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1
Absence of a polar phase in perovskite chromite $$R$$CrO$$_{3}$$ ($$R$$=La and Pr)
吉井 賢資; 池田 直*; 下条 豊; 石井 慶信*
Materials Chemistry and Physics, 190, p.96 - 101, 2017/04
 パーセンタイル:100(Materials Science, Multidisciplinary)
ペロブスカイト構造を持つクロム酸化物LaCrO$$_{3}$$, PrCrO$$_{3}$$およびLa$$_{0.5}$$Pr$$_{0.5}$$CrO$$_{3}$$の磁性と誘電性について調べた。これら酸化物は、近年、磁性と誘電性が重畳したマルチフェロイックであると報告されている$${it R}$$CrO$$_{3}$$系($${it R}$$:希土類)に属するため、対称系もマルチフェロイックであるとすれば興味深い。磁化測定からは、対象系はネール温度が240-288 Kの反強磁性体であることを観測した。中性子回折測定からは、これらの結晶構造は中心対称性を持つ斜方晶$${it Pnma}$$であり、NdCrO$$_{3}$$で報告された単斜晶構造とは異っており、強誘電体にはならないことを観測した。この結果と誘電率測定から、対象系の10000ほどの大きな誘電率は、電気双極子ではなく電荷の移動によるものと結論した。
2
Analysis of plutonium isotope ratios including $$^{238}$$Pu/$$^{239}$$Pu in individual U-Pu mixed oxide particles by means of a combination of alpha spectrometry and ICP-MS
江坂 文孝; 安田 健一郎; 鈴木 大輔; 宮本 ユタカ; 間柄 正明
Talanta, 165, p.122 - 127, 2017/04
 被引用回数:1 パーセンタイル:100(Chemistry, Analytical)
本研究では、単一ウラン-プルトニウム混合粒子中のプルトニウム同位体比を、アルファ線計測および誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)の組み合わせにより決定する方法の開発を行った。その結果、$$^{240}$$Pu/$$^{239}$$Pu、$$^{241}$$Pu/$$^{239}$$Puおよび$$^{242}$$Pu/$$^{239}$$Pu同位体比についてはICP-MSにより決定することができ、$$^{238}$$Pu/$$^{239}$$Pu同位体比については、アルファ線計測により求めた$$^{238}$$Pu/($$^{239}$$Pu+$$^{240}$$Pu)放射能比とICP-MSにより求めた$$^{240}$$Pu/$$^{239}$$Pu同位体比より計算で決定することができた。したがって、アルファ線計測およびICP-MSの併用は、単一ウラン-プルトニウム混合粒子中のプルトニウム同位体比分析に有効であることが示された。
3
Development of fuel temperature calculation code for HTGRs
稲葉 良知; 西原 哲夫
Annals of Nuclear Energy, 101, p.383 - 389, 2017/03
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
高温ガス炉燃料の熱的健全性を確保するために、通常運転時の燃料最高温度は設計目標値以下にする必要がある。ブロック型高温ガス炉の炉心熱流動設計において、燃料最高温度は、熱出力、炉心形状、出力分布と照射量分布及び炉心冷却材流量配分を考慮して評価される。高温工学試験研究炉(HTTR)の設計段階で使用された燃料温度計算コードは、UNIXシステム上での動作を前提としており、その操作と実行手順は複雑で、ユーザーフレンドリーではなかった。それゆえ、簡便な操作と実行手順のようなユーザーフレンドリーなシステムを持つ新しい燃料温度計算コードFTCCを開発した。本論文では、FTCCの計算対象とモデル、基礎式、HTTR設計コードからの改良点及びFTCCによる検証計算の結果を示した。FTCCによる計算結果は、HTTR設計コードの結果とよく一致し、FTCCは今後、高温ガス炉用設計コードの1つとしてとして使用される。加えて、燃料最高温度の低減化に与える燃料冷却形態の効果を、FTCCを使って調べた。その結果、燃料コンパクトの中心孔冷却及び一体型燃料を用いたギャップレス冷却による効果が、非常に高いことがわかった。
4
Ionization of protoplanetary disks by galactic cosmic rays, solar protons, and supernova remnants
片岡 龍峰*; 佐藤 達彦
Geoscience Frontiers, 8(2), p.247 - 252, 2017/03
 被引用回数:1 パーセンタイル:22.98(Geosciences, Multidisciplinary)
原始惑星円盤における銀河宇宙線・太陽陽子・超新星残骸による電離量評価は、惑星形成の解析に重要となる。そこで、我々は粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて様々なスペクトルの宇宙線に対する原始惑星円盤の電離減衰長(電離密度が1/eになる距離)を計算した。その結果、銀河宇宙線による電離減衰長は118g cm$$^{-2}$$となり、一般的に使われている値よりも20%ほど高いことが分かった。また、太陽陽子による電離減衰長は、銀河宇宙線による値と比較して最大で5%程度大きく、最小で20%程度小さいことが分かった。さらに、原始惑星円盤の成分を考慮した混合ガスを想定することにより電離減衰長は約10%増加することが分かった。この結果は、原始惑星円盤におけるデッドゾーンの大きさの推定に重要な影響を与える。
5
Monte Carlo criticality analysis under material distribution uncertainty
植木 太郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(3), p.267 - 279, 2017/03
 被引用回数:1 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
過酷事故の炉心溶融の際に生成される二酸化ウラン・コンクリート混合物の臨界性評価に関連して、ワイエルシュトラス関数に基づく確率論的乱雑化モデルを構築し、モンテカルロ法臨界計算の不確かさを検討した。中性子実効増倍率の評価値には、無視できない揺らぎが生じることがわかった。
6
Swelling pressure and leaching behaviors of synthetic bituminized waste products with various salt contents under a constant-volume condition
入澤 啓太; 目黒 義弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(3), p.365 - 372, 2017/03
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
We investigated the swelling pressure of synthetic bituminized waste products (BWPs) and the amount of Na$$^{+}$$ in the leachate from them under a constant-volume condition when the BWPs were in contact with water to understand influences of salt content on the surrounding environments after disposal of radioactive BWPs in a geological repository. The observation of the cross section of the synthetic BWP specimens revealed that micropores, which were formed after soluble salts leached out from the specimens, shrank and deformed near the surface of the specimens. The salt content in the synthetic BWP specimens depended on the amount of water taken up, indicating that an increase in the amount of water led to increases in the swelling pressure and the cumulative amount of Na$$^{+}$$ in the leachate. It was found that the shrinkage and deformation of the micropores near the surface of the synthetic BWP specimens that arose under the constant-volume condition significantly influenced increases in the swelling pressure and cumulative amount of Na$$^{+}$$ in the leachate.
7
Determination of dissolved natural thorium and uranium in Horonobe and Mizunami Underground Research Laboratory groundwater and its thermodynamic analysis
佐々木 隆之*; 鴻上 貴之*; 小林 大志*; 桐島 陽*; 村上 裕晃; 天野 由記; 水野 崇; 岩月 輝希; 笹本 広; 宮川 和也
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(3), p.373 - 381, 2017/03
本研究では、幌延深地層研究センター及び瑞浪超深地層研究所の両地下施設を利用し、原位置の地下水中におけるウラン及びトリウムの存在状態について、ろ過径の異なるフィルターを用いて調査した。また、ろ過後の地下水の分析結果をもとに、熱力学的な解析を行い、溶解度制限固相について考察した。その結果、幌延の地下水では、ウラン及びトリウムともに溶存状態で存在する成分に加え、コロイドとしても存在していることがわかった。また、溶存状態で存在するウラン及びトリウムの濃度は、UO$$_{2}$$(cr)及びThO$$_{2}$$(cr)の溶解度でそれぞれ近似される可能性が示唆された。一方、瑞浪の地下水中のウラン・トリウムについては、幌延と比べるとコロイドとして存在する可能性は低く、地下水のウラン・トリウム濃度については、明確な制限固相を特定することが困難であった。これについては、さらなる研究が必要である。
8
Development of methods for recovering uranium from sludge-like uranium generated in decontamination of metal wastes
大橋 裕介; 田中 祥雄; 綱嶋 康倫; 池田 泰久*
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(3), p.382 - 390, 2017/03
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
金属廃棄物の除染廃液から鉄を含んだスラッジが発生している。これらからウランを回収する方法として、${{it N-cyclohexyl}}$-2-pyrrolidone (NCP)を沈澱剤として用いた方法を検討した。その結果、スラッジを溶解した硝酸溶液からのウラン沈澱率はモル比[NCP]/[U(VI)]=20の条件で97.7%であった。また、Fe, Al, F$$^{-}$$, SO$$_{4}$$$$^{2-}$$の沈澱率は1%以下であり、選択的にウランが沈澱することが分かった。また、沈殿物のか焼物中のU, Fe, Al, F, Sの含有率はいずれもウラン転換原料に求められる基準を満たしており、本手法はスラッジから純度の高いウランを効率的に得られる方法として適用が期待できる。
9
Effect of twin boundary on crack propagation behavior in magnesium binary alloys; Experimental and calculation studies
染川 英俊*; 都留 智仁
Scripta Materialia, 130, p.114 - 118, 2017/03
 被引用回数:1 パーセンタイル:100(Nanoscience & Nanotechnology)
マグネシウムのき裂進展挙動に対する合金元素の影響と{10$$bar{1}$$2}型の双晶境界における原子レベルの挙動について、実験と計算によって検討した。その結果、実験から合金元素が明確にき裂進展挙動に影響することがわかった。計算によって、閉殻な軌道を銀や亜鉛などの合金ではマグネシウムの双晶境界を強化する傾向があることがわかった。
10
Interaction of rare earth elements and components of the Horonobe deep groundwater
桐島 陽*; 久野 温*; 雨宮 浩樹; 窪田 卓見*; 紀室 辰伍*; 天野 由記; 宮川 和也; 岩月 輝希; 水野 崇; 佐々木 隆之*; et al.
