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1
Probing carbon edge exposure of iron phthalocyanine-based oxygen reduction catalysts by soft X-ray absorption spectroscopy
丹羽 秀治*; 斎藤 信*; 小林 正起*; 原田 慈久*; 尾嶋 正治*; 守屋 彰悟*; 松林 克征*; 難波江 裕太*; 黒木 重樹*; 池田 隆司; et al.
Journal of Power Sources, 223, p.30 - 35, 2013/02
 被引用回数:14 パーセンタイル:25.36(Chemistry, Physical)
固体高分子形燃料電池用の非白金で、安価で、高性能の炭素正極触媒をデザインするには、酸素還元反応の活性点を明らかにすることが重要である。しかしながら、このような複雑な系においては通常用いられる原子・電子構造プローブにより活性点を直接特定するのは困難である。本研究では、炭素1${it s}$X線吸収分光を用いて鉄フタロシアニンをもとにした触媒の炭素構造を観察し、$$pi^{ast}$$吸収端以下に炭素端の露出を意味する構造を見いだした。またその強度は酸素還元活性とよく相関することがわかった。これらの結果は、炭素1${it s}$X線吸収分光を用いることにより炭素正極触媒における酸素還元活性の評価が端の露出の観点から可能であることを示している。
2
Application of the modified neutron source multiplication method to the prototype FBR Monju
Truchet, G.*; Van Rooijen, W. F. G.*; 島津 洋一郎*; 山口 勝久
Annals of Nuclear Energy, 51, p.94 - 106, 2013/01
 被引用回数:1 パーセンタイル:76.34(Nuclear Science & Technology)
修正中性子増倍法(MNSM)を高速原型炉「もんじゅ」に適用した。「もんじゅ」の特異性のうちMNSM因子に大きな影響を及ぼす要素は、炉心近傍にカリフォルニウム中性子源があることと、中性子検出器が炉容器外の離れた位置にあること。検出器の計数率の評価では、炉容器から外部の検出器までの伝播計算を実施した。二つの未臨界状態に対して反応度を評価し、2010年の再起動試験データと比較した。MNSM法による反応度計算結果は、他の方法から得られた反応度とよい一致を見た。
3
Efficient computation of Hamiltonian matrix elements between non-orthogonal Slater determinants
宇都野 穣; 清水 則孝*; 大塚 孝治*; 阿部 喬*
Computer Physics Communications, 184(1), p.102 - 108, 2013/01
 被引用回数:7 パーセンタイル:27.01(Computer Science, Interdisciplinary Applications)
原子核物理では、生成座標法など、非直交スレーター行列式間のハミルトニアン行列要素の計算がしばしば必要とされる。本論文では、最新のスカラー型プロセッサにおいてこの行列要素を最も効率的に計算する計算手法を与えた。非直交スレーター行列式間のハミルトニアン行列要素はハミルトニアン行列要素と密度行列がかかわる4重ループの計算に帰着されることが知られている。ハミルトニアン行列要素に多くゼロを含むため、4重ループをそのまま計算すると非常に効率が悪いが、対称性を考慮することで密行列とベクトルの積に帰着されることを示した。さらに、多くの行列要素を同時に求める場合、密行列の積として表されることを導いた。密行列の積に式変形することで、スカラー型計算機の理論性能に近い計算効率が得られることを示し、従来使われていた計算手法の5倍から10倍の計算効率を得た。
4
Phase diagram and equation of state of TiH$$_{2}$$ at high pressures and high temperatures
遠藤 成輝; 齋藤 寛之; 町田 晃彦; 片山 芳則; 青木 勝敏
Journal of Alloys and Compounds, 546, p.270 - 274, 2013/01
 被引用回数:4 パーセンタイル:46.22(Chemistry, Physical)
In the present study, we clearly determined the phase diagram of TiH$$_{2}$$ at high pressures and high temperatures, and were the first to report the equation of state (EoS) of TiH$$_{2}$$ with an fcc phase. Compression induced strain inhibited the phase transition from the low-temperature bct phase to the high-temperature fcc phase, making the phase diagram difficult to determine. Thus, the phase boundary was appropriately determined using a sample which was treated at high temperature to remove strain. The obtained phase boundary was considerably lower than the experimental data reported by Vennila et al (2008). Additionally, we successfully obtained the high temperature Birch-Murnaghan EoS of TiH$$_{2}$$, and reported the thermoelastic parameters of fcc TiH$$_{2}$$.
5
Fabrication of Mach-Zehnder polimer waveguides by a direct-drawing technique using a focus proton beam
三浦 健太*; 佐藤 隆博; 石井 保行; 桐生 弘武*; 小澤 優介*; 江夏 昌志; 高野 勝昌*; 大久保 猛; 山崎 明義; 加田 渉; et al.
Key Engineering Materials, 534, p.158 - 161, 2013/00
We develop a thermo-optic switch of the Mach-Zehnder type polymer waveguide using proton beam writing (PBW). In this study, we succeeded in near field pattern Mach-Zehnder type single mode polymer waveguides at a wavelength of 1550 nm. The samples for the waveguides were composed with a 15-$$mu$$-thick under-cladding layer of SiO$$_2$$ deposited on a Si substrate using radio-frequency sputtering and a 10-$$mu$$m-thick PMMA film spin-coated onto the SiO$$_2$$ layer as a core layer. We wrote Mach-Zehnder type waveguides having a width of 8 $$mu$$m on the PMMA layer by PBW with a beam size of $$sim$$1 $$mu$$m and a beam current of 50 pA. After this writing, the 10-$$mu$$m-thick-PMMA layer was deposited again as an upper-cladding layer by spin-coating. In the observation of these waveguides, the light of laser of 1550-nm wavelength was injected into one side of the waveguide through a single-mode fiber. From the observation of the light emitted from the opposite side of the waveguides, near field patterns was observed using a vidicon camera with an optical microscope. The observation result demonstrated that the light traveled by single mode in the Mach-Zehnder type polymer waveguide. In the conference, we will report the development of the Mach-Zehnder type polymer waveguide in detail. In addition, the thermo-optic switch at the wavelength of 1550 nm by the Mach-Zehnder type polymer waveguide will also be briefly reported.
6
Positron lifetimes and mechanical properties of $$gamma$$-irradiated ultra high molecular weight polyethylene
小林 慶規*; 山脇 正人*; 岡 壽崇; 佐伯 誠一; Mohamed, H.*; 服部 兼久*; 渡邊 吉弘*
Materials Science Forum, 733, p.147 - 150, 2013/00
陽電子消滅寿命測定法は非破壊に材料中の空孔構造を分析可能な手法であり、広く使用されている。しかし、2種類の全く同じ測定用試料を材料から切り出す必要があるため、必ずしも「非破壊」であるといえなかった。そこで、われわれは試料を切り出すことなく、文字通り「非破壊」で陽電子消滅寿命測定を行う手法を開発した。本研究では、新規開発した非破壊陽電子消滅寿命測定法を用いて、$$gamma$$線照射を行った超高分子量ポリエチレンの陽電子寿命と力学特性の関係を調べた。超高分子量ポリエチレン内でのポジトロニウム形成割合は、高密度ポリエチレンや低密度ポリエチレンと同じように、低線量の$$gamma$$線照射によって著しく抑制された。通常、ポリエチレンに打ち込まれた陽電子は、陽電子によって形成されたブロッブ内の電子と対消滅するが、$$gamma$$線を照射した場合、照射によって形成された空隙に陽電子がトラップされてしまうためにポジトロニウムを形成し難くなったと考えられる。また、延伸した超高分子量ポリエチレンの陽電子寿命は破断強度と伸びに相関することが明らかになった。
7
Quantification of fatigue crack propagation of an austenitic stainless steel in mercury embrittlement
直江 崇; 山口 義仁; 二川 正敏
Journal of Nuclear Materials, 431(1-3), p.133 - 139, 2012/12
 被引用回数:5 パーセンタイル:34.94(Materials Science, Multidisciplinary)
液体金属は、その優れた熱伝導特性から原子力材料としての利用が期待されている。しかしながら、液体金属と固体金属の組合せによっては、構造健全性に影響を及ぼす液体金属ぜい化が懸念される。本研究では、核破砕パルス中性子源のターゲット容器構造材として使用されているオーステナイト系ステンレス鋼と、ターゲット材である水銀との組合せについて、切欠き試験片を用いた水銀中疲労試験により調査した。破面解析手法の一つであるFRASTA法と、切欠きの開口変位計測を組合せることにより、水銀浸漬下における疲労き裂進展速度の評価を試みた。その結果、低サイクル疲労領域において、水銀中の疲労き裂進展速度は、大気中の場合と比較して早くなる傾向、すなわち、水銀浸漬によりき裂進展が加速されることを示唆した。
8
Development status of low activation ternary Au-In-Cd alloy decoupler for a MW class spallation neutron source; 1st production of Au-In-Cd alloy
大井 元貴; 勅使河原 誠; 涌井 隆; 西 剛史; 原田 正英; 前川 藤夫; 二川 正敏
Journal of Nuclear Materials, 431(1-3), p.218 - 223, 2012/12
 被引用回数:3 パーセンタイル:51.5(Materials Science, Multidisciplinary)
J-PARCには、1MW核破砕中性子源が建設され、Ag-In-Cd合金がデカップラー材料(中性子吸収材)として使用されている。JSNSはAg-In-Cd合金を採用することで、MW級の核破砕中性子源として1eVのデカップリングエネルギーを実現している。しかしながらAg-In-Cdデカップラーは、中性子特性は優れているが、銀の中性子反応で生成する核種の線量が高いというデメリットがある。この問題を解決するために、Au-In-Cd合金が提案された。本研究では、Au-In-Cd合金を金の融点以下の温度で実際に作成することに成功した。また、作成したAu-In-Cd合金がデカップラーとして使用できることを確認するために、元素分布測定,熱伝達率測定を行った結果について報告する。
9
FEMAXI-7 analysis on behavior of medium and high burnup BWR fuels during base-irradiation and power ramp
扇柳 仁; 塙 悟史; 鈴木 元衛; 永瀬 文久
Nuclear Engineering and Design, 253, p.77 - 85, 2012/12
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
$$sim$$高燃焼度BWR燃料の発電炉ベース照射中及び研究炉出力急昇試験中の照射挙動を、燃料挙動解析コードFEMAXI-7を用いて評価した。ベース照射後のFPガス放出率(FGR)及び出力急昇試験前後の被覆管外径プロファイルの計算値は、照射後試験による実測値とほぼ一致した。出力急昇試験中のFGRに関しては、Turnbullモデルによって得られるFPガスのペレット内拡散係数を100倍にすることで、既存のFGRモデルを用いて燃料中心温度1800$$^{circ}$$CまでのFGRを再現できることがわかった。出力急昇試験前後の被覆管のリッジング変形に関しては、FEMAXI-7の二次元局所PCMI解析により、PIEデータをほぼ再現できた。以上の結果から、FEMAXI-7により、中$$sim$$高燃焼度BWR燃料における複雑な熱的・機械的相互作用を適切に評価できることが示された。
10
Assessment of load-following capability of VHTR cogeneration systems
佐藤 博之; Yan, X.; 橘 幸男; 加藤 之貴*
Annals of Nuclear Energy, 49, p.33 - 40, 2012/11
 被引用回数:5 パーセンタイル:34.94(Nuclear Science & Technology)
特願 2010-199218   特許詳細   公報
本報告では、原子力機構設計の水素・電力コジェネレーション高温ガス炉システムGTHTR300Cを対象に、1次冷却設備圧力制御、タービン入口温度制御及び中間熱交換器交換熱量制御を組合せた電力の負荷変動に追従可能な制御方式を提案した。本制御方式を用いることで、原子炉出力及び発電効率を一定に保ちつつ、炉内構造物への熱応力発生を最小限とする負荷追従運転を可能とした。動特性解析評価を行い、原子炉出力及び発電効率を維持した状態で代表的な負荷変動曲線に対して追従可能であることを明らかにし、本提案の有効性を確認した。
11
Ab initio study on the low-lying potential energy curves of the diatomic cesium iodide cation (CsI$$^{+}$$)
黒崎 譲; 横山 啓一
Computational and Theoretical Chemistry, 999, p.239 - 245, 2012/11
 被引用回数:3 パーセンタイル:86.11(Chemistry, Physical)
Potential energy curves (PECs) for the low-lying states of the diatomic cesium iodide cation (CsI$$^{+}$$) have been calculated using the internally-contracted MRSDCI method with relativistic pseudpotentials. First, we calculate PECs for spin-orbit (SO)-free $$Lambda$$-S states, $$^{2}$$$$Sigma$$$$^{+}$$ and $$^{2}$$$$Pi$$, stemming from the triply degenerate $$^{2}$$P state of I. Then we obtain PECs for SO-included $$Omega$$ states, X3/2, 1/2(I), and 1/2(II), by diagonalizing the matrix of the electronic Hamiltonian plus SO coupling. It is found that all of the three $$Omega$$ state PECs, X3/2, 1/2(I), and 1/2(II), have shallow wells with the depths of 1.4-4.6 kcal mol$$^{-1}$$. It is also predicted that transition dipole moments (TDMs) among these $$Omega$$ states have values of non-negligible amounts around equilibrium internuclear distances and the TDMs can contribute to the optical transition between the states.
12
スリーマイル島2号炉から採取した燃料デブリの試験
永瀬 文久
エネルギーと動力, 62(279), p.1 - 7, 2012/11
福島第一原子力発電所での事故においては、冷却材の喪失と炉心の加熱により燃料が溶融した。溶融した燃料(デブリ)の特性に関する知見は、事故の進捗を解析し損傷した炉心の状況を推定してデブリの取り出し計画を策定するために重要である。デブリに対する広範な試験が、1979年に起こったスリーマイル島2号炉(TMI-2)での事故後に行われた。日本原子力研究開発機構は、OECD/NEAスリーマイル島圧力容器調査計画の一環として試験の一部を担当した。本稿においては、TMI-2デブリ試験計画の概要と得られた主な成果を報告する。
13
Three-dimensional fracture distribution in relation to local cooling in a granitic body; An Example from the Toki granitic pluton, Central Japan
湯口 貴史; 田上 雅彦*; 鶴田 忠彦; 西山 忠男*
Engineering Geology, 149-150, p.35 - 46, 2012/11
 被引用回数:2 パーセンタイル:76.81(Engineering, Geological)
本紙は、中部日本に位置する土岐花崗岩体の割れ目頻度の空間分布を示し、それと岩体中の冷却挙動との関連について評価を行った。19本のボーリング孔のBTV情報から、割れ目頻度の空間分布は2つの傾向を示す。1つは花崗岩体の中心部分で高い頻度を持ち、もう1つは標高が下がるにつれ頻度が減少する。サブソリダス反応組織の発達の程度は、花崗岩体の冷却過程の指標となるパラメータである。隣り合う2つの位置で測定したサブソリダス組織の発達程度の差を、この2点間の距離で割った値を、局所冷却速度と定義する。土岐花崗岩体中のこの局所冷却速度の分布を明らかにしたところ、割れ目頻度の高い領域で大きな局所冷却速度を持つという相関が認められる。この相関は、割れ目の発生が熱歪という概念を通じ局所冷却速度によって説明できることを示す。ゆえに、花崗岩体中の局所冷却速度の3次元パターンを明らかにすることは、割れ目頻度分布を評価する有用な手法である。
14
Benchmark analysis and numerical investigation on probabilistic fracture mechanics analysis codes for NPPs piping
Li, Y.*; 伊藤 裕人*; 小坂部 和也*; 鬼沢 邦雄; 吉村 忍*
International Journal of Pressure Vessels and Piping, 99-100, p.61 - 68, 2012/11
 被引用回数:3 パーセンタイル:52.7(Engineering, Multidisciplinary)
安全上重要な原子炉配管の構造健全性を評価する合理的な手法として、確率論的破壊力学(PFM)が注目されている。国内ではPFM解析手法に基づき、原子力機構ではPASCAL-SPコード、原子力安全基盤機構ではPRAISE-JNESコードがそれぞれ開発されている。本論文では、両コードの解析精度を確認するために、沸騰水型原子力発電所の再循環系配管における応力腐食割れ(SCC)の進展に伴う破損を対象に、破損確率に関するベンチマーク解析を行った。その結果、地震荷重の大きさや非破壊検査の有無等にかかわらず、両コードの解析結果は、十分に一致することを確認した。また、両者の解析結果についての差を定量的に評価するため、相対比較のクライテリアを提案した。
15
原子炉事故情報アーカイブの構築に向けて
中嶋 英充; 池田 貴儀; 米澤 稔; 板橋 慶造; 桐山 恵理子*; 岩田 修一*
情報知識学会誌, 22(4), p.344 - 353, 2012/11
日本原子力研究開発機構(JAEA)図書館では、福島第一原子力発電所事故に関する参考文献情報を収録したウェブサイトを構築し、2011年4月よりインターネットを通じて発信している。発信する情報は毎月更新され、その数は約1万5千件に達している。JAEA図書館では、国及び東京電力のホームページ上に公表された放射線モニタリングデータ、原子炉プラント状況等の情報を収集・整理し、福島原発事故アーカイブとして運用することを検討している。本稿では、JAEA図書館が発信している福島事故参考文献情報の内容を紹介し、併せて福島原発事故アーカイブ構築に関する課題を提起する。
16
Influence of oversized elements (Hf, Zr, Ti and Nb) on the thermal stability of vacancies in type 316L stainless steels
薮内 敦*; 前川 雅樹; 河裾 厚男
Journal of Nuclear Materials, 430(1-3), p.190 - 193, 2012/11
 被引用回数:9 パーセンタイル:23.79(Materials Science, Multidisciplinary)
To reveal the influence of oversized elements on the thermal stability of vacancies in type 316L stainless steels, vacancy recovery processes were investigated by means of positron annihilation spectroscopy. Although vacancies in additive-free 316L stainless steels were mobile at 300$$^{circ}$$C, which is a typical nuclear reactor operating temperature, vacancies in oversized elements doped 316L were stable up to 300 $$sim$$ 350$$^{circ}$$C. This result indicates that oversized elements stabilize vacancies in stainless steels. Stability of vacancies inhibits the radiation-induced grain boundary segregation and may also lead to suppression of high-temperature water stress corrosion cracking that is observed in nuclear materials.
17
Shielding study at the Fukui Prefectural Hospital Proton Therapy Center
佐藤 大樹; 前田 嘉一*; 為重 雄司*; 中島 宏; 柴田 徳思*; 遠藤 章; 津田 修一; 佐々木 誠*; 前川 素一*; 清水 康弘*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(11), p.1097 - 1109, 2012/11
 被引用回数:2 パーセンタイル:63.64(Nuclear Science & Technology)
陽子線がん治療施設における放射線安全設計の健全性及び妥当性を検証するため、福井県立病院陽子線がん治療センターにおいて中性子線量測定を実施し、施設の安全設計に用いた解析モデル及びモンテカルロコードPHITSの計算値と比較した。実験では、治療に用いる235MeV陽子ビームを水平照射室に設置した水ファントムに入射し、前方及び直上方向の遮蔽壁後方で中性子モニタDARWIN, Wendi-2及びレムメータを用いて中性子線量を測定した。また、照射室と入り口とをつなぐ迷路に固体飛跡検出器を配置し、迷路中の中性子線量分布を取得した。本研究により、国内の陽子線がん治療施設の設計に広く使われてきた解析モデルとパラメータセットによって、十分な安全裕度を持つ施設設計が可能であることを実験的に明らかにした。また、モンテカルロコードを利用することで、複雑な構造下で複数の線源から飛来する中性子の線量を、適切に評価できることを示した。この成果は、今後建設される陽子線がん治療施設における安全設計の最適化に、大きく寄与すると期待される。
18
Infinite multiplication factor of low-enriched UO$$_2$$-concrete system
井澤 一彦; 内田 有里子; 大久保 清志; 戸塚 真義; 曽野 浩樹; 外池 幸太郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(11), p.1043 - 1047, 2012/11
 被引用回数:4 パーセンタイル:42(Nuclear Science & Technology)
福島第一原子力発電所事故のような軽水炉の過酷事故においては、溶融炉心-コンクリート反応(MCCI)により、核燃料とコンクリートが混合した燃料デブリが生成される可能性がある。このような燃料デブリを取り扱う際の臨界管理の必要性を確認するため、低濃縮二酸化ウランとコンクリートを混合した体系の無限増倍率を解析した。解析の結果、二酸化ウランとコンクリートの混合物の無限増倍率が1を超える条件が存在し、臨界となる可能性が示された。本報告では、コンクリートが有効な減速材であり、UO$$_2$$-コンクリート系の未臨界性を確保するためにはさらなる検討が必要であることを示す。
19
診断と治療が同時に可能な複合型光ファイバー内視鏡システム
岡 潔; 関 健史; 赤津 朋宏
光学, 41(11), p.576 - 578, 2012/11
原子力機構において技術開発を進めてきた複合型光ファイバーは、高エネルギーと映像情報の両方を扱うことができる特殊なファイバーである。この複合型光ファイバーは、核融合炉及び大型原子力施設における保守保全技術開発に役立つ特殊ツールとして誕生した。原子炉内部の燃料集合体や熱交換器の伝熱配管など、本ファイバーが役立つ狭隘箇所は数多くある。本技術は汎用性が高いため、現在では、種々の計測機器と統合された診断治療機器として医療分野への応用を積極的に推進中である。本報では、複合型光ファイバーの基本構造及び医療分野への応用例について紹介する。特に、複合型光ファイバーを利用した胎児外科治療装置の開発について述べるとともに、産婦人科への応用として、子宮がん治療への適用の試みについて紹介する。
20
Magnetization reversal in TmCrO$$_{3}$$
吉井 賢資
Materials Research Bulletin, 47(11), p.3243 - 3248, 2012/11
 被引用回数:29 パーセンタイル:15.12(Materials Science, Multidisciplinary)
ペロブスカイトTmCrO$$_{3}$$が2つの温度で磁化反転することを報告する。磁化の温度変化測定から、28Kでの反転はTmとCrモーメントの逆向きの結合により、低温6-7Kでの反転は磁気モーメントの回転によると考えた。磁気熱量効果の測定からは、4-5Jkg$$^{-1}$$K$$^{-1}$$程度の比較的大きなエントロピーの変化が見られた。ヒステリシスループが小さいことから、熱損失が小さく、よって磁気冷凍に有利な系であることがわかった。また、28Kでの磁化反転では、交換バイアス効果類似のヒステリシスループのずれが見られたが、トレーニング効果が見られないことから、これは交換バイアスでなく磁気異方性によると考えた。さらに、2つの温度での磁化反転は、特徴的な磁化のスイッチングを可能とすることを提案する。例えば、外部磁場を反転することなく磁化が反転できる。
21
Effects of local toroidal field ripple due to test blanket modules for ITER on radial transport of thermal ions
大山 直幸; 浦野 創; 篠原 孝司; 本多 充; 滝塚 知典; 林 伸彦; 鎌田 裕; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 52(11), p.114013_1 - 114013_9, 2012/11
 被引用回数:3 パーセンタイル:70.42(Physics, Fluids & Plasmas)
ITERのテストブランケットモジュール(TBM)に起因する局所トロイダル磁場リップルが熱化イオンの径方向輸送に与える影響を完全3次元磁場起動追跡モンテカルロコード(F3D-OFMC)を使って調べた。ITERプラズマ条件下でのシミュレーションの結果、TBMの個数を増加すると、TBMに起因する局所トロイダル磁場リップルによる粒子損失が線形に増加することがわかった。一方、1つのTBMポートにおける局所磁場リップルの値を増加させた場合、粒子損失の増加はとても急であった。粒子損失量の比較から、ITERプラズマ条件であるTBMポート三か所は、1つのTBMポートのリップル率を1.7倍に増加したことに対応する。
22
Numerical analysis of key factors for the appearance of grassy ELMs in tokamak plasmas
相羽 信行; 大山 直幸
Nuclear Fusion, 52(11), p.114002_1 - 114002_8, 2012/11
 被引用回数:8 パーセンタイル:38.31(Physics, Fluids & Plasmas)
運動論効果による安定性の変化を簡易的に取り入れたモデルを考案し、これを用いてトカマクプラズマにおける小振幅エッジローカライズモード(ELM)の一つであるgrassy ELMの発生条件に関する数値解析を行った。その結果、プラズマの圧縮性及び電子の反磁性ドリフト効果を考慮することで、これまでのELM安定性に対する運動論効果として想定されていた、イオン反磁性ドリフト効果による安定化がキャンセルされる場合があることを示し、これにより小振幅ELMの安定限界が理想バルーニングモードの安定限界に近づくことを明らかにした。この傾向は、JT-60U装置におけるgrassy ELMの運転領域とバルーニングモードの安定限界が近接していることと併せて、grassy ELMの原因がバルーニングモードをベースとしたプラズマ周辺領域に局在した短波長の電磁的不安定性であることを示している。
23
Energy confinement of hydrogen and deuterium H-mode plasmas in JT-60U
浦野 創; 滝塚 知典*; 藤田 隆明; 鎌田 裕; 仲野 友英; 大山 直幸; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 52(11), p.114021_1 - 114021_10, 2012/11
 被引用回数:3 パーセンタイル:70.42(Physics, Fluids & Plasmas)
軽・重水素Hモードプラズマのエネルギー閉じ込め特性を調べた。同一加熱パワー条件下において、重水素の蓄積エネルギーは軽水素の約1.7-2.0倍であった。同一の蓄積エネルギーでは、軽水素で必要なパワーは重水素の約1.7倍であり、同一の電子密度,電子温度,イオン温度の空間分布が得られた。セパラトリクスを通過するパワーを一定にすると、軽水素のELM周波数は重水素の約2倍であった。また、重水素のペデスタル圧力は軽水素の約2倍であり、特に周辺温度の増加によるものである。ペデスタル圧力は全ポロイダルベータに比例する関係が得られ、これは同位体の種類に依存しないことがわかった。
24
Analytical approach to evaluate coupling impedances of traveling kicker magnets
菖蒲田 義博; 入江 吉郎*; 外山 毅*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 691, p.135 - 151, 2012/11
 被引用回数:2 パーセンタイル:63.64(Instruments & Instrumentation)
There are well-known formulae of coupling impedances for the matched-traveling wave kicker, which do not satisfy the Hilbert transformations. In this paper, we develop a new theory to describe kicker impedances that satisfy the causality condition, especially in low frequency region. Three-dimensional simulation and wire-measurements of the impedances are done by using the real kicker. The theoretical, simulation and measurement results are almost consistent, not only for the longitudinal, but also for the horizontal impedance.
