemistry, 137, p.210 - 215, 2017/08
福島第一原子力発電所事故に伴い、県内各地で放射線モニタリングや環境修復活動が実施されている。現場の気温は夏期に40$$^{circ}$$C、冬期に-20$$^{circ}$$Cに達し、各種サーベイメータの想定使用温度の範囲外である。そこで福島で多く用いられている国産サーベイメータ4機種を対象として、恒温槽を用いた温度特性試験を実施し、指示値の温度依存性を調べた。
5
3次元輸送計算コードMCNPを用いた森林除染による空間線量率の低減効果の検討
邉見 光; 山口 徹治; 武田 聖司; 木村 英雄
原子力バックエンド研究(インターネット), 24(1), p.3 - 14, 2017/06
福島第一原子力発電所の事故起源の放射性セシウムにより汚染された森林の除染に関して、居住区域における空間線量率の低減が顕著になる汚染源の条件や除染の範囲を感度解析によって検討した。汚染源を$$^{134}$$Csおよび$$^{137}$$Csを含む堆積有機物層(A$$_{0}$$層)と表層土(A$$_{1}$$層)とし、モンテカルロ法による3次元輸送計算コードMCNPを用いて空間線量率を算出した。森林斜面の数、角度、汚染の分布状態、森林土壌中の放射性セシウムの量、除染範囲、林縁から評価点までの距離、評価点の高さをパラメーターとした。その結果、汚染の分布が均一の場合、林縁から20mまでのA$$_{0}$$層の除染が、空間線量率の低減に効果的であることがわかった。一方、林縁から20m以遠の汚染が20m以内よりも高いような、汚染の分布が不均一の場合、A$$_{1}$$層に比べA$$_{0}$$層に含まれる放射性セシウムの量が多い条件においてのみ、林縁から40mまでのA$$_{0}$$層の除染により、空間線量率が顕著に低減した。
6
汚染水処理二次廃棄物保管容器の健全性に関する調査
飯田 芳久; 中土井 康真; 山口 徹治
原子力バックエンド研究(インターネット), 24(1), p.53 - 64, 2017/06
東京電力福島第一原子力発電所において発生する汚染水処理二次廃棄物の長期的な保管のための技術的知見を蓄積することを目的として、東京電力から発表されている情報を汚染水処理二次廃棄物管理の観点でとりまとめた。そして、長期保管に際する保管容器の健全性に対する懸案事項として、塩化物イオン共存および放射線下でのステンレス鋼製容器の腐食、酸性条件および活性炭共存下でのステンレス鋼製容器の腐食、およびスラリーを収納した高性能容器(HIC)の放射線劣化を抽出した。
7
福島県内の空間線量率トレンドの解析; 環境半減期、積雪の影響
三枝 純; 依田 朋之; 村上 晃洋; 武石 稔
環境放射能除染学会誌, 5(2), p.79 - 93, 2017/06
2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故後、福島県内各地において放射線モニタリングが継続して行われている。事故から5年が経過したのを機に、原子力発電所から20$$sim$$60kmに位置する15地点で得られた空間線量率のトレンド(2011年5月$$sim$$)を解析し、線量率の減衰傾向や積雪による遮蔽効果について考察した。線量率のトレンドは放射性セシウムの物理的減衰とウェザリング等その他の要因を加味した関数に適合することができ、この結果から環境半減期は3$$sim$$27年(平均10年)と評価された。また、積雪による遮蔽の影響で線量率は下がり、積雪深20 cmで15%から50%低下した。この影響により、5年間の積算線量は積雪がなかった場合に比べて最大約7%低くなることがわかった。
8
海水塩析出物を伴う海水の流動沸騰熱伝達に関する研究
上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 永武 拓; 吉田 啓之
混相流, 31(2), p.162 - 170, 2017/06
東京電力福島第一原子力発電所事故では、非常用冷却水の注水・除熱機能が失われたため海水が注水された。しかし、炉内への海水注入は行われたことがなく、海水による燃料集合体の冷却は検討されていない。本研究では、海水を用いてプール核沸騰実験を実施し、伝熱面温度と伝熱面上の海水塩析出層厚さの測定を行い、海水塩析出物が核沸騰熱伝達へ与える影響について評価した。また、燃料棒と同様な寸法の内管加熱部を持つ鉛直二重管流路での上向き強制流動沸騰実験を実施し、海水の流動沸騰への影響についても議論した。その結果、高濃度の人工海水では、一定かつ低い熱流束であっても壁面過熱度が次第に増加し、既存の伝熱評価式から外れる、伝熱面温度の逸走が起きることを確認した。海水塩析出層厚さの測定から、この伝熱面温度の逸走は、伝熱面上に海水塩の1つである硫酸カルシウムが析出し、時間とともに析出層が厚くなることにより、表面までの熱抵抗が増加して起きる現象であると考えられる。また、海水塩濃度が高いほど、より低い熱流束で伝熱面温度の逸走が起きており、海水塩の伝熱面上での析出は、伝熱面近傍の海水塩濃度が関係すると考えられる。流動沸騰条件では、下流では海水の濃縮が進むため、下流の伝熱面にはプール核沸騰実験よりも低い熱流束で海水塩が析出し、伝熱面温度の逸走が発生することを確認した。