Chemosphere, 168, p.798 - 806, 2017/02
 パーセンタイル:100(Environmental Sciences)
高レベル放射性廃棄物地層処分における性能評価上重要な核種である3価マイナーアクチニド(MA(III))は、天然の地下水中に存在する懸濁粒子や溶存イオン、コロイドなどと吸着反応や錯形成反応などの相互作用を起こし、見かけ上の溶解度が増加する可能性が知られている。このため、これらの放射性核種と地下水中に含まれる物質との相互作用を理解しておくことは、地層中でのこれらの放射性核種の移行評価を行う上で重要である。本研究では、堆積岩地域である幌延地域の深部地下水を用いて、MA(III)のナチュラルアナログである希土類元素(REEs)を添加し、フィルターでろ過することにより、REEsの天然地下水中における挙動を調べた。その結果、イオン半径の小さいREEsほど地下水中に多く溶存している傾向が明らかになった。また、比較的大部分のREEsはリン酸塩として存在している可能性が強く示唆された。この結果は、高レベル放射性廃棄物の廃棄体から遠い将来に放出されると予想されているMA(III)の移行挙動を予測する上で、リン酸陰イオンが重要な役割を果たすことを示唆している。
11
Evaluation of neutron nuclear data on platinum isotopes
柴田 恵一
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(2), p.147 - 157, 2017/02
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
次期汎用評価済み核データライブラリJENDLのためにプラチナ同位体の中性子核データを$$10^{-5}$$eVから20MeVのエネルギー範囲で評価した。天然同位体の分離共鳴パラメータはMughabghabの推奨値を採用した。非分離共鳴パラメータは核反応モデルにより計算された全断面積及び捕獲断面積を再現するように決定した。分離共鳴領域以上のエネルギーでは、統計模型コードCCONEを用いて断面積を評価した。計算では、複合核過程に加えて、前平衡及び直接過程を考慮した。中性子とプラチナ同位体との相互作用はチャネル結合光学模型ポテンシャルを用いた。評価結果は実験値とよく一致しており、既存の評価済みデータを上回るものであった。今回得られた結果から、ENDF形式でデータファイルを作成した。
12
Improvement of neutron startup source handling work by developing new transportation container for High-Temperature engineering Test Reactor (HTTR)
島崎 洋祐; 澤畑 洋明; 篠原 正憲; 柳田 佳徳; 川本 大樹; 高田 昌二
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(2), p.260 - 266, 2017/02
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
HTTR(高温工学試験研究炉)では、起動用中性子源として小さなキャプセルに封入された$$^{252}$$Cf(3.7GBq)を3個炉内に装荷している。炉内黒鉛構造物の一つである制御棒案内ブロック内に中性子源入りの中性子源ホルダが装荷されており、約7年の頻度で交換している。中性子源入りの中性子源ホルダは輸送容器を使用して販売業者のホットセルからHTTR原子炉建家まで運搬される。中性子源ホルダの制御棒案内ブロックからの取出・装荷はHTTR原子炉建家内のメンテナンスピット内で行う。前回までの中性子源交換作業から、中性子源取扱作業の安全性向上を目的として輸送容器に係る2つの課題、作業者の被ばくリスク低減・予防及び中性子源ホルダの誤落下防止を抽出した。そして、これらの課題を解決できるHTTR起動用中性子源専用の輸送容器を従来の輸送容器のオーバーホールと同程度のコストで開発した。この結果、新たな輸送容器を使用して実施した中性子源の取扱作業は、安全に完遂された。
13
Cs-Te corrosion depth dependence on distribution of chromium carbide precipitation in high chromium steel
佐々木 孔英; 藤村 凌太*; 谷垣 考則; 松原 正典*; 福元 謙一*; 宇埜 正美*
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(2), p.139 - 146, 2017/02
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
「もんじゅ」で採用しているMOX燃料ピンを高燃焼度化するにあたって、燃焼に伴い発生する核分裂生成物(Fission Product: FP)による燃料被覆管内面腐食(FP腐食)を低減する必要がある。次世代の燃料被覆管候補材として析出強化型フェライト/マルテンサイト鋼や酸化物分散強化鋼などの高クロム鋼が有力とされており、その開発として照射損傷特性や高温強度の観点から材料組成や組織が最適化されてきた。一方、FP腐食に関しては、炉内試験(常陽, BOR-60, Phenix, FFTF)にて数十$$mu$$mの減肉が確認されており、腐食量評価式にて目標燃焼度250GWd/tで約350$$mu$$m(被覆管厚さの約7割)もの腐食量が予測されているにも拘らず、被覆管材料開発に考慮されていない。これまでのFP腐食の基礎研究分野では腐食メカニズムが議論され、Cs-Te化合物と合金中のクロムやクロム炭化物との反応が主な腐食反応とされている。本研究では、耐FP腐食性向上のための基礎研究として、高クロム鋼中の炭化物分布とCs-Te腐食量との関係について調査した。本研究の結果、炭化物が結晶粒界に多く分布している材料組織は、そうでないものより腐食が進展しやすいことがわかった。
14
Algebraic design of multi-dimensional transfer function using transfer function synthesizer
河村 拓馬; 井戸村 泰宏; 宮村 浩子; 武宮 博
Journal of Visualization, 20(1), p.151 - 162, 2017/02
 パーセンタイル:100(Computer Science, Interdisciplinary Applications)
本論文では多変量向けボリュームレンダリングのための新しい伝達関数設計手法を提案する。従来的な手法ではGUIベースの伝達関数設計を行っていたために扱えるデータは2変量に限られていた。より高次元の伝達関数設計を対話的かつ直感的に行うために、Transfer Function Synthesizer (TFS)を開発した。TFSでは従来的なGUIや代数式で指定した1次元伝達関数を論理演算によって合成することで多次元伝達関数を生成する。TFSは多変量向けボリュームレンダリングを可能にするだけでなく、サーフェス可視化や画像合成をもボリュームレンダリングの枠組みで可能にする手法である。TFSは遠隔可視化システムPBVRに実装され原子力分野で計算された様々なデータに適用されている。
15
Thermodynamic evidence for nematic superconductivity in Cu$$_{x}$$Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$
米澤 慎吾*; 田尻 兼悟*; 中田 勝*; 永井 佑紀; Wang, Z.*; 瀬川 耕司*; 安藤 陽一*; 前野 悦輝*
Nature Physics, 13(2), p.123 - 126, 2017/02
 被引用回数:18 パーセンタイル:0.26(Physics, Multidisciplinary)
銅酸化物高温超伝導体や鉄系高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、様々な産業への応用が期待され世界中で盛んに研究されている。特に、従来とは異なった熱応答や電磁応答を示すトポロジカル超伝導体と呼ばれる物質群が注目を集めている。そこで、本論文では、トポロジカル絶縁体Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$に銅をインターカレートすることで作成される超伝導体Cu$$_{x}$$Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$の新奇物性を調べるために、磁場を面内に回転させて比熱を高精度に測定し、理論結果と比較した。なお、上記課題の解決にあたり、トポロジカル超伝導体の有効理論を構築することで本質を落とさずに系の自由度を大幅に縮小させることで幅広い温度磁場領域での実験結果との比較を可能にした。その結果、この物質では二回対称性のみを持つネマティック超伝導状態が生じていることを実験によって明らかにすることができた。これらの結果は、超伝導体の基礎物性を明らかにするのみならず、良い物性を持つデバイス開発に資する成果であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。
16
Sustainable and safe energy supply with seawater uranium fueled HTGR and its economy
深谷 裕司; 後藤 実
Annals of Nuclear Energy, 99, p.19 - 27, 2017/01
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
海水ウランを用いた高温ガス炉による持続的で安全なエネルギー供給について検討した。ウラン資源が無尽蔵に存在すれば、安全な高温ガス炉発電による永続的なエネルギー供給が可能である。海水ウランは大量に海水中に存在するため代替候補となりうる。海水ウランは45億トン存在し、7万2千年のエネルギー消費量に相当する。また、海水ウランは海底表面の岩盤に含まれる4.5兆トンのウランと平衡状態にあるため、これらも回収することができる。この量は7200万年の消費に相当する。現状の技術では海水ウランの回収コストはウランの市場価格よりも高価である。しかし、経済的に成立するか否かの判断はウラン回収コストのみではなく発電原価全体でなされるべきである。本研究では、海水ウランを用いた高温ガス炉による商用発電の発電原価について評価した。高温ガス炉は直接ガスタービンによる簡素なシステムにより、海水ウランを用いても高い経済性が期待できる。結果として、海水ウランを用いた高温ガス炉の発電原価は7.28円/kWhであり、在来型ウランを用いた軽水炉の8.80円/kWhよりも安価と評価された。
17
The Role of low-temperature organic matter diagenesis in carbonate precipitation within a marine deposit
宮川 和也; 石井 英一; 廣田 明成*; 小松 大祐*; 池谷 康祐*; 角皆 潤*
Applied Geochemistry, 76, p.218 - 231, 2017/01
 パーセンタイル:100(Geochemistry & Geophysics)
炭酸塩はその形成時に、地下水水質の変遷履歴などの古水理地質情報を記録している可能性があり、地下に形成された炭酸塩脈は、過去の環境の変遷を知る手掛かりになる。本研究では、北海道北部の新第三系海成堆積岩である声問層と稚内層中に見られる炭酸塩脈の産状のコントラストについて、炭酸の供給源の観点からその成因を検討した。炭酸塩脈は、珪藻質泥岩の声問層中にはほとんど見られないが、珪質泥岩の稚内層中には見られる。地下水中に溶存している多量のメタンは微生物活動による二酸化炭素還元反応によって形成されていることが、同位体比分析の結果から分かった。岩盤中の全有機物量は、声問層では深度の増加とともに小さくなるが、稚内層では深度によらず一定であることが分かった。これはこれらの地層境界が、有機物の続成作用区分としてダイアジェネシス期からカタジェネシス期への変化点に相当することを示唆しており、ガスや炭酸塩の炭素同位体比もまた、稚内層中では深度とともに急に重くなっていることが分かった。以上のことから、次のような炭酸塩脈の形成プロセスが考えられる。有機物の続成作用があまり進んでいない声問層では、微生物により有機物が分解され、二酸化炭素が地下水中に供給される。一方で、声問層と比較した時に、稚内層では続成作用が進んでおり、有機物が比較的分解されにくい。このため、メタン生成反応に伴う炭酸の消費が補われることがないため、同時に炭酸塩脈が形成されやすい環境であったことが推察された。
18
Inelastic and quasi-elastic neutron scattering spectrometers in J-PARC
瀬戸 秀紀; 伊藤 晋一; 横尾 哲也*; 遠藤 仁*; 中島 健次; 柴田 薫; 梶本 亮一; 河村 聖子; 中村 充孝; 川北 至信; et al.