25
Benchmarks of the full configuration interaction, Monte Carlo shell model, and no-core full configuration methods
阿部 喬*; Maris, P.*; 大塚 孝治*; 清水 則孝*; 宇都野 穣; Vary, J. P.*
Physical Review C, 86(5), p.054301_1 - 054301_18, 2012/11
 被引用回数:32 パーセンタイル:6.32(Physics, Nuclear)
核子間の相互作用として正の相互作用を用いた核構造計算は第一原理計算と呼ばれるが、その中でも一粒子状態を非常に数多くの調和振動子波動関数で展開した殻模型的手法は有力な手法として知られている。本論文では、殻模型的手法のうち、完全配位相互作用計算(FCI),モンテカルロ殻模型計算(MCSM),無芯殻模型計算(NCSM)の3手法を多体計算手法の観点から比較した。FCIは、与えられた一粒子空間内すべての多体状態を取り入れるもので、計算が可能ならば最も正確な値を出す方法である。しかし、4主殻取り入れた場合、炭素12など核子数が多い系のFCI計算は現段階では不可能である。NCSMは、多体状態の調和振動子量子数で制限をかける計算であり、多くの一粒子状態数を取り入れることはできるが、多粒子多空孔状態の記述に難がある。一方、MCSMは、FCI計算可能な系ではFCIとほとんど同じエネルギー値を与え、それが不可能な系においても計算可能なことが示され、今後非常に有力となる手法であることがわかった。
26
Mechanism of antioxidant interaction on polymer oxidation by thermal and radiation ageing
瀬口 忠男*; 田村 清俊; 島田 明彦; 杉本 雅樹; 工藤 久明*
Radiation Physics and Chemistry, 81(11), p.1747 - 1751, 2012/11
 被引用回数:10 パーセンタイル:14.44(Chemistry, Physical)
放射線環境に敷設されたケーブルの絶縁材(架橋ポリエチレンなどのポリマーでできている。)の熱,放射線による酸化劣化の反応機構を解明するために、ポリマーに添加された酸化防止剤の作用機構を調べた。従来、ポリマーの酸化反応は、ポリマーから生成したラジカルが別のポリマーと反応して酸化生成物を作るとともに、ラジカルが新たに生成して酸化反応を連鎖的に進行させると考えられてきた。酸化防止剤の働きは、このラジカルを失活させることであると考えられてきたが、この考え方が正しければ、酸化防止剤は熱劣化に対してだけでなく放射線劣化に対しても効果を発揮するはずである。しかしながら本研究の結果、酸化防止剤は熱劣化に対してのみ顕著な効果を発揮することがわかった。この事実は、ポリマーの酸化反応が連鎖的に進行するという従来の定説を覆すものである。酸化防止剤の作用は、ラジカルを失活させることではなく、ラジカルのエネルギーの一部を別の分子に移動させ、熱酸化によるラジカル生成を抑制することであると考えられる。
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Lung dosimetry of inhaled radon progeny in mice
迫田 晃弘; 石森 有; 深尾 光佑*; 山岡 聖典*; 片岡 隆浩*; 光延 文裕*
Radiation and Environmental Biophysics, 51(4), p.425 - 442, 2012/11
 被引用回数:4 パーセンタイル:51.96(Biology)
ラドン子孫核種への曝露に対する生体応答が動物実験で検討されてきたが、マウスの肺の吸収線量は評価例がない。本研究では、マウスにおける吸入ラドン子孫核種の肺線量を評価した。すなわち、粒子の気道沈着,除去、及びターゲット組織へのアルファ線の沈着エネルギー割合を体系的に計算した。参考のため、ラットとヒトに対しても同様に行った。まず、気管支,気管支,胞領域,全肺について、平衡等価ラドン濃度1Bq m$$^{-3}$$(平衡係数0.4、非付着成分比0.01)の下で、単分散ラドン粒子径に対する吸収線量を評価した。この結果に基づき、(1)標準的な鉱山環境、及び(2)先行動物実験の曝露条件における吸収線量を求めた。鉱山環境におけるマウス,ラット,ヒトの全肺の線量は34.8, 20.7, 10.7nGy(Bq m$$^{-3}$$)$$^{-1}$$h$$^{-1}$$、同様に動物実験条件においては16.9, 9.9, 6.5nGy(Bq m$$^{-3}$$)$$^{-1}$$h$$^{-1}$$であった。両曝露条件において、マウスの数値はラットの約2倍、ヒトの約3倍であった。ラットとヒトの数値を文献値と比較すると、許容範囲内で一致しており、本研究でマウスに適用したモデルが妥当であると示唆された。今後は、マウスへの適用モデルをより高度化し、解剖学的・生理学的・環境パラメータが線量へ及ぼす影響を検討することが望まれる。
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Effective dose conversion coefficients for radionuclides exponentially distributed in the ground
斎藤 公明; 石榑 信人*; Petoussi-Henss, N.*; Schlattl, H.*
Radiation and Environmental Biophysics, 51(4), p.411 - 423, 2012/11
 被引用回数:7 パーセンタイル:41.53(Biology)
In order to provide fundamental data required for dose evaluation due to environmental exposures, effective dose conversion coefficients were calculated for a number of potentially important radionuclides, assuming exponential distribution in ground, over a wide range of relaxation depths. The conversion coefficients were calculated for adults and a new-born baby on the basis of dosimetric methods that the authors and related researchers have previously developed, using Monte Carlo simulations and anthropomorphic computational phantoms. The differences in effective dose conversion coefficients due to body size between the adult and the baby were found to lie within 50%, for most cases. It was shown that the implementation into the computation of the tissue weighting factors and the adult reference computational phantoms of ICRP Publication 103 does not significantly influence the effective dose conversion coefficients of the environment.
29
Time-evolution of thermal oxidation on high-index silicon surfaces; Real-time photoemission spectroscopic study with synchrotron radiation
大野 真也*; 井上 慧*; 森本 真弘*; 新江 定憲*; 豊島 弘明*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 尾形 祥一*; 安田 哲二*; 田中 正俊*
Surface Science, 606(21-22), p.1685 - 1692, 2012/11
 被引用回数:6 パーセンタイル:54.7(Chemistry, Physical)
The initial oxidation on high-index silicon surfaces with (113) and (120) orientations at 820 K has been investigated by real-time X-ray photoemission spectroscopy (Si 2p and O 1s) using 687 eV photons. The time evolutions of the Si$$^{n+}$$ (n=1-4) components in the Si 2p spectrum indicate that the Si$$^{2+}$$ state is suppressed on high-index surfaces compared with Si(001). The O 1s state consists of two components, a low-binding-energy component (LBC) and a high-binding-energy component (HBC). It is suggested that the O atom in strained Si-O-Si contributes to the LBC component. The reaction rates are slower on high-index surfaces compared with that on Si(001).
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Efficient arsenic(V) removal from water by ligand exchange fibrous adsorbent
Awual, M. R.; Shenashen, M. A.*; 矢板 毅; 塩飽 秀啓; 城 昭典*
Water Research, 46(17), p.5541 - 5550, 2012/11
 被引用回数:56 パーセンタイル:1.12(Engineering, Environmental)
This study is an efficient arsenic(V) removal from contaminated waters used as drinking water in adsorption process by zirconium(IV) loaded ligand exchange fibrous adsorbent. The bifunctional fiber was synthesised by graft polymerization of chloromethylstyrene onto polyethylene coated polypropylene fiber by means of electron irradiation technique. The adsorption efficiency of ligand exchange adsorbent was evaluated in several parameters such as competing ions pH, flow rate, and high feed flow rate for removal process of trace concentration arsenic(V).
31
Radiation transport calculations for cosmic radiation
遠藤 章; 佐藤 達彦
Annals of the ICRP, 41(3-4), p.142 - 153, 2012/10
宇宙船の内部には、宇宙起源の一次放射線とそれが宇宙船の壁,機器等と相互作用した結果発生するさまざまな二次放射線が混在している。宇宙飛行士の体内の放射線場は、身体の自己遮へいや宇宙線が体内で引き起こす原子核反応により、体外の放射線場とは異なる。物質中における陽子,高エネルギー重イオン、また、それらが原子や原子核との相互作用により生成する二次放射線の輸送をシミュレーションするさまざまな計算コードが、これまでに開発されてきた。これらのコードは、宇宙船や宇宙基地の遮へい計算,放射線検出器の応答評価,臓器線量の解析等、宇宙における放射線防護に利用されている。本発表では、宇宙線の輸送計算に使われる手法と計算コードに焦点をあて、それらを用いた宇宙船内の放射線場の解析,臓器線量や線質係数の評価,ICRPのリファレンスファントムを用いた線量換算係数の計算についてレビューする。
32
放射性廃液のアスファルト固化体中$$^{129}$$IのICP-MSを用いる簡易分析法
亀尾 裕; 石森 健一郎; 島田 亜佐子; 高橋 邦明
分析化学, 61(10), p.845 - 849, 2012/10
低レベル放射性廃液をアスファルトにより固化した廃棄物(アスファルト固化体)試料に含まれる$$^{129}$$Iを迅速に分析できる手法を開発した。アスファルト固化体試料は、0.02g程度の小片に切断して、炭酸ナトリウムとともに電気炉で加熱することにより、$$^{129}$$Iを揮発させることなく、分解することができた。分解後の試料からの$$^{129}$$Iの回収は、固相抽出ディスクを用いて迅速に行い、このときの回収率は60-70%であった。$$^{129}$$Iの測定は、反応セルを有したICP-MSにより行うことで、通常のICP-MS測定に比べ、検出限界を1/6程度に低減できた。放射能標準溶液の$$^{129}$$Iを添加したアスファルト固化体試料を本法により分析したところ、$$^{129}$$Iの添加量と分析値との差は6%以内であり、精度よく分析できることがわかった。
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Study on the oxygen adsorption property of nitrogen-containing metal-free carbon-based cathode catalysts for oxygen reduction reaction
木内 久雄*; 丹羽 秀治*; 小林 正起*; 原田 慈久*; 尾嶋 正治*; 畳開 真之*; 難波江 裕太*; 黒木 重樹*; 柿本 雅明*; 池田 隆司; et al.
Electrochimica Acta, 82(1), p.291 - 295, 2012/10
 被引用回数:9 パーセンタイル:53.22(Electrochemistry)
含窒素ポリアミド(PA)と窒素を含まないフェノール樹脂(PhRs)由来の金属を含まない炭素触媒への酸素吸着特性を調べた。電気化学分析及びラマン分光からPA由来の炭素触媒はPhRs由来の物よりもより高い2電子酸素還元活性を示し、またより多くの欠陥を含むことがわかった。${it In-situ}$X線光電子分光からグラファイト状窒素が酸素吸着に寄与しPA由来の触媒ではC=Oが主な成分であることがわかった。これらの実験結果はグラファイト状窒素の近傍に吸着したC=O成分が2電子酸素還元の活性点であることを示唆している。
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放射性物質の除染技術について
川瀬 啓一
粉体技術, 4(10), p.971 - 980, 2012/10
放射性物質の除染について、除染対象物ごとの主な除染方法や注意点など、福島での経験を踏まえて粉体技術に関連する部分に注目して、幅広い層に理解していただけるようわかりやすく解説する。
35
呼吸追随型電動ファン付全面マスクの防護性能試験
中川 雅博; 野嶋 峻; 藤井 克年; 宍戸 宣仁; 酒井 俊也; 梅原 隆; 清水 勇
保健物理, 47(3), p.189 - 193, 2012/10
内部被ばくを防護する手段として防塵マスク等の呼吸用保護具の着用がある。呼吸用保護具の一種として、電動ファン付呼吸用保護具があるが、近年では、着用時の呼吸を補助し、バッテリーやフィルタの消耗を抑える呼吸追随型電動ファン付全面マスクが開発されている。本試験では、呼吸追随型電動ファン付全面マスクについて、マンテスト装置を用いて防護性能試験を行い、ファンのない全面マスクと比較するとともに放射線作業において使用する際の着用基準となる防護係数の算出を行った。測定終了後にはマスク着用時の作業者の負担に関するアンケート調査を行った。試験の結果、呼吸追随型電動ファン付全面マスクはファンのない全面マスクと比較して安定した防護性能を維持でき、着用基準として防護係数2000以上の設定が可能であることが確認できた。また、アンケート調査により着用時の作業者の負担軽減が確認できた。
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Applying vegetation indices to detect high water table zones in humid warm-temperate regions using satellite remote sensing
小出 馨; 小池 克明*
International Journal of Applied Earth Observation and Geoinformation, 19, p.88 - 103, 2012/10
 被引用回数:3 パーセンタイル:76.62(Remote Sensing)
本研究は、広域スケールにおける地質構造の水理学的特性評価にかかわる方法論の開発の一環として、従来困難とされてきたリモートセンシングによる温暖湿潤地域の森林地帯における高地下水面地区の抽出について、植生情報に基づく新たな検出方法を提案した。高地下水面によって引き起こされる植生状態の差異を検出するため、新しい植生指標(AgbNDVI)と対象エリアの地理学的特性に基づくセグメント解析を考案した。手法の妥当性を検証するため、岐阜県東濃地域の約5km四方の森林域の衛星データ(SPOT)を用いて本手法を適用した。その結果、抽出された高植生指標地点は、地下水流出が発生しやすい斜面傾斜変換点や地質境界付近、確認されている湧水点の近傍や地下水面の高い部分に分布していることが確認された。したがって、高植生指標地点は、地下水流出点や高地下水面地区の重要な指標となることから、本研究で提案した植生指標(AgbNDVI)及び高植生指標地点抽出手法は、温暖湿潤地域における地質構造の水理学的特性や地下水流出域の推定にとって有効な方法と考えられる。
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Energy requirement of HI separation from HI-I$$_{2}$$-H$$_{2}$$O mixture using electro-electrodialysis and distillation
Guo, H.*; 笠原 清司; 田中 伸幸; 小貫 薫
International Journal of Hydrogen Energy, 37(19), p.13971 - 13982, 2012/10
 被引用回数:7 パーセンタイル:61.37(Chemistry, Physical)
熱化学水素製造法ISプロセスにとって、HI-I$$_{2}$$-H$$_{2}$$O混合溶液からのHIの分離工程の所要熱がプロセス全体の熱効率に大きく影響する。電解電気透析(EED)と蒸留を用いたHI-I$$_{2}$$-H$$_{2}$$O混合溶液からのHI分離工程のシミュレーションを行い、EEDにおける理想的な分離膜とNafion膜の実験値を用いた現実的な分離膜の場合での所要熱評価を行った。操作パラメータとして、蒸留塔内圧,蒸留塔フィード内HI濃度,蒸留塔流出量に対する工程入口流量の比を検討した。理想的分離膜の場合、低圧,高フィードHI濃度が望ましかったのに対し、Nafion膜の場合、塔内圧は1.0MPaで十分で、フィードHI濃度は最適化を行うことが望まれた。流量比に関しては、理想的分離膜の場合その影響は小さかったが、Nafion膜の場合、到達しうる最小値付近に所要熱の最小値があった。これらの操作条件の最適化によって、Nafion膜の場合、所要熱は3.07$$times$$10$$^{5}$$ J/mol-HIとなり、理想的分離膜の所要熱はその12.5%となった。
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Design evaluation method of steel-plate reinforced concrete structure containment vessel for sodium-cooled fast reactor
山本 智彦; 加藤 篤志; 近澤 佳隆; 根岸 和生
Journal of Disaster Research, 7(5), p.645 - 655, 2012/10
ナトリウム冷却高速炉JSFRでは、格納容器に新しい概念である鋼板コンクリート構造の採用を計画している。鋼板コンクリート格納容器(SCCV)は従来のRC工法に比べ、現地での配筋作業を削減できるため建設工期を短縮することが可能である。万が一冷却材が格納容器内に漏えいする事故が生じた場合、雰囲気圧力は軽水炉より低圧であるが雰囲気温度が高温になる。そこで、事故時に格納容器の機能が維持され、JSFRにSCCVが適用できるか検討するために高温下での特性を把握する必要がある。本論文では、SCCVにおける設計評価手法の構築について、設計・実験・解析の観点から述べたものである。
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Atmospheric discharge and dispersion of radionuclides during the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident, 2; Verification of the source term and analysis of regional-scale atmospheric dispersion
寺田 宏明; 堅田 元喜; 茅野 政道; 永井 晴康
Journal of Environmental Radioactivity, 112, p.141 - 154, 2012/10
 被引用回数:106 パーセンタイル:0.8(Environmental Sciences)
原子力機構で開発した緊急時大気拡散予測システムWSPEEDI-IIを用いた東日本域大気拡散シミュレーションにより、福島第一原発事故により2011年3月12日から4月30日に放出された$$^{131}$$Iと$$^{137}$$Csの放出率推定値の検証と大気拡散解析を行った。これまでの研究で推定された放出率を日及び月間降下量の測定値をもとに修正した。これを用いた日降下量の計算結果は測定値とおよそファクター10以内の誤差で一致し、陸上に拡散した期間の放出率が妥当であることを確認した。大気拡散解析の結果、現在の$$^{137}$$Cs沈着量分布の大部分は3月12日, 15$$sim$$16日, 20日, 21$$sim$$23日の4つのイベントにより形成されたことが示唆された。全沈着量に対する湿性沈着量の比はそれぞれの沈着イベントの影響により大きく変動していた。
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Flow visualization and frequency characteristics of velocity fluctuations of complex turbulent flow in a short elbow piping under high Reynolds number condition
高村 宏行*; 江原 真司*; 橋爪 秀利*; 相澤 康介; 山野 秀将
Journal of Fluids Engineering, 134(10), p.101201_1 - 101201_8, 2012/10
 被引用回数:2 パーセンタイル:70.73(Engineering, Mechanical)
二次元PIVを用いて、JSFRコールドレグ配管の1/7縮尺である一段ショートエルボ配管の流動可視化実験が行われた。その目的は、高レイノルズ数での流速変動の周波数特性やエルボ腹側に現れる流動剥離に関連する微細流動場を調べことである。レイノルズ数を変えても、St=0.5の周期的な動きが剥離近傍で現れた。
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Synthesis of copolymer grafts containing sulfoalkyl and hydrophilic groups in polymer electrolyte membranes
榎本 一之; 高橋 周一; Rohani, R.; 前川 康成
Journal of Membrane Science, 415-416, p.36 - 41, 2012/10
 被引用回数:9 パーセンタイル:42.24(Engineering, Chemical)
特願 2009-022352*   公報
次世代燃料電池に不可欠な高温低加湿下でも高イオン伝導性と機械強度を併せ持つグラフト型電解質膜の合成を目的に、イオン伝導を担うスルホン酸と低加湿下での保水性が期待できる親水性水酸基を有するアルキルグラフト鎖を導入した電解質膜を作製し、その導電率の相対湿度依存性を評価した。VAcモノマーのETFE基材への放射線グラフト重合とその鹸化反応により得られたグラフト鎖の水酸基の1,3-プロパンスルトンへの求核開環付加反応で、スルホン化率が39%で目的のグラフト型電解質膜が得られた。同じイオン交換容量(IEC)のグラフト型電解質膜について、低加湿下(30%RH, 80$$^{circ}$$C)での導電率を比較したところ、これまで報告してきた従来型のポリスチレンスルホン酸電解質膜を凌ぐ1.2$$times$$10$$^{3}$$ S/cmを示した。さらに、ナフィオンや芳香族炭化水素電解質膜の機械強度を凌ぐことから、水酸基を有するグラフト型電解質膜は、低膨潤(機械強度)を維持したまま、低加湿下での高導電性を実現することを明らかにした。
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Study on the mechanism of diametral cladding strain and mixed-oxide fuel element breaching in slow-ramp extended overpower transients
上羽 智之; 前田 誠一郎; 水野 朋保; Teague, M. C.*
Journal of Nuclear Materials, 429(1-3), p.149 - 158, 2012/10
 被引用回数:1 パーセンタイル:78.54(Materials Science, Multidisciplinary)
米国EBR-II炉において70-90%の過出力試験を実施した混合酸化物燃料ピンについて、燃料/被覆管機械的相互作用(FCMI)による被覆管外径歪みを評価した。評価では、過出力時の被覆管歪み増分(過渡歪み)を、被覆管材料強度式に基づき累積損傷和(CDF)と関連させた。破損が生じた低強度被覆管の高スミア密度中実燃料ピンでは、CDFが破損目安の1.0に近づいたときに、被覆管の熱クリープ歪みが3次クリープにより急速に増加し、過渡歪みの約半分を占めると評価された。一方、低スミア密度中空燃料ピンでは、FCMIが顕著に緩和されたために過渡歪みがほとんど生じなかったと解釈できた。この中空燃料ピンではCDFが過出力試験末期で0.01と小さく、破損に対して十分な裕度を持つことが示された。高スミア密度の中実燃料ピンにおいても、高強度の被覆管と組合せた場合は、過出力時にも十分な破損裕度が確保されることが示された。
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Measurement and analysis of reflector reactivity worth by replacing stainless steel with zirconium at the fast critical assembly (FCA)
福島 昌宏; 北村 康則; 安藤 真樹; 久語 輝彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(10), p.961 - 965, 2012/10
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
Zirconium alloy instead of stainless steel (SS) has been considered as an effective reflector to improve the neutron economy in the experimental fast reactor JOYO. The aim of the present study is to demonstrate the effectiveness of the zirconium (Zr) reflector compared with the SS reflector in a fast reactor core. The FCA-XXVIII-1(3) core was built at the fast critical facility (FCA) and the reflector reactivity worth was measured by replacing SS with Zr at the peripheral region of the core. The experimental result of the positive reflector reactivity worth demonstrates the effectiveness of the Zr reflector compared with the SS reflector in the fast reactor core. This paper also focuses on the validation of standard calculation methods used for fast reactors with JENDL-4.0. As a result, it is confirmed that the standard calculation methods for the reflector reactivity worth show agreement within the experimental error.
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New result in the production and decay of an isotope, $$^{278}$$113 of the 113th element
森田 浩介*; 森本 幸司*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 大関 和貴*; 工藤 祐生*; 住田 貴之*; 若林 泰夫*; 米田 晃*; 田中 謙伍*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(10), p.103201_1 - 103201_4, 2012/10
 被引用回数:76 パーセンタイル:2.35(Physics, Multidisciplinary)
113番元素である$$^{278}$$113を$$^{209}$$Bi標的に$$^{70}$$Znビームを照射する実験により合成した。観測したのは6連鎖の$$alpha$$崩壊で、そのうち連鎖の5番目と6番目は既知である$$^{262}$$Db及び$$^{258}$$Lrの崩壊エネルギーと崩壊時間と非常によく一致した。この意味するところは、その連鎖を構成する核種が$$^{278}$$113, $$^{274}$$Rg (Z=111), $$^{270}$$Mt (Z=109), $$^{266}$$Bh (Z=107), $$^{262}$$Db (Z=105)及び$$^{258}$$Lr (Z=103)であることを示している。本結果と2004年, 2007年に報告した結果と併せて、113番元素である$$^{278}$$113を曖昧さなく生成・同定したことを強く結論付ける結果となった。
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Interference pattern formation between bound solitons and radiation in momentum space; Possible detection of radiation from bound solitons with Bose-Einstein condensate of neutral atoms
藤嶋 浩史*; 奥村 雅彦; 峰 真如*; 矢嶋 徹*
Journal of the Physical Society of Japan, 81(10), p.104003_1 - 104003_7, 2012/10
 被引用回数:1 パーセンタイル:83.98(Physics, Multidisciplinary)
原子物理学分野の最新の進展として、原子ガス集団をレーザー冷却することでボース・アインシュタイン凝縮を起こすことが見いだされており、その凝縮状態を制御することで原子レーザーへの応用等が提案され、多くの研究者の注目を受けている。本論文発表では、上記凝縮体に着目し、得られた研究成果を発表する。具体的な成果は以下の通りである。1次元凝縮系では、ソリトンが安定な存在形態であることが知られているが、そこからずれた初期状態を時間発展させた場合には、「輻射」と呼ばれる微小成分を放出して、最終的にソリトンになることが示唆されている。しかし、これまでこの輻射現象は実験で確認されていない。その理由の一つは、放出される輻射の振幅が小さすぎて観測が大変困難だからである。われわれは、ソリトンと輻射が波動であることに注目し、実空間での輻射自体の観測が難しい場合でも、輻射とソリトンの束縛状態との運動量空間での干渉が観測可能であることを示した。特に、中性原子気体のボース・アインシュタイン凝縮では、運動量分布が主な観測量となるため、運動量空間での干渉はこの系において容易に観測されることが期待される。また、本系において、この干渉を観測するための実験パラメータについても示した。
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超臨界フレオンによる非加熱並行流路内流体混合特性に関する数値解析的研究
北村 竜明*; 坂本 健作; 高瀬 和之
可視化情報学会誌, 32(Suppl.2), p.239 - 240, 2012/10
超臨界圧水冷却炉の熱設計を行ううえで、超臨界流体の伝熱流動を正確に把握できる解析手法の整備が重要である。臨界圧力よりも高い超臨界圧の状態では、温度の上昇に伴って流体の密度は連続的に減少する。しかも、任意の温度に対して密度変化の急な領域が存在し、その領域で流体の定圧比熱は極大値を示す。このような超臨界流体の特性を正確に予測するために、超臨界圧条件を模擬する流体熱物性値を導入した熱流動解析コードの開発を行っており、これまでに乱流モデルや並列計算手法の検討を行っている。本報では燃料集合体内の乱流混合に着目し、予備解析を行った結果について述べる。
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角度分散法中性子回折集合組織測定技術環境の構築と応用
徐 平光; 秋田 貢一; 鈴木 裕士; 盛合 敦
軽金属学会平成24年度第2回加工と熱処理による優先方位制御研究部会公開講演会資料, p.19 - 20, 2012/10
Though the X-ray diffraction and the electron backscattering diffraction are usually used in the texture evaluation, the neutron diffraction can directly measure the bulk textures of various materials and provide high statistical texture information for predicting the material anisotropic property thanks to the large beam spot and the high matter penetrability, and it can also help to clarify the in situ microstructure evolution under various loading/temperature environments. According to the difference in neutron beam sources, the neutron diffractometers are generally divided into the nuclear reactor-based angle-dispersive instruments and the spallation source-based time-of-flight instruments. At the Japan Research Reactor No.3 and the Japan Proton Accelerator Research Complex, the angle dispersive neutron diffractometers and the time-of-flight neutron diffractometers provide us the possibility to develop and apply the bulk texture evaluation technique to study metallic, ceramic, polymeric, and geologic crystallographic materials. In this presentation, the characteristics of single-tube and 1-demisional position- sensitive-detector angle dispersive neutron diffractometer was simply introduced and its application on the bulk texture evaluation of a magnesium alloy before and after warm press deformation is reported.