9
福島の環境回復に向けた取り組み,2; 事故進展と放射性物質の放出・沈着分布の特徴
斎藤 公明; 永井 晴康; 木名瀬 栄; 武宮 博
日本原子力学会誌, 59(6), p.40 - 44, 2017/06
福島の環境回復に関してまとめた連載記事の一つである。福島第一原子力発電所事故の進展と放射線物質の放出・大気拡散・沈着過程の解明が、シミュレーションおよび環境測定データの解析により進められている。大規模環境調査により福島周辺における放射線環境の経時変化等の特徴が明らかになりつつあり、この知見に基づいて空間線量率の分布状況変化モデルが開発され将来予測に活用されてきた。事故後に測定された種々の環境測定データは集約され、データベースを通して簡単な解析ツールとともに継続的に公開されている。これら一連の取り組みについて概説している。
10
Development of a robot simulation system for remotely operated robots for operator proficiency training and robot performance verification
川端 邦明; 鈴木 健太; 磯和 充*; 堀内 一憲; 伊藤 倫太郎
Proceedings of 14th International Conference on Ubiquitous Robots and Ambient Intelligence (URAI 2017) (USB Flash Drive), p.561 - 564, 2017/06
本論文では、遠隔操作ロボットのためのシミュレーションシステムの開発について報告する。開発中のシステムは、操作習熟度訓練およびロボット等の性能試験のために用いることを目的としたものであり、特に福島第一原子力発電所の廃炉に貢献するものである。シミュレータには産総研の開発したChoreonoidをベースにし、視覚的なノイズや通信障害などの機能を設計開発して実装している。また、水中ロボットのシミュレーションについても実装している。開発システムの現状について報告を行う。
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A Remote-operated System to Map Radiation Dose in the Fukushima Daiichi Primary Containment Vessel
Nancekievill, M.*; Jones, A. R.*; Joyce, J. M.*; Lennox, B.*; Watson, S.*; 片倉 純一*; 奥村 啓介; 鎌田 創*; 加藤 道男*; 西村 和哉*
Proceedings of 5th International Conference on Advancements in Nuclear Instrumentation Measurement Methods and their Applications (ANIMMA 2017) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2017/06
福島第一原子力発電所の原子炉内部のマッピングを目的とし、放射線検出器を組み合わせた潜水可能なROVシステムを開発している。$$gamma$$線強度のマップを得るとともに放射性同位体を同定するため、CeBr$$_{3}$$無機シンチレータ検出器をROVに組み込んでいる。ROVは、直径約150mmの円筒形状で、自由度5で制御可能な5つのポンプを持つ2つのエンドキャップを備えている。CeBr$$_{3}$$検出器は、熱中性子束をマッピングすることが可能な$$^{6}$$Liホイルを有する単結晶化学蒸着中性子検出器で置き換えることが可能である。
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海水プール核沸騰素過程に関する研究
上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之
第54回日本伝熱シンポジウム講演論文集(CD-ROM), 8 Pages, 2017/05
東京電力福島第一原子力発電所事故時の海水注入が伝熱流動へ与える影響を、その物理現象を含めて理解するため、海水及び蒸留水を用いてプール核沸騰実験を行い、プール核沸騰素過程に与える海水の影響について検討した。その結果、海水を用いた場合、沸騰核が減少した。この沸騰核の減少は、沸騰や二次気泡の形成、及び熱伝達表面の過熱度の増加に影響を及ぼすことを確認した。また、濃縮された海水では、海水塩析出層が伝熱面上に形成され、その厚さの増加に伴って熱抵抗が増加し、加熱面上の沸騰による冷却性能が大幅に低下することで、伝熱面が焼損することを確認した。これは、蒸留水での伝熱面焼損とは異なる物理機構であり、海水の場合は蒸留水よりも低い発熱量でも伝熱面が焼損する可能性がある。