Biochimica et Biophysica Acta; General Subjects, 1861(1), p.3651 - 3660, 2017/01
 被引用回数:3 パーセンタイル:4.16(Biochemistry & Molecular Biology)
1MWクラスのパルス中性子源であるJ-PARCの物質・生命科学実験施設には、23の中性子ビームラインがあり、21台の装置が稼働、建設中である。このうち6台は中性子非弾性、及び、準弾性実験のための装置であり、生命科学研究に大いに寄与するものである。
19
Ge検出器-$$gamma$$線スペクトロメトリーによる玄米認証標準物質中$$^{134}$$Cs, $$^{137}$$Cs及び$$^{40}$$Kの分析,2; 不確かさ評価
米沢 仲四郎*; 城野 克広*; 原賀 智子
分析化学, 66(1), p.27 - 37, 2017/01
本報告では、ゲルマニウム半導体検出器を用いた$$gamma$$線スペクトロメトリーにおいて、放射能濃度の定量結果に対する不確かさを評価するため、認証標準物質中の$$^{134}$$Cs, $$^{137}$$Csおよび$$^{40}$$Kを用いて、代表的な定量法である「単純比較法」と「効率曲線法」を比較した。各法を構成するパラメータに含まれる不確かさの要因を精査するとともに、各要因の寄与を実験的に求めた。その結果、単純比較法では、各パラメータのうち、$$gamma$$線のピーク効率と正味ピーク計数値の不確かさの寄与が最も大きく、他の寄与は無視できるほど小さいことがわかった。効率曲線法では、サム効果補正係数と$$gamma$$線放出率の不確かさの寄与が追加され、単純比較法よりも不確かさは大きくなることがわかった。本検討により、$$gamma$$線スペクトロメトリーにおける定量結果の不確かさを示すことができた。
20
Elastically-homogeneous lattice models of damage in geomaterials
朝比奈 大輔*; 青柳 和平; Kim, K.*; Birkholzer, J.*; Birkholzer, J. T.*; Bolander, J. E.*
Computers and Geotechnics, 81, p.195 - 206, 2017/01
 被引用回数:3 パーセンタイル:1.81(Computer Science, Interdisciplinary Applications)
This study involves the development of the auxiliary stress approach for producing elastically-homogeneous lattice models of damage in geomaterials. The lattice models are based on random, three-dimensional assemblages of rigid-body-spring elements. Unlike conventional lattice or particle models, the elastic constants of a material (e.g., Young's modulus and Poisson's ratio) are represented properly in both global and local senses, without any need for calibration. The proposed approach is demonstrated and validated through analyses of homogeneous and heterogeneous systems under uni- and tri-axial loading conditions. Comparisons are made with analytical solutions and finite element results. Thereafter, the model is used to simulate a series of standard laboratory tests: (a) split-cylinder tests, and (b) uniaxial compressive tests of sedimentary rocks at the Horonobe Underground Research Laboratory in Hokkaido, Japan. Model inputs are based on physical quantities measured in the experiments. The simulation results agree well with the experimental results in terms of pre-peak stress-strain/displacement responses, strength measurements, and failure patterns.
21
各種計測結果に基づく再冠水試験のための止水壁の機能評価
松井 裕哉; 見掛 信一郎; 池田 幸喜; 佐々木 定雄
第14回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), 6 Pages, 2017/01
日本原子力研究開発機構は、文部科学省・経済産業省・原子力規制委員会の第3期中長期目標に基づく研究開発を平成27年度から進めている。この一環として、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所では、深度500mに掘削した研究坑道終端部において、再冠水試験と称する坑道周辺の地質環境の回復状況を把握・評価するための原位置試験を進めている。この試験のため、研究坑道内に地下水の圧力を保持するための止水壁を構築すると同時に、温度・圧力及び変異に関する各種計測機器を止水壁内外に設置し、冠水前後のそれらの変化をモニタリングした。その結果、構築した止水壁は、最初の冠水時に、施工不良部からの漏水が生じその補修を行ったものの、補修後の冠水では当初の止水壁の設計コンセプトが概ね満足され、水圧の保持機能が発揮されていることを確認し、平成28年3月より再冠水試験に移行している。本報では、止水壁の設計・施工・計測と計測結果に基づくその機能評価の概要を報告する。
22
幌延深地層研究センターの深度の異なる水平坑道を対象とした掘削損傷領域の水理力学特性の検討
青柳 和平; 石井 英一
第14回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), 6 Pages, 2017/01
堆積軟岩を対象とする幌延深地層研究センターの深度250mおよび350mの調査坑道において生じた掘削損傷領域(Excavation Damaged Zone: EDZ)の水理・力学特性を検討することを目的として、透水試験、コア観察、BTV観察を行った。結果として、250m調査坑道ではEDZの進展幅は壁面から約1.0mであり、EDZの透水係数は、健岩部と比較して約2-3オーダー程度大きかった。一方、350m調査坑道では、EDZの進展幅は壁面から0.4mまでであったが、EDZの透水係数は健岩部と比較して約5オーダー程度大きい結果であった。これらの関係性について、地山強度比と岩盤中のせん断変形に伴う局所的なダイラタンシーの程度を評価する指標であるDuctility Index(DI)の2つの物理パラメータを基に、深度と岩種の違いによるEDZの水理力学特性を検討した。結果として、EDZの進展幅は地山強度比と関連しており、EDZの透水係数の増大は、DIの値の違いにより説明できることが示唆された。
23
坑道掘削時内空変位に基づく広域岩盤の初期地圧評価
亀村 勝美*; 青柳 和平; 名合 牧人*; 菅原 健太郎*; 松原 誠*
第14回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), 6 Pages, 2017/01
日本原子力研究開発機構が高レベル放射性廃棄物の地層処分技術開発として北海道幌延町で進めている幌延深地層研究計画は、平成12年度から開始された第1段階「地上からの調査研究」に引き続き、第2段階「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究」と第3段階「地下施設における調査研究」が実施されている。こうした地下施設の設計にあたっては、掘削対象の岩盤の力学特性は勿論、初期応力をいかに設定するかが重要であり、幌延においてもこれまでに、地上からのボーリング孔を用いた水平面内の初期地圧の評価や坑道掘削(地下施設建設)時に3深度に設けられた試験坑道における水圧破砕法による初期地圧の評価が行われている。今回深度350mの周回坑道掘削時の内空変位計測結果を用いて、数百m四方の岩盤の挙動を説明できる初期応力の推定を試みた。また、推定結果の精度をより高めるために岩盤の割れ目の発達状況を考慮して内空変位計測結果を評価し、検討を行った。その結果は、他の計測結果と整合しており、本解析手法の妥当性が確認された。
24
光計測を用いた幌延深地層研究センターの立坑周辺岩盤における長期挙動評価
畑 浩二*; 丹生屋 純夫*; 青柳 和平
第14回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), 6 Pages, 2017/01
北海道幌延町に位置する日本原子力研究開発機構の幌延深地層研究センターでは、高レベル放射性廃棄物地層処分技術の信頼性向上に係わる種々な研究を実施している。その内、空洞周辺岩盤の長期挙動モデルを開発するため、深度350m以深の立坑を対象に掘削前から掘削完了後の維持管理期間にわたって力学的・水理学的挙動に着目し、光式のAEセンサ・間隙水圧センサ・温度センサを用いて長期計測を継続中である。計測結果から、掘削時には立坑壁面に近いほどAE、間隙水圧および温度の変化は大きく、壁面1.5m程度までを掘削損傷領域と評価した。一方、掘削後の維持管理段階では、力学的な損傷領域の広がりは認められないが、立坑近辺では不飽和領域が広がることが認められた。
25
幌延深地層研究センターの換気立坑におけるグラウト注入シミュレーションおよびその効果の検証
中嶋 仁慶*; 小山 倫史*; 龍田 圭亮*; 片山 辰雄*; 青柳 和平
第14回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), 6 Pages, 2017/01
本論文では、幌延深地層研究センターの深度250m以深の換気立坑掘削前に、透水性の高い断層部を対象として実施したグラウト施工を対象として、有限要素法により、非定常の浸透流解析および移流・分散解析を実施し、グラウト施工後の透水係数の分布を評価した。その結果に基づきグラウトによる透水性の改善効果について検討を行い、原位置におけるルジオン試験結果との比較により解析の妥当性について検討を行った。結果として、実際のグラウト施工により、透水性の高い断層部の透水係数の4オーダー程度の改善が見られ、その値は原位置のルジオン試験結果にも概ね整合することが示された。よって、グラウトによる透水性改善の検討について、本手法の適用可能性が示された。
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ODS鋼燃料被覆管内の微小欠陥の水浸高調波法による可視化とSEMによる組成同定
川嶋 紘一郎*; 矢野 康英; 丹野 敬嗣; 皆藤 威二
第24回超音波による非破壊評価シンポジウム講演論文集(USB Flash Drive), p.99 - 104, 2017/01
日本原子力研究開発機構において、高燃焼度用ナトリウム冷却高速増殖炉用燃料被覆管として、9Crの酸化物分散強化型(Oxide Dispersion Strengthened: ODS)鋼が開発されている。管厚の7%を検査基準として通常超音波法により欠陥の検査がなされているが、水浸高調波法による欠陥検出可能性を調査するため通常超音波検査合格部位について欠陥・異質部の調査を実施した。水浸高調波法により9Cr-ODS鋼管内の高調波散乱源を可視化した後、断面観察により検出された散乱源の寸法・形状をSEMにより、また組織・成分をEDSにより同定した。最小径10$$mu$$m程度の酸化チタン粒子、マイクロボイド集合部、Cr集合体などを同定できた。
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研究開発段階発電用原子炉の特徴を考慮した保守管理の提案
高屋 茂; 近澤 佳隆; 林田 貴一; 田川 明広; 久保 重信; 山下 厚
保全学, 15(4), p.71 - 78, 2017/01
研究開発段階炉に適した保守管理について、まずはじめに、その目的を明確化し、次に実用炉用保守管理規程の研開炉への適用性について検討した。検討結果に基づき、研開炉の保守管理に関する要求事項及び考慮事項を提案した。最後に、適用例として、ナトリウム冷却高速炉の保全計画の設定例を示した。
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Assessment of residual doses to population after decontamination in Fukushima Prefecture
森 愛理; 高原 省五; 石崎 梓; 飯島 正史; 眞田 幸尚; 宗像 雅広
Journal of Environmental Radioactivity, 166(Part 1), p.74 - 82, 2017/01
 パーセンタイル:100(Environmental Sciences)
福島第一原子力発電所事故により多量の放射性物質が環境中へ放出され、事故の影響を受けた地域で暮らす住民は日常生活を通して放射線を被ばくしている。住民の被ばく線量を管理するために、年間の追加被ばく線量を1mSv/y以下にするという長期的目標が定められ、この目標を達成するために、測定値における0.23$$mu$$Sv/hが除染実施の目安値とされた。本研究の目的は、この目安値に基づく除染作業の効果を明らかにし、今後の除染戦略における課題を抽出することである。本研究では確率論的なアプローチを用いて福島県内における屋内作業者、屋外作業者および自宅滞在者の年間の実効線量を評価した。本研究で用いた確率論的なモデルでは、生活パターンおよびCs-137の地表面濃度の変動を考慮した。評価の結果、福島県の全59の自治体のうち53の自治体における屋内作業者および自宅滞在者については、汚染発生から5年後の年間実効線量の95パーセンタイル値が1mSv/yを下回っていた(0.026-0.73mSv/y)。しかし、25の自治体の屋外作業者については1mSv/yを上回っていた(1.0-35mSv/y)。したがって屋内作業者および自宅滞在者に対しては目安値が有効であるが、屋外作業者にさらなる対策をすべきか否かを判断するためには、より現実的な仮定を用いた詳細な評価が必要であることがわかった。
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Spectrum-dose conversion operator of NaI(Tl) and CsI(Tl) scintillation detectors for air dose rate measurement in contaminated environments
津田 修一; 斎藤 公明
Journal of Environmental Radioactivity, 166(Part 3), p.419 - 426, 2017/01
 被引用回数:1 パーセンタイル:23.3(Environmental Sciences)