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中性子回折による低合金鋼拡散相変態の結晶学的考察
徐 平光; 友田 陽*; Vogel, S. C.*
軽金属学会平成24年度第2回加工と熱処理による優先方位制御研究部会公開講演会資料, p.21 - 22, 2012/10
フェライトからオーステナイトを経由して再びフェライトへの低合金鋼拡散変態において、加熱前のフェライト集合組織と冷却終了後のフェライト集合組織の間でよく観察された集合組織の記憶現象はバリアント選択則を用いて検討されてきた。しかし、拡散相変態の中間過程のその場観察例はなく、バリアント選択メカニズムにはまだ不明な点がある。本研究ではSIRIUS中性子回折装置を用い、段階的な加熱と冷却中の低合金マルテンサイト鋼のオーステナイト変態,フェライト変態及び熱膨張過程をその場で観察した。また、HIPPO中性子回折装置を用い、冷間圧縮した低合金鋼の拡散変態中の変態集合組織の変化をその場で測定した。段階的な加熱・冷却中に、低合金マルテンサイト鋼は2相域の格子常数が線形膨張直線より偏倚することから内部応力の存在を確認した。これはフェライトからオーステナイトを経由して再びフェライトへの拡散変態の集合組織記憶効果に関連すると考えられる。
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放射性廃棄物処理用ガラス; さらなる性能向上を目指した開発
都築 達也*; 三田村 直樹*; 天本 一平
未来材料, 12(10), p.43 - 47, 2012/10
ガラスは、他の材料にはみられないさまざまな特性があるので、工業界において幅広く活用されている。原子力の分野でも、ホウケイ酸塩ガラスが高レベル放射性廃棄物の安定化処理に用いられている。一方、これまで乾式再処理工程から排出される高レベル放射性廃棄物の固化媒体として検討を行ってきた鉄リン酸塩ガラスにも多様な放射性廃棄物の安定化処理に利用できる可能性があり、今後の活用に期待できることがわかった。
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第一原理計算で探るコヒーレントフォノンの生成機構
篠原 康*; 乙部 智仁; 岩田 潤一*; 矢花 一浩*
日本物理学会誌, 67(10), p.685 - 689, 2012/10
コヒーレントフォノンは、フォノンの振動周期よりも短いパルスレーザー光を固体に照射することで生じる、マクロな空間スケールで位相のそろった原子の振動運動であり、その生成機構に関して幾つかのモデルが提案されてきた。著者らは、パルス光の照射による固体中に生じるフェムト秒スケールの電子と原子核の量子ダイナミクスを時間依存密度汎関数理論に基づき非経験的に記述する計算法を開発している。その計算法をSi結晶に適応することにより、コヒーレントフォノンの生成メカニズムを定量的に明らかにすることができた。
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The Unified effect of counter-toroidal rotation and power across separatrix on type-I ELMs in JT-60U
浦野 創; 大山 直幸; 神谷 健作; 相羽 信行; 鎌田 裕; 藤田 隆明; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 52(10), p.103012_1 - 103012_7, 2012/10
 被引用回数:2 パーセンタイル:79.1(Physics, Fluids & Plasmas)
逆方向トロイダル回転とセパラトリクスを通過するパワーによるType-I ELM特性に対する統合的効果をJT-60U装置を用いて調べた。実験はプラズマ電流に対して順方向、無回転、逆方向の接線NBを入射し、その後垂直NBを用いたパワースキャンを実施した。ELM周波数はセパラトリクスを通過するパワーをとともに単調増加したが、垂直NBの入射時には比例関係よりも強い依存性が観測された。これは、垂直NBを入射すると、周辺部でのトロイダル回転速度を逆方向へシフトすることが原因であり、周辺トロイダル回転速度を一定にするとELM周波数は、接線NBの入射方向によらず、セパラトリクスを通過するパワーに比例することがわかった。
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Measurements and Monte Carlo calculations of forward-angle secondary-neutron-production cross-sections for 137 and 200 MeV proton-induced reactions in carbon
岩元 洋介; 萩原 雅之*; 松本 哲郎*; 増田 明彦*; 岩瀬 広*; 八島 浩*; 嶋 達志*; 民井 淳*; 中村 尚司*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 690, p.10 - 16, 2012/10
 被引用回数:2 パーセンタイル:63.64(Instruments & Instrumentation)
粒子・重イオン輸送計算コードPHITSの中性子生成に関する精度検証のために、137, 200MeVの陽子-炭素核反応により、最前方方向(0$$^{circ}$$から25$$^{circ}$$の間の6点)に放出される中性子生成二重微分断面積を飛行時間法を用いて測定した。また、評価済み核データJENDL/HE-2007, ENDF/B-VII及び物理モデルBertini-GEM, ISOBAR-GEMを用いて、実験と同じ条件で中性子生成二重微分断面積を導出した。その結果、137MeV陽子入射に関して、JENDL/HE-2007を用いた計算結果は、物理モデルでは再現できない$$^{12}$$C(p,n)$$^{12}$$Nに起因するピーク構造を含めて、実験値をよく再現することがわかった。200MeV陽子入射に関しては、JENDL/HE-2007を用いた計算結果は、JENDL/HE-2007の評価手法が陽子エネルギー150MeVを境界にして異なるために、実験値を大きく過小評価することがわかった。得られた実験値は、炭素の評価済み核データの修正及びモンテカルロ輸送計算の物理モデル改良に対して有益となる。
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In-situ vacuum deposition technique of lithium on neutron production target for BNCT
石山 新太郎; 馬場 祐治; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 288, p.18 - 22, 2012/10
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の中性子源として、原子炉の中性子以外に、加速器から発生する中性子を用いることが計画されており、そのための中性子発生用ターゲット材として金属リチウムが候補にあがっている。しかしリチウムターゲットは高フルエンスのプロトンの照射効果によってブリスタリングを起こすため、リチウムを真空中で繰り返しその場蒸着して安定なリチウム層を作成する技術の開発が必要である。そこで本研究では、銅表面上にパラジウムを電着した基板に真空中でリチウムを蒸着する3層構造のターゲットを提案し、作成した3層構造の表面・界面の化学結合状態を放射光を用いたX線光電子分光法(XPS)及びX線吸収微細構造法(XAFS)により調べた。その結果、蒸着したリチウム表面には、1層以下のごく薄い水,炭酸などが吸着しているものの、バルクの化学状態は金属リチウムであり、真空中でのその場蒸着によって新たな金属リチウム層を繰り返し作成できることがわかった。またリチウムとパラジウムの界面にはPd-Li合金と思われる層が生成しており、それがリチウム薄膜の安定性に寄与していることが明らかとなった。
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Ion acceleration from thin foil and extended plasma targets by slow electromagnetic wave and related ion-ion beam instability
Bulanov, S. V.; Esirkepov, T. Z.; 神門 正城; Pegoraro, F.*; Bulanov, S. S.*; Geddes, C. G. R.*; Schroeder, C. B.*; Esarey, E.*; Leemans, W. P.*
Physics of Plasmas, 19(10), p.103105_1 - 103105_10, 2012/10
 被引用回数:19 パーセンタイル:11.36(Physics, Fluids & Plasmas)
When the ions are accelerated by the radiation pressure of the laser pulse, their velocity can not exceed the laser group velocity, in the case when it is less than the speed of light in vacuum. This is demonstrated in two cases corresponding to the thin foil target irradiated by a high intensity laser light and to the hole boring by the laser pulse in the extended plasma accompanied by the collisionless shock wave formation. It is found that the beams of accelerated at the collisionless shock wave front ions are unstable against the Buneman-like and the Weibel-like instabilities which result in the ion energy spectrum broadening.
55
The SNARE protein SYP71 expressed in vascular tissues is involved in symbiotic nitrogen fixation in ${it Lotus japonicus}$ nodules
箱山 雅生*; 多井 諒*; 弭間 和哉*; 須賀 江里*; 足達 由佳*; 小林 麻由美*; 赤井 理恵*; 佐藤 修正*; 深井 英吾*; 田畑 哲之*; et al.
Plant Physiology, 160(2), p.897 - 905, 2012/10
 被引用回数:14 パーセンタイル:24.39(Plant Sciences)
Rhizobial symbiotic nitrogen fixation in root nodules is regulated by the host legume genes. Fix- mutants that exhibit lower or no nitrogen-fixation activity are useful to identify host plant genes required for symbiotic nitrogen fixation. Here, we show a ${it Lotus japonicus}$ novel Fix- mutant defective of a SNARE protein. The mutant formed nodules that displayed lower nitrogen fixation activity, and the growth of the host plant was retarded. Exogenous combined nitrogen almost recovered the growth of the mutant. Numbers of nodules formed on the mutant were similar to those on the wild-type plant. However, the mutant nodules were smaller and showed early senescence. The causal gene was identified by map-based cloning, and the predicted protein was appeared to be homologous to one of SNARE proteins found in Arabidopsis thaliana. The responsible gene was expressed ubiquitously in shoot, roots and nodules. In roots and nodules, the transcripts were detected in vascular bundles. These results indicated that a SNARE protein expressed in vascular tissues is required for nitrogen fixation activity of rhizobia in nodules.
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Production of the ORIGEN2 library based on JENDL-4.0 for high temperature engineering test reactor
小嶋 健介; 奥村 啓介; 岡本 力; 後藤 実
Proceedings of 6th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2012) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2012/10
高温工学試験研究炉(HTTR)において用いられる燃料の燃焼後の組成,放射能及び崩壊熱等の燃焼特性の解析精度向上のために、HTTR用ORIGEN2ライブラリを開発した。新ライブラリの基礎となる断面積及び崩壊データは、JENDL-4.0及びENSDF等のデータを採用した。また、新ライブラリに用いる実効断面積及びエネルギー縮約に必要となる中性子スペクトルは、連続エネルギーモンテカルロ法を用いた燃焼計算コードMVP-BURNにより計算した。MVP-BURNは確率論的幾何形状モデル機能を備えており、HTTR燃料コンパクトの二重非均質性を精度よく扱うことができる。新ライブラリの性能検証として、新ライブラリを用いたORIGEN2計算結果及びMVP-BURNの計算結果の比較を実施した。この結果、両計算により得られた燃焼に伴う燃料組成の変化は良好な一致を示し、新ライブラリの精度が高いことがわかった。
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Development of grouting technologies for HLW disposal in Japan, 1; Overall program and key engineering technologies
藤田 朝雄; 川口 昌尚; Walker, C.; 笹本 広; 油井 三和; 大西 有三*
Proceedings of 7th Asian Rock Mechanics Symposium (ARMS-7) (USB Flash Drive), p.675 - 681, 2012/10
高レベル放射性廃棄物などの地層処分に求められる性能を満足するグラウト技術の高度化開発プロジェクトに平成19年度より取り組んできた。本プロジェクトでは、設計技術,施工技術,分布確認技術,影響評価技術に分類して地層処分におけるグラウト技術を開発してきた。本報告では、開発してきた地層処分におけるグラウト技術を概括するとともに、本プロジェクトにおいて開発を行ってきた技術を処分場に適用する際の考え方、許容湧水量の目安、グラウト材料、注入工法及び注入装置等の例について報告する。
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Shell evolution around and beyond $$N$$=28 studied with large-scale shell-model calculations
宇都野 穣; 大塚 孝治*; Brown, B. A.*; 本間 道雄*; 水崎 高浩*; 清水 則孝*
Progress of Theoretical Physics Supplement, (196), p.304 - 309, 2012/10
中性子数28近傍で見られる原子核の殻構造の変化及びその核構造への影響について、大規模殻模型計算による理論研究の成果を報告する。最近、われわれは中性子過剰核における殻構造の変化を統一的に記述できる有効相互作用として、ガウス型中心力とテンソル力からなる簡単な相互作用を提唱した。それは、スズ同位体など、これまで知られている一粒子スペクトルの変化をうまく再現することが知られているが、変形など多体相関を含む状態をも統一的に記述できるかどうかは確かではなかった。本研究では、中性子数28領域の殻模型相互作用としてこの新しい有効相互作用を採り、殻模型計算を行ったところ、シリコン42核の変形,カルシウム48核の分光学的因子の分布など殻構造を反映する物理量をよく再現することができ、有効相互作用の有用性が確かめられた。また、中性子数28領域における、g軌道の位置を殻模型計算と知られている実験データに基づいて決定した。
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「超高速分子分光の最前線」解説小特集号によせて
板倉 隆二
レーザー研究, 40(10), p.737 - 738, 2012/10
レーザー学会の学会誌「レーザー研究」にて「超高速分子分光の最前線」の解説小特集号を組んだ。その企画趣旨や超高速分子分光の動向に関して6件の依頼論文と関連づけながら解説を行った。
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Inter-atomic force constants of Ag$$_{2}$$O from diffuse neutron scattering measurement
和田 保*; 佐久間 隆*; 酒井 竜太郎*; 上原 寛之*; Xianglian*; 高橋 東之*; 神嶋 修*; 井川 直樹; Danilkin, S. A.*
Solid State Ionics, 225, p.18 - 21, 2012/10
 被引用回数:1 パーセンタイル:90.97(Chemistry, Physical)
8K及び295KのAg$$_{2}$$Oの中性子回折測定を行い、原子熱変位における相関効果から中性子散漫散乱を解析した。Debye-Waller温度因子から求めたAg$$_{2}$$Oの第1,第2及び第3最近接原子間の力定数から結晶構造と原子間相関効果の関係について検討する。
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Spin Hall effect
前川 禎通; 高橋 三郎
Spin Current, p.194 - 208, 2012/10
We consider the effect of spin-orbit scattering on spin and charge transport in nonmagnetic metals (N) such as Cu, Al, and Ag, and discuss SHE by taking into account the side-jump (SJ) and skew-scattering (SS) mechanisms, and derive formulas for the SHE induced by spin-orbit scattering in nonmagnetic metals.
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Reduction of salt-requirement of halophilic nucleoside diphosphate kinase by engineering S-S bond
石橋 松二郎*; 内野 真奈美*; 新井 栄揮; 黒木 良太; 荒川 力*; 徳永 正雄*
Archives of Biochemistry and Biophysics, 525(1), p.47 - 52, 2012/09
 被引用回数:3 パーセンタイル:80.95(Biochemistry & Molecular Biology)
高度好塩菌Halobacterium salinarum由来ヌクレオシド二リン酸キナーゼ(HsNDK)は、立体構造の安定化に高濃度の塩を必要とする。しかし、アスパラギン酸148番目をシステインに置換したD148C変異型HsNDKは、0.2M NaClの低塩濃度条件下において野生型HsNDKよりも10$$^{circ}$$C以上熱安定性が向上することが判明した。また、熱変性後の巻き戻りには、野生型では2M NaClを必要とするのに対し、D148C変異型では0.1M NaClで巻き戻ることができた。HsNDKは二量体どうしが会合した六量体構造を形成するが、D148C変異導入は六量体内の二量体間に3か所のジスルフィド架橋を形成させて構造を安定化し、本来構造安定化に必要な塩要求性を低減することができたと考えられる。
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放射線取扱主任者
駿河谷 直樹
ぶんせき, 2012(9), p.505 - 506, 2012/09
分析化学に関係する資格として、放射線を取り扱う実験や分析を行う場合に必要となる放射線取扱主任者について解説した。本稿では、放射線取扱主任者に関する基本情報や関連業務、資格受験に関する情報等を中心に概説している。
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福島原発事故におけるロボット等による緊急対応の概要と今後の課題
川妻 伸二
デコミッショニング技報, (46), p.14 - 26, 2012/09
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震により福島第一原子力発電所事故が発生した。JCO臨界事故後に開発された原子力災害ロボットは、廃棄されていたり、維持管理されておらず、直ちに現場に投入されなかった。その後、無人重機, PackBOT, BROKK, Quinceなどが投入された。福島原発の廃炉のための遠隔機材の開発や、原子力緊急時備えた遠隔機材の整備・運用の準備が進められている。本稿はこれらの一助とするため、福島原発事故へのロボット等の緊急対応の概要と今後の課題についてまとめた。
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臨界プラズマ試験装置JT-60; その技術史上の意義
栗原 研一
電気学会研究会資料,電気技術史研究会(HEE-12-016$$sim$$023), p.29 - 33, 2012/09
トカマク型臨界プラズマ試験装置JT-60は大規模な電気システムであり、大容量の電動発電機,大電流サイリスタ変換器,大出力マイクロ波管などの電気技術開発との相互発展のもとに建設及び実験運転され、臨界条件を達成するとともに持続的な原子核反応を高効率で発生できることを実証し、国際熱核融合実験炉ITERの建設へと道を拓いた。このJT-60について技術史における位置づけを試みる。
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幌延深地層研究所におけるショートステップ工法による立坑掘削に伴う岩盤の力学挙動に関する研究
津坂 仁和; 常盤 哲也; 稲垣 大介; 羽出山 吉裕*; 小池 真史*; 井尻 裕二*
土木学会論文集,F1(トンネル工学)(インターネット), 68(2), p.40 - 54, 2012/09
原子力機構は、北海道幌延町にて、新第三紀の堆積岩を対象に3本の立坑と深度300m以深の試験坑道からなる地下研究施設を建設している。立坑の施工は、標準工法のショートステップ工法である。現在、堆積岩系を対象とする地層処分場では、地下深部への主要な資機材の搬出入経路として、複数の立坑を建設することが想定されている。立坑を掘削することにより、天然バリアとして期待する岩盤の物質の封じ込め性能を低下させることが考えられ、掘削に伴う岩盤の状態の評価や適切な工学的対策の計画のために、その掘削に伴う岩盤挙動を評価することが重要となる。これまでに、大深度の立坑の掘削に伴う岩盤挙動の調査事例にて、施工手順に着目して、立坑周辺の岩盤挙動を分析した例はほとんどない。筆者らは、アクセス立坑の深度約160mと220mを対象に、立坑底盤の岩盤観察,内空変位と地中変位の現場計測,立坑の施工手順を詳細に再現した三次元逐次掘削解析を実施し、ショートステップ工法における立坑周辺岩盤の力学挙動を分析した。同工法では、無普請で3m掘削した後に、剛性の大きい覆工コンクリートを構築する施工手順を繰り返すため、掘削に伴う岩盤の内空側への変形は顕著に抑制され、立坑壁面からおおむね1mの岩盤に圧縮ひずみが生じること、また、その挙動は覆工コンクリートを構築までの掘削にて一度開口・伸展した割れ目が再び閉口することにより生じるため、その発生方向は割れ目の方向性に依存することを明らかにした。
67
中性子反射率法による薄膜の界面構造解析
武田 全康
エレクトロニクス実装学会誌, 15(6), p.492 - 499, 2012/09
本解説では、中性子の「波」としての性質が顕著に現れる「中性子光学」現象を使って、nmから数$$mu$$mの厚さの層が積み重なった多層膜構造を非破壊的に調べることのできる中性子反射率法について紹介する。
68
Post-adsorption process of Yb phosphate nano-particle formation by ${it Saccharomyces cerevisiae}$
Jiang, M. Y.*; 大貫 敏彦; 田中 万也*; 香西 直文; 上石 瑛伍; 宇都宮 聡*
Geochimica et Cosmochimica Acta, 93, p.30 - 46, 2012/09
 被引用回数:5 パーセンタイル:64.22(Geochemistry & Geophysics)
酵母表面におけるYbリン酸塩鉱物化機構を実験により検討した。細胞表面に吸着したYbが細胞から排出されたリン酸と結合してナノ粒子化することをTEMやEXAFSによる分析から明らかにした。
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円錐孔底ひずみ法による初期応力測定時に発生したコアディスキングについて
佐藤 稔紀; 丹野 剛男; 引間 亮一; 真田 祐幸; 加藤 春實*
平成24年度(2012年)資源・素材学会秋季大会講演集, p.221 - 222, 2012/09
日本原子力研究開発機構では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発の一環として、応力解放法による初期応力測定を実施している。本報告では、地表からの深度200mの花崗岩に掘削された坑道内において円錐孔底ひずみ法による測定を実施した際にコアディスキングが発生したため、その発生条件について検討した結果、既往のディスキング発生の条件式を支持するものであった。
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トンネルのライフサイクルマネージメントシステムとプロダクトデータモデルについて
Xu, Z.*; 板倉 賢一*; 山地 宏志*; 大津 慎一*; 早野 明; 松井 裕哉; 佐藤 稔紀
平成24年度(2012年)資源・素材学会秋季大会講演集, p.63 - 66, 2012/09
近年、構造物には所要の機能や安全性だけではなく、その全期間に渡る利便性の最大化と必要コストの最小化を図るライフサイクルマネージメント(以下、LCM)が求められつつあり、地下構造物についても急速にその対応が必要とされる。地下構造物のLCM戦略を立案するためには、設計・施工・維持補修の過程で発生する各種情報を総合的に管理し、これをフィードバックすることのできる柔軟な戦略構築体系が必要である。プロダクトデータモデルは、情報化施工により得られた各種情報をLCM戦略に展開する方法論として最も適する手法の一つであると考えられる。著者らは、トンネル施工の合理化を図るために、設計・施工・維持補修の各段階で発生するデータを包括的に管理し、各段階の作業にフィードバックすることのできる総合施工管理システムの設計と構築に取り組んできた。このシステムでは、WEB3DのCG技術とRDBMS機能のデータ検索・処理機能を融合することで、PC上に仮想の地下空間を構築し、その仮想空間内から必要とするデータにアクセスすることができる。本研究では、より実用的なシステムとするために機能拡張を行い、中小トンネルの施工現場への適用を試みた。
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Simulation study about the effect of pressure on purification of H$$_{2}$$SO$$_{4}$$ and HIx phases in the iodine-sulfur hydrogen production cycle
Wang, L.*; 今井 良行; 田中 伸幸; 笠原 清司; 久保 真治; 小貫 薫; Chen, S.*; Zhang, P.*; Xu, J.*
International Journal of Hydrogen Energy, 37(17), p.12967 - 12972, 2012/09
 被引用回数:6 パーセンタイル:65.18(Chemistry, Physical)
熱化学水素製造法ISプロセスの工業化に向けた課題の一つに、ブンゼン反応で生成する2種の溶液(H$$_{2}$$SO$$_{4}$$相とHIx相)に含まれる不純物(H$$_{2}$$SO$$_{4}$$相中のHI, HIx相中のH$$_{2}$$SO$$_{4}$$)を除去する精製操作の最適化がある。その検討に役立てるため、Mixed Solvent Electrolyte Modelに基づく熱力学データベースを備えた化学プロセスシミュレーターESPを用いて、H$$_{2}$$SO$$_{4}$$相及びHIx相の精製における圧力効果のシミュレーションを行った。H$$_{2}$$SO$$_{4}$$相について、絶対圧0.2$$sim$$6barの範囲において、反応平衡及び相平衡を検討した結果、大気圧以下の低圧条件下で、気液分離による不純物の除去、精製操作に伴う副反応の抑制のいずれについても効果的に実施できる可能性があることを見いだした。一方、HIx相では、平衡論的に有利な圧力条件は認められなかった。
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Effects of alumina powder characteristics on H$$_{2}$$ and H$$_{2}$$O$$_{2}$$ production yields in $$gamma$$-radiolysis of water and 0.4M H$$_{2}$$SO$$_{4}$$ aqueous solution
山田 禮司; 熊谷 友多
International Journal of Hydrogen Energy, 37(18), p.13272 - 13277, 2012/09
 被引用回数:3 パーセンタイル:78.17(Chemistry, Physical)
アルミナ粉体を含む純水並びに0.4硫酸水溶液において、$$gamma$$線による放射線分解で発生する水素並びに過酸化水素の収量に対する粉体特性の効果を調べた。0.4M硫酸水溶液では、水素収量はアルミナ結晶構造に強く依存し、$$alpha$$, $$theta$$, $$gamma$$アルミナの順に減少した。一方、純水では、同様の結晶構造依存性は見られたものの、それ程強いものではなく、むしろアルミナ粉体の比表面積が大きいほど、水素収量は大きかった。過酸化水素の収量は、純水及び0.4硫酸水溶液にアルミナを添加することで大きく減少した。収量の減少量が大きかったため、明確なアルミナ粉体の結晶構造依存性や比表面積依存性は見られなかった。$$gamma$$線照射によるアルミナから水溶液への電子供給とアルミナ表面でのOHラジカルの吸着の観点から、水素発生の促進機構を論じた。
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Influence of microstructure on IASCC growth behavior of neutron irradiated type 304 austenitic stainless steels in simulated BWR condition
加治 芳行; 三輪 幸夫*; 柴田 晃; 中野 純一; 塚田 隆; 高倉 賢一*; 仲田 清智*
International Journal of Nuclear Energy Science and Engineering, 2(3), p.65 - 71, 2012/09
JMTRにおいて288$$^{circ}$$C、BWR模擬水質で照射したコンパクトテンション(CT)試験片を用いてき裂進展試験を実施した。腐食電位が高い条件で応力拡大係数が10から30MPam$$^{1/2}$$の範囲では、2dpaまでは中性子照射量が増加するにしたがって、き裂進展速度が増加するが、2から10dpaの範囲ではほぼ同じ値となる。ミクロ組織観察や析出物周辺の局所ひずみ測定などにより、き裂進展速度に及ぼすミクロ組織の影響を調べた。本論文では、き裂進展速度とミクロ組織,照射硬化,照射誘起偏析の関係について議論した。
74
Adsorbent for arsenic(V) removal synthesized by radiation-induced graft polymerization onto nonwoven cotton fabric
保科 宏行; 高橋 牧克*; 笠井 昇; 瀬古 典明
International Journal of Organic Chemistry, 2(3), p.173 - 177, 2012/09
A fibrous adsorbent for arsenic (As) removal was synthesized with nonwoven cotton fabric as a trunk polymer. Phosphoric acid monomer was reacted by radiation-induced graft polymerization onto nonwoven cotton fabric. The degree of grafting of 130% was obtained at irradiation dose of 20 kGy with 5% of monomer solution for 2 hours reaction time at 40$$^{circ}$$C reaction temperature. After the grafted material was contacted with 10 mmol/L of zirconium (Zr) solution at pH1, 0.38 mmol/g of Zr as a functional group was loaded on the grafted phosphoric units for As(V) removal. The resulting adsorbent was evaluated by column mode adsorption with 1 mg/L of As(V) solution at various pH with space velocity 200 h$$^{-1}$$. The maximum capacity of As(V) adsorption was 0.1 mmol/g at pH2.