13
Coupling the advection-dispersion equation with fully kinetic reversible/irreversible sorption terms to model radiocesium soil profiles in Fukushima Prefecture
操上 広志; Malins, A.; 武石 稔; 斎藤 公明; 飯島 和毅
Journal of Environmental Radioactivity, 171, p.99 - 109, 2017/05
土壌中の放射性セシウムの鉛直方向移動を記述するための修正拡散-収着-固定化モデルを提案した。このモデルでは、可逆サイトに対するカイネティックスを新たに導入している。このモデルは初期Exponential分布を再現することができる。初期のrelaxation massは拡散深さ、すなわち分配係数、収着速度、分散係数に依存することがわかった。また、このモデルは深い個所での放射性セシウム分布のテイリングを表現する。これは、収着と脱着の速度の違いによるものと考えられる。
14
Modeling watershed-scale $$^{137}$$Cs transport in a forested catchment affected by the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident
Wei, L.*; 木内 豪*; 吉村 和也; Velleux, M. L.*
Journal of Environmental Radioactivity, 171, p.21 - 33, 2017/05
This study developed a watershed $$^{137}$$Cs migration model on the basis of the Two-Dimensional Runoff, Erosion, and Export model (TREX) framework and was applied in a forested catchment in Fukushima. This model considered the conditions of $$^{137}$$Cs field loss from the vegetation layer and downward movement in soil, two $$^{137}$$Cs distribution phases in water, and multiple solid particle classes. The model represented observed $$^{137}$$Cs transport well. Our simulations show that the $$^{137}$$Cs was transported from the catchment by clay, silt, and sand at a ratio of 17:70:13. The source of transported $$^{137}$$Cs is estimated to originate from hillside and areas near the river bank, and the accumulation of $$^{137}$$Cs was also evaluated.
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KURAMA-IIを用いた走行サーベイ測定による東日本での天然放射性核種の空間線量率評価
安藤 真樹; 松田 規宏; 斎藤 公明
日本原子力学会和文論文誌, 16(2), p.63 - 80, 2017/05
走行サーベイ測定における福島第一原子力発電所事故による放射性セシウムの空間線量率への寄与を弁別するため、東日本地域において市町村平均値として天然放射線によるバックグラウンドを評価した。特定のエネルギーウインドウの計数率からバックグラウンドを求める簡易的手法をKURAMA-IIを用いた走行サーベイ測定に適用した。本研究で評価したバックグラウンドの分布傾向は、東日本地域での地質学的特徴を表しており、過去の空間線量率測定結果とも符合するものであった。また、舗装道路上においても地殻$$gamma$$線による空間線量率の特徴を反映した分布となることが分かった。汚染状況重点調査地域の指定を受けているような地域では、2014年時点の放射性セシウムの空間線量率への影響は測定不確かさを超える有意なものであった。その他の区市町村ではほとんど無視しうる程度であった。
16
福島の環境回復に向けた取り組み,1; 環境回復に関する取り組みの進展