東京電力福島第一原子力発電所事故後、福島県をはじめ東日本の広域において、環境中の空間線量率測定等が継続して実施されている。測定には、原子力発電所等で利用されるサーベイメータ等の測定器が使用され、それらは基準校正場と呼ばれる既知の放射線場において、一方向からの照射条件で線量の校正が行われている。しかし一般に、測定器は入射する放射線の方向によって異なる感度を有し、実際の環境中では、放射線は様々な方向から測定器に入射する。そこで本研究では、通常よく用いられるNaI(Tl)およびCsI(Tl)シンチレーション式測定器で得られる線量の光子入射方向依存性を評価するために、ほぼ無限に広がった地面に放射性核種が存在する環境をPHITSコード上で再現し、周辺線量当量に対する環境測定用のスペクトル-線量変換演算子(G(E)関数)を導出した。その結果、通常よく用いられるシンチレーション式測定器は、単色エネルギー光子の場合、線量を最大で約40%過大評価する可能性のあるものの、実際の環境中では+20%以内で環境線源に対する線量を再現することを明らかにした。
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Measurements of air dose rates in and around houses in the Fukushima Prefecture in Japan after the Fukushima accident
松田 規宏; 三上 智; 佐藤 哲朗*; 斎藤 公明
Journal of Environmental Radioactivity, 166(Part 3), p.427 - 435, 2017/01
 被引用回数:1 パーセンタイル:100(Environmental Sciences)
Measurements of air dose rates in less contaminated areas were conducted in and around houses. The relation of both was summarized as dose reduction factors. For wooden and lightweight steel houses, the dose rates showed a positive correlation and linear regression with a slope-intercept form due to the natural background. The average dose reduction factor was 0.38 on the first floor. The reductions in indoor dose rates are observed because a patch of ground under each house is not contaminated (this is the so-called uncontaminated effect). The characteristics were clarified through Monte Carlo simulations. For reinforced steel-framed concrete houses, the dose rates did not show a correlation. It was found that there is a great variation in air dose rates even within one house, such as the size and shape of a house, construction materials acting as a shield and as sources, position (including height) within a room, floor number, total number of floors, and surrounding environment.
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Implementation of muon interaction models in PHITS
安部 晋一郎; 佐藤 達彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(1), p.101 - 110, 2017/01
 被引用回数:2 パーセンタイル:2.17(Nuclear Science & Technology)
宇宙線ミューオンを用いた原子炉の透視や核物質の検出、低エネルギー負ミューオンを用いた非破壊元素分析や超寿命核分裂生成物(LLFP)の核変換など、様々なミューオン応用研究が進められている。このようなミューオン応用研究にPHITSを適用可能とするため、本研究ではミューオンと物質との相互作用(制動放射、電子・陽電子対生成、ミューオン光核反応、負ミューオン捕獲反応)に関するモデルを構築し、PHITSに実装した。改良したPHITSは水中および地中での宇宙線ミューオンの透過フラックスおよび、ミューオン光反応および負ミューオン捕獲反応からの中性子生成に関する実験値をよく再現した。またコンクリート壁を前面に配置したミューオン照射による放射性核種生成断面積の測定実験を解析した結果、実験値との良好な一致が得られた。以上のように、粒子の透過距離や放射性核種生成の評価が重要となるミューオン施設の遮蔽設計に対して、新しい反応モデルを実装したPHITSの適用性が実証された。
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Investigation of absorption characteristics for thermal-load fluctuation using HTTR
栃尾 大輔; 本多 友貴; 佐藤 博之; 関田 健司; 本間 史隆; 澤畑 洋明; 高田 昌二; 中川 繁昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(1), p.13 - 21, 2017/01
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
原子力機構ではGTHTR300Cの設計研究を行っている。水素製造施設のような熱利用系において発生した異常による熱負荷の変動が発生した場合でも、原子炉システムは、安定かつ安全な運転、更に安定な電力供給を継続することが求められている。そのためには、熱負荷変動を原子炉システムで吸収でき、安定かつ安全な運転を継続できることを実証する必要がある。原子力機構では、原子炉及びIHXによる熱負荷変動吸収特性を明らかにするために、核熱を伴わない熱負荷変動吸収試験を計画・実施した。その結果、原子炉は予想より大きな吸収容量を有しており、IHXも熱利用系で発生した熱負荷変動を吸収できることを明らかにすることができた。このことから、原子炉及びIHXは、熱利用系で発生した熱負荷変動の有意な吸収容量を有していることを確認した。さらに、RELAP5/MOD3に基づいた安全評価コードは、熱負荷変動吸収挙動を保守的に評価できることを確認した。
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Correction of the thermal neutron capture cross section of $$^{241}$$Am obtained by the Westcott convention
水山 一仁; 岩本 信之; 岩本 修
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(1), p.74 - 80, 2017/01
There is large discrepancy among the reported experimental data of the thermal neutron capture cross section of $$^{241}$$Am. The activation measurements provided larger cross sections than those in the time-of-flight (TOF) ones. The Westcott convention has been widely used for the derivation of the thermal neutron capture cross section in the activation measurements. The large discrepancy may be due to the existence of the resonances below the cadmium cut-off energy (E$$_{Cd}sim$$ 0.5 eV). By reviewing the Westcott convention, we developed the correction method taking account of the contribution of the resonances near or below $$E_{Cd}$$. The correction term was evaluated using the JENDL-4.0. Application of the present method successfully improved the existing discrepancy of the thermal capture cross section of $$^{241}$$Am.
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Applicability of polyvinylpolypyrrolidone adsorbent to treatment process of wastes containing uranium
大橋 裕介; 原田 雅幸*; 浅沼 徳子*; 安藤 詞音; 田中 祥雄; 池田 泰久*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 311(1), p.491 - 502, 2017/01
 パーセンタイル:100(Chemistry, Analytical)
ウランを含んだ廃棄物からのウラン回収法として、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)吸着材の適用性を確認するため、ウラン廃棄物を溶解した塩酸溶液からの金属イオンのPVPPへの吸着及び溶離挙動を確認した。その結果、Na(I)及びAl(III)が高い濃度で存在しても、U(VI)種は選択的にPVPPに吸着されることが分かった。吸着したU(VI)種は純水によってPVPPから選択的に溶離し、溶離液から不純物含有量の少ないウランが得られた。これらの結果から、PVPP吸着材はウラン廃棄物処理への適用が期待できる。
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Reduced-shifted conjugate-gradient method for a Green's function; Efficient numerical approach in a nano-structured superconductor
永井 佑紀; 篠原 康*; 二村 保徳*; 櫻井 鉄也*
Journal of the Physical Society of Japan, 86(1), p.014708_1 - 014708_9, 2017/01
 被引用回数:1 パーセンタイル:21.98(Physics, Multidisciplinary)
銅酸化物高温超伝導体や鉄系高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、様々な産業への応用が期待され世界中で盛んに研究されている。これらの非従来型超伝導体などをデバイスとして応用するためには、第一原理計算などを駆使した物質の特徴を捉えたシミュレーション手法の開発が急務である。本稿では、上記課題に対し、ナノサイズの超伝導体のシミュレーション手法の開発に成功したことを報告する。なお、上記課題の解決にあたり、Reducedシフト共役勾配法(RSCG)法という大規模並列計算が可能な手法を超伝導シミュレーションに応用し、実際に機構の所有するスーパーコンピューターSGI ICE X上で大規模並列計算を行い、そのパフォーマンスを調べた。そして、従来の手法と比べて非常に高速で応用範囲が広いことを報告した。これらの結果は、超伝導体の基礎物性を明らかにする手法であるのみならず、第一原理計算と組み合わせることで物質の特徴を取り入れることができるため様々な異なる物質のナノ超伝導デバイスに適用可能であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。
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Variational wavefunction for the periodic Anderson model with onsite correlation factors
久保 勝規; 大西 弘明
Journal of the Physical Society of Japan, 86(1), p.013701_1 - 013701_4, 2017/01
 パーセンタイル:100(Physics, Multidisciplinary)
We propose a variational wavefunction containing parameters to tune the probabilities of all the possible onsite configurations for the periodic Anderson model. We call it the full onsite-correlation wavefunction (FOWF). This is a simple extension of the Gutzwiller wavefunction (GWF), in which one parameter is included to tune the double occupancy of the $$f$$ electrons at the same site. We compare the energy of the GWF and the FOWF evaluated by the variational Monte Carlo method and that obtained with the density-matrix renormalization group method. We find that the energy is considerably improved in the FOWF. On the other hand, the physical quantities do not change significantly between these two wavefunctions as long as they describe the same phase, such as the paramagnetic phase. From these results, we not only demonstrate the improvement by the FOWF, but we also gain insights on the applicability and limitation of the GWF to the periodic Anderson model.