75
Development of wavelength-dispersive micro-IBIL for the chemical structure analysis of micrometer-sized particles
加田 渉; 横山 彰人; 江夏 昌志; 佐藤 隆博; 神谷 富裕
International Journal of PIXE, 22(1-2), p.21 - 27, 2012/09
アスベストやエアロゾルといった微小な無機物試料の化学形態は、その毒性や機能を決定するうえで非常に重要な役割を果たす。しかしながらこれはマイクロPIXE分析では計測できない。他方、現在開発しているマイクロIBIL分析法は、試料の化学形態や結晶構造に関する情報をイオンマイクロビーム照射野から取得することが可能である。従来のイオンマイクロビーム分析技術にない、試料の化学形態を分析する手法として、マイクロIBIL分析法を確立するため、本研究では同システムを高度化しながら、基礎的なデータを取得した。3-MeV-H$$^+$$をプローブとしたマイクロPIXE/IBILにより幾つかのアスベスト試料を分析し、珪素や鉄酸化物を試料とした結果を比較することで、その分析結果が試料内の化学的な変化により異なることを確認した。
76
Development of a multi-interval displacement sensor using Fiber Bragg Grating technology
真田 祐幸; 杉田 裕; 柏井 善夫*
International Journal of Rock Mechanics and Mining Sciences, 54, p.27 - 36, 2012/09
 被引用回数:2 パーセンタイル:58.73(Engineering, Geological)
特願 2009-054868   公報
坑道周辺の長期挙動の把握は、地層処分場の性能評価や設計・施工を行ううえで重要である。坑道近傍の変位計測には通常電気式の地中変位計が埋設される。従来型の電気式地中変位計は数年に渡る使用では絶縁不良を生じるなど長期計測が困難であった。また岩盤へのインパクトが小さい小口径のボーリング孔では多段化できないという問題があった。本研究では小口径で長期耐久性を有し、多段かつ高い精度での計測を可能にするために、光ファイバーを使用した地中変位計の開発を実施した。さらに開発した変位計の原位置への適用性を確認するために、幌延深地層研究所の立坑に開発した変位計を設置し、併設された電気式変位計と結果を対比した。室内検定試験によると、測定精度は測定範囲の0.5%と今回設定した測定精度をおおむね満たしていた。また、原位置での性能確認試験から、ブラッグ波長の変化量から算出した変位は、坑道の掘削イベントや併設した変位計の計測結果と良好な一致を示した。また、光ファイバーを用いることで電気式変位計と比較して電気ノイズが見られず安定した結果が得られた。作業性や作業時間については、通常用いられる電気式の地中変位計と同程度であった。
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Mine-by experiment in a deep shaft in Neogene sedimentary rocks at Horonobe, Japan
真田 祐幸; 中村 隆浩*; 杉田 裕
International Journal of Rock Mechanics and Mining Sciences, 56, p.127 - 135, 2012/09
 被引用回数:1 パーセンタイル:74.51(Engineering, Geological)
坑道周辺に発生する掘削影響は、性能評価及びプラグやグラウト等の閉鎖技術の仕様に関連する重要な検討事項である。本論文では、堆積岩に設けられた坑道周辺岩盤の水理学的な変化及び力学的な変化を把握するために実施された幌延深地層研究所での立坑掘削影響試験の結果について記した。BTV観察結果によると、坑道掘削に伴う側方応力解放による損傷(ブレイクアウト)が掘削後に生じた。孔内載荷試験結果によると、ボーリング孔自体の損傷に伴い全体的に弾性・変形係数が低下し、立坑壁面の1m以内で大きな低下を示した。地中変位計測では、最小主応力方向並びに既存亀裂と平行な領域が大きく変形した。透水試験では、掘削後に立坑壁面1m以内で1オーダー増加し、力学試験から推定された掘削影響範囲とおおむね一致した。
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Local structure analysis of Bi$$_2$$WO$$_6$$
米田 安宏; 小原 真司*; 武田 博明*; 鶴見 敬章*
Japanese Journal of Applied Physics, 51(9), p.09LE06_1 - 09LE06_6, 2012/09
高エネルギーX線回折で得られた2体相関分布関数を用いて層状化合物であるBi$$_2$$WO$$_6$$の局所構造解析を行った。Bi$$_2$$WO$$_6$$は660$$^circ$$Cで相転移を起こすが、この時の平均構造の変化が非常に小さいために相転移機構がよくわかっていない。高エネルギーX線回折を用いて得られた平均構造は室温では$$Pca2_1$$構造で660$$^circ$$C以上では$$Aba2$$構造であった。しかし、両者の原子位置は非常によく似ており、Bragg反射の分裂や消滅は観測することができなかった。局所構造解析を行ったところ、平均構造の$$Pca2_1$$でも$$Aba2$$でも実験的に得られた2体相関分布関数を再現することはできなかった。そこで、層方向にBiを平均構造からシフトさせたところ、実験データと非常に良い一致を得ることができた。また、このBiの平均構造からのシフトは660$$^circ$$C以上で消失しており、相転移とかかわりがあることは明らかである。Bi$$_2$$WO$$_6$$は層状化合物であるため、Bi$$_2$$O$$_2$$ layerとWO$$_6$$ layerとで異なったコヒーレント長を持っている。このコヒーレント長の変化を2体相関分布関数によって可視化することに成功した。
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Numerical reconstruction of high dose rate zones due to the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident
堅田 元喜; 寺田 宏明; 永井 晴康; 茅野 政道
Journal of Environmental Radioactivity, 111, p.2 - 12, 2012/09
 被引用回数:57 パーセンタイル:2.9(Environmental Sciences)
2011年3月の福島第一原子力発電所事故により、発電所の北西地域を中心に高線量地帯が形成されたことがわかっている。この高線量地帯は、3月15日に起こった大量の放射性物質の放出イベントによって形成されたと考えられているが、そのメカニズムは明らかになっていない。これを解明するためには、サイト周辺の環境データを解析する必要があるが、得られているデータは断片的であり、大気拡散事象を再構築することは困難である。本研究では、数値シミュレーションによって3月15日の放出率を推定するとともに、3月15日の放射性物質の放出及び大気拡散,沈着事象を再構築した。その結果、福島原発事故では地表沈着量の地理分布を決める要因は降雨分布,地形、及び陸面(植生)状態であることを示した。これらのプロセスが総合的に作用した結果、3月15日午後に大量に放出された放射性物質がサイトから北西方向に沈着し、高線量地帯を形成したことを明らかにした。本研究で得られた知見は、福島原発事故の被ばく評価に資するのみならず、原子力施設や化学工場の事故に対して、地域特有の環境条件に基づく防災計画の立案等にも役立つ。
80
Effect of swirl inflow on flow pattern and pressure fluctuation onto a single-elbow pipe in Japan Sodium-cooled Fast Reactor
山野 秀将; 佐郷 ひろみ*; 廣田 和生*; 早川 教*; Xu, Y.*; 田中 正暁; 堺 公明
Journal of Fluid Science and Technology (Internet), 7(3), p.329 - 344, 2012/09
JSFR1次冷却系配管のための流力振動評価手法開発の一環として、ホットレグ配管の流力振動評価において重要な因子を論じた。ホットレグ配管入口近くの複雑な流れを調べるため、1/10縮尺炉上部プレナム試験を模擬した数値解析が実施された。この解析に基づき、重要因子として旋回流と偏流が同定され、それらに関する実験条件がホットレグ配管のみを模擬した流力振動実験のために定められた。本研究では、配管への圧力変動と流動状況に対する旋回流入の影響を1/3縮尺ホットレグ配管試験で調べた。その実験から、旋回流によって流動剥離領域はわずかに影響を受けるものの、圧力変動に対しては有意ではないことが示された。本論文ではホットレグ配管への適用性に着目して、流動シミュレーションの結果もまた述べられる。
81
Dynamics of decadally cycling carbon in subsurface soils
小嵐 淳; Hockaday, W.*; Masiello, C.*; Trumbore, S.*
Journal of Geophysical Research; Biogeosciences, 117, p.G03033_1 - G03033_13, 2012/09
 被引用回数:12 パーセンタイル:34.73(Environmental Sciences)
深層土壌は、地球上の全土壌炭素の半分以上を貯蔵しているが、その炭素の動態は解明されていない。われわれは、シエラネバダ山の森林及び草地土壌から50年間に渡って採取した土壌試料への核実験起源$$^{14}$$の混入を追跡することで、深層土壌において数十年程度で循環する炭素の量と動態を調査した。その結果、深層土壌炭素の約半分が数十年程度で循環し、この炭素が生態系炭素バランスにおいて重要な役割を果たしていること、深層で鉱物と結合した有機炭素であってもその28-73%が数十年程度で分解されること、炭素が植物によって固定されてから深層で鉱物と結合されるまでに20年以上のタイムラグがあることを明らかにした。われわれの結果は、深層土壌に大量に貯留する炭素は、環境変化に対して数十年以上の時間差を持って応答し、地球炭素循環に大きな影響を及ぼしうることを示している。
82
Temporal electric conductivity variations of hydrogenated amorphous silicon due to high energy protons
佐藤 真一郎; 齋 均*; 大島 武; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 近藤 道雄*
Journal of Non-Crystalline Solids, 358(17), p.2039 - 2043, 2012/09
 被引用回数:4 パーセンタイル:54.86(Materials Science, Ceramics)
非ドープ, n型, p型水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)薄膜に陽子線照射した時の光伝導度及び暗伝導度の変化について系統的に調べた。非ドープa-Si:Hは照射とともに一旦光伝導度や暗伝導度は上昇したが、さらに照射を続けると減少に転じた。ただしこの伝導度の上昇は準安定なものであり、時間とともに減衰してくことも明らかとなった。同様の結果がn型a-Si:Hに対しても得られたが、p型a-Si:Hについては単調な減少が観察された。非ドープ及びn型a-Si:Hにおいて観察される光伝導度及び暗伝導度の上昇はドナー中心の生成に起因していること、また高照射量域で見られる減少は、照射欠陥によって作られる深い準位のキャリア捕獲中心やキャリア補償効果に起因していることが明らかとなった。
83
Sensitivity analysis of a passive decay heat removal system under a post-loss of coolant accident condition
劉 峭; 本間 俊充
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(9), p.897 - 909, 2012/09
 被引用回数:1 パーセンタイル:78.54(Nuclear Science & Technology)
次世代原子炉の開発に向けて、受動的安全システムは信頼性が高いと考えられるため、脚光を浴びているが、システム挙動の不確実さが大きいと指摘されている。受動的安全システムの信頼性を高めていくため、システム挙動への影響の大きい因子を特定し、その因子の不確実を低減させる必要がある。本研究は、分散に基づく不確実さ重要度指標を用いて、あるガス冷却高速炉の冷却材喪失事故発生後の残留熱除去システムの挙動を対象に、感度解析を行った。その結果、システムの圧力は、システムの挙動の不確実さに最も寄与することがわかった。また、熱交換器の壁面温度、混合対流区のヌセルト係数や摩擦係数もシステムの挙動に影響することがわかり、受動的安全システム設計の信頼性向上に有益の情報を提供できた。
84
Applicability of a catalytic reduction method using a palladium-copper catalyst and hydrazine for the denitration of a highly concentrated nitrate salt solution
門脇 春彦; 目黒 義弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(9), p.881 - 887, 2012/09
 被引用回数:1 パーセンタイル:78.54(Nuclear Science & Technology)
Denitration of a highly-concentrated sodium nitrate (NaNO$$_{3}$$) aqueous solution was studied with a catalytic reduction method using a catalyst of palladium-copper supported on carbon powder (Pd-Cu/C) and hydrazine (N$$_{2}$$H$$_{4}$$). It was demonstrated that nitrate ion (NO$$_{3}$$$$^{-}$$) in 5 mol L$$^{-1}$$ NaNO$$_{3}$$ solution was completely reduced through an intermediate nitrite ion (NO$$_{2}$$$$^{-}$$) to a nitrogen compound such as nitrogen, nitrous oxide or ammonia. By comparing reaction rates of NO$$_{3}$$$$^{-}$$ and NO$$_{2}$$$$^{-}$$ obtained using catalysts with various Pd-Cu composition and different reductants (hydrogen (H$$_{2}$$) or N$$_{2}$$H$$_{4}$$), it was found that the catalyst having metal ratio of Pd : Cu = 1 : 0.66 brought maximum reaction rate of NO$$_{3}$$$$^{-}$$ and NO$$_{2}$$$$^{-}$$ by using N$$_{2}$$H$$_{4}$$, and that not only reactions of NO$$_{3}$$$$^{-}$$ and NO$$_{2}$$$$^{-}$$ but also reaction of N$$_{2}$$H$$_{4}$$ were affected by the Pd-Cu composition.
85
Probing the Ba 5d states in BaTiO$$_{3}$$ and BaSO$$_{4}$$; A Resonant X-ray emission study at the Ba-L$$_{3}$$ edge
吉井 賢資; Jarrige, I.; 鈴木 知史; 松村 大樹; 西畑 保雄; 米田 安宏; 福田 竜生; 田村 和久; 伊藤 嘉昭*; 向山 毅*; et al.
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 73(9), p.1106 - 1110, 2012/09
 被引用回数:3 パーセンタイル:74.17(Chemistry, Multidisciplinary)
強誘電体BaTiO$$_{3}$$のBa 5d軌道の電子状態を放射光共鳴発光により調べ、誘電性を持たないBaSO$$_{4}$$と比較した。Ba-L$$_{3}$$吸収端近傍において共鳴発光スペクトルを測定したところ、両方の化合物ともBa 5d電子は局在していることがわかった。一方、共鳴発光を利用した部分蛍光法吸収スペクトルを測定したところ、BaTiO$$_{3}$$のほうがBaSO$$_{4}$$よりもエネルギー幅の広いピークが観測された。すなわち、BaTiO$$_{3}$$のBa 5d軌道は、O 2p軌道と混成していることがわかった。これは、BaTiO$$_{3}$$の強誘電性はTi-Oの混成により発現するとされてきた従来の見解と異なり、Baイオンも強誘電相転移に何らかの役割を果たすことを示唆する。
86
Uniaxial-pressure control of magnetic phase transitions in a frustrated magnet CuFe$$_{1-x}$$Ga$$_{x}$$O$$_{2}$$ (x =0, 0.018)
中島 多朗*; 満田 節生*; 高橋 慶一郎*; 吉冨 啓祐*; 増田 一也*; 金子 周史*; 本間 勇紀*; 小林 悟*; 北澤 英明*; 小坂 昌史*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(9), p.094710_1 - 094710_8, 2012/09
We have investigated effects of applied uniaxial pressure ($$p$$) on magnetic phase transitions in a triangular lattice antiferromagnet CuFeO$$_{2}$$ (CFO) and a slightly Ga-substituted compound CuFe$$_{1-x}$$Ga$$_{x}$$O$$_{2}$$ (CFGO) with $$x$$ = 0.018. We have performed neutron diffraction, spherical neutron polarimetry, magnetic susceptibility and pyroelectric measurements under $$p$$ up to 100 MPa applied on the [1$$bar1$$0] surfaces of the single crystal samples.
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原子力工学分野における混相流解析技術; 原子炉設計のための気液二相流解析技術の開発
秋本 肇
混相流, 26(3), p.266 - 272, 2012/09
原子力工学分野における気液二相流解析技術に関して、最近の25年間を中心にレビューした。1980年代から1990年代には非常用炉心冷却系の有効性を実証するために多くの大規模実験が行われた。これらの試験結果は、RELAP5やTRACコードに代表されるいわゆる最適評価コードに集約化された。また、シビアアクシデント研究が行われ、事故緩和策の検討が進められた。近年の計算機性能の向上と相まって、1990年代から2000年代には、3次元解析やサブチャンネル解析のような詳細シミュレーション技術の開発が進められている。最後に、今後の課題と展望について短くまとめた。
88
The Spin Hall effect as a probe of nonlinear spin fluctuations
Wei, D. H.*; 新見 康洋*; Gu, B.; Ziman, T.*; 前川 禎通; 大谷 義近*
Nature Communications, 3, p.1058_1 - 1058_5, 2012/09
 被引用回数:14 パーセンタイル:22.78(Multidisciplinary Sciences)
The spin Hall effect (SHE) and its inverse have key roles in spintronic devices as they allow conversion of charge currents to and from spin currents. The conversion efficiency strongly depends on material details, such as the electronic band structure and the nature of impurities. Here we show an anomaly in the inverse SHE in weak ferromagnetic NiPd alloys near their Curie temperatures with a shape independent of material details, such as Ni concentrations. By extending Kondo's model for the anomalous Hall effect (AHE), we explain the observed anomaly as originating from the second-order nonlinear spin fluctuation of Ni moments. This brings to light an essential symmetry difference between the SHE and the AHE, which reflects the first-order nonlinear fluctuations of local moments. Our finding opens up a new application of the SHE, by which a minuscule magnetic moment can be detected.
89
亀裂性媒体におけるセメント系グラウト材料による地下水・岩盤への影響評価手法の開発
笹本 広; 油井 三和; 高瀬 博康*
日本原子力学会和文論文誌, 11(3), p.233 - 246, 2012/09
地下坑道の掘削,施工段階での湧水対策としてセメント系材料によるグラウトが用いられた場合、高レベル放射性廃棄物地層処分の観点では、岩盤の長期的な変質劣化やそれに伴う天然バリア性能への影響等が懸念される。セメント系材料による岩盤等への影響は、地層処分の性能評価において、核種の移行挙動に影響を与えるため、長期的な岩盤変質影響を評価する手法を開発した。また、セメント系材料としては、土木分野で幅広く用いられ実績も多い普通ポルトランドセメント(OPC)以外に、岩盤等への影響を最小限に抑制するためセメント浸出液のpHを11よりも低く抑えた低アルカリ性セメント(LoAC)の利用が想定されている。そこで、地層処分システムでのセメント系グラウト材料の利用を想定し、本研究で開発した長期的な岩盤変質影響評価手法をもとに、OPCとLoACの場合での変質影響を比較し、セメント系材料の適用性評価にかかわる手法や考え方の例を提案した。
90
黒鉛・炭素材料
柴田 大受; 沢 和弘
日本原子力学会誌, 54(9), p.616 - 620, 2012/09
高温ガス炉(HTGR: High Temperature Gas-cooled Reactor)は、黒鉛減速、ヘリウムガス冷却の原子炉であり、燃料には、熱分解炭素や炭化ケイ素等のセラミックスで多重に被覆した直径1mm程度の被覆粒子燃料を用いており、炉心から最高1000$$^{circ}$$C近くの高温のヘリウムガスを取り出し、水素製造等の熱源や高効率発電に用いることができる。高温となる炉内の主要な構造物には、黒鉛・炭素材料が用いられており、高温・中性子照射環境下で構造物としての健全性を保つ必要がある。本稿では、黒鉛・炭素材料を炉内構造物に使用するうえで留意する点を述べ、今後の高温ガス炉の実用化に向けた黒鉛・炭素材料に関する研究開発課題等を紹介する。
91
Anomalous enhancement in radiation induced conductivity of hydrogenated amorphous silicon semiconductors
佐藤 真一郎; 齋 均*; 大島 武; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 近藤 道雄*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 286, p.29 - 34, 2012/09
 被引用回数:6 パーセンタイル:28.68(Instruments & Instrumentation)
水素化アモルファスシリコンは耐放射線性光デバイス材料の候補として期待されているが、照射効果については明らかになっていない点が多い。デバイスグレード水素化アモルファスシリコン薄膜に10MeV陽子線を照射しながら暗状態でその間の電気伝導度を測定したところ、照射量の増大に伴って電気伝導度が劇的に上昇した。しかし、$$10^{13}$$/cm$$^2$$を超えたあたりから電気伝導度は減少し始め、高照射量域では一定値となった。光照射を行いながら同様の実験を行ったところ、ほぼ同様の傾向を示したが、両者の電気伝導度の比を取ると、電気伝導度が最大になる付近でほぼ1になることがわかった。通常、光照射下では光励起によるキャリアが電気伝導を担うため、暗状態よりも高い電気伝導度を示すが、それが起こらなかったということは励起されたキャリアが電気伝導の主因にはなっていないということであり、ドナー中心が一時的に生成していることを意味する。照射直後の熱起電力測定の結果からも同様の結論を示唆する結果が得られた。さらに、$$10^{14}$$/cm$$^2$$以上の高照射量域ではドナー中心が消失しているために電気伝導度の減少が見られることも判明した。
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Evaluation of JSFR key technologies
近澤 佳隆; 青砥 紀身; 早船 浩樹; 小竹 庄司; 大野 裕司; 伊藤 隆哉*; 戸田 幹雄*
Nuclear Technology, 179(3), p.360 - 373, 2012/09
JSFRの革新技術10項目について採否判断を行った結果をまとめた。高燃焼度燃料,安全性向上,コンパクト原子炉構造,冷却系2ループ化,ポンプ組込IHI,高信頼性SG,自然循環崩壊熱除去系,簡素化燃料取扱設備,SCCV,免震建屋の10項目すべてについて採用可能であることを確認した。
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原子力施設の除染・解体
大道 博行
オプトロニクス, 31(9), p.140 - 142, 2012/09
近年、レーザー装置の高出力化,小型化,ビームの高品質化,高繰り返し化,ビーム制御の高度化が進み、原子力プラント建設・運転等への適用範囲が広がりつつあり、今後大きな課題となる原子炉の廃止措置への適用可能性も高まりつつある。さらに福島第一原子力発電所の事故処理にあたって、遠隔モニターと遠隔制御性を利用した除染,解体等、一連の廃止措置を通じた環境修復への貢献も期待されている。これらレーザー技術の原子力分野への適用を簡潔に述べた。
94
レーザー核融合の産業波及効果
中井 貞雄*; 井澤 靖和*; 藤田 雅之*; 近藤 公伯; 大道 博行; 三間 圀興*; 佐宗 章弘*
オプトロニクス, 31(9), p.134 - 142, 2012/09
高強度レーザーを用いた研究としてレーザー核融合の研究は歴史が古く、特に、この研究から派生した技術や新たな研究分野は多い。本論文では、そのようなレーザー核融合研究に関連する、特に産業分野への応用研究として、EUV光源,非熱加工,粒子線加速,中性子源,宇宙応用,原子炉除染・解体といったトピックを紹介する。
95
Resonant inelastic X-ray scattering study of charge excitations in superconducting and nonsuperconducting PrFeAsO$$_{1-y}$$
Jarrige, I.*; 野村 拓司; 石井 賢司; Gretarsson, H.*; Kim, Y.-J.*; Kim, J.*; Upton, M.*; Casa, D.*; Gog, T.*; 石角 元志*; et al.
Physical Review B, 86(11), p.115104_1 - 115104_4, 2012/09
 被引用回数:6 パーセンタイル:54.7(Physics, Condensed Matter)
鉄系高温超伝導体PrFeAsO$$_{0.7}$$とその親物質であるPrFeAsOに対して、運動量分解した共鳴非弾性X線散乱を初めて観測した。主な結果は次の2点である。まず、第一に、16バンドの$$dp$$模型を用いて、低エネルギーの励起が$$xz$$, $$yz$$軌道の特性を有する$$dd$$バンド内遷移に支配されていることを示し、電子相関に強く依存していることを示す。これによって、クーロン斥力$$U$$とフント結合$$J$$を見積もることができる。特に軌道依存した電子相関における$$J$$の果たす役割が明らかとなる。第二に、短距離の反強磁性相関が$$Gamma$$点での励起の説明には不可欠であることから、超伝導状態においてもそれが存在することが示される。
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Rotational isotropy breaking as proof for spin-polarized cooper pairs in the topological superconductor Cu$$_x$$Bi$$_2$$Se$$_3$$
永井 佑紀; 中村 博樹; 町田 昌彦
Physical Review B, 86(9), p.094507_1 - 094507_5, 2012/09
 被引用回数:26 パーセンタイル:13.92(Physics, Condensed Matter)
物質端のみで電流を運ぶ熱電変換効率の高いと予想されるトポロジカル絶縁体と呼ばれる物質群が、原子力分野をはじめとして、さまざまな産業への応用も期待され盛んに研究されている。一方、トポロジカル絶縁体Bi$$_2$$Se$$_3$$に銅を導入することによって作製された超伝導体Cu$$_x$$Bi$$_2$$Se$$_3$$は、端のみで電流を運ぶという物性を持ちながら超伝導となるため、新しいデバイスとして期待されており、その物性の詳細を明らかにすることが求められている。本論文では、このトポロジカル超伝導体Cu$$_x$$Bi$$_2$$Se$$_3$$の超伝導発現機構を探るための実験手法を提案する。具体的には、異方的な熱伝導率を測定することにより、超伝導化による回転対称性の破れを検出できるため、超伝導状態の決定が可能となることを指摘した。
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Small ion-temperature-gradient scale length and reduced heat diffusivity at large hydrogen isotope mass in conventional $$H$$-mode plasmas
浦野 創; 滝塚 知典*; 菊池 満; 仲野 友英; 林 伸彦; 大山 直幸; 鎌田 裕
Physical Review Letters, 109(12), p.125001_1 - 125001_5, 2012/09
 被引用回数:5 パーセンタイル:47.83(Physics, Multidisciplinary)
標準的Hモードプラズマにおけるイオン温度勾配特性長に対する水素同位体質量依存性をJT-60Uトカマクで調べた。軽・重水素プラズマで同一の密度・温度分布が得られたが、同一の熱化蓄積エネルギーを維持するために必要な軽水素時のイオン熱伝導流束は重水素時に対して2倍となった。同時に、同一のイオン温度勾配特性長に対して軽水素時のイオン熱拡散係数は重水素時の2倍であった。イオン熱拡散係数同一の条件下では、重水素時のイオン温度勾配特性長は軽水素時のそれよりも短くなることがわかった。
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Irradiation capability of Japanese materials test reactor for water chemistry experiments
塙 悟史; 端 邦樹; 知見 康弘; 西山 裕孝; 中村 武彦
Proceedings of 2012 Nuclear Plant Chemistry Conference (NPC 2012) (CD-ROM), 9 Pages, 2012/09
原子力機構では、材料試験炉(JMTR)を用いた照射下水化学試験を計画している。照射下水化学試験で重要なのは、実炉に近い環境で試験を行うこと、また試験パラメータの変更に伴う照射場の水質/腐食環境の変化を測定し評価できることである。そこで、試験の開始に先立ち、水化学試験の実施に対するJMTRの照射能力を検討した。JMTRの各照射孔内における水の吸収エネルギーを予備的に評価し、BWR炉内における水の吸収エネルギーと比較した結果、JMTRではBWRの炉内に近い条件で照射試験が可能であることがわかった。また、照射試験装置内の水質分布をラジオリシス解析により評価した結果、供給水質などの試験パラメータの変更に対して、照射場の環境変化をECP測定やサンプル水の化学種分析により評価できることがわかった。
99
Dual frequency gyrotron development for JT-60SA
小林 貴之; 諫山 明彦; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 和田 健次; 佐藤 福克; 日向 淳; 横倉 賢治; et al.
Proceedings of 37th International Conference on Infrared, Millimeter, and Terahertz Waves (IRMMW-THz 2012) (USB Flash Drive), 2 Pages, 2012/09
JT-60SAに向けて新たに2周波数(110GHz及び138GHz)ジャイロトロンの開発を開始した。空胴共振器の設計において、高出力,長時間運転に重要な、1MW以上の出力、30%以上の効率、1.4kW/cm$$^{2}$$以下のピーク熱負荷が、両周波数について得られた。さらに、発振した導波管モードのミリ波を空間伝送モードへと変換するモード変換器の設計において、両周波数で高い変換効率(110GHzでは96.8%、138GHzでは98.3%)が得られた。この変換効率は、以前に長パルス運転実績のある110GHzジャイロトロンにおける変換効率(96.5%)より高く、高出力,長時間運転に適した設計結果が得られた。上記設計に基づき、新規ジャイロトロンを製作し、調整運転を2012年6月中旬より開始した。これまでのところ、低めのビーム電流(10A)及びビーム電圧(75kV)で、予定通り約200kWの出力を得て、設計に大きな問題がないことを確認した。
100
Development of failure probability evaluation methodology of passive safety function in level-1 PSA for sodium-cooled fast reactors; Identification of important uncertainty parameters
山野 秀将; 堺 公明; 栗坂 健一
Proceedings of 9th International Topical Meeting on Nuclear Thermal-Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-9) (CD-ROM), 16 Pages, 2012/09
本研究は、受動安全機能の喪失確率評価手法の開発を目的とする。本研究に続いて行われる重要な不確実さパラメータの感度解析に向けて、本開発の第一歩として、受動炉停止及び崩壊熱除去システムすなわち受動安全機能の喪失原因の同定が行われる。本研究は故障原因,ランク表,重要な不確定パラメータの同定を説明する。
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Effectiveness of AM measures for long-term core cooling during PWR vessel bottom small-break LOCA based on RELAP5 analyses of ROSA/LSTF experiment
竹田 武司; 渡辺 正; 中村 秀夫
Proceedings of 9th International Topical Meeting on Nuclear Thermal-Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-9) (CD-ROM), 12 Pages, 2012/09
Effectiveness of SG depressurization as accident management measure for long-term core cooling in case of PWR 0.2% PV bottom small-break LOCA was investigated by a ROSA/LSTF experiment and parameter analyses with RELAP5/MOD3.2.1.2 code under total failure of HPI system. In the LSTF experiment, the primary depressurization rate of 55 K/h at both SGs and auxiliary feedwater (AFW) injection for 30 min resulted in rather slow primary depressurization due to non-condensable gas inflow. Core temperature excursion took place due to boil-off before actuation of LPI system. The LSTF experiment was analyzed to minimize the discrepancy in the calculated results from the test observations. A fast primary depressurization by fully opening SG relief valves would result in later core uncovery than in the 55 K/h rate case due to smaller loss rate of the primary coolant. Continuous AFW injection would be necessary for long-term core cooling by the LPI actuation without core heatup.