宮原 要; 大原 利眞*
日本原子力学会誌, 59(5), p.282 - 286, 2017/05
福島の環境回復に向けた取り組みに関わる連載講座の第1回として、日本原子力研究開発機構と国立環境研究所における環境回復に関する取り組みの概要を紹介する。
17
福島汚染土壌の除染と再利用のためのセシウムフリー鉱化法の開発
下山 巖; 本田 充紀; 小暮 敏博*; 馬場 祐治; 平尾 法恵*; 岡本 芳浩; 矢板 毅; 鈴木 伸一
Photon Factory News, 35(1), p.17 - 22, 2017/05
福島放射性汚染土壌のCs除染と再生利用に対して提案しているセシウムフリー鉱化法(CFM)について紹介すると共に、PFのJAEA放射光ビームラインで実施している研究について報告する。本研究では風化黒雲母(WB)からのCs脱離機構を調べるため、非放射性Csを収着させたWBにNaCl-CaCl$$_{2}$$混合塩を添加し、低圧加熱処理前後での組成と構造変化を調べた。蛍光X線分析により塩無添加の場合でも700$$^{circ}$$Cで約3割のCsが除去され、塩添加時はほぼ全てのCsとKが除去された。一方、Caは温度と共に増加し、700$$^{circ}$$CではSiよりも多い主成分となった。さらにX線回折法、透過型電子顕微鏡による分析によりWBが普通輝石などの異なるケイ酸塩鉱物に相変化することを明らかにした。これらの結果は相変化に伴ってイオン半径の大きい1価陽イオンが排出されるメカニズムを示唆しており、我々はこれに基づいてCFMの着想に至った。また、X線吸収分光法を用いたClの化学状態分析により、塩由来のClが反応の初期段階で粘土鉱物の酸素とCl-O結合を形成しながら生成物の鉱物中に取り込まれることを明らかにした。
18
高放射性廃液貯槽環境におけるSUS316Lの腐食に及ぼす硫酸イオンの影響
安倍 弘; 佐野 雄一; 西塚 雄介*; 飯嶋 静香; 内田 直樹
材料と環境, 66(5), p.169 - 172, 2017/05
高放射性廃液貯槽環境における腐食挙動について、海水成分やコンクリート成分の1成分である硫酸イオンに着目した評価を実施した。SUS316Lを対象に、各種金属元素と硝酸からなる模擬高放射性廃液を用いて腐食試験を行った結果、硫酸イオンにより腐食速度が緩和されることを確認した。これは、XPSによる分析から、硫酸イオンが材料表面に吸着することでアノード反応が抑制されたためと考えられる。
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繊維に接ぎ木した高分子鎖に絡めた無機化合物を利用する放射性物質の除去
斎藤 恭一*; 小島 隆*; 浅井 志保
分析化学, 66(4), p.233 - 242, 2017/04
福島第一原子力発電所では、放射性セシウムおよび放射性ストロンチウムを含む汚染水が毎日多量に発生している。本研究では、汚染水を効率的に浄化するため、Cs $$^{+}$$およびSr$$^{2+}$$を捕捉する無機結晶が担持された繊維を作製した。担持する無機結晶には、それぞれ、Cs $$^{+}$$およびSr$$^{2+}$$に優れた選択性を持つ不溶性フェロシアン化コバルトおよびチタン酸ナトリウムを選んだ。これらの無機化合物の沈殿を、放射線グラフト重合法によって市販の6-ナイロン繊維に接ぎ木した高分子鎖(グラフト鎖)内で析出させることにより、繊維表面に担持した。得られた沈殿は、多点の静電相互作用に基づいてグラフト鎖に巻き絡まるため、安定担持が実現する。本研究で提案する不溶性フェロシアン化コバルトあるいはチタン酸ナトリウム担持繊維は、従来の粒子状吸着材、例えば、ゼオライトやSrTreat(チタン酸ナトリウム担持樹脂)に比べて、吸着速度が大きく、無機化合物重量あたりの吸着量も大きくなった。
20
多段濃縮分離機構を備えるICP-MSによる放射性ストロンチウム分析
高貝 慶隆*; 古川 真*; 亀尾 裕; 松枝 誠; 鈴木 勝彦*
分析化学, 66(4), p.223 - 231, 2017/04
2つ以上の異なる原理による濃縮法や分離法を結合したカスケード濃縮分離法は、分析機器の感度と分析性能を飛躍的に向上させることができる。本論文では、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故を発端として開発されたカスケード濃縮分離法を内蔵したICP-MSによる放射性ストロンチウム($$^{90}$$Sr)分析法について論じた。併せて、本分析法の特徴である混合ガス効果、内標準補正シグナル積算法、スプリットラインを利用する定量と回収率の同時測定法などについて総説した。これらを統合して使用する本分析法の$$^{90}$$Srに対する検出下限値は、20分程度の測定で0.056ppq(0.28Bq/L)が達成可能である。また繰り返し分析精度(n=10)は、10ppq(50Bq/L)に対して相対標準偏差2.9%が得られる。