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第一原理計算に基づく転位構造解析と合金設計; マグネシウムの延性向上への取り組み
都留 智仁
まてりあ, 56(1), p.5 - 13, 2017/01
希少元素の代替材料開発は元素戦略の重要な研究であり、原子・電子構造に立脚した構造材料に対する強さとねばさの両立に向けた取り組みが推進されている。本稿では、転位論と第一原理計算を用いて、合金化による機械特性への影響を非経験的に評価するための合金設計手法を提案するとともに、具体的な対象として、マグネシウム合金の延性向上のメカニズムと合金設計指針について応用を行った。本論文は、これまでの一連の成果として、日本金属学会会報「まてりあ」の解説記事として発表する。
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Modeling of Phosphorus Transport by Interstitial Dumbbell in $$alpha$$-Iron Using First-Principles-Based Kinetic Monte Carlo
海老原 健一; 鈴土 知明; 山口 正剛
Materials Transactions, 58(1), p.26 - 32, 2017/01
 パーセンタイル:100(Materials Science, Multidisciplinary)
原子炉圧力容器鋼における照射による粒界リン偏析を数値シミュレーションによって評価することを目指し、原子レベルの計算に基づく拡散レート方程式の開発を行っている。本研究では、第一原理計算で評価した格子間原子対の移動モデルおよび移動障壁エネルギーを用いたキネティックモンテカルロシミュレーションによって、鉄原子とリン原子の混合格子間原子対の拡散係数を評価した。評価した混合格子間原子対の拡散係数は、八面体格子間サイトを移動するリン原子の拡散係数とほぼ同じであり、空孔によるリン輸送の拡散係数よりかなり大きい値であった。さらに、八面体格子間サイトのリン原子を取り入れるように修正した拡散レート方程式に評価した拡散係数を組み入れ、照射誘起粒界リン偏析の数値シミュレーションをしたところ、八面体格子間サイトのリン原子に対する粒界における従来の境界条件が不適切であることが明らかとなった。今後、適切な境界条件を取り入れる必要がある。
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Investigation of error estimation method of observational data and comparison method between numerical and observational results toward V&V of seismic simulation
鈴木 喜雄; 川上 義明*; 中島 憲宏
Mechanical Engineering Reviews, 4(1), p.15-00525_1 - 15-00525_18, 2017/01
耐震シミュレーションの検証と妥当性確認(Verification and Validation: V&V)に向けて、観測結果に含まれる誤差を見積もる方法と、見積もった誤差を用いて観測結果とシミュレーション結果の比較を行う方法について、これまでどのような方法が利用あるいは提案されているか調査した。調査の結果、観測結果に含まれる誤差を見積もる方法としては、分解能、直線性、感度温度係数、零点変動の温度係数、横感度などの記録時における誤差混入、換振器特性によるそれら誤差の増幅、エイリアジングの影響と後処理段階での零基線設定などを考慮し、それぞれから生じる誤差を個別に見積もるとともに統合して見積もる必要があることが分かった。観測結果とシミュレーション結果の比較を行う方法としては、これまで、主に6つの方法が利用あるいは提案されており、それぞれどのような利点・欠点があるか整理した。その結果、比較を行う方法は必ずしも十分確立されておらず、各方法を欠点を考慮しながら利用していく、いくつかの方法を組み合わることでそれぞれの欠点をカバーしていく、あるいは、新たな方法を模索していく必要があることが分かった。
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Composite behavior of lath martensite steels induced by plastic strain, a new paradigm for the elastic-plastic response of martensitic steels
Ung$'a$r, T.*; Harjo, S.; 川崎 卓郎; 友田 陽*; Rib$'a$rik, G.*; Shi, Z.*
Metallurgical and Materials Transactions A, 48(1), p.159 - 167, 2017/01
 被引用回数:3 パーセンタイル:8.04(Materials Science, Multidisciplinary)
Based on high-resolution neutron diffraction experiments we will show that in lath martensite steels the initially homogeneous dislocation structure is disrupted by plastic deformation, to produce a composite on the length scale of martensite lath packets. The diffraction patterns of plastically strained martensitic steel reveal characteristically asymmetric peak profiles in the same way as has been observed in materials with heterogeneous dislocation structures. Lath packets oriented favorably or unfavorably for dislocation glide become soft or hard. The lath packet type develops by work softening or work hardening in which the dislocation density becomes smaller or larger compared to the initial average one. The decomposition into soft and hard lath packets is accompanied by load redistribution between the two lath packet types. The composite behavior of plastically deformed lath martensite opens a new way to understand the elastic-plastic response in this class of materials.
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Hydrogenation of iron in the early stage of Earth's evolution
飯塚 理子*; 八木 健彦*; 後藤 弘匡*; 奥地 拓生*; 服部 高典; 佐野 亜沙美
Nature Communications, 8, p.14096_1 - 14096_7, 2017/01
 被引用回数:1 パーセンタイル:100(Multidisciplinary Sciences)
地球の核の密度は純鉄の密度よりも低く、核の中の軽い元素は長年の問題である。水素は太陽系内で最も豊富な元素であり、したがって重要な候補の1つである。しかし、これまで水素の鉄への溶解過程は不明であった。ここでは、高圧高温その場中性子回折実験を行い、含水鉱物の混合物が加熱されると、含水鉱物が脱水された直後に鉄が水素化されることを明らかにしている。これは、地球の進化の初期に、蓄積された原始物質が熱くなったときに、他の物質が溶けこむ前に水素の鉄への溶解が起こったことを意味する。これは、水素が地球進化の過程で鉄に溶解した最初の軽元素であり、その後のプロセスにおいて他の軽元素の挙動に影響を及ぼす可能性があることを示唆している。
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One-dimensional spinon spin currents
廣部 大地*; 佐藤 正寛*; 川股 隆行*; 塩見 雄毅*; 内田 健一*; 井口 亮*; 小池 洋二*; 前川 禎通; 齊藤 英治
Nature Physics, 13(1), p.30 - 34, 2017/01
 被引用回数:5 パーセンタイル:4.71(Physics, Multidisciplinary)
Quantum spin fluctuation in a low-dimensional or frustrated magnet breaks magnetic ordering while keeping spin correlation. Such fluctuation has been a central topic in magnetism because of its relevance to high-Tc superconductivity and topological states. However, utilizing such spin states has been quite difficult. In a one-dimensional spin-1/2 chain, a particle-like excitation called a spinon is known to be responsible for spin fluctuation in a paramagnetic state. Spinons behave as a Tomonaga-Luttinger liquid at low energy, and the spin system is often called a quantum spin chain. Here we show that a quantum spin chain generates and carries spin current, which is attributed to spinon spin current. This is demonstrated by observing an anisotropic negative spin Seebeck effect along the spin chains in Sr$$_{2}$$CuO$$_{3}$$. The results show that spin current can flow even in an atomic channel owing to long-range spin fluctuation.
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Cesiated surface H$$^{-}$$ ion source; Optimization studies
上野 彰
New Journal of Physics (Internet), 19(1), p.015004_1 - 015004_15, 2017/01
0.25$$pi$$mm$$cdot$$mrad程度の小さな横方向規格化rmsエミッタンスを持つ負水素イオンビームに対する高エネルギー$$cdot$$高強度陽子加速器の継続的に上昇する更なる高強度への要求を満たすため、再現性のある結果を得るために行われた根気強い実験の過程で見付かったエミッタンスを減少させる可能性のある多様なパラメータの最適化を行った。プラズマ電極形状や温度、低電力CW点火プラズマ用の高周波(RF)整合回路、フィルター磁場強度と分布、ビーム取り出し領域の軸磁場、セシウム(Cs)添加方法と密度、不純物元素の最適化等をJapan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC)用の負水素イオン源で行った。一つ一つのパラメーターを順次最適化することで、J-PARC Cs添加型RF駆動負水素イオン源で、95%ビームの横方向規格化rmsエミッタンス($$varepsilon$$$$_{95%nrmsx/y}$$)0.24$$pi$$mm$$cdot$$mradで強度66mAという世界最高級輝度のビームの生成に成功した。
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イオン交換能を有する金属分離試薬の開発とそれを固定化した金ナノ粒子による比色分析法への展開
下条 晃司郎
日本イオン交換学会誌, 28(1), p.1 - 10, 2017/01
本総説は平成28年度日本イオン交換学会進歩賞の研究内容をまとめたものである。産業廃棄物などに含まれる有用金属の分離回収および有害金属の除去・検出を効率的に行うには、高い選択性を有する金属分離試薬の開発が必要である。我々は新規金属分離試薬として、ジグリコールアミド酸(DGAA)型配位子を開発した。この試薬はアミド基とカルボン酸をエーテル鎖で連結した三座配位構造を有し、市販の配位子より優れた金属分離能をもつ。また、1ステップで簡便に合成が可能でコストパフォーマンスにも優れている。本稿では、DGAA型配位子の56種の金属イオンに対する抽出特性、希土類金属の抽出分離、および有害金属の除去について解説する。さらに、DGAA型配位子と金結合性ペプチドを融合した配位子融合ペプチドを用いて、DGAA固定化金ナノ粒子をワンポットで合成する手法を開発し、有害金属イオンを色の変化で高感度に検出できるイオン交換比色センサーに展開したので紹介する。
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確率分布母数の不確実さが確率論的破壊力学評価結果に与える影響の簡易評価手法の開発
岡島 智史; 高屋 茂; 浅山 泰
日本機械学会論文集(インターネット), 83(845), p.16-00434_1 - 16-00434_13, 2017/01
確率論的破壊力学の入力となる基本変数について、確率分布を設定するためのデータが不足していた場合、確率分布の母数、及び評価結果である破損確率に不確実さが生じる。本論文では、データ不足により、確率分布母数が上限値と下限値を与えた区間内にある状況を想定する。これによって破損確率評価結果に生じる不確実さに対し、上限値及び下限値を簡易に推定する手法を提案する。また、不確実さの低減を行うべき確率分布母数を抽出するため、確率分布母数のそれぞれについての想定区間が、評価結果に与える影響の大きさを表す指標を提案する。提案手法の有効性は、実機評価事例に基づく例題に対して適用することで検証した。
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Systematic measurement of double-differential neutron production cross sections for deuteron-induced reactions at an incident energy of 102 MeV
荒木 祥平*; 渡辺 幸信*; 北島 瑞希*; 定松 大樹*; 中野 敬太*; 金 政浩*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 842, p.62 - 70, 2017/01
 パーセンタイル:100(Instruments & Instrumentation)
近年、核融合材料の損傷の研究、ホウ素中性子捕捉療法、医療用放射性核種生成等の中性子源として、重陽子入射反応の利用が考えられている。しかし、入射重陽子エネルギー60MeVを超える領域では、重陽子入射反応の理論モデルの検証に必要な実験値はほとんどない。そこで本研究では、大阪大学核物理研究センター(RCNP)において、102MeVの重陽子入射によるリチウム,ベリリウム,炭素,アルミニウム,銅及びニオブの中性子生成二重微分断面積(DDX)の測定を行った。測定角度は、ビーム軸に対して0$$^{circ}$$から25$$^{circ}$$の間の6角度とした。全ての実験値を評価済み核データファイルTENDL-2015の値及びPHITSコードによる計算値と比較した結果、TENDL-2015の値は全てのケースにおいて実験値を約1桁程過小評価するが、PHITSは重陽子ブレークアップ過程に起因する中性子生成断面積のピーク構造を除いて、実験値をよく再現することがわかった。
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Development of spin-wave-like dispersive excitations below the pseudogap temperature in the high-temperature superconductor La$$_{2-x}$$Sr$$_{x}$$CuO$$_{4}$$
松浦 直人*; 川村 奨*; 藤田 全基*; 梶本 亮一; 山田 和芳*
Physical Review B, 95(2), p.024504_1 - 024504_6, 2017/01
 パーセンタイル:100(Physics, Condensed Matter)
Inelastic neutron scattering measurements of magnetic excitations in hole-doped high-$$T_c$$ cuprates La$$_{2-x}$$Sr$$_{x}$$CuO$$_{4}$$ ($$x = 0$$ and 0.075) have been performed over a wide temperature range of 5 $$sim$$ 500 K extending beyond the pseudogap temperature of $$sim$$360 K for $$x = 0.075$$. For $$x = 0$$, the two-dimensional spin-wave excitations at low temperatures are thermally robust and the dispersion is slightly softened on heating up to $$T = 400$$ K. For $$x = 0.075$$, the spin-wave-like excitations in the upper part of the hourglass-shaped dispersion remain at $$T = 300$$ K. However, further heating above $$T = 400$$ K induces a broad ridge centered at $$(1/2, 1/2)$$; thereby the hourglass-shaped dispersion becomes blurred above the pseudogap temperature. The localized spin nature of magnetic excitations below $$T^*$$ suggests that the pseudogap is related to a proximity to a Mott insulator rather than being a precursor of Cooper pairs.