102
Experimental study on thermal stratification in a reactor vessel of innovative sodium cooled fast reactor; Characteristics of stratification interface under natural circulation operation
木村 暢之; 小野島 貴光; 上出 英樹
Proceedings of 9th International Topical Meeting on Nuclear Thermal-Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-9) (CD-ROM), 12 Pages, 2012/09
ナトリウム冷却高速炉のスクラム過渡時温度成層化現象に関して、1/11縮尺炉上部プレナム水流動試験装置を用い、トリップ後の系統運用を自然循環に変更した場合の温度成層界面挙動を評価した。その結果、成層界面での温度勾配が、強制循環除熱条件に比べて、1/2.6$$sim$$1/6.2程度となった。すなわち、系統運用の変更により、温度成層化現象による原子炉容器壁への熱応力を大幅に低減できることがわかった。
103
Global sensitivity analysis for core hot spot evaluation under natural circulation decay heat removal in sodium-cooled fast reactor
堂田 哲広; 上出 英樹; 大島 宏之; 渡辺 収*
Proceedings of 9th International Topical Meeting on Nuclear Thermal-Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-9) (CD-ROM), 11 Pages, 2012/09
ナトリウム冷却高速実用炉(JSFR)で採用を検討している完全自然循環式炉心崩壊熱除去システムについて、これまでに保守性を考慮した決定論的評価をベースとする炉心高温点評価手法を開発してきたが、そのさらなる合理化及び安全評価の説明性の向上を目的に、統計的安全評価の考え方を導入する。本報では、その第1段階として、PIRT(重要度ランクテーブル)のプロセスに従って、JSFRの自然循環崩壊熱除去運転時の重要現象を抽出するとともに、それらの重要現象に関連する不確かさ因子について、外部電源喪失事象を対象としたグローバル感度解析を実施した結果を報告する。
104
Numerical simulation of two-phase critical flow in a convergent-divergent nozzle
石垣 将宏; 渡辺 正; 中村 秀夫
Proceedings of OECD/NEA and IAEA Workshop on Experimental Validation and Application of CFD and CMFD Codes in Nuclear Reactor Technology (CFD4NRS-4) (CD-ROM), 11 Pages, 2012/09
本研究では、Super Moby Dickノズル(収縮-拡大ノズル)内における相変化を伴う二相臨界流をCFDコードFLUENTにより解析した。質量流量,圧力,ボイド率の計算結果を実験結果と比較することにより解析コードの性能評価を行った。相変化のシミュレーションを行うため、蒸発・凝縮モデルとともにキャビテーションモデルを適用した。管の軸方向の圧力差が小さい場合、質量流量の計算結果は実験結果とよく一致した。一方、圧力差が大きい場合、質量流量を過小評価した。また、壁からの発泡の効果を導入することにより、質量流量の計算結果が大きく改善されることがわかった。
105
Uncertainty quantification scheme in V&V of fluid-structure thermal interaction code for thermal fatigue issue in a sodium-cooled fast reactor
田中 正暁
Proceedings of OECD/NEA and IAEA Workshop on Experimental Validation and Application of CFD and CMFD Codes in Nuclear Reactor Technology (CFD4NRS-4) (CD-ROM), 16 Pages, 2012/09
異温度流体の混合に起因する高サイクル熱疲労により構造健全性が損なわれる現象の評価は、高速炉の安全上極めて重要であり、流体と構造間の熱連成挙動を予測できる解析コード(MUGTHES)の開発を行ってきた。本論文では、高サイクル熱疲労解析評価手法の整備の一環として、熱流動解析モジュールを対象に層流条件下での基本体系での熱流動問題を例題として、V&Vに関する既往ガイドラインを参照して不確かさ評価を行うとともに、構造内温度場解析モジュールに対して理論解との比較により不確かさ評価を行った。さらに、T字合流部の水流動試験を対象として流体-構造熱連成解析を実施して熱疲労問題に対するMUGTHESの適用性について確認した。
106
除染効果評価システムCDEを用いた除染計画の検討
佐藤 大樹; 大泉 昭人; 松田 規宏; 小嶋 健介; 久語 輝彦; 坂本 幸夫*; 遠藤 章; 岡嶋 成晃
RIST News, (53), p.12 - 23, 2012/09
福島第一原子力発電所の事故により、環境中に放出された放射性物質に対する効率的な除染計画の立案を支援するために、除染効果評価システムCDEを開発した。CDEはグラフィカル・ユーザー・インターフェースを通した簡便な操作で、除染前後の空間線量率と除染効果(線量率減少係数)をシミュレーションし、その結果を除染対象領域の地形図上に可視化する。本稿では、CDEを用いた除染計画の検討方法の例として、福島県伊達市下小国地区を対象としたケーススタディの結果を示した。具体的には、集落において除染対象領域を順次拡大していった場合や除染方法を変更した場合の除染効果への影響を調べた。その結果、下小国地区の家屋周辺の空間線量率を効果的に低減させるには、一般的な除染方法を採用して、その周辺部の除染から実施することが望ましく、また畑やグラウンドを除染することで集落全体の空間線量率を下げることができるとわかった。本研究により、CDEのようなコンピュータ・シミュレーションを用いた除染計画検討の有用性が示された。
107
Stability of pyrrolidone derivatives against $$gamma$$-ray irradiation
野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 川崎 武志*; 原田 雅幸*; 川田 善尚*; 森田 泰治; 菊池 俊明*; 池田 泰久*
Science China; Chemistry, 55(9), p.1739 - 1745, 2012/09
 被引用回数:2 パーセンタイル:81.79(Chemistry, Multidisciplinary)
6価及び4価のアクチノイド元素に対して沈殿剤として利用できるN-アルキルピロリドン誘導体について、放射線に対する安定性を$$^{60}$$Coの$$gamma$$線照射により調べた。3M硝酸中での照射試験の結果、1MGyの照射で約20%のN-ブチルピロリドンが分解すること、しかしU(VI)の沈殿率は余り変化しないことを明らかにした。また、分解生成物の分析により、ピロリドン環の開環を含む分解のメカニズムを検討した。
108
放射線
高橋 直樹
生理人類士入門, p.170 - 175, 2012/09
生理人類士認定委員会編「生理人類士入門」は、大学等において生理人類学を学ぶ学生や生理人類学士を目指す学生等の受験対策用の教科書として、生理人類学士資格認定を行う日本生理人類学会が発行しているものである。生理人類学とは、ヒトを取り巻くさまざまな環境とヒトとのかかわり、及びそれらがヒトの生理活動に対してどのような影響を及ぼすかを研究する学問分野である。福島第一原子力発電所事故以降、生理人類学会ではヒトを取り巻く環境の一つとして放射線についても正しい知識の習得と理解を深めるため、2012年度改訂される「生理人類士入門」に放射線に関する章が追加されることとなった。日本生理人類学会 資格認定担当の実践女子大学 山崎和彦教授からの執筆依頼(執筆者は、日本生理人類学会員)に基づき、「生理人類士入門8.7放射線」として(1)放射線と人類とのかかわり、(2)放射線を理解するうえでの基礎的な知識、(3)放射線による人体影響について、その執筆を行った。
109
照射処理により食品に誘導されるラジカルの解析
岸田 敬吾*; 貝森 良彦*; 川村 翔栄*; 坂本 侑輝*; 中村 秀夫*; 菊地 正博; 下山 雄平; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*
食品照射, 47(1), p.1 - 5, 2012/09
$$gamma$$線照射した食品(黒胡椒,コーヒー生豆,朝鮮人参)のフリーラジカルを電子スピン共鳴法を用いて調べた。$$gamma$$線照射した食品のESRスペクトルはg=2.0を中心とした6本線とそれに重なる1本線とg=4.0の1本線から成っていた。有機フリーラジカル由来と考えられるg=2.0の1本線のピーク強度は線量依存性を示した。照射食品のラジカルの減衰挙動を経時的に解析すると、シグナル強度は照射3時間後まで早く減少し、それ以降はゆっくり減少した。反応速度論に基づくシミュレーション法を用いて減衰過程を解析すると、少なくとも2種類のラジカルが食品保存中に誘導されると考えられた。そこで、ラジカルの安定性や周辺環境を示す指標である緩和時間を用いてラジカル種の違いを検討した。長期保管中におけるラジカル緩和時間の変化を調べると、50kGy照射した黒胡椒でT$$_{1}$$は増加傾向、T$$_{2}$$は減少傾向があり、このことからもラジカル種の違いが示唆された。
110
Pulse-ESRとCW-ESRによる照射黒コショウ中のラジカルの緩和時間解析
亀谷 宏美*; 菊地 正博; 等々力 節子*; 古田 雅一*; 小林 泰彦; 原 英之*; 下山 雄平; 鵜飼 光子*
食品照射, 47(1), p.6 - 10, 2012/09
本研究では、パルスESRと連続波(CW)ESRを用いて照射黒コショウ中のフリーラジカルを測定し相互比較を行った。まず、照射黒コショウを検体としてパルスESRでの測定条件を検討し、初めてエコー観測に成功した。そこで、黒コショウ中のラジカルの緩和時間(T$$_{1}$$, T$$_{2}$$)をパルスESRで測定すると、T$$_{1}$$は線量依存性を示さなかったが、T$$_{2}$$は照射につれて増加した。一方、CW-ESRで測定したシグナル飽和挙動の理論解析からもT$$_{1}$$とT$$_{2}$$を計算した。その結果、パルスESRとCW-ESRで求めたT$$_{1}$$とT$$_{2}$$の値に一致は見られなかったが、線量増加したときの数値の変化の傾向は同じであった。パルスESRで測定されるT$$_{2}$$の値は線量依存性が非常に強かった。今後、実用線量で照射された試料で検討を行うことで、新たな照射検知に応用できる可能性がある。
111
WSPEEDIによる福島第一原発事故の大気拡散解析
永井 晴康
主任者ニュース, (18), p.6 - 8, 2012/09
東京電力福島第一原子力発電所事故に伴い環境中に放出された放射性物質について、周辺住民の被ばく線量や環境汚染状況を把握し中長期的な対策を検討するうえで、大気及び海洋における放射性物質の分布と移行過程を詳細に解析することが重要である。原子力機構では、事故により放出された放射性物質の環境中移行の詳細解析を進めている。これまでに、大気拡散予測システムWSPEEDI-IIを用いて、大気放出量の推定及び大気拡散解析を実施した。まず、原子力安全委員会と協力して事故で大気環境に放出された放射性ヨウ素とセシウムについて、環境モニタリングデータと大気拡散シミュレーションの比較から放出量を推定した。放出量推定結果に基づき、原子力発電所周辺地域を対象とした局地域大気拡散解析による福島県内の高線量地域の形成メカニズムの解明、広域拡散解析による$$^{137}$$Cs降下量分布の再現による推定放出量データの妥当性確認と分布形成過程の解明などを行った。
112
水素熱脱離曲線における試料サイズと初期状態の影響; 数値シミュレーションによる考察
海老原 健一; 蕪木 英雄
水素脆化研究の基盤構築中間報告会予稿集, p.27 - 34, 2012/09
鉄鋼材料の水素脆化機構の解明に不可欠な水素の存在状態の知見を得る有効な実験的方法として水素熱脱離解析(TDA)がある。TDAでは加熱した鉄鋼試料から放出される水素量と試料温度の関係である水素熱脱離曲線が得られ、その曲線から水素存在状態を推定するのに重要な水素と欠陥の結合エネルギーを算出することができる。熱脱離曲線は鉄鋼中の水素の存在状態を反映しているが、試料サイズや昇温前の水素の初期状態にも影響されるため、それらの熱脱離曲線への影響を理解する必要がある。今回は、マルテンサイト鋼の実験熱脱離曲線を再現できる計算パラメータを組み入れた一次元反応拡散方程式を用いたシミュレーションによって、試料サイズと初期状態の熱脱離曲線への影響を考察した。その結果、試料サイズについては、大きくなるほど熱脱離曲線のピークが広がり、計算される結合エネルギーが小さくなることが確認された。初期状態については、水素分布が平衡となる前の過渡状態を初期状態としたサイズの大きい試料では、欠陥の水素放出と水素拡散に関する2つのピークが見られることがわかった。
113
The Physical origin of the InSb(111)A surface reconstruction transient
Proessdorf, A.*; Rodenbach, P.*; Grosse, F.*; Hanke, M.*; Braun, W.*; Riechert, H.*; Hu, W.; 藤川 誠司*; 神津 美和; 高橋 正光
Surface Science, 606(17-18), p.1458 - 1461, 2012/09
 被引用回数:1 パーセンタイル:90.97(Chemistry, Physical)
The InSb(111)A surface is prepared by molecular beam epitaxy and investigated by reflection high-energy electron diffraction (RHEED). The complete two dimensional diffraction pattern is mapped out by azimuthal RHEED (ARHEED). Two reconstructions are identified and additionally a set of new symmetries is observed. At low temperature a $$(2sqrt{3}times 2sqrt{3})$$ pattern is observed which changes to the $$(2times 2)$$ pattern at high temperature. In contrast to the GaSb(111)A surface the observed $$(2sqrt{3}times 2sqrt{3})$$ structure is not stabilized by configurational entropy.
114
炭素循環製鉄システムのエネルギー源としての高温ガス炉の検討
笠原 清司; 佐藤 博之; 稲垣 嘉之; 小川 益郎
材料とプロセス(CD-ROM), 25(2), p.647 - 650, 2012/09
製鉄におけるCO$$_{2}$$排出量の削減、並びに還元材である炭素資源の供給安全保障を目的として、製鉄プロセスへの炭素循環エネルギーシステム(ACRES)の適用が検討されている。ACRESは炭素資源利用後に発生するCO$$_{2}$$を非炭素系一次エネルギーによって炭素資源(CO)に再生し、再利用するものである。この適用性を評価するためには、非炭素系一次エネルギーやCO$$_{2}$$再生技術の選定が重要な課題となる。CO$$_{2}$$再生には電気・水素・高温熱等の利用が考えられることから、これらの供給が可能な高温ガス炉がその候補として挙げられる。ここでは、炭素循環製鉄システムのエネルギー源としての高温ガス炉について、熱・物質収支等の検討を行った。また、再生可能エネルギーである太陽光・熱もACRESの非炭素系一次エネルギーとして有望と考えられる。そこで、高温ガス炉と太陽光・熱による電気・熱供給の併用を想定して、高温ガス炉における負荷変動追従の成立性についても検討し、高温ガス炉と太陽光・熱の併用が可能であることを示した。
115
One-dimentional nanotemplate structure of a Si(110) substrate
横山 有太; 朝岡 秀人; Sinsarp, A.*; 佐々木 正洋*
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 10, p.509 - 512, 2012/09
Si(110)-16$$times$$2再構成表面は、規則的な凹凸が非常に広範囲に渡って続く特異な1次元構造を有するため、低次元ナノ構造創製のテンプレート表面としての応用が期待される。本研究では、表面温度や蒸着量を制御しながらGeを真空蒸着することで、Geのクラスター化やナノドット化の様子を走査トンネル顕微鏡を用いて計測した。その結果、表面温度を上げるとGeのクラスターサイズが大きくなり、600$$^{circ}$$C以上で加熱することでGeナノドットが形成された。また、ナノドットが形成されることで基板の構造が変化しており、基板にひずみが生じている可能性がある。今後基板のストレス計測などを行い、ナノドット形成過程をより詳細に検討する。
116
低温領域の熱年代に基づいた木曽・赤石山脈の隆起・削剥史
末岡 茂
地学団体研究会第66回総会(長野)講演要旨集・巡検案内書, p.21 - 22, 2012/08
地殻変動の長期予測を行ううえで、山地の隆起開始時期や高度の変遷といった発達過程の把握が重要となる。本研究では、木曽山脈と赤石山脈を事例として、フィッション・トラック(FT)熱年代及び(U-Th)/He(He)熱年代をもとに、山地の隆起・削剥史の解明を試みた。木曽山脈では、アパタイトFT年代及びアパタイトHe年代の若返りから、削剥速度が1.3-4.0mm/yr、基盤隆起速度の上限が3.4-6.1mm/yrと求められた。また、木曽山脈は、東西両側の断層運動によって西に傾動しながら隆起していることが示唆された。赤石山脈北部では、ジルコンHe年代及びアパタイトFT年代の若返りから、削剥速度が1.2-2.2mm/yr以上と推定された。赤石山脈南部の既報のアパタイトFT年代・ジルコンFT年代を含めた検討からは、赤石山脈は南北で隆起開始時期や隆起様式が異なる可能性が示唆された。
117
Fabrication of micro capsule containing fluorescent magnetic particles for advanced inspection of heat exchanger tubes
伊東 富由美; 西村 昭彦
E-Journal of Advanced Maintenance (Internet), 4(2), p.57 - 63, 2012/08
溶接部欠陥の検査技術の1つとして蛍光磁粉を用いた磁粉探傷試験がある。伝熱管の検査技術に適用する磁粉探傷試験を高度化するため、複雑な形状及び深さが数$$mu$$m以上の欠陥でも検出可能という特徴を活かしつつ、伝熱管内に磁粉を散布するという短所の改善が必要である。ここではミリメートルサイズの欠陥に磁粉を集合するため、磁粉を内包したマイクロメートルサイズのカプセルの作製を行った。この作製したマイクロメートルサイズのカプセルは磁力線に集合することを確認した。これにより磁粉の回収が容易となり、高経年化する軽水炉の検査技術に役立つ手法となる。
118
大気擾乱が日本海低次生態系に与える影響
鬼塚 剛*; 柳 哲雄*; 鵜野 伊津志*; 川村 英之; Yoon, J.-H.*; 山中 康裕*
沿岸海洋研究, 50(1), p.45 - 51, 2012/08
日本海では、光・栄養塩の季節変動によって、表層の植物プランクトン濃度が顕著な季節変動を示す。一方、季節変動とは別に、台風等の大気擾乱が表層の低次生産に一定の役割を果たしていることが考えられる。本研究では、さまざまな時間スケールの外力で3次元物理・生態系モデルを駆動し、それらの結果を比較することで、大気擾乱が日本海の低次生態系に及ぼす影響を検討した。その結果、大気擾乱が日本海の基礎生産量を高めることが示唆された。
119
Carbon isotopes of water-extractable organic carbon in a depth profile of forest soil imply a dynamic relationship with soil carbon
中西 貴宏; 安藤 麻里子; 小嵐 淳; 國分 陽子; 平井 敬三*
European Journal of Soil Science, 63(4), p.495 - 500, 2012/08
 被引用回数:11 パーセンタイル:27.71(Soil Science)
森林土壌における水抽出有機炭素(WEOC)の起源と動態を解明するために、非イオン系網状アクリル系樹脂DAX-8によって化学分画したWEOCの$$^{13}$$Cと$$^{14}$$Cを測定した。深さとともに高くなるWEOCの$$delta$$$$^{13}$$Cは、疎水性酸画分に対する親水性画分の割合増加を反映していた。また、WEOCの$$Delta$$$$^{14}$$Cから、WEOCの主要な起源は鉱質土壌層に存在する古い有機物であることを示した。これらの結果は、これまで提案されてきた、疎水性酸画分の選択的吸着と鉱質土壌層からの潜在的溶存有機物の浸出というプロセスを強く支持するものであった。このような土壌有機物に強く関係したWEOCの動態は、土壌における炭素の輸送・蓄積過程に対して重要な役割を担っているといえる。
120
Comparative study of laser and TIG weldings for application to ITER blanket hydraulic connection
谷川 尚; 油谷 篤志; 重松 宗一郎; 武田 信和; 角舘 聡; 森 清治*; Jokinen, T.*; Merola, M.*
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.999 - 1003, 2012/08
 被引用回数:6 パーセンタイル:28.68(Nuclear Science & Technology)
本論文では、ITERブランケットの冷却配管へ適用するために開発したレーザー及びTIG溶接ツールを比較検討する。対象とする配管は外径が48.26mmで肉厚が2.77mmである。再溶接性を考慮して、フィーラー材なしの単パス溶接が要求されている。レーザー溶接では、許容ミスアライメントを大きくするために、スポット径を拡大した。TIG溶接では、トーチの溶着を防ぐと同時に許容ミスアライメントを大きくするために、AVC機構を採り入れた。これらの工夫を施したツールについて、実機への施工で予想される全姿勢溶接の条件を最適化した。溶接入熱,許容ミスアライメント,ツールの寿命,スパッタもしくはヒュームの生成量などについて比較検討した。
121
Verification test results of a cutting technique for the ITER blanket cooling pipes
重松 宗一郎; 谷川 尚; 油谷 篤志; 武田 信和; 角舘 聡; 森 清治*; 中平 昌隆*; Raffray, R.*; Merola, M.*
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1218 - 1223, 2012/08
 被引用回数:3 パーセンタイル:51.5(Nuclear Science & Technology)
ITERの保守交換技術の1つである冷却配管の切断技術では、切断面が良質であることと、切断紛の発生がゼロであることが要求される。このため、これら2つの要求条件を満足する切断方式として、2つの機械式切断方法を選定し、要求条件を満足する以下の切断性能を有することを確認した。(1)ディスクカッタ型切断方式: 配管内部からアクセスし、42mm内径(厚み3mm)の冷却配管切断を可能にするために、切り込み力と切断回転力を支持する機構部分をコンパクトにするために「くさび」型の機構を採用した。この支持機構により切断力の均等化と伝達効率を高めることが可能になり、切り粉の発生がない極めて良好な切断面を得ることができた。(2)ホールソー切断方式: 従来、ホールソーによる切断は外側に切り粉を拡散させる方式であるため、切り粉を集塵するカバーが必要となり、切削機構部が大型化することが技術課題であった。この課題を解決するために、内側に切り粉を集めるように、切削刃チップの配置とこのチップの形状を選定した。この結果、切り粉のホールソー内側への高い流動性と、99%以上の集塵効率、200回以上の耐久性を有することを確認できた。
122
RAMI analysis of ITER CODAC
北澤 真一; 岡山 克己*; 閨谷 譲; Sagot, F.*; Van Houtte, D.*; Abadie, L.*; 米川 出*; Wallander, A.*; Klotz, W.-D.*
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1510 - 1513, 2012/08
 被引用回数:4 パーセンタイル:42(Nuclear Science & Technology)
ITERプロジェクトでは、機器の設計と運転及び保守の準備の指針となる技術的リスク管理に、信頼性・可用性・保守性・検査性(RAMI)手法が用いられている。プラント制御システムであるITER CODACシステムの概念設計の段階でのRAMI解析を行った。ボトムアップ手法を用いた機能分析により、5つの主要機能と下位機能に分析した。次に、リスクの緩和対策を行うために、故障モード・影響及び致命度解析を行った。また、致命度マトリックスを用いた解析により、故障の発生頻度と可用性に与える影響からさまざまな故障モードのリスクの評価を行った。ここで特に影響が大きいと分析されたリスクは、データ保存用ハードウェアや制御用ソフトウェアであった。さらに、与えられた運転条件の下でそれぞれの機能の信頼性と可用性を行うために信頼性ブロック図を作成した。計算により、是正を行った後のプラズマ実験に必要不可欠な機能の固有の可用性は、プロジェクト要求値98.8%より高い99.2%と計算された。さらなるリスクレベルの低減のために、設計・試験・操作手順・保守要件の事項を提案した。
123
Development of fabrication technologies for advanced breeding functional materials for DEMO reactors
星野 毅; 中道 勝
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.486 - 492, 2012/08
 被引用回数:27 パーセンタイル:1.68(Nuclear Science & Technology)
日本と欧州で核融合エネルギー開発の早期実現を図ることを目的として行う研究開発である幅広いアプローチ(BA)活動の一環として、核融合炉の燃料となるトリチウム製造に必要な先進トリチウム増殖材料の、エマルジョン法による微小球の試作試験を行った。先進トリチウム増殖材料としては、Liの核的燃焼及び高温でのLi蒸発に対する結晶構造安定性の向上を図ったLi添加型Li$$_{2}$$TiO$$_{3}$$の粉末を用い、微小球の試作を行ったところ、直径0.95mmの真球に近い微小球の試作に成功した。さらに、トリチウムは中性子とLiとの核反応により製造するため、中性子を得るために必要なベリリウム金属間化合物(ベリライド)の試作試験も行った。BeとTiの粉末を用いベリライドの試作を行ったところ、高温にて水蒸気との反応性が低い等の利点を有するBe$$_{12}$$Tiの合成に成功した。
124
Development of a synthesis method of beryllides as advanced neutron multiplier for DEMO reactors
中道 勝; 金 宰煥; 若井 大介; 米原 和男
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.896 - 899, 2012/08
 被引用回数:7 パーセンタイル:23.79(Nuclear Science & Technology)
DEMO reactors require advanced blanket functional materials of neutron multiplier that have higher stability at high temperature. Development of advanced neutron multiplier has been started between Japan and the EU in the DEMO R&D of the International Fusion Energy Research Centre (IFERC) project as a part of the Broader Approach activities. Development of beryllides as advanced neutron multiplier has been started. In this study, it reports on the trial synthesis results of beryllides by a plasma sintering method and a high-frequency heating method. The plasma sintering method, one of the sintering process, results in starting powder particle surface activation that enhances powder particle sinterability and reduces high temperature exposure. Plasma sintering is a non-conventional consolidation process and has some advantage such as easy process and low impurity level compared with existing HIP method. From the result of the sintering test, it is assumed that the beryllides could be directly synthesized by the plasma sintering method from mixed powder particles of Be and Ti at a lower temperature than melting point. In this report, trial synthetic results of beryllides by a melting process using high-frequency heating method will be also present.
125
Conceptual study of vertical sector transport maintenance for DEMO fusion reactor
宇藤 裕康; 飛田 健次; 染谷 洋二; 高瀬 治彦
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1409 - 1413, 2012/08
 被引用回数:5 パーセンタイル:34.94(Nuclear Science & Technology)
BA原型炉設計活動において、DEMO原型炉に向けたさまざまな保守方式の検討が進められている。原型炉における保守方式は、原型炉全体の設計に影響し、炉の稼働率に直結するため、非常に重要な検討項目の一つとして位置付けられている。原子力機構での原型炉設計例SlimCSでは、稼働率を考慮してセクター水平一括引き抜き方式を採用してきた。原型炉の最も有効な保守方式を決定するためには、さまざまな保守方式を検討し、評価する必要がある。そのため、本研究ではセクター垂直一括引き抜き方式について概念検討を行った。セクター方式は、炉内機器の電磁力支持が容易であり、保守時間に直結する配管の切断・再溶接箇所を最小限に抑えることが可能である。本セクター垂直一括引き抜き方式では、ブランケット及び高温遮蔽体を含むセクターをトロイダル方向に10度ずつに分割し、1つ置きに設けられた上部メンテナンスポートより搬入・搬出する。水平一括引き抜き方式に比べ、TFコイルの転倒力支持として十分なinter-coil structureを設けることができるなど、炉本体設計への利点が明らかになった。
126
Effects of lithium burn-up on TBR in DEMO reactor SlimCS
佐藤 聡; 西谷 健夫; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.680 - 683, 2012/08
 被引用回数:3 パーセンタイル:51.5(Nuclear Science & Technology)
核融合DEMO炉のブランケットにおいて、トリチウム増殖材であるリチウムは核反応(トリチウム生成反応)により燃焼し、減少する。SlimCSブランケット設計を対象に、1次元Sn計算コードANISNを用いて、リチウム燃焼度を考慮しながらトリチウム増殖比(TBR)を計算した。1年運転ごとに、リチウム燃焼度によりリチウム原子個数密度を変化させ、TBRを計算した。SlimCSブランケット設計では、トリチウム増殖材層は厚さ方向に10層あり、10年連続運転後の$$^{6}$$Liの燃焼度は最大で約80%に達した。TBRは、各層によりTBRの増減が大きく異なり、最もTBRが減少する層では約40%減少したが、TBRが増加する層もあり、ブランケット全体では、TBRの減少は約4%にとどまった。リチウム燃焼度によるTBRの影響は大きくないことがわかった。
127
Development of the water cooled ceramic breeder test blanket module in Japan
榎枝 幹男; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 鈴木 哲; 落合 謙太郎; 今野 力; 河村 繕範; 山西 敏彦; 星野 毅; 中道 勝; et al.