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Search for the $$0^{--}$$ Glueball in $$Upsilon(1S)$$ and $$Upsilon(2S)$$ decays
Jia, S.*; 谷田 聖; Belle Collaboration*; 他170名*
Physical Review D, 95(1), p.012001_1 - 012001_13, 2017/01
 被引用回数:2 パーセンタイル:15.13(Astronomy & Astrophysics)
We report the first search for the $$J^{PC}=0^{--}$$ glueball in $$Upsilon(1S)$$ and $$Upsilon(2S)$$ decays with data samples of $$(102pm2)$$ million and $$(158pm4)$$ million events, respectively, collected with the Belle detector. No significant signals are observed in any of the proposed production modes, and the 90% credibility level upper limits on their branching fractions in $$Upsilon(1S)$$ and $$Upsilon(2S)$$ decays are obtained. The inclusive branching fractions of the $$Upsilon(1S)$$ and $$Upsilon(2S)$$ decays into final states with a $$chi_{c1}$$ are measured to be $$B(Upsilon(1S) to chi_{c1} + {rm anything} = (1.90 pm 0.43 ({rm stat.}) pm 0.14 ({rm syst.})) times 10^{-4}$$ with an improved precision over prior measurements and $$B(Upsilon(2S) to chi_{c1} + {rm anything} = (2.24 pm 0.44 ({rm stat.}) pm 0.20 ({rm syst.})) times 10^{-4}$$ for the first time.
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Theoretical elucidation of space charge effects on the coupled-bunch instability at the 3 GeV Rapid Cycling Synchrotron at the Japan Proton Accelerator Research Complex
菖蒲田 義博; Chin, Y. H.*; Saha, P. K.; 發知 英明; 原田 寛之; 入江 吉郎*; 田村 文彦; 谷 教夫; 外山 毅*; 渡辺 泰広; et al.
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2017(1), p.013G01_1 - 013G01_39, 2017/01
 被引用回数:2 パーセンタイル:21.98(Physics, Multidisciplinary)
大強度のビームを加速すると、一般にビームは不安定になることが知られている。それは、周回中のビームと加速器の機器には電磁相互作用(ビームのインピーダンス)があるからである。ビームを不安定にならないようにするためには、ビームのインピーダンスが閾値を超えなければ良いことが分かっていて、それは、インピーダンスバジェットと呼ばれている。J-PARC 3GeVシンクロトロンは、キッカーというビームを蹴り出す装置がインピーダンスバジェットを破っていることが、建設初期の段階から明らかにされており、1MWビームの達成を阻害することが懸念されてきた。今回、ビームの構成粒子自身の電荷に由来する電磁相互作用(空間電荷効果)には、ビームを安定化させる効果があることを理論的に明らかにした。また、ビームのパラメータや加速器のパラメータを適切に選べば、J-PARC 3GeVシンクロトロンのような低エネルギーのマシーンでは、従来のインピーダンスバジェットを破ることは、1MWビームを達成する上で致命傷にはならないことを実験的にも実証した。
50
ランダムフォレスト法による$$gamma$$線スペクトルを用いた放射性廃棄物ドラム缶の分類
秦 はるひ; 石森 有
Radioisotopes, 66(1), p.1 - 10, 2017/01
放射性廃棄物ドラム缶の分類に対し、機械学習法の一つであるランダムフォレスト法が適用できるか検討した。ウランの起源が天然または回収燃料かで分類された954点のドラム缶の$$gamma$$線スペクトルデータを利用した。300点を訓練データ用にとりわけ、残りの654点のスペクトルデータを用いて、ランダムフォレストの分類の正答率を評価した。カウント数の対数の差分値をとる前処理を行う場合、ランダムフォレスト法で654点を正確に分類できた。
51
放射線測定器で何が測れるか
竹安 正則
とみおか放射線情報まとめサイト(インターネット), 2 Pages, 2017/01
福島県富岡町が住民に貸出を行っている放射線測定器の種類とその目的、使用上の留意点、測定結果の解釈の仕方について解説する。
52
複雑な実環境をシミュレートしたデータ取得にもとづく腐食要因の解明; 海洋環境と原子力施設を例として
山本 正弘
材料と環境, 66(1), p.3 - 12, 2017/01
腐食現象の発生メカニズムを明らかにするために、実験室的に実環境での腐食を再現するシミュレーション試験法を検討してきた。本稿では、海洋環境と原子力施設を例にこの手法に関して紹介する。海洋での腐食については、干満帯直下で見られる腐食極大に着目した。実環境を再現する試験を実施した結果、この領域では干潮時には、干満帯部をカソードとして腐食が進行し、満潮時には海中部深くをカソードとした腐食が進行し、長期間アノードが固定する現象が観察された。これは、アノード溶解が継続することで環境が変化して、腐食し続ける、いわゆる、「とけぐせ」と呼ばれる腐食現象と考えられる。原子力施設については、高い放射線環境での腐食解析や電気化学測定が可能な装置を駆使してきた。一例は、核燃料再処理施設でのNpの混入による腐食加速現象が、Np$$^{6+}$$がステンレス鋼表面で還元され腐食が進行し、還元されたNp$$^{5+}$$がバルク溶液中に再酸化されるため、微量のNp混入でも腐食が加速されることを示した。また、軽水炉内での放射線環境で生成する過酸化水素の影響についても評価する手法に関しても紹介した。
53
Numerical simulation of surface energy and water balances over a semiarid grassland ecosystem in the West African Savanna
Quansah, E.*; 堅田 元喜; Mauder, M.*; Annor, T.*; Amekudzi, L. K.*; Bliefernicht, J.*; Heinzeller, D.*; Balogun, A.*; Kunstmann, H.*
Advances in Meteorology, 2017, p.6258180_1 - 6258180_11, 2017/00
乾燥・半乾燥地域における大気からの入力放射エネルギーの地表面での潜熱・顕熱への分配を精緻に予測することは、気象モデルに考慮されている陸面交換過程の研究を進める上で重要な課題である。本研究では、鉛直1次元多層大気-土壌-植生モデルSOLVEGを用いて、西アフリカのサバンナ生態系の乾季および雨季の地表面エネルギー・水収支の数値シミュレーションを行った。数値計算の結果、それぞれの季節について、モデルは観測された地表面熱フラックス(正味放射量、顕熱、潜熱、および地中伝導熱)の日変化の傾向を再現した。また、計算値と観測値の間の相関係数、平均二乗誤差、および標準正規偏差の統計量の比較によりモデルの性能を評価し、モデルのパラメータを適切に与えることによって、サバンナ生態系で観測された地表面熱収支、土壌からの蒸発、植生からの蒸散などのダイナミクスを定量的に再現できる可能性を明らかにした。
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Structural engineering studies on reinforced concrete structure using neutron diffraction
鈴木 裕士; 楠 浩一*; 兼松 学*; 向井 智久*; Harjo, S.
Materials Research Proceedings, Vol.2, p.25 - 30, 2017/00
これまでの研究において、コンクリート内部の鉄筋の応力分布を測定するうえで、中性子回折法はひずみゲージ法に代わる新たな測定技術になりうることが示された。本研究においては、鉄筋コンクリート構造の構造力学研究における中性子回折法のさらなる可能性を見出すために、中性子回折法による付着応力度評価の可能性について検討した。中性子回折法により測定した付着応力度分布には、鉄筋とコンクリート間の不均一な付着状態を示唆するいくつかのピークが見られた。この結果は、位置分解能の高い中性子回折法により、鉄筋の節周りに生じる局所的な付着抵抗状態の評価が可能であることを示している。中性子回折法により測定した付着応力度分布は、鉄筋コンクリート構造における鉄筋とコンクリート間の付着メカニズムの詳しい理解につながるものと期待される。
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Effect of interaction of embedded crack and free surface on remaining fatigue life
勝又 源七郎*; Lacroix, V.*; Li, Y.
AIMS Materials Science, 3(4), p.1748 - 1758, 2016/12
This paper focuses on the interaction between an embedded crack and a free surface of a component as well as on its effects on the remaining fatigue lives of embedded cracks using the proximity rules provided by the FFS codes. It is shown that the remaining fatigue lives for the embedded cracks strongly depend on the crack aspect ratio and location from the component free surface. In addition, it can be said that the proximity criteria defined by the API and RSE-M codes give overly conservative remaining lives. On the contrary, WES and AME codes always give long remaining lives and non-conservative estimations. When the crack aspect ratio is small, ASME code gives non-conservative estimation.
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Determination of $$^{107}$$Pd in Pd recovered by laser-induced photoreduction with inductively coupled plasma mass spectrometry
浅井 志保; 蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 大場 弘則*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 北辻 章浩
Analytical Chemistry, 88(24), p.12227 - 12233, 2016/12
 被引用回数:2 パーセンタイル:100(Chemistry, Analytical)
放射性廃棄物中の放射能インベントリを合理的に積算するためには、実廃棄物の分析値によって裏付けられた信頼性の高い放射能評価値が不可欠である。$$^{107}$$Pdは、高レベル放射性廃棄物(HLW)の主要な発生源である使用済燃料中に存在し、HLWの放射能評価対象核種の1つとされている。しかしながら、測定が困難であるため実測値の報告例がなくHLW中存在量は未評価である。本研究では、ICP-MSによる使用済燃料中$$^{107}$$Pdの定量を目的とし、パルスレーザー照射によって誘起されるPdの光還元反応を利用した迅速簡便な分離法を開発した。方法の妥当性検証のため使用済燃料試料に適用したところ、20分のレーザー照射によって使用済燃料試料中に存在する約90%のPdが回収され、かつ不純物がほとんど存在しない純粋なPd沈殿が得られた。したがって、不純物による測定干渉がない正確な$$^{107}$$Pd定量値が得られ、初めての実測例となった。
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Gamma radiation resistance of spin Seebeck devices
Yagmur, A.*; 内田 健一*; 井原 和紀*; 井岡 郁夫; 吉川 貴史*; 小野 円佳*; 遠藤 純一*; 柏木 王明*; 中島 哲也*; 桐原 明宏*; et al.
Applied Physics Letters, 109(24), p.243902_1 - 243902_4, 2016/12
 パーセンタイル:100(Physics, Applied)
スピンゼーベック効果(SSE)に基づく熱電素子の$$gamma$$線抵抗性を調べるため、約3$$times$$10$$^{5}$$Gyの$$gamma$$線照射試験を実施した。SSE素子には、Pt/Ni$$_{0.2}$$Zn$$_{0.3}$$Fe$$_{2.5}$$O$$_{4}$$/GlassとPt/Bi$$_{0.1}$$Y$$_{2.9}$$Fe$$_{5}$$O$$_{12}$$/Gd$$_{3}$$Ga$$_{5}$$O$$_{12}$$を用いた。SSE素子の熱電特性,磁気特性、構造は、$$gamma$$線照射により影響されないことを確認した。この結果は、SSE素子が厳しい照射環境でさえ熱電素子として適用可能なことを示した。
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Temporal variation of dose rate distribution around the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station using unmanned helicopter
眞田 幸尚; 織田 忠; 鳥居 建男
Applied Radiation and Isotopes, 118, p.308 - 316, 2016/12
 被引用回数:1 パーセンタイル:44.82(Chemistry, Inorganic & Nuclear)
福島第一原子力発電所事故により飛散した放射性セシウムの環境中への影響を調査するため、無人ヘリコプター(unmanned helicopter)に放射線検出器を搭載した放射線モニタリングシステム(Unmanned helicopter monitoring system: UHMS)が開発された。UHMSは、主に福島第一原子力発電所周辺のモニタリングに利用され、2012年$$sim$$2015年までに6回のモニタリングを実施した。これらの結果を比較すると、放射線分布の変化傾向が定量的に明らかとなった。
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A Trajectory generation method for mobile robot based on iterative extension-like process
川端 邦明
Artificial Life and Robotics, 21(4), p.500 - 509, 2016/12
本論文では、繰り返し伸長型プロセスに基づいた移動ロボットの軌道生成手法について提案を行う。実世界での移動ロボットの活用を考えれば、軌道はその都度直面する状況に応じて生成されなければならない。提案手法では、オンラインで繰り返し軌道セグメントと呼ばれる局所的な軌道の伸長を行う形式の軌道生成手法の計算手法について述べる。
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希土類元素・トリウムおよびウランの堆積岩中における保持状態; 北海道幌延地域における調査例
村上 拓馬; 笹本 広; 水野 崇
地球化学, 50(4), p.299 - 317, 2016/12
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価に関して、地層中における長期にわたる物質の移動現象を調査するための手法開発が重要である。本研究では、幌延地域の地下深部に分布する堆積岩(声問層および稚内層)を一例に、希土類元素、トリウムおよびウランの分布(保持)状態を調査した。また、水理地質特性や岩相の違いによるこれら元素の分布状態への影響についても検討した。その結果、声問層および稚内層中の希土類元素やトリウムは、陸域起源の砕屑物由来の鉱物や堆積物埋没後の続成作用の過程で生じた二次鉱物に保持されており、地層の違いに依らず比較的均質に分布していると考えられた。また、ウランは、堆積時あるいは続成作用の過程の中で有機物への吸着や有機物の分解に伴う還元環境の形成により地層中に固定され、現在に至るまで長期にわたり保持されてきたと推察された。さらに、水理地質特性・岩相の違いによるこれらの元素の分布状態への影響は認められなかった。
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ERRATUM; Effects of OH$$^{-}$$ activity and temperature on the dissolution rate of compacted montmorillonite under highly alkaline conditions [Clay Minerals, vol.51, p.275 (2016), Corrected Fig. 7.]
澤口 拓磨; 塚田 学; 山口 徹治; 向井 雅之
Clay Minerals, 51(5), P. 815, 2016/12
以前に発表した論文(高アルカリ条件下におけるモンモリロナイト圧縮体の溶解速度へのOH$$^{-}$$活量および温度の影響[Clay Minerals, vol.51, p.275 (2016)])における図の訂正である。
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Chemical properties of rutherfordium (Rf) and dubnium (Db) in the aqueous phase
永目 諭一郎; Kratz, J. V.*; Sch$"a$del, M.*
EPJ Web of Conferences (Internet), 131, p.07007_1 - 07007_8, 2016/12
Recent studies of the chemical separation and characterization experiments of superheavy elements, rutherfordium (Rf) and dubnium (Db), conducted atom-at-a-time in aqueous phases, are reviewed. A short description on experimental techniques based on partition methods, specifically automated rapid chemical separation systems, is also given. A newly developed experimental approach to investigate single atoms of the heaviest elements with an electrochemical method is introduced. Perspectives for aqueous-phase chemistry experiments on heavier elements are briefly discussed.
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First ionization potential of the heaviest actinide lawrencium, element 103
佐藤 哲也; 浅井 雅人; Borschevsky, A.*; Stora, T.*; 佐藤 望*; 金谷 佑亮; 塚田 和明; D$"u$llmann, C. E.*; Eberhardt, K.*; Eliav, E.*; et al.
EPJ Web of Conferences (Internet), 131, p.05001_1 - 05001_6, 2016/12
表面電離イオン化過程におけるイオン化効率は、対象原子の第一イオン化エネルギーに依存することが知られており、この関係を利用することで、イオン化エネルギーを決定することができる。新たに開発したガスジェット結合型表面電離イオン源を用いて、低生成断面積・短寿命のためにイオン化エネルギーが測定されていない重アクチノイド元素フェルミウム, アインスタイニウム, ノーベリウムそしてローレンシウムのイオン化効率を測定することにより、これらの第一イオン化エネルギーを初めて実験的に決定したので報告する。
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黒雲母の塑性変形を伴う破砕帯の活動年代; FT熱年代解析による制約
末岡 茂; 島田 耕史; 石丸 恒存; 丹羽 正和; 安江 健一; 梅田 浩司*; 壇原 徹*; 岩野 英樹*
フィッション・トラックニュースレター, (29), p.5 - 7, 2016/12
もんじゅ敷地内の破砕帯は、高温環境下で生じる黒雲母の塑性変形を伴う。これらについて、アパタイトフィッション・トラック(AFT)解析により、変形年代の制約を試みた。AFT年代は50-17Maを示し、最新活動面沿いでは相対的に若い年代を示す、全体としては約19Maに貫入した玄武岩からの距離に応じて若くなる、という傾向が見られた。これらのデータを基に検討を加えた結果、破砕帯周辺が黒雲母の塑性変形温度に達した時期は、68-50Maの花崗岩貫入後の急冷時と約19Maの玄武岩貫入時であり、破砕帯沿いの変形はこれらの時期に生じたと解釈できる。
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新学術「地殻ダイナミクス」の概要と熱年代学による貢献
田上 高広*; 末岡 茂; Kohn, B. P.*; 福田 将眞*
フィッション・トラックニュースレター, (29), p.1 - 2, 2016/12
新学術研究「地殻ダイナミクス」は2014年度から開始された分野横断型の学術研究プロジェクトで、東北地方太平洋沖地震が起こったテクトニックな背景の解明のために、島弧地殻の基本的な特性や状態の理解を目指している。そのうち、「A02異なる時空間スケールにおける日本列島の変形場の解明」班では、様々な時空間スケールにおける歪・歪速度場の推定と統一的な理解を目指している。われわれは、近年進展の著しい低温領域の熱年代学手法を用いて、地質学的時間スケール(10$$^{5}$$$$sim$$10$$^{7}$$年)の鉛直歪速度の復元を行っている。日本列島における既存の熱年代データのコンパイル、奥羽脊梁山脈の解析、飛騨山脈の解析の3つについて、概要と最新の成果を報告する。
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Thermo 2016 in Maresiasの参加報告
末岡 茂; 田上 高広*
フィッション・トラックニュースレター, (29), p.26 - 28, 2016/12
第15回熱年代学国際会議(Thermo2016)が、2016年9月19日から9月23日にかけて、ブラジル、サンパウロ州のMaresiasで開催された。本会議には、世界20ヶ国から131人(+8人の招待講演者)が出席し、口頭44件、ポスター44件の計88件の発表が行われた。これらについて、報告者らの印象に残った講演や雑感などを中心に報告する。
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第40回日本フィッション・トラック研究会実施報告
末岡 茂
フィッション・トラックニュースレター, (29), p.29 - 34, 2016/12
第40回日本フィッション・トラック研究会が、2016年3月4日から3月6日にかけて、石川県金沢市のしいのき迎賓館3FセミナールームBにて開催された。本研究会は、ESR応用計測研究会及びルミネッセンス年代測定研究会と合同で行われ、55名の参加者により、31件の発表が行われた。また、3月5日には、第40回フィッション・トラック研究会総会も行われ、今後のフィッション・トラック研究会の体制や運営方法などについて議論された。
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原子の手の長さを測る
金子 政志
現代化学, (549), P. 11, 2016/12
本稿は、原子サイズを計算化学的手法を用いて測量した論文(R. Hoffmannほか、Chem. Eur. J., 22, doi: 10.1002/chem.201602949)を学部生向けに解説したものである。原子サイズの見積もりは、相対論密度汎関数法によって行われており、希ガス元素やdブロック元素の原子半径に対する議論を扱った。
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深部結晶質岩マトリクス部における微小移行経路と元素拡散現象の特徴
石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 濱 克宏