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1363 - 1369, 2012/08
 被引用回数:21 パーセンタイル:2.62(Nuclear Science & Technology)
核融合ブランケットの開発においては、ITERの核融合環境を用いて、モジュール規模で増殖ブランケットの試験を行う、ITERテストブランケット・モジュール(TBM)試験は、原型炉へ向けた重要なマイルストンである。我が国は、水冷却固体増殖TBMを主案として試験を実施するためにその製作技術開発を進めている。我が国は、これまでに開発した接合技術を用いて、実規模のモジュールの第一壁,側壁,増殖材充填容器、の製作に成功するとともに、第一壁と側壁の組合せ試験にも成功した。さらに、厚さ90mmの後壁の製作技術についても、模擬材料を用いたモックアップの製作を終了した。モジュール製作技術をほぼ見通した。また、トリチウム生産のために必要な技術として、先進増殖・増倍材ペブル製作技術の開発や、核融合中性子を用いたトリチウム生成回収試験による、トリチウム生産技術開発についても進展した。本報告ではこれらのTBM開発の最新の成果を報告する。
128
Evaluation of local deformation behavior accompanying fatigue damage in F82H welded joint specimens by using digital image correlation
中田 隼矢; 谷川 博康
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.589 - 593, 2012/08
 被引用回数:4 パーセンタイル:42(Nuclear Science & Technology)
溶接接合部では、母材,溶接金属、そして数種類の熱影響部が層状に存在し、各々強度特性も大きく異なり、強度特性が劣化した熱影響部を起点として、早期に破壊に至るケースが多い。しかし、これらの極めて狭い領域の強度特性を定量的に評価することは難しく、接合部の損傷挙動を把握することは容易ではない。そのため、実機構造物に溶接部が含まれる場合は、強度低下を考慮して、一定の安全率を適用して運用される。そこで本研究では、画像解析法の一つであるデジタル画像相関法を用いて、核融合炉用構造材料である低放射化フェライト鋼F82Hの電子ビーム溶接接合材の疲労試験中の各局所領域の変形挙動を評価し、溶接接合材の疲労損傷挙動を評価した。その結果、溶融部と熱影響粗粒域については、変形はわずかしか生じないものの、熱影響細粒域及び焼戻熱影響部については、試験の進行に伴ってひずみが集中し、両者の境界付近で破断が生じた。溶接接合材の破断サイクルは母材の6割程度まで低下していた。これは、相対的に強度の低い熱影響部に負荷が集中することによって、早期のき裂発生を招き、疲労寿命を低下させたものと推察される。
129
Determination and prediction of axial/off-axial mechanical properties of SiC/SiC composites
野澤 貴史; 小沢 和巳; Choi, Y.-B.*; 香山 晃*; 谷川 博康
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.803 - 807, 2012/08
 被引用回数:10 パーセンタイル:17.18(Nuclear Science & Technology)
SiC/SiC複合材料は核融合DEMO炉の候補材料である。さまざまな織物構造からなる複合材料に固有の異方性を検討することは、さまざまな破損モードによる主軸及び非主軸機械的特性を正確に予測するうえで必要不可欠である。本研究はさまざまな破損モード試験における複合材料のき裂進展挙動を明らかにし、強度異方性マップを獲得し、その予測手法を検討した。得られた強度異方性マップより、複合材料は混合破壊モードであることが明らかになり、また、面内剪断に加え、軸異方性のため主軸/非主軸の引張及び圧縮による、独立した計5つのパラメータに依存していることが明らかとなった。また本研究では、Tsai-Wuモデルにより、強度異方性がよく記述できることを示した。
130
Change in activity of catalysts for the oxidation of tritium during a fire event
岩井 保則; 佐藤 克美; 山西 敏彦
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.946 - 950, 2012/08
 被引用回数:2 パーセンタイル:63.64(Nuclear Science & Technology)
核融合プラントにおける安全性確保のため、異常事象発生時においてもトリチウムを酸化する触媒の性能は維持する必要がある。火災時には電気ケーブル等から有機ガスが発生し、トリチウム酸化触媒の性能を阻害する可能性が指摘されてきた。これを踏まえて、白金アルミナ触媒及び原子力機構が企業と共同開発した疎水性白金触媒H1Pの二種につき、火災時の触媒の活性度変化を実験的に検証した。火災模擬試験から、火災時に発生する主要有機ガスはエチレン,メタン,ベンゼンであることを明らかとした。触媒温度423Kでは試験した二種の触媒とも火災による活性度低下は見られなかった。293Kでは火災初期に有機ガスの燃焼により、触媒の水素酸化反応速度の向上が見られた。H1Pは水分影響で反応速度が一時的に低下するものの、最終的にはもとの反応速度に戻り、火災により不可逆的な触媒性能の低下は生じないことを明らかとした。
131
Waste management strategy focused on maintenance, storage and recycling
染谷 洋二; 飛田 健次; 宇藤 裕康; 朝倉 伸幸
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1282 - 1285, 2012/08
 被引用回数:2 パーセンタイル:63.64(Nuclear Science & Technology)
核融合炉から発生する放射性廃棄物に関して、これまで提案されてきた管理の基本的考え方は、廃棄物を50$$sim$$100年間管理貯蔵して表面線量率及び放射性核種濃度の減衰を待ち、廃棄物の取扱いや廃棄物区分における便益を高めるというものであった。しかしながら、廃棄物の管理は、炉内機器の定期交換のために炉を停止した時点から始まっているのであり、本研究では、保守時の炉本体室での廃棄物の取り扱い、搬送、ホットセルでの管理などにも焦点を当てた廃棄物管理シナリオの初期検討結果を示す。保守時における炉内機器の表面線量率は最大で3$$times$$10$$^{8}$$mSv/h、崩壊熱は最大30W/cm$$^{3}$$と見積もられ、保守機器には高い耐放射線性が求められる。また、炉内機器交換のために炉を開放した場合の漏洩$$gamma$$線対策のため、保守ポート寸法の低減、ブランケット及びブランケットの遮蔽対策が重要である。ブランケットとダイバータは崩壊熱除去のため数年間冷却を続ける必要がある。この冷却方式は保守機器やホットセルの設計に影響を与えると考えられる。炉内機器構造材からの脱トリチウム処理に崩壊熱を活用できる可能性もある。
132
Efforts towards improvement of systems codes for the Broader Approach DEMO design
中村 誠; Kemp, R.*; 宇藤 裕康; Ward, D. J.*; 飛田 健次; 日渡 良爾*; Federici, G.*
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.864 - 867, 2012/08
 被引用回数:9 パーセンタイル:17.18(Nuclear Science & Technology)
ITERやポストITER時代での電力生産に向けた核融合研究のため、原型炉へ向けた開発目標を明確にする必要がある。具体的にはプラズマパラメータや工学要件(磁場コイルやダイバータ熱負荷)等の目標設定である。一般に炉設計の第一段階として、工学的制約を踏まえた運転領域の評価のためにシステム解析が行われる。そのため、既存のシステムコードの評価あるいは開発が炉設計の基本として重要となる。本論文では、BA原型炉のためのシステムコード開発に向けた最近の活動のうち、これまでに日本と欧州が独自に開発したシステムコードのベンチマーク試験について報告する。ブートストラップ電流がさほど大きくない中程度のベータ値の領域では、両者のコードの計算結果はよく一致した。
133
Development of the plasma facing components in Japan for ITER
鈴木 哲; 江里 幸一郎; 関 洋治; 毛利 憲介; 横山 堅二; 榎枝 幹男
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.845 - 852, 2012/08
 被引用回数:5 パーセンタイル:34.94(Nuclear Science & Technology)
ITERダイバータ調達に関するプリクォリフィケーション活動を成功裏に完了し、日本国内機関(JADA)とITER機構(IO)は2009年6月、ダイバータ外側ターゲットの調達に関する調達取り決めを締結した。本調達取り決めに基づき、JADAはダイバータ外側垂直ターゲット実規模プロトタイプの製作に着手し、ITER用実機外側ターゲットのシリーズ製作開始に向け、合理的な製作方法を確立するために、技術的及び品質的な課題の抽出とその解決に取り組んでいる。本稿では、JADAの外側垂直ターゲット調達活動を概説するとともに、今後の調達スケジュールに関して報告する。
134
Overview of R&D activities on tritium processing and handling technology in JAEA
山西 敏彦; 中村 博文; 河村 繕範; 岩井 保則; 磯部 兼嗣; 小柳津 誠; 山田 正行; 鈴木 卓美; 林 巧
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.890 - 895, 2012/08
 被引用回数:1 パーセンタイル:78.54(Nuclear Science & Technology)
原子力機構では、トリチウムプロセス研究棟(TPL)において、トリチウム処理及び取り扱い技術の研究開発を行っている。主たる研究課題は、ブランケットシステムにおける増殖トリチウム処理技術開発,トリチウム格納系における挙動,トリチウム除去・除染である。核融合原型炉を目指したトリチウム処理及び取り扱い技術についても、BAプログラムの下、原子力機構と日本の大学で共同で、研究開発を行っている。具体的には、トリチウム分析技術,トリチウム安全にかかわる基礎研究,材料のトリチウム耐久性である。固体電解セルに関して、ブランケットシステムのトリチウム処理方法として開発を行った。トリチウムの純鉄を介した水への透過挙動を研究した。高濃度トリチウム水の挙動については、腐食に安定な酸化膜の形成が、トリチウム水の存在で阻害されることが認められた。トリチウム水処理に用いられる化学交換塔の電解セルについて、トリチウム耐久性試験を行った。
135
JT-60SA vacuum vessel manufacturing and assembly
正木 圭; 芝間 祐介; 櫻井 真治; 柴沼 清; 逆井 章
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.742 - 746, 2012/08
 被引用回数:4 パーセンタイル:42(Nuclear Science & Technology)
JT-60SA真空容器は、D型ポロイダル断面、かつトロイダル方向に10$$^{circ}$$ごとの多角形形状で構成されている。また、高い一周抵抗を確保し、かつ運転時の電磁力に耐える強度を得るために二重壁構造を採用している。材料は、放射化低減のため、低コバルトSUS316L(Co$$<$$0.05wt%)を使用している。運転時には、外部に設置される超伝導コイルの核発熱を低減させるために、二重壁間にホウ酸水(最大50$$^{circ}$$C)を流す。また、真空容器ベーキング時には200$$^{circ}$$Cの高温窒素ガスに切り替えて流す設計である。製作においては、要素試験及び20$$^{circ}$$上半の試作体の製作をあらかじめ行い、製作手順を確立した後、2009年の11月に実機の製作を開始した。また、真空容器の位置調整や40$$^{circ}$$セクター接続を含む現地組立方法を検討し、真空容器の全体組立手順を確立させた。
136
Evaluation of $$gamma$$-ray and neutron energy for area monitoring system in the IFMIF/EVEDA accelerator building
高橋 博樹; 前原 直; 榊 泰直; 平林 慶一*; 日高 浩介*; 執行 信寛*; 渡辺 幸信*; 相良 建至*
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1235 - 1238, 2012/08
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
IFMIF/EVEDA加速器は9MeV, 125mAのD$$^{+}$$ビームの加速器であり、六ヶ所サイトに計画されている。加速器系設備では、中性子及び$$gamma$$線モニターと連携したエリアモニターを構築する計画している。採用予定の中性子及び$$gamma$$線の検出レベルは、1.5eV$$sim$$15MeV領域レベルであり、現在の遮蔽設計において、これらの検出レベル以下となるような遮蔽であるかどうか検証することが安全審査のために必要不可欠である。このためにD$$^{+}$$重陽子イオンビーム入射による銅からの中性子角度分布のエネルギー依存性を九州大学との共同研究で取得し、この核データを用いてビームダンプから発生する$$gamma$$線及び中性子のエネルギー減衰についてPHITSコードを用いて解析した。本報告では、ビームダンプの構造、加速器室を現設計に近いジオメトリとして評価を行う。
137
Effect of sweep gas species on tritium release behavior from lithium titanate packed bed during 14MeV neutron irradiation
河村 繕範; 落合 謙太郎; 星野 毅; 近藤 恵太郎*; 岩井 保則; 小林 和容; 中道 勝; 今野 力; 山西 敏彦; 林 巧; et al.
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1253 - 1257, 2012/08
 被引用回数:11 パーセンタイル:14.44(Nuclear Science & Technology)
核融合炉ブランケットで生成するトリチウムの量の把握は、トリチウム増殖性能の評価及び、回収システム設計の観点から重要である。そこで原子力機構では、核融合中性子源を用いた模擬ブランケットの照射によるトリチウム生成回収実験を開始した。増殖材にはチタン酸リチウムを用いている。今回は、生成トリチウムの放出挙動におけるスイープガスの種類の影響について報告する。1%のH$$_{2}$$を含むヘリウムガスでパージした場合、水蒸気状のトリチウムの放出が中性子照射に敏感に対応して生じた。これはスイープガス中に水蒸気成分が含まれていたことに起因する。乾燥ヘリウムガスでパージした場合は、水蒸気成分での放出が少なく、ガス分子状トリチウムの放出が目立つ結果となった。
138
Deuterium behaviour at the interface of oxidized metal under high temperature heavy water
中村 博文; 波多野 雄治*; 山西 敏彦
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.916 - 920, 2012/08
 被引用回数:3 パーセンタイル:51.5(Nuclear Science & Technology)
核融合炉冷却系における酸化誘起トリチウム透過挙動研究の一環として、高温高圧重水中で酸化された金属材料中への重水素進入挙動を調べた。実験は、SS304, F82H,ニッケル及び金メッキされたSS304とF82Hを使用し、オートクレーブ中で573K(15MPa)の条件で9時間から6日間酸化させた。その後、等速昇温脱離法により試料中の重水素を測定し、グロー放電発光元素分析装置で元素の深さ方向分布を測定した。本実験により以下の結果を得た。(1)金属酸化層及び試料中に残存する重水素は酸化時間とともに増加する。(2)重水素は試料の金属-酸化膜界面に主として存在している。(3)金メッキSS304試料中の重水素はSS304の約1/5であった。(4)ニッケル中の重水素残留量はSS304より1桁小さく、酸化膜層厚さも同定できないほど薄かった。これらの結果は、重水で酸化された金属中への重水素進入挙動は酸化反応時に発生する重水素ガスに起因していることを示唆する。また、酸化防止膜としての金メッキはある程度重水素進入に効果的であることがわかった。
139
New integral experiments for large angle scattering cross section data benchmarking with DT neutron beam at JAEA/FNS
大西 世紀*; 近藤 恵太郎*; 東 哲史*; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 高倉 耕祐; 村田 勲*; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.695 - 699, 2012/08
 被引用回数:2 パーセンタイル:63.64(Nuclear Science & Technology)
散乱断面積データの検証のために、DT中性子ビームを用いた新たな積分実験を開始した。最初に、コリメーターでDT中性子ビームを構築し、その特性を調べた。次に、このDT中性子ビームを用いて、SUS316体系を用いた新しい積分実験を行った。体系内中心軸上及び中心軸から15cm, 30cm離れた点で$$^{93}$$Nb(n,2n)$$^{rm 92m}$$Nb反応の反応率を放射化箔法で測定し、モンテカルロコードMCNP及び核データライブラリJENDL-4.0, JENDL-3.3, ENDF/B-VI.8を用いた計算との比較を行った。実験値に対する計算値の比はどの核データを用いても中心軸から離れるにつれて1より小さくなった。0度よりも大きな角度に散乱する断面積に問題がある可能性を指摘した。
140
R&D activities on manufacturing plasma-facing unit for prototype of ITER divertor outer target in JADA
江里 幸一郎; 鈴木 哲; 関 洋治; 西 宏; 毛利 憲介; 榎枝 幹男
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1177 - 1180, 2012/08
 被引用回数:4 パーセンタイル:42(Nuclear Science & Technology)
ITER建設に向け、原子力機構ではITER用ダイバータ外側垂直ターゲット製作に向けた技術開発を進めている。本報では、実機長プロトタイプの製作に向けた炭素系材料(CFC)製モノブロックと銅合金CuCrZr製冷却管の接合技術開発及び加熱試験の結果に関して最近の成果を報告する。接合試験によりCFCモノブロック接合の欠陥発生要因を明らかにするともに、それを改善する方法として、従来のCFCとCuCrZrの間の緩衝材として採用されていた無酸素銅の代わりに、Cu-W材を使用することにより接合欠陥発生が抑制されることを示した。さらに、同材料を緩衝材として製作したダイバータ試験体に対する20MW/m$$^{2}$$・10秒の繰り返し加熱試験の結果、1,000サイクル後においても除熱性能の劣化は観察されなかった。これらの結果により、CFCタイルとCuCrZr管の接合成功率の向上には、Cu-W緩衝材の適用が有効であることを実証し、Cu-W緩衝層を使用した接合方法が正式にITER機構に認められた。
141
Nuclear engineering of diagnostic port plugs on ITER
Pitcher, C. S.*; Barnsley, R.*; Feder, R.*; Hu, Q.*; Loesser, G. D.*; Lyublin, B.*; Padasalagi, S.*; Pak, S.*; Reichle, R.*; 佐藤 和義; et al.
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.667 - 674, 2012/08
 被引用回数:6 パーセンタイル:28.68(Nuclear Science & Technology)
The nuclear engineering infrastructure for port-based diagnostics on ITER is presented, including the equatorial and upper port plug generic designs, the adopted modular concept, the loads and associated load response and the remote handling.
142
Hydrogen isotope permeation from cooling water through various metal piping
林 巧; 中村 博文; 磯部 兼嗣; 小林 和容; 小柳津 誠; 山西 敏彦; 大矢 恭久*; 奥野 健二*
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1333 - 1337, 2012/08
 被引用回数:3 パーセンタイル:51.5(Nuclear Science & Technology)
科学研究費補助金:基盤研究(B)の補助を受け、金属水界面での水素同位体移行挙動を調べるために、純鉄,ニッケル,ステンレス鋼(SS304)及び純鉄に10$$mu$$mの金メッキを施した試料配管などを高温耐圧水(重水)容器内に設置し、重水側からこれら配管内側へ透過してくる重水素の挙動を、573K-15MPaにて調べた。実験中、金メッキ試料配管以外は金属水界面が酸化し、それに伴って重水素が発生した。この重水素が配管内側へ透過してくる挙動を四重極質量分析計にて連続的に監視した。結果、純鉄,ニッケル,ステンレス鋼(SS304)のいずれの金属配管についても、顕著な重水素の定常透過が観測できた。一方で、金メッキを施した純鉄配管では明確な重水素の透過は観測できなかった。本報告ではこれらの結果を整理するとともに、重水素の金属水界面での移行機構について議論する。
143
JRR-3の機構所有装置と中性子導管の被害と復旧
脇本 秀一; 笹島 文雄; 永堀 和久; 田村 格良
波紋, 22(3), p.242 - 245, 2012/08
日本中性子科学会誌「波紋」では2012年8月号に「震災からの復興」という特集が組まれ、JRR-3における原子力機構所有装置の復旧について、記事の執筆を依頼された。本記事ではJRR-3に設置された原子力機構所有装置と中性子導管の被害と、平成23年度に行った復旧について概観する。
144
中性子小角散乱; 応用編
遠藤 仁; 杉山 正明*; 井上 倫太郎*
波紋, 22(3), p.258 - 267, 2012/08
中性子小角散乱法を用いたタンパク質の高次構造解析法及び中性子スピンエコー法を用いたタンパク質のダイナミクス解析に関して、著者らの最新の研究例を用いて解説した。例として、「タンパク質ミネラル複合粒子の微細構造解析」、「重水素化タンパク質を用いたSubunitの交換現象の解析」、「ホスホグリセリン酸キナーゼの内部運動解析」の3つの研究成果を用いた。
145
北海道北部、幌延地域西部の地すべり地形
宮坂 省吾*; 新里 忠史; 重野 聖之*
北海道の地すべり2012, p.61 - 66, 2012/08
高レベル放射性廃棄物の地層処分における安全評価シナリオの構築では、自然現象の発生傾向と規則性を理解し、それら自然現象による地質環境への影響を考慮しつつ、数万年以上の長期に渡るサイトの変遷を記述することが必要であり、このための調査・評価技術の整備が課題となっている。自然現象のうち侵食作用は、処分施設と地表との距離を減少させ、処分施設周辺の地質環境条件を変化させる可能性があり、サイトの変遷をモデル化する際に考慮すべき重要な自然現象である。そこで、本論では、北海道北部の幌延地域を事例として、侵食作用に関する調査研究のうち、地すべりと地質分布及び気候条件との関連性を検討した。地形図と空中写真の判読により作成した地すべり分布図と既存の地質情報を比較した結果、本地域の地すべりには偏在性が認められ、地層に層理面が発達し斜面表層での物理的風化が著しく、地形が中起伏をなす地域に多く分布することが明らかとなった。また、地形学的特徴から推定される地すべりの形成時期は、温暖な時期の後氷期以降から現在であり、それ以前の著しく寒冷な最終氷期には、地表面での凍結融解作用に起因する面的な侵食作用が卓越していたことが推定された。
146
分光学的アプローチによる放射線によるゲノム損傷と生体修復の研究
横谷 明徳; 藤井 健太郎; 岡 壽崇; 渡辺 立子
放射線, 38(2), p.55 - 60, 2012/08
It has been predicted by computer track simulation studies that complex DNA damage, so called clustered DNA damage sites, is produced along the tack particularly of high LET ions. The clustered DNA damage is thought to compromise DNA repair enzymes. We have revealed that the nucleobase lesions produced by He$$^{2+}$$ ion impact to simple model DNA (plasmid) are hardly processed by base excision repair enzymes. Using a synchrotron radiation facility (SPring-8), we have studied unpaired electron species or desorbed ions as intermediates of DNA damage using an EPR apparatus or mass spectrometer installed in a soft X-ray beamline. These aspects are compared with the yields of final products of DNA strand breaks or base lesions revealed biochemical techniques. Models of complex DNA damage induction will be proposed considering various modification factors of the damage induction, ionization of valence and inner-shell electrons, OH radicals, hydration layer and the impact of secondary electrons.
147
Spatial, LET and range dependence of enhanced charge collection by single ion strike in 4H-SiC MESFETs
小野田 忍; 牧野 高紘; 小野 修一*; 片上 崇治*; 新井 学*; 大島 武
IEEE Transactions on Nuclear Science, 59(4), p.742 - 748, 2012/08
 被引用回数:2 パーセンタイル:63.64(Engineering, Electrical & Electronic)
耐放射線性に優れている炭化ケイ素(SiC: Silicon Carbide)金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET: Metal Semiconductor Field Effect Transistor)に単一の重イオンを照射することで、付与電荷よりも過剰な電荷が収集される現象が報告されている。この電荷増幅機構を明らかにするため、さまざまな線エネルギー付与(LET: Linear Energy Transfer)と飛程を持つイオンをMEFETに照射し、発生する過渡電流を計測した。実験の結果、イオンがゲートとドレインの間に入射したときに最も大きな過渡電流が観測されることがわかった。シミュレーションの結果、イオン入射後にソースからMESFETの基板を通りドレインへ電流が流れることが明らかになった。さらに、イオン入射後にソースからチャネル領域を通りドレインへ電流が流れることもわかった。これらの電荷増幅効果は、ゲートとドレイン間だけでなく、ゲートやドレインにイオンが入射したときも起こることもわかった。実験及びシミュレーションから、イオンのエネルギーが高く飛程が長くなるほど、電荷増幅効果の継続時間が長くなることが明らかとなった。また、LETが高くなるほど電荷増幅効果の影響が大きくなることがわかった。
148
Flow sheet model evaluation of nuclear hydrogen steelmaking processes with VHTR-IS (Very High Temperature Reactor and Iodine-Sulfur process)
笠原 清司; 稲垣 嘉之; 小川 益郎
ISIJ International, 52(8), p.1409 - 1419, 2012/08
 被引用回数:3 パーセンタイル:57.18(Metallurgy & Metallurgical Engineering)
VHTR-IS(超高温ガス炉-ISプロセス)による原子力水素還元製鉄プロセスのフローシートモデル解析を行った。評価対象は投入熱量とCO$$_{2}$$排出量である。原料製造,輸送,発電を含めた原子力水素還元製鉄(NHS)プロセスの投入熱量は28.4GJ/t-HQS(高品位鋼)であリ、この値は高炉製鉄(BFS)プロセスの17.6GJ/t-HQSより大きい値であった。効率化のために、水素消費量の削減と電気炉投入電力量の低減が求められる。原子力水素部分還元製鉄(NHPRS)プロセスの投入熱量は31.9GJ/t-HQSであり、部分還元鉱石の還元率と、高炉投入割合の最適化が必要になる。NHPRS, NHSのCO$$_{2}$$排出量はBFSの50%, 9%であった。還元物質が石炭から水素に変わったことと、原料輸送量が低減されたことで、CO$$_{2}$$排出量が削減された。製鉄規模を100万t/年にそろえたとき、NHSはBFSやMidrex法製鉄に近い製鉄コストであった。特に、原料コストが高価なとき、NHSが有利となった。
149
Merit assessment of nuclear hydrogen steelmaking with very high temperature reactor
稲垣 嘉之; 笠原 清司; 小川 益郎
ISIJ International, 52(8), p.1420 - 1426, 2012/08
 被引用回数:2 パーセンタイル:84.35(Metallurgy & Metallurgical Engineering)
製鉄プロセスのCO$$_{2}$$排出削減に有効と考えられる超高温ガス炉を用いた原子力水素製鉄について、そのメリットを評価した。原子力水素製鉄プロセスは、原子力水素製造プロセスと水素還元製鉄プロセスから構成され、水素製造は、超高温ガス炉から供給される高温熱で水を分解するISプロセスで行われる。超高温ガス炉は、他の炉型に比較して優れた安全性を有しており、電源喪失により冷却材の流れが停止しても、原子炉圧力容器の外部から熱放射や自然対流で炉心を冷却して原子炉を安全に停止できる。したがって、製鉄プラントの近傍に超高温ガス炉を設置して、鉄鉱石の還元を行うシャフト炉へ直接水素を供給することができる。この原子力水素製鉄により、既存の高炉による製鉄プロセスに対してCO$$_{2}$$排出量を約9%まで大幅に低減するとともに、経済性が既存の高炉やシャフト炉に競合可能であることを明らかにした。
150
レーザー駆動超小型粒子線がん治療器
大道 博行
医学物理の理工学,上, p.219 - 230, 2012/08
1990年以降、粒子エネルギー200$$sim$$250MeV陽子線と回転ガントリーを有する医療専用装置が開発され、その有効性が多くの病院で実証され、粒子線治療は世界中に急速に普及しつつある。これに加え、日本では放射線医学総合研究所において、炭素イオン線治療のためのHIMAC装置が世界に先駆けて建設され、重イオン線の治療効果も系統的に調べられてきた。これまで33施設(日本の6施設,世界の27施設、2009年1月現在)において、延べ52,000名以上の患者が治療を受けている。欧米では眼球メラノーマや頭蓋底脊索腫などから発展してきたが、我が国では頭頸部,肺,肝,前立腺癌に対する治療が主体である。ブラッグピークを有するため、X線より線量集中性は良いという物理特性を有する。細胞実験をもとにしたRBE(生物学的効果の割合、X線を1とする)は1.1だが、X線抵抗性腫瘍にも効果的であり、臨床面では炭素線に近い効果を示す。このように患部に限定した治療が可能で治癒率が高くQOL(生活の質の高さを保つ度合い)も高い粒子線照射治療の有効性が大きく注目されるようになってきた。しかしその一方で、現状では粒子線治療器のサイズが巨大であるのに加えコストが高く、治療可能な患者数も限られているという現実にも直面している。これを保険医療の適用を受けているX線治療装置と同程度まで小型化し、コストもそれと同等まで下げることができれば、日本のがん治療に大きく貢献できる。このような中で将来抜本的な小型化が可能な方式として、高出力レーザーを用いた超小型陽子線発生が注目を浴びている。
151
レーザープラズマ軟X線顕微鏡で生きた細胞の内部を観る
加道 雅孝
Isotope News, (700), p.8 - 11, 2012/08
軟X線顕微鏡は、放射線を照射された細胞内の構造変化の観察による放射線影響の解明等に役立つことが期待できるが、これまでの研究では軟X線輝度の不足により、培養液中の細胞の撮像に数秒から数分の長時間露光が必要とされ、軟X線顕微鏡に本来期待されてきた生きた細胞の内部構造の"その場観察"は実現されなかった。高強度レーザーを金の極薄膜ターゲットに集光することによって発生させた高輝度軟X線源とX線感光材上に細胞を直接培養し、X線の減衰の原因となるX線光学素子を用いないで細胞にX線を直接照射する密着型軟X線顕微鏡を組合せることにより、培養中の生きている細胞の細胞内小器官の詳細な構造を高解像度で観察できるレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発した。マウスの精巣ライディッヒ細胞の観察を行った結果、細胞核周辺を取り巻く網目状のミトコンドリアの構造や細胞核内のクロマチン構造の観察に成功した。
152
Conduction band caused by oxygen vacancies in aluminum oxide for resistance random access memory
児子 精祐*; 久保田 正人; 原田 善之*; 平山 泰生*; 加藤 誠一*; 北澤 英明*; 木戸 義勇*
Journal of Applied Physics, 112(3), p.033711_1 - 033711_6, 2012/08
 被引用回数:20 パーセンタイル:14.91(Physics, Applied)
As a next-generation memory, we have developed a rare-metal-free memory using Al oxide with a high-density of oxygen vacancies (V$$_{o}$$). We showed a resistive switching mechanism of an AlOx-ReRAM based on the electronic states revealed by TSC. This system is expected to have high endurance, equivalent to that of dynamic random access memory (DRAM), because it is driven by increasing/decreasing numbers of electrons, similar to DRAM. The electronic structure has been simulated using first-principles calculations. We report the electronic structure of the band gap, analyzed using thermally stimulated current measurements, to evaluate the simulated results. We observed electronic states corresponding to resistance changes for the first time.
153
Nonadiabatic generation of coherent phonons
篠原 康*; 佐藤 駿丞*; 矢花 一浩*; 岩田 潤一*; 乙部 智仁; Bertsch, G. F.*
Journal of Chemical Physics, 137(22), p.22A527_1 - 22A527_8, 2012/08
 被引用回数:14 パーセンタイル:27.69(Chemistry, Physical)
時間依存密度汎関数法(TDDFT)は強光子場による励起過程の取り扱いにおいて強力な理論となっている。本研究ではTDDFTを超短パルスレーザーによる半金属(アンチモン)のコヒーレントフォノンの生成過程に適応した。アンチモンはその大きなフォノン-電子相互作用と違うフォノン生成過程が混在している系として注目されている。われわれの計算では多くのアンチモンのコヒーレントフォノンの定性的特徴の再現に成功した。
154
${it Ab inito}$ MRSDCI study on the low-lying electronic states of the lithium chloride molecule (LiCl)
黒崎 譲; 横山 啓一
Journal of Chemical Physics, 137(6), p.064305_1 - 064305_9, 2012/08
 被引用回数:6 パーセンタイル:66.69(Chemistry, Physical)
Potential energy curves (PECs) for the low-lying states of the lithium chloride molecule (LiCl) have been calculated using the MRSDCI method with the aug-cc-PV$$n$$Z (AV$$n$$Z) and aug-cc-PCV$$n$$Z (ACV$$n$$Z) basis sets, where $$n$$ = T, Q, and 5. First, we calculate PECs for 7 spin-orbit (SO)-free $$Lambda$$-S states, and then obtain PECs for 13 SO by diagonalizing the matrix of the electronic Hamiltonian plus the Breit-Pauli SO Hamiltonian. It is thus confirmed that to accurately predict the spectroscopic constants we need to include core-electron correlation in the CI expansion and use the basis sets designed to describe core-valence correlation, i.e., ACV$$n$$Z.
155
Fundamental study on a grout penetration model for a HLW repository
藤田 朝雄; 新貝 文昭*; 延藤 遵*
Journal of Energy and Power Engineering, 6(8), p.1191 - 1203, 2012/08
高レベル放射性廃棄物地層処分場で仕様可能なグラウト浸透モデルとして、室内試験結果にGustafson and Stillモデルを適用し、その有効性を確認した。
156
Unsteady flow characteristics in a 90 degree elbow affected by developed, undeveloped and swirling inflow conditions
岩本 幸治*; 近藤 学*; 南浦 弘尚*; 田中 正暁; 山野 秀将
Journal of Fluid Science and Technology (Internet), 7(3), p.315 - 328, 2012/08
長い配管、短い配管及び旋回流生成器から流入される場合において、曲率半径が配管内径と一致する90度エルボに対してLDVによる計測が行われた。配管内径とバルク速度に基づいたレイノルズ数320000における全体の平均流速分布により、上流の配管の長さを10Dから4.9Dにするとエルボ下流における流動剥離が起こることが示された。
157
Determining the shear fracture properties of HIP joints of reduced-activation ferritic/martensitic steel by a torsion test
野澤 貴史; Noh, S.; 谷川 博康
Journal of Nuclear Materials, 427(1-3), p.282 - 289, 2012/08
 被引用回数:2 パーセンタイル:63.64(Materials Science, Multidisciplinary)
熱間等静圧圧縮成形接合(HIP)法は低放射化フェライト/マルテンサイト鋼(RAFM)による核融合ブランケットシステムの第一壁冷却管の主要な製作技術である。本研究では、ねじり破壊過程におけるHIP接合体の界面剪断特性を決定する合理的かつ包括的方法を導出することを目的とする。ねじり過程における加工硬化による塑性変形の影響を考慮することで、より合理的かつ現実的なHIP接合界面の剪断強度を与えうる解析手法を考案した。また、ねじり破壊過程を特定した。
158
Phenomenological formula of alpha-decay half-lives
小浦 寛之
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(8), p.816 - 823, 2012/08
 被引用回数:3 パーセンタイル:51.5(Nuclear Science & Technology)
$$alpha$$崩壊の$$Q$$値から部分半減期を求める現象論的公式を提案した。この公式は球形クーロンポテンシャルにおける荷電粒子の透過の考察から得るという伝統的な方法で得られるが、含まれるパラメータは$$alpha$$粒子の衝突頻度$$N$$,電荷半径とクーロン障壁の距離パラメータ$$d_0$$、及び平均的偶奇抑制項$$h_0$$の3つを除いて物理定数から求めた定数とする。これら3つの値は従来のViola-Seaborg公式といった伝統的な公式に比べて物理的に合理的な値が選ばれている。平均自乗誤差は$$log_{10}$$単位で偶偶核で0.344、奇質量数核で0.740、奇奇核で0.940である。得られた公式は超重核領域でおおむね2倍から3倍程度長い半減期を示し、これは最近の実験データをよく再現している。
159
Intrinsic edge asymmetry in narrow zigzag hexagonal heteroatomic nanoribbons causes their subtle uniform curvature
Avramov, P.; Fedorov, D. G.*; Sorokin, P. B.*; 境 誠司; 圓谷 志郎; 大伴 真名歩; 松本 吉弘; 楢本 洋*
Journal of Physical Chemistry Letters, 3(15), p.2003 - 2008, 2012/08
 被引用回数:20 パーセンタイル:16.5(Chemistry, Physical)
The atomic and electronic structure of narrow zigzag nanoribbons with finite length, consisting of graphene terminated by fluorine on one side, hexagonal ($$h$$)-BN, and $$h$$-SiC were studied with density functional theory. It is found that the asymmetry of nanoribbon edges causes a uniform curvature of the ribbons due to structural stress in the aromatic ring plane. Narrow graphene nanoribbons terminated with fluorine on one side demonstrate a considerable out-of-plane bend, suggesting that the nanoribbon is a fraction of a conical surface. It is shown that the intrinsic curvature of the narrow nanoribbons destroys the periodicity and results in a systematic cancellation of the dipole moment. The in- and out-of-plane curvature of thin arcs allows their closure in nanorings or cone fragments of giant diameter.
160
Hybrid grafted ion exchanger for decontamination of radioactive cesium in Fukushima Prefecture and other contaminated areas
岩撫 暁生; 笠井 昇; 保科 宏行; 植木 悠二; 佐伯 誠一; 瀬古 典明
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 293(2), p.703 - 709, 2012/08
 被引用回数:10 パーセンタイル:14.44(Chemistry, Analytical)
特願 2011-136558*   特許詳細   公報
放射線グラフト重合法を用いて、モリブデン酸アンモニウムとアクリロニトリルをポリエチレン製不織布に導入し、福島県地域に飛散したセシウムを除去するための吸着材を開発した。作製したセシウム吸着材のセシウム除去能をバッチ法とカラム法にて評価した。バッチ法ではセシウム濃度を1ppmに調製した純水,酸性溶液、及び海水中からセシウムをそれぞれ90, 87、及び64%除去することができた。カラム試験では、セシウム吸着材を直径7mm,高さ5mmに充填したカラムに1ppmのセシウム溶液を空間速度300h$$^{-1}$$の速度で通液し、流出液中のセシウム濃度を定量した。流出液中に供給液の1%の濃度のセシウムが検出された時点である破過点(C/C$$_{0}$$=0.01)における吸着容量は吸着材1kgあたり54gであった。福島県相馬郡飯舘村におけるセシウム吸着材のフィールド試験では、直径4cmのカラムにセシウム吸着材を3.8cmの高さまで充填し、放射性セシウムを含むため池水を通液し、水溶性の放射性セシウムを検出限界下まで除去できることができた。
161
Spectroscopic study of $$^{63}$$Ni via cold neutron capture reaction, 1; Nuclear structure of $$^{63}$$Ni
大島 真澄; 金 政浩*; 中村 詔司; 本間 道雄*; 湊 太志; 早川 岳人; 原 かおる; 木村 敦; 小泉 光生; 原田 秀郎; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(8), p.084201_1 - 084201_15, 2012/08
 パーセンタイル:100(Physics, Multidisciplinary)
濃縮$$^{62}$$Ni試料の冷中性子捕獲により生成された$$gamma$$線を核分光法で調べた。272本の新しい$$gamma$$線を含む315本の$$gamma$$線が$$^{63}$$Niの準位構造に組み込まれた。30本の新準位を含む62本の準位に対して、0.2-0.8keVの精度の励起エネルギーと$$gamma$$線分岐比を決定した。$$^{62}$$Ni (n,$$gamma$$) $$^{63}$$Ni反応のQ値は6837.75(18)keVであった。大規模殻模型計算を行った結果、$$^{63}$$Niの低励起状態のエネルギーがよく再現できた。Hartree-Fock + BCS法と統計計算の間の自己無撞着相互作用を用いた平均場統計模型計算も行い、$$^{63}$$Niの準位密度の実験値と矛盾しないことを示した。
162
Radioactive tracer $$^{132}$$Cs (TRACs) for Fukushima Nuclear Power Plant accident
永井 泰樹; 牧井 宏之; 並木 伸爾; 岩本 修; 岩本 信之; 澤幡 浩之*
Journal of the Physical Society of Japan, 81(8), p.085003_1 - 085003_2, 2012/08
 パーセンタイル:100(Physics, Multidisciplinary)
半減期が6.5日の$$^{132}$$Csを福島第一原子力発電所事故の人・動物・農作物への影響を定量的に調べるために、放射性トレーサーとして利用することを提案した。$$^{132}$$Csは668keVの$$gamma$$線を放出し、$$^{137}$$Csの662keV$$gamma$$線とエネルギーが近接しており、$$^{137}$$Csの影響を模試するうえで重要な役目をすると期待される。この$$^{132}$$Csは、$$^{133}$$Cs(n,2n)$$^{132}$$Csで十分な量が生成可能である。
163
スピン起電力; その基礎と展開
家田 淳一; 前川 禎通
固体物理, 47(8), p.339 - 353, 2012/08
スピン流と磁化の相互作用は、スピントロニクスにおいて鍵となる現象である。この相互作用は、磁化から伝導電子へのエネルギー以降を記述するスピン起電力を導く。本解説記事において、スピン起電力の基礎となる概念と最近の発展を紹介する。
164
Spin-current-driven thermoelectric coating
桐原 明宏*; 内田 健一*; 梶原 瑛祐*; 石田 真彦*; 中村 泰信*; 眞子 隆志*; 齊藤 英治; 萬 伸一*
Nature Materials, 11(8), p.686 - 689, 2012/08
 被引用回数:89 パーセンタイル:1.64(Chemistry, Physical)
Energy harvesting technologies, which generate electricity from environmental energy, have been attracting great interest because of their potential to power ubiquitously deployed sensor networks and mobile electronics. Of these technologies, thermoelectric (TE) conversion is a particularly promising candidate, because it can directly generate electricity from the thermal energy that is available in various places. Here we show a novel TE concept based on the spin Seebeck effect, called "spin-thermoelectric (STE) coating", which is characterized by a simple film structure, convenient scaling capability, and easy fabrication. The STE coating, with a 60-nm-thick bismuth-substituted yttrium iron garnet (Bi:YIG) film, is applied by means of a highly efficient process on a non-magnetic substrate. Notably, spin-current-driven TE conversion is successfully demonstrated under a temperature gradient perpendicular to such an ultrathin STE-coating layer (amounting to only 0.01% of the total sample thickness). We also show that the STE coating is applicable even on glass surfaces with amorphous structures. Such a versatile implementation of the TE function may pave the way for novel applications making full use of omnipresent heat.
165
炉物理実験による高速炉解析手法の検証
安藤 真樹
日本原子力学会第44回炉物理夏期セミナーテキスト, p.139 - 163, 2012/08
FCAを用いた「常陽」や「もんじゅ」のモックアップ実験、ZPPRを用いたJUPITER計画等について紹介した。また、炉物理実験による高速炉の設計・解析手法の検証として、FCAを用いたベンチマークモデルの導出プロセス、反応度特性(ドップラー効果やナトリウムボイド効果など)についての実験及び核データ評価のためのベンチマーク実験について述べた。
166
JAEA図書館が発信する福島原発事故参考文献情報
池田 貴儀; 米澤 稔; 中嶋 英充
日本原子力学会誌, 54(8), p.549 - 553, 2012/08
日本原子力研究開発機構(JAEA)図書館では、福島第一原子力発電所事故に関連する参考文献情報を収集し、それらを日本語版と英語版とに編集整理し、発信している。参考文献情報は、「JAEAの研究成果」、「文献リスト」、「リンク情報」、「国や国内外機関の報告書」の4種類からなり、発信する情報量は1万件に達している。本稿では、JAEA図書館が収集整理し、発信する福島事故参考情報の内容とアクセス実績について紹介する。
167
円筒容器内低速上昇流の可視化
上地 優; 寺田 敦彦; 日野 竜太郎
日本機械学会関東支部茨城講演会2012講演論文集, p.63 - 64, 2012/08
東京電力福島第一原子力発電所の汚染水処理装置では、使用済み容器保管時に、容器内部混合ガスの低速上昇流が発生する。しかし、多成分ガスの低速上昇流に関する知見は少ない。そこで、アクリル製円筒容器を用いた円筒容器内低速上昇流の可視化試験を実施し、内部ガスの流動様相の解明を図った。試験には、低濃度の水素-酸素-アルゴンガスを用いた。その結果、容器縮小部で停滞流が生じることを確認した。また、ガスの流量によって停滞流の様相が異なること、1.3%程度の低濃度では流動に影響を与えないことを明らかにした。
168
ナトリウム冷却高速炉1次系ホットレグ配管における圧力変動発生メカニズムに関する考察
村上 貴裕*; 江口 譲*; 田中 正暁; 山野 秀将
日本機械学会論文集,B, 78(792), p.1388 - 1391, 2012/08
ナトリウム冷却型大型高速炉(JSFR)の概念設計では、一次冷却系に大口径ショートエルボ配管が採用され、その配管内流動によってショートエルボ部において周期的な圧力変動が生じる。しかしながら、周期的な圧力変動のメカニズムは明らかにされていない。そこで、本論文では、数値解析結果における動的な流動構造の可視化に基づいたショートエルボ配管内の周期的な圧力変動メカニズムを明らかにするため、有限要素法のラージ・エディ・シミュレーション(LES)の非定常3次元解析を実施した。
169
ナトリウム冷却高速炉1次系ホットレグ配管1/10縮尺試験装置を用いた偏流流入条件下のLDV流速測定
岩本 幸治*; 近藤 学*; 小川 翔太*; 田中 正暁; 山野 秀将
日本機械学会論文集,B, 78(792), p.1383 - 1387, 2012/08
本研究の主目的は、現在計画中のナトリウム高速炉(JSFR)1次系ホットレグ配管の安全設計に資するべく、縮尺試験装置を用いてさまざまな流入条件での流動状態を把握することである。ホットレグ配管のような曲率の強いエルボには強い流体力が作用する。その流体力が周期的に作用する場合、配管構造との共振を避けるべく流体の振動そのものを抑える、ないしはその固有振動数を配管構造のそれと合致させない工夫が必要である。一般に管軸曲率半径が管内径に近いエルボでは、エルボ下流において周期的な流体振動が発生することが明らかにされている。これらの振動は無次元周波数(ストロハル数)にして0.5程度になる。このことから、エルボを含む配管構造においてはランダム振動に対する堅牢性だけでなく、ストロハル数0.5に相当する共振にも気を配らなければならない。この振動に対して、著者らはLDVによる流速測定及び流れの可視化を行い、エルボ内側で発達した境界層の両端から放出される交互渦によってこの振動が生じることを明らかにした。
170
ナトリウム冷却高速炉1次系ホットレグ配管の1/3縮尺試験による流動状況と圧力変動特性
佐郷 ひろみ*; 白石 直*; 渡壁 寿人*; Xu, Y.*; 相澤 康介; 山野 秀将
日本機械学会論文集,B, 78(792), p.1378 - 1382, 2012/08
FBRサイクル実用化研究開発(FaCT)では、ナトリウム冷却大型炉JSFR(Japan Sodium-Cooled Fast Reactor)(電気出力150万kWe)の研究開発を進めている。この設計概念は、合理化の観点で2ループ化を採用することで、従来設計に比べ薄肉構造の1次系配管が大口径化し、かつ管内平均流速も9m/s台に増大する。このような配管系を設計するうえで、エルボ周辺での流体の乱れに起因する流力振動(ランダム振動)に対する配管の健全性の確認が必要となり、大口径配管内流動特性の把握及び配管の流力振動に関する評価手法の開発のための研究を実施している。本報では、1次系ホットレグ(HL)配管を対象に1/3縮尺試験装置を製作し、配管内の流力振動特性の把握を目的に実施した水流動試験で得られた流動状況や圧力変動特性について報告する。
171
ナトリウム冷却高速炉1次系ホットレグ配管における非定常流動場の予測
田中 正暁; 佐郷 ひろみ*; 岩本 幸治*; 江原 真司*; 小野 綾子; 村上 貴裕*; 早川 教*
日本機械学会論文集,B, 78(792), p.1392 - 1396, 2012/08
ショートエルボを有するナトリウム冷却高速炉ホットレグ配管の設計成立性確認を目的に実施した複数の縮尺水流動試験及びレイノルズ平均モデル及びラージエディシミュレーションによる非定常流動解析、さらに一般的な曲がり管流れに関する文献調査で得られた知見をもとにして、実機ホットレグ配管における非定常流動場を予測し、実機ホットレグ配管における大スケール渦による非定常流場の形成メカニズムを明らかにした。なお、本報告は、平成23年度日本機械学会年次大会における「ナトリウム冷却高速炉1次系ホットレグ配管の流力振動評価」のシリーズ発表の一つとして発表したものを加筆修正したものである。
172
T字合流部における非定常枝噴流挙動に着目した流体-構造熱連成問題の研究
田中 正暁; 瀧田 宏樹*; 文字 秀明*; 大島 宏之
日本機械学会論文集,B, 78(792), p.1462 - 1465, 2012/08
異温度流体の混合により発生する温度変動が構造表面に伝達して、高サイクル熱疲労により構造健全性が損なわれる現象の評価は、高速炉の安全上極めて重要である。これまで、T字合流部を対象に、枝流速と主流流速の比をパラメータに主管内流速分布を調べてきた。本報では、枝管側の主管壁の一部をアクリル板からアルミニウム板(構造物)に変え、流速比をパラメータとして構造物内部,表面及び表面近傍流体の温度計測結果と流体-構造熱連成解析により明らかにした構造表面近傍での温度変動特性について報告する。
173
双胎間輸血症候群における胎児レーザー治療の現状と展望
山下 紘正*; 岡 潔; 山中 紀明*; 関 健史; Kim, K.*; 桑名 健太*; 正宗 賢*; 長縄 明大*; 土肥 健純*; 千葉 敏雄*
日本レーザー医学会誌, 33(2), p.122 - 130, 2012/08
原子力機構では配管内の保守・保全を目的として、配管内作業ツールの検討を行っている。本ツールに搭載する複合型光ファイバスコープは、観察とレーザー導光の光軸が同一である。これにより、対象となる狭い配管内での溶接・切断作業においても、目標位置での的確な作業を容易に行うことができる。一方、国立成育医療センターでは、胎児外科手術のうち、双胎間輸血症候群の治療に興味を持ち、レーザー治療の研究を進めている。本件は、原子力機構がこれまでに開発した複合型光ファイバ技術をもとに、胎盤上の血管を観察しながら、同時に、吻合している血管をレーザー光で焼灼して血流を断ち切るためのツール開発を担当し、国立成育医療センターをはじめとした、東京大学,東京電機大学などが別手段で治療方法を検討し、総合的に双胎間輸血症候群に対する治療方法を研究した成果についてまとめたものである。
174
Development of technical basis in the initiating and transition phases of unprotected events for Level-2 PSA methodology in sodium-cooled fast reactors
山野 秀将; 佐藤 一憲; 飛田 吉春
Nuclear Engineering and Design, 249, p.212 - 227, 2012/08
 被引用回数:3 パーセンタイル:51.5(Nuclear Science & Technology)
Based on the state-of-the-art knowledge, the headings of these event trees were selected so that dominant factors in accident consequences can be represented appropriately. For each of the headings, available information for the probability quantification were reviewed and integrated as the technical database for the Level-2 PSA. For the transition phase, dominant factors were also identified through parametric analyses. In the Japan Sodium-cooled Fast Reactor, an inner duct is introduced into a fuel subassembly for enhancing molten fuel discharge from disrupted core in the transition phase. The parametric study showed that the analytical case without the fuel discharge through the inner duct resulted in an occurrence of recriticality regardless of the fuel discharge through control-rod guide tubes. This suggests that the fuel discharge through the inner duct is essential to avoid severe recriticality in the transition phase.
175
Development of measurement technology for surface heat fluxes and temperatures
Liu, W.; 高瀬 和之
Nuclear Engineering and Design, 249, p.166 - 171, 2012/08
 被引用回数:5 パーセンタイル:42(Nuclear Science & Technology)
沸騰メカニズムを把握するために、流れを乱す伝熱面上へのセンサーの設置が不要で、伝熱面温度・熱流束を同時計測できるシステムを開発した。本計測システムは、高速度で伝熱体内部温度を計測する一次系と、多チャンネルで計測される伝熱体内部温度データをもとに伝熱面温度と熱流束の変化を逆問題解析によって求める二次系から構成される。本研究では、逆問題解析を用いて現象の早い非定常沸騰サイクルを追従できるように、共同陽極を持つ微細熱電対群を導入することによって、伝熱面表面から数ミクロンの深さに温度計測用温度接点を配置することができた。本報では、開発したシステムを用いて、半無限体逆問題解析を適用して沸騰サイクルにおける気泡直下の伝熱面表面熱流束と表面温度を計測した。本開発の計測システムによって、大きな変形した気泡の形成に伴う伝熱面温度の低下や熱流束の上昇を計測できることがわかった。
176
Electric properties of undoped hydrogenated amorphous silicon semiconductors irradiated with self-ions
佐藤 真一郎; 齋 均*; 大島 武; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 近藤 道雄*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 285, p.107 - 111, 2012/08
 被引用回数:6 パーセンタイル:28.68(Instruments & Instrumentation)
Dark conductivity (DC), photoconductivity (PC), and Seebeck coefficient variations of undoped hydrogenated amorphous silicon semiconductors irradiated with protons and Si ions were investigated in this study. Both the DC and PC values showed nonmonotonic variations with increasing a fluence in the case of proton irradiation, whereas the monotonic decreases were observed in the case of Si ion irradiation. The Seebeck coefficient variation due to proton irradiation was investigated and the results showed that the increase in DC and PC in the low fluence regime was caused by donor-center generation. It was also shown by analyzing the proton energy dependence and the energy deposition process that the donor-center generation was based on the electronic excitation effect. On the other hand, the decrease in DC and PC in the high fluence regime was attributed to the carrier removal effect and the carrier lifetime decrease due to the accumulation of dangling bonds, respectively. The dangling bond generation due to ion irradiation was mainly caused by the displacement damage effect and therefore it was different from the generation process in the light-induced degradation.
177
Criticality evaluation for the Monju restart core
羽様 平; 北野 彰洋; 岸本 安史*
Nuclear Technology, 179(2), p.250 - 265, 2012/08
高速原型炉もんじゅは14年ぶりに2010年5月にシステム起動試験を再開した。再起動試験の第一段階ではゼロ出力炉心において炉物理パラメータが測定された。本論文は臨界性のデータ評価について述べる。最確評価値とその誤差を最も詳細なレベルで実施した。評価は国際的に認知されている手法に従い実施した。再起動炉心は$$^{241}$$Puの崩壊により前回性能試験の3倍である1.5wt%の$$^{241}$$Amを含んでいる。その解析精度に及ぼす影響を抽出するため、前回試験のデータについても同レベルの詳細度で再評価した。解析精度は4種類の核データライブラリについて評価した。その結果、JENDL-3.3, JENDL-4.0、及びENDF/B-VII.0を使用した場合は実験誤差の2$$sigma$$に相当する0.3%以内の精度で解析できることがわかった。$$^{241}$$Puの崩壊に伴う反応度変化に対してはJENDL-4.0とJEFF-3.1を使用した場合に1%以内の精度で解析できることがわかった。
178
Isothermal temperature coefficient evaluation for the Monju restart core
毛利 哲也; 丸山 修平; 羽様 平; 鈴木 隆之
Nuclear Technology, 179(2), p.286 - 307, 2012/08
臨界性、制御棒価値に引き続き、もんじゅ再起動炉心で実施された等温温度係数測定試験のデータ評価について述べる。最確値とその誤差を最も詳細なレベルで評価した。炉心間のデータ比較のために前回性能試験のデータも同レベルの詳細度で評価した。詳細評価の結果、再起動炉心の温度係数は前回試験に比べて約8%絶対値が低下することを確認した。感度解析により、その変化がおもに$$^{241}$$Puと$$^{241}$$Amの組成変化によるものであることを示した。解析精度を2種類の核データについて比較し、JENDL-4.0を使用した場合に前回試験の結果を実験誤差2%内で解析できることを確認した。一方、再起動炉心の結果に対しては、整合した結果が得られていないことが判明した。詳細に分析した結果、これまで想定していなかった外乱が影響している可能性を見いだした。
179
Control rod worth evaluation for the Monju restart core
高野 和也; 福島 昌宏; 羽様 平; 鈴木 隆之
Nuclear Technology, 179(2), p.266 - 285, 2012/08
高速増殖原型炉もんじゅ再起動炉心において2010年5月に実施した制御棒価値測定について、最確値評価とその誤差を最も詳細なレベルで実施した。また、1994年9月に実施した制御棒価値測定に対しても、同レベルの詳細度にて再評価した。同炉心における制御棒間及び前回炉心と再起動炉心間における誤差の相関についても定量的に評価した。評価した最確値及び誤差に基づき、JENDL-3.3及びJENDL-4.0を用いて解析精度を確認した結果、径方向位置及び$$^{10}$$B装荷量によらず、いずれの制御棒に対しても2%以内の精度で解析できることがわかった。解析精度のさらなる改善のためには、遅発中性子割合の誤差を低減することが有効である。
180
Temporal contrast enhancement of petawatt-class laser pulses
桐山 博光; 下村 拓也; 笹尾 一; 中井 善基*; 田上 学; 近藤 修司; 金沢 修平; Pirozhkov, A. S.; 森 道昭; 福田 祐仁; et al.
Optics Letters, 37(16), p.3363 - 3365, 2012/08
特願 2007-220990*   特許詳細   公報
原子力機構で開発を進めているペタワット(PW)級チタンサファイアチャープパルス増幅レーザーシステム(J-KARENレーザーシステム)の高度化として、時間コントラストの向上を行った。J-KARENレーザーの前置増幅器である光パラメトリックチャープパルス増幅器(OPCPA)を低利得で動作させ、かつOPCPAの直後に可飽和吸収体を用いることにより、70テラワット(TW)の出力レベルにおいて、サブナノ秒の時間領域で1.4$$times$$10$$^{12}$$の高いコントラストを実証した。また、メインパルス近傍のピコ秒領域のコントラストを向上するため、音響光学分散フィルターでスペクトルノイズを除去することにより、約2桁の改善を実証した。この高品質のレーザー光をさらに増幅し、圧縮前で28Jまでの増幅を実現した。本システムにより、再圧縮することにより、約600TWの高いピーク強度のレーザーパルスがポテンシャルとして生成可能であることを確認した。
181
High hydrogen-adsorption-rate material based on graphane decorated with alkali metals
Antipina, L. Y.*; Avramov, P.; 境 誠司; 楢本 洋*; 大伴 真名歩; 圓谷 志郎; 松本 吉弘; Sorokin, P. B.*
Physical Review B, 86(8), p.085435_1 - 085435_7, 2012/08
 被引用回数:21 パーセンタイル:18.01(Physics, Condensed Matter)
The graphane with chemically bonded alkali metals (Li, Na, K) was considered as potential material for hydrogen storage. The ab initio calculations show that such material can adsorb as many as four hydrogen molecules per Li, Na, and K metal atom. These values correspond to 12.20, 10.33, and 8.56 wt% of hydrogen, respectively, and exceed the DOE requirements. The thermodynamic analysis shows that Li-graphane complex is the most promising for hydrogen storage with ability to adsorb three hydrogen molecules per metal atom at 300 K and pressure in the range of 5-250 atm.
182
Fission-barrier heights of neutron-deficient mercury nuclei
Veselsk$'y$, M.*; Andreyev, A. N.*; Antalic, S.*; Huyse, M.*; M$"o$ller, P.*; 西尾 勝久; Sierk, A. J.*; Van Duppen, P.*; Venhart, M.*
Physical Review C, 86(2), p.024308_1 - 024308_8, 2012/08
 被引用回数:8 パーセンタイル:35.43(Physics, Nuclear)
The recently measured probabilities of the beta-delayed fission for $$^{178,180}$$Tl are used to deduce the fission-barrier heights of the daughter isotopes $$^{178,180}$$Hg, undergoing low-energy fission. Four alternative $$beta$$-decay strength functions and four variants of the statistical model of de-excitation of the daughter nucleus are used to determine the fission-barrier height for $$^{180}$$Hg. Depending on the choice of the model, the deduced fission-barrier heights appear to be between 10 and 40% smaller than theoretical estimates. This observation is verified also for fission-barrier heights extracted using the probability of $$beta$$-delayed fission of $$^{178}$$Tl. The spread in extracted fission barrier heights results mainly from uncertainties in the magnitude of the pairing gap at the saddle configuration.
183
Contrasting fission potential-energy structure of actinides and mercury isotopes
市川 隆敏*; 岩本 昭; M$"o$ller, P.*; Sierk, A. J.*
Physical Review C, 86(2), p.024610_1 - 024610_8, 2012/08
 被引用回数:25 パーセンタイル:9.89(Physics, Nuclear)
核分裂片の質量分布は、典型的なアクチノイド核で質量数$$A$$$$228 le A le 258$$、陽子数$$Z$$$$90 le 100$$の範囲にあるときには非対称となる。この範囲より少し軽い系の場合には、核分裂の分裂片質量分布は通常対称になる。しかしながら最近の実験によると、$$^{180}$$HIの電子捕獲に引き続き起きる$$^{180}$$Hgの核分裂は非対称になる。過去の実験では$$^{198}$$Hgやその近辺核の核分裂は対称であるが、核分裂障壁の高さからの励起エネルギーが10MeV以内であると非対称核分裂の兆候が見えている。われわれは典型的なアクチノイド核と質量数が178から200に至る12個の偶核水銀のアイソトープのポテンシャルエネルギー表面を計算し、アクチノイドと水銀アイソトープのポテンシャルエネルギーの根本的な違いを見いだした。われわれはこの違いについて、及び水銀のアイソトープ鎖にそってのポテンシャルエネルギーの構造変化が実験で観測される核分裂片の対称・非対称に影響を与えるかの議論を行う。結果として、陽子過剰の水銀アイソトープとアクチノイド核の非対称核分裂機構には大きな違いがあることを明らかにする。
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Erosion of $$N$$=20 shell in $$^{33}$$Al investigated through the ground-state electric quadrupole moment
島田 健司*; 上野 秀樹*; Neyens, G.*; 旭 耕一郎*; Balabanski, D. L.*; Daugas, J. M.*; Depuydt, M.*; De Rydt, M.*; Gaudefroy, L.*; Gr$'e$vy, S.*; et al.
Physics Letters B, 714(2-5), p.246 - 250, 2012/08
 被引用回数:3 パーセンタイル:62.64(Astronomy & Astrophysics)
中性子過剰核における魔法数消滅の研究を目的として、フランスGANIL研究所にて、ベータNMR法を用いて中性子過剰核$$^{33}$$Alの電気的四重極モーメント($$Q$$モーメント)の測定を行った。得られた$$Q$$モーメントの値の絶対値は、133(18)$$e$$mbとなった。この実験値を殻模型及び粒子・振動結合模型の二つの理論模型の値と比較した。その結果、中性子数20の閉殻構造消失を考慮に入れていない従来の殻模型計算では、$$Q$$モーメントを過小評価する一方、魔法数消滅を考慮に入れた大規模殻模型計算では実験値を正しく再現した。同様の値が、中性子数20の閉殻構造消失を考慮に入れた粒子・振動結合模型でも得られた。その結果、中性子20の閉殻構造は$$^{33}$$Al核でも相当程度消失していることが判明した。
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Synthesis of arsenic graft adsorbents in pilot scale
保科 宏行; 笠井 昇; 柴田 卓弥*; 明田川 康*; 高橋 牧克*; 吉井 明央*; 角田 安彦*; 瀬古 典明
Radiation Physics and Chemistry, 81(8), p.1033 - 1035, 2012/08
 被引用回数:1 パーセンタイル:78.54(Chemistry, Physical)
The zirconium (Zr(IV))-type adsorbent for As(V) removal was synthesized by radiation-induced graft polymerization with phosphoric monomer and the subsequent chemical modification with Zr(IV) by loading on phosphoric units. The Zr(IV)-type adsorbent can rapidly remove As(V) to low concentration. In order to apply for a large amount of water treatment, it is necessary to construct of synthesis method in pilot scale. Synthesis method of graft adsorbent in pilot scale was investigated by setting up the equipment which was composed of reaction tanks, washing tank and pump. The equipment can produce the adsorbent which is maximum 0.3 $$times$$ 20 m size in one batch graft reaction. To evaluate the optimum condition in this equipment, it was required the optimization of several condition such absorbed dose, monomer concentration, reaction temperature and reaction time. A nonwoven cotton fabric as a trunk polymer was irradiated, then it was placed into the reaction tank with the deaerated monomer solution. The components of the monomer was phosphoric acid mono- (50%) and di- (50%) ethyl methacrylate ester. As a result, the degree of grafting of 150% was obtained at absorbed dose of 20 kGy with 5% monomer solution mixed by deionized water for 2 hours at 40 $$^{circ}$$C. Finally after loaded of Zr(IV) on grafted nonwoven fabric, As(V) adsorbent was achieved in pilot scale.
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Preparation of metal adsorbent from poly(methyl acrylate)-grafted-cassava starch via $$gamma$$ irradiation
Suwanmala, P.*; Hemvichian, K.*; 保科 宏行; Srinuttrakul, W.*; 瀬古 典明
Radiation Physics and Chemistry, 81(8), p.982 - 985, 2012/08
 被引用回数:6 パーセンタイル:28.68(Chemistry, Physical)
Metal adsorbent containing hydroxamic acid groups was successfully synthesized by radiation-induced graft copolymerization of methylacrylate onto cassava starch. The optimum conditions for grafting were studied in terms of % degree of grafting (Dg). Conversion of the ester groups present in poly(methyl acrylate)-grafted-cassava starch copolymer into hydroxamic acid was carried out by treatment with hydroxylamine in the presence of alkaline solution. The adsorbent of 191%Dg had total adsorption capacities of 2.6, 1.5, 1.4, 1.2 and 1.6 mmol/g-adsorbent for Cd$$^{2+}$$, Al$$^{3+}$$, UO$$_2^{2+}$$, V$$^{5+}$$, and Pb$$^{2+}$$, respectively, in the batch mode adsorption.
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Two-mode fission; Experimental verification and characterization of two fission-modes
永目 諭一郎; 中原 弘道*
Radiochimica Acta, 100(8-9), p.605 - 614, 2012/08
 被引用回数:3 パーセンタイル:51.5(Chemistry, Inorganic & Nuclear)
Experimental verification and characterization of the two-mode fission are reviewed. The presence of two independent deformation-paths in low energy fission of actinides is demonstrated by studying correlation among saddle-point configurations, scission-point configurations, and mass-yield distributions; the elongated scission configuration is related with the fission process that goes over a higher threshold energy and results in a symmetric mass-division mode, while the compact scission configuration with the process that experiences a lower threshold ends up with an asymmetric mass-division mode. Based on an extensive systematic analysis of scission properties in a wide range of actinide fission, the bimodal fission observed in the spontaneous fission of the heavy actinides is interpreted as the result of the presence of two fission paths, namely, the ordinary asymmetric fission path and a strongly shell-influenced symmetric mode.
188
Chemistry of superheavy elements
Sch$"a$del, M.
Radiochimica Acta, 100(8-9), p.579 - 604, 2012/08
 被引用回数:19 パーセンタイル:3.44(Chemistry, Inorganic & Nuclear)
超重元素の化学研究について解説する。歴史的な研究開発並びに超重元素の合成に関する核的な様相や壊変特性について簡単に述べた後に、超重元素を化学的に扱ううえで重要な「単一原子化学」の特殊性やそれを実施するうえで必要とされる条件などについて、最近の実験装置開発状況を含めて紹介するとともに、近年、開発が進みつつある物理的分離装置の利用や将来展望について解説する。また、104番元素ラザホージウム(Rf), 105番元素ドブニウム(Db), 106番元素シーボーギウム(Sg), 107番元素ボーリウム(Bh), 108番元素ハッシウム(Hs), 112番元素コペルニシウム(Cn)並びに114番元素の化学に関する現在までに得られた知識について、実験的な観点から紹介する。さらにまとめでは超重元素の化学的性質に関する最新の情報について、元素の周期律をもとに既知元素から経験的に予測される性質や相対論的理論計算の結果などとの比較を行う。
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軟X線レーザープローブによるアブレーションダイナミクスのイメージング
富田 卓朗*; 長谷川 登; 錦野 将元; 河内 哲哉; 末元 徹
レーザー研究, 40(8), p.592 - 597, 2012/08
フェムト秒レーザー加工の分野では近年、加工閾値近傍の強度でのフェムト秒レーザー照射によって引き起こされる現象に注目が集まっている。フェムト秒レーザー加工に特有の現象は、フェムトからピコ秒領域での不可逆的なナノメートルスケールでの構造変化であるため、その実態を捉えるにはナノメートルの空間分解能、ピコ秒の時間分解能を持ったシングルショットでの時間分解イメージング観察が必要である。これまで、可視光をプローブとして用いたアブレーションダイナミクスの観測例は存在するが、波長による空間分解能の制約のため、ナノメートルスケールでのイメージングは不可能であった。そこで、X線をプローブとしたポンププローブ計測によるナノメートルスケールダイナミクスの研究が注目を集めており、各国で活発に研究が行われている。われわれは、軟X線レーザーを用いて、ピコ秒の時間スケールでナノメートルスケールの表面形状をシングルショット計測可能なポンププローブ軟X線反射率イメージングシステムを開発し、プラチナ膜のアブレーションダイナミクスを観測することに成功したので、その内容を報告する。
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Factors affecting vertical distribution of Fukushima accident-derived radiocesium in soil under different land-use conditions
小嵐 淳; 安藤 麻里子; 松永 武; 佐藤 努*; 長尾 誠也*; 永井 晴康
Science of the Total Environment, 431, p.392 - 401, 2012/08
 被引用回数:51 パーセンタイル:3.54(Environmental Sciences)
福島第一原子力発電所事故に伴って土壌に沈着した$$^{137}$$Csが今後どのように環境中を移行していくかを予測するためには、$$^{137}$$Csの土壌中での移動性に影響を及ぼす要因やプロセスを明らかにすることが必要である。われわれは福島市内の2km四方区画内にある土地利用形態の異なる15地点を対象に、土壌及び地表面植生層の$$^{137}$$Csの深さ分布を調査した。その結果、地表面土壌層における$$^{137}$$Csの残存率は、土地利用形態にかかわらず、単位粘土サイズ粒子量あたりの有機炭素量と高い負の相関関係があることを見いだした。土壌有機物が微細な土壌粒子を覆うことで、粘土鉱物による$$^{137}$$Csの強い吸着を阻害するプロセスが、森林土壌における$$^{137}$$Csのより深部への侵入をもたらしている可能性があることを明らかにした。
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Design of soft X-ray wide-band multilayer gratings for constant deviation monochromators
小池 雅人; 今園 孝志
AIP Conference Proceedings 1465, p.202 - 206, 2012/07
特願 2010-000588*   特許詳細   公報
軟X線領域の単色計として金属単層膜を蒸着した回折格子を搭載した分光器がよく用いられているが実用的な入射角における高エネルギー光に対する回折効率の低下から現在のところ実用的な高エネルギー限界は約2keVであるといわれている。それより高エネルギー領域においてはSiなどの分光結晶を分散素子として用いる結晶分光器が一般的である。このため、例えば1keVから3keVにまたがる測定においては、形式が異なる分光器の切り替えが必要であること、Siより格子定数の大きい結晶は物性的に脆弱なことが多いため使用しづらく、回折格子分光器のより高エネルギー領域への拡張が期待されている。本報告では反射鏡や定入射角の平面結像型分光器用回折格子の使用エネルギー領域の高エネルギー化と広帯域化を目的に考案された製作が容易な新しい多層膜形成方法の定偏角分光器用回折格子に対する有効性について述べる。特にここでは1.5keV-2.5keVをエネルギー領域とする定偏角Monk-Gillieson型分光器用多層膜回折格子に応用した場合について考察する。
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Development of a soft X-ray diffractometer for a wideband multilayer grating with a novel layer structure in the 2-4 keV range
今園 孝志; 小池 雅人; 河内 哲哉; 長谷川 登; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; et al.
AIP Conference Proceedings 1465, p.33 - 37, 2012/07
特願 2010-000588*   特許詳細   公報
We have developed a compact wavelength-dispersive soft X-ray emission (SXE) spectrometer for TEM's. SXE spectroscopy combined with transmission electron microscopy (TEM-SXES) should be a hopeful method to reveal physical properties and electronic structures of identified small specimen areas of various compounds. It is necessary to develop a new SXES instrument that works in an energy range of 2-4 keV, in which it is of importance to simultaneously detect and analyze SXE spectra for materials science and industry. For this purpose, we have invented a novel layer structure that enables to uniformly enhance the reflectivity in a few keV energy range at a fixed angle of incidence. The multilayer structure that consisted of W and B$$_4$$C was fabricated on the surface of a newly designed holographic laminar-type varied-line-spacing master grating (MLG). Its performance test was carried out at BL-11B, Photon Factory, KEK. As a result, it was revealed that the new MLG was effective to uniformly enhance the diffraction efficiency and worked practically in this energy region.
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Improvement of the Soft X-ray Polarimeter and Ellipsometer (SXPE) for complete polarization analysis
今園 孝志; 佐野 一雄*; 小池 雅人
AIP Conference Proceedings 1465, p.28 - 32, 2012/07
In our previous study, a dedicated apparatus for complete polarization analysis (Soft X-Ray Polarimeter and Ellipsometer: SXPE) had been developed. It was installed at BL-11, SR Center, Ritsumeikan University. It was successful that the linear polarization degrees of the beamline in the wavelength range of 12.5-14.8 nm were determined quantitatively along with the evaluation of the polarization characteristics of Mo/Si multilayers used as the polarizers. Unfortunately, there were some problems on the SXPE denoted as follows: the difficulty of the alignment; anxiety of the shortage of torque of rotational stages comparing with the imposed massive load; limitation of the size of a polarizing element up to 15 $$times$$ 15 $$times$$ 5t mm$$^3$$. To solve these issues, the SXPE was thoroughly improved, and then a re-evaluation of the linear polarization degree at a wavelength of 13.9 nm was performed by using the improved SXPE equipped with newly fabricated Mo/Si multilayer polarizers. The result was good agreement with the theoretical value, as well as the previous result.
194
A Beam intensity monitor for the evaluation beamline for soft X-ray optical elements
今園 孝志; 森谷 直司*; 原田 善寿*; 佐野 一雄*; 小池 雅人
AIP Conference Proceedings 1465, p.38 - 42, 2012/07
Since 2000, the evaluation beamline for soft X-ray optical elements, BL-11, at SR Center of Ritsumeikan University, has been operated to measure the wavelength and angular characteristics of absolute reflectivity (or diffraction efficiency) of soft X-ray (SX) optical devices in a wavelength range of 0.65-25 nm. It is important to calibrate and assign wavelength, intensity, and polarization of the light introduced into a reflecto-diffractometer (RD) at BL-11 along with the evaluation of the characteristics of optical element samples. Not the beam intensity of the zero-th order light (BM0) but that of the monochromatized first order light (BM1) should be measured for the normalization of the incident beam intensity. It is because there should be an obvious linear relationship between the two values of BM1 and the signal intensity (ID) from a detector equipped in the RD. A new beam intensity monitor based on total electron yield (TEY) method has been installed just before the RD. It has been found out that the correlation coefficient between the signals obtained by the beam monitor and that by the detector (a photodiode) of RD has been estimated to be 0.989. It indicates that the new beam intensity monitor provides accurate real time measurement of the incident beam intensity.
195
Incorporation of the effect of the composite electric fields of molecular ions as a simulation tool for biological damage due to heavy ion irradiation, 2
森林 健悟
AIP Conference Proceedings 1465, p.241 - 245, 2012/07
Swift heavy ions are a good research tool in the fields of biological physics, surface science, and medical science. For example, in biological physics, although there are several hypotheses, the important phenomenon of relative biological effectiveness (RBE) is not yet fully understood and one might ask why do heavier ions produce more cluster DNA damage and lead to high RBE values. The understanding of RBE is directly connected to the understanding of the reason why cancer therapy using C$$^{6+}$$ ions has higher efficiency than that using protons. In this paper, we propose and quantify a novel explanation for RBE that hinges on the effect of the composite electric fields of molecular ions (mainly H$$_2$$O$$^+$$) in a cell that are produced by heavy ion impact ionization processes by comparing the irradiation of a C$$^{6+}$$ ion with that of a proton onto the cell.
196
Photon-photon collisions via relativisitic mirrors
Koga, J. K.
AIP Conference Proceedings 1465, p.102 - 106, 2012/07
Photon-photon scattering at low energies has been predicted theoretically for many years. However, due to the extremely small cross section there has been no experimental confirmation of this. Due to the rapid increase in laser irradiances and projected peak irradiances in planned facilities can reach regimes where photon-photon scattering could be experimentally observed. We will first review basic aspects of photon-photon collisions concentrating on the calculation of the photon-photon scattering cross section. Then we will discuss the possibilities for observing these phenomena in ultra-high irradiance laser-plasma interactions involving relativistic mirrors.
197
Interaction of soft X-ray laser pulse radiation with aluminum surface; Nano-meter size surface modification
石野 雅彦; Faenov, A.*; 田中 桃子; 長谷川 登; 錦野 将元; 保 智己*; Pikuz, S.*; Inogamov, N. A.*; Zhakhovsky, V. V.*; Skobelev, I.*; et al.
AIP Conference Proceedings 1465, p.236 - 240, 2012/07
軟X線レーザーによるアブレーション過程の理解を目的として、アルミニウム表面に軟X線レーザーを集光照射した。照射痕を走査型電子顕微鏡で観察したところ、アブレーション構造とは異なる表面改質領域が形成されていることがわかった。この表面改質領域には、ナノメートルオーダーの直径を持つ円錐状構造が多数形成されている。また、円錐状構造が形成されている改質領域は、照射した軟X線レーザーの浸入長に一致する深さであるこことも確認した。軟X線レーザーによるアルミニウム表面に形成される改質構造は、新規のナノ構造形成プロセスとしても興味深い。このX線レーザーとアルミニウム表面との相互作用によって形成される改質領域については、理論計算により提唱されている破砕的モデルで説明することができる。
198
Observation of organelle by a laser plasma X-ray microscope
加道 雅孝; 岸本 牧; 石野 雅彦; 保 智己*; 安田 恵子*; 篠原 邦夫*
AIP Conference Proceedings 1465, p.246 - 250, 2012/07
生体の主要な構成要素である炭素に吸収されやすく、周囲の水にはほとんど吸収されないという特徴を持つ高輝度軟X線源と組合せた密着型軟X線顕微鏡は、自然環境下にある水を含んだ生物試料を無染色で直接観察することが可能である。しかし、反面、軟X線顕微鏡はこれまで観察できなかった生きた細胞内の構造を観察できるという新しい観察技術であるため、学術的な応用のためにはX線像で取得された構造を正確に特定することが非常に重要である。われわれは、同一の細胞のX線顕微鏡像と蛍光顕微鏡像を直接比較し、蛍光顕微鏡で観察された構造をもとにX線顕微鏡で得られた構造を特定するという新しい手法を提案した。その結果、X線顕微鏡によりミトコンドリアの構造の観察に成功した。
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Extreme field limits in the interaction of laser light with ultrarelativistic electrons
Bulanov, S. V.; Esirkepov, T. Z.; 林 由紀雄; 神門 正城; 桐山 博光; Koga, J. K.; 近藤 公伯; 小瀧 秀行; Pirozhkov, A. S.; Bulanov, S. S.*; et al.
AIP Conference Proceedings 1465, p.87 - 96, 2012/07
In the experiments on the collision of laser light and high intensity electromagnetic pulses generated by relativistic flying mirrors, with electron bunches produced by a conventional accelerator and with laser wake field accelerated electrons the studying of extreme field limits in the nonlinear interaction of electromagnetic waves is proposed. The regimes of dominant radiation reaction, which completely changes the electromagnetic wave-matter interaction, will be revealed. This will result in a new powerful source of high brightness $$gamma$$-rays. A possibility of the demonstration of the electron-positron pair creation in vacuum in a multi-photon processes can be realized. This will allow modeling under terrestrial laboratory conditions neutron star magnetospheres, cosmological $$gamma$$ ray bursts and the Leptonic Era of the Universe.
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The Spectra of the multicharged argon hollow ions; Observation, modeling and using for diagnostics of the early stage of the heating of clusters by a supper high contrast femtosecond laser pulses
Pikuz, T.; Faenov, A.*; Skobelev, I.*; Fortov, V. E.*; Boldarev, A.*; Gasilov, V.*; Chen, L. M.*; Zhang, L.*; Yan, W.*; Yuan, D.*; et al.
AIP Conference Proceedings 1465, p.181 - 201, 2012/07
A study is made of the ultra-short laser pulse irradiation of Ar cluster targets. Experiments have been performed with large cluster sizes and using very high laser contrasts, which have allowed clear and unambiguous observation of exotic inner-shell transitions in near-neutral Ar ions. The interaction of the main laser pulse with the unperturbed target is a necessary requirement for observing these lines. Our measurements are supported by kinetics calculations in which a very detailed atomic model is used. X-ray spectral methods have been proposed to determine the parameters of the appearing plasma at the early stages of its evolution. It has been shown that the spectra of hollow ions are the most informative in the first moments of the heating of a cluster, whereas the diagnostics of the late stages can be performed using the conventional lines of multicharged ions.