原子力バックエンド研究(インターネット), 23(2), p.121 - 130, 2016/12
花崗岩などの結晶質岩では、割れ目周辺母岩への物質の拡散(マトリクス拡散)が、割れ目中を流れる物質の希釈や遅延に効果があることが知られている。そのため、高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価において、マトリクス拡散現象は重要なものである。国内の岩体では、肉眼観察では変質を被っていない割れ目周辺の花崗岩(健岩部)でも、花崗岩マグマが冷却し固結した際に生じる熱水による変質(初生的変質)を被っており、この影響を検討することは重要である。しかし、肉眼観察で割れ目周辺に変質が認められない健岩部に着目された研究例はない。そこで、瑞浪超深地層研究所で採取した割れ目周辺健岩部を対象として、微視的空隙の分布および、それがマトリクス拡散に与える影響を考察した。その結果、割れ目周辺健岩部では、初生的変質で斜長石中心部に選択的に微視的空隙が形成されたこと、この空隙がマトリクス拡散経路として機能する可能性があることが明らかになった。これは変動帯に位置する日本の花崗岩体の地下環境では、初生的変質に伴う微視的空隙によって、割れ目周辺の健岩部でもマトリクス拡散による物質移動の遅延が期待できる可能性を示唆する。
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シンポジウム「核燃料サイクル・バックエンドの科学; その研究教育の在り方」と故安俊弘教授の足跡
中山 真一; 奥村 雅彦*; 長崎 晋也*; 榎田 洋一*; 梅木 博之*; 高瀬 博康*; 川崎 大介*; 長谷川 秀一*; 古田 一雄*
原子力バックエンド研究(インターネット), 23(2), p.131 - 148, 2016/12
平成28年6月25日に東京大学にて、核燃料サイクル・バックエンドに関する研究を支えるためのシンポジウム「核燃料サイクル・バックエンドの科学 -その研究教育の在り方-」が開催された。限られた参加者による限られた時間内のシンポジウムであったが、この分野に身を置いてきた参加者による闊達な意見交換がなされ、今後の議論につながる意見を共有できた。このシンポジウムの内容を報告するとともに、本シンポジウムの企画者のひとりであり、シンポジウム直前に亡くなられたカリフォルニア大学バークレー校の安俊弘(Joonhong Ahn)教授に対する追悼の意を表し、本紙面を借りてその功績を紹介する。
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1F見学会; 福島第一原子力発電所見学報告、追録
須藤 俊幸
原子力・放射線部会報(インターネット), (19), P. 15, 2016/12
経済産業省の汚染水処理対策委員会トリチウム水タスクフォースの報告書では、薄めて海に放出する方法が最もコストが安く最短で処分できると評価されていることに関し、その放射能がどの程度のものなのか把握するための一助として、原子力発電所や再処理施設からの放出量と比較について述べた。
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日本放射線影響学会第59回大会ワークショップ「計算シミュレーションによる放射線生物研究」開催報告
佐藤 達彦; 浜田 信行*
放射線生物研究, 51(4), p.397 - 401, 2016/12
2016年10月26日$$sim$$28日にかけて広島市で開催された日本放射線影響学会第59回大会において、著者らが座長となり「計算シミュレーションによる放射線生物研究」と題したワークショップを開催した。ワークショップには約50名の参加があり、国内でシミュレーションによる放射線生物研究を実施している研究者6名が講演した。各演題のタイトルは「DNA損傷・飛跡構造解析に関する研究」・「照射・非照射細胞混在環境を模擬した確率的モデルによる細胞応答に関する研究」・「低線量放射線生体影響研究における数理モデルの有用性」・「細胞生存率モデルを用いた粒子線治療に関する研究」・「白内障の自然発症モデルの構築」・「時空間的異質性を考慮した発がん数理モデル解析」で、ミクロからマクロまで幅広い範囲をカバーしている。また、ワークショップでは、各テーマで必要となる入力情報やそこから得られる出力情報を整理することにより、テーマ間の連携可能性について重点的に議論した。本稿では、ワークショップの概要をまとめるとともに、各発表内容を簡単に紹介する。
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低エネルギーイオンドーピングによるカーボンアロイ形成とその吸着脱硫への応用
下山 巖
放射線と産業, (141), p.7 - 11, 2016/12
化石燃料の脱硫は水素製造における必須のプロセスである。従来の水素化脱硫に代わる新たな手法として提案されている吸着脱硫では安定で高機能の活性炭吸着材の開発が求められているため、発表者は低エネルギーイオンビームでヘテロ原子ドーピングを行った炭素材料(カーボンアロイ)に対しチオフェン吸着特性のドーパント依存性を調べた。15族の窒素とリンをグラファイト表面にドーピングした場合、窒素よりもリンの方がチオフェン吸着に対して優れた効果を持つこと、及び室温と高温のグラファイトにリンドーピングを行うと室温ドーピングした試料の方が10倍以上優れたチオフェン吸着能を示すことを見いだした。X線吸収分光法を用いた局所構造解析により両者のリンの構造が異なることを明らかにし、室温ドーピングでは曲面構造が形成されたことにより高い吸着特性を持つことを示した。以上の結果は低エネルギーイオンビームによるカーボンアロイ開発の可能性を示している。
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Simultaneous recovery and separation of rare earth elements in ferromanganese nodules by using ${{it Shewanella putrefaciens}}$
藤本 潤*; 田中 万也; 渡邊 直子*; 高橋 嘉夫*
Hydrometallurgy, 166, p.80 - 86, 2016/12
 パーセンタイル:100(Metallurgy & Metallurgical Engineering)
本研究では、鉄還元菌を用いた鉄マンガン団塊からの希土類元素回収法について検討を行った。本研究の特長は鉄マンガン団塊の分解と回収が一つの水溶液系において実現できることである。乳酸ナトリウムを電子供与体として鉄還元菌を嫌気的雰囲気下において培養し、鉄マンガン団塊を還元溶解させた。その結果、鉄マンガン団塊の溶解に伴って水溶液中に放出された希土類元素が再度鉄還元菌の細胞表面に吸着することが確認された。pH7の0.5M NaCl溶液を用いた際に希土類元素の吸着量が最大であった。
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Local fields at nonmagnetic impurity sites in a perovskite $${rm La_{0.7}Ca_{0.3}MnO_3}$$
佐藤 渉*; 小松田 沙也加*; 長 明彦; 佐藤 哲也; 大久保 嘉高*
Hyperfine Interactions, 237(1), p.113_1 - 113_6, 2016/12
局所磁気および構造の研究を目的に、ペロブスカイト型マンガン酸化物$${rm La_{0.7}Ca_{0.3}MnO_{3}}$$ ($$T_C$$ $$sim$$ 250K)に導入した$$^{111}$$Cd ($$leftarrow$$ $$^{rm 111m}$$Cd)および$$^{111}$$Cd($$leftarrow$$ $$^{rm 111}$$In)プローブ核における磁気超微細場と電場勾配を、時間微分摂動角相関分光法を用いて測定した。77Kの強磁性相において、La/Ca Aサイト上の非磁性$$^{111}$$Cd核では、ごくわずかなsupertransferred magnetic hyperfine field(SMHF)($$<$$0.014T)が明確な電場勾配とともに観察された。この現象は、我々が以前Aサイトの$$^{140}$$Ceプローブ核について測定した大きな磁気超微細場($$B_{hf}$$=6.9T)が、隣接するMnイオンからのSMHFによって配向された4$$f$$スピンの寄与に由来することを示唆している。
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Contrast variation by dynamic nuclear polarization and time-of-flight small-angle neutron scattering, 1; Application to industrial multi-component nanocomposites
能田 洋平*; 小泉 智*; 増井 友美*; 間下 亮*; 岸本 浩通*; 山口 大輔; 熊田 高之; 高田 慎一; 大石 一城*; 鈴木 淳市*
Journal of Applied Crystallography, 49(6), p.2036 - 2045, 2016/12
 被引用回数:1 パーセンタイル:59.41(Chemistry, Multidisciplinary)
We have reported the first attempt with dynamic nuclear polarization (DNP) and contrast variation small-angle neutron scattering (SANS) experiments on model mixtures for industrial tyres conducted at the MLF of J-PARC. We performed time-of-flight SANS (TOF-SANS) experiments, employing neutrons with a wide range, which causes imperfect neutron polarization and variations in the coherent and incoherent scattering lengths. By carefully eliminating the effect of imperfect neutron polarization, separation of the partial scattering functions was successfully demonstrated for the ternary system styrene-butadiene-rubber/silica/carbon.
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The Effect of oxidation-and-quenching process during a LOCA on the behavior of the oxidation and embrittlement of Zircaloy-4 cladding under reheating transients
三輪 英紀; 天谷 政樹
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(12), p.2090 - 2097, 2016/12
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
冷却材喪失事故時の高温酸化や急冷却が、長期炉心冷却機能喪失時の酸化・脆化挙動に与える影響を確認するために、急冷後再昇温を模擬した温度推移条件で両面酸化試験、リング圧縮試験およびクエンチ試験を実施した。未照射ジルカロイ-4被覆管の試料を水蒸気流中で1173Kから1473Kの温度で酸化し、その後に室温の冷却水にて急冷した。再昇温試験はこの試料を用いて水蒸気流中で1173Kから1473Kの温度で実施した。特定の急冷後再昇温の条件では酸化膜成長や重量増加の低減が見られた。しかしながら、急冷後再昇温を含む温度推移が被覆管脆化に与える影響は顕著でなかった。急冷後再昇温を含む温度推移条件下での被覆管の脆化挙動はBaker-Justの式を用いて算出したECRで評価できることが分かった。
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The Welded joint strength reduction factors of modified 9Cr-1Mo Steel for the advanced loop-type sodium cooled fast reactor
山下 拓哉; 若井 隆純; 鬼澤 高志; 佐藤 健一郎*; 山本 賢二*
Journal of Pressure Vessel Technology, 138(6), p.061407_1 - 061407_6, 2016/12
 パーセンタイル:100(Engineering, Mechanical)
Modified 9Cr-1Mo steel (ASME Gr.91) is widely used in fossil power plants. In the advanced loop type sodium cooled fast reactor, modified 9Cr-1Mo steel is going to be adopted as a structural material. In welded joints of enhanced creep-strength ferritic steels including modified 9Cr-1Mo steel, creep strength may markedly degrade, especially in the long-term region. This phenomenon is known as Type-IV damage. Therefore, considering strength degradation due to Type-IV damage is necessary. In this study, we propose a creep strength curve and a welded joint strength-reduction factor (WJSRF). The creep strength curve of welded joints was proposed by employing a second-order polynomial equation with LMP using the stress range partitioning method. WJSRF was proposed on the basis of design creep rupture stress intensities. The resulting allowable stress was conservative compared with that prescribed in the ASME code. In addition, the design of the hot-leg pipe in the advanced loop type sodium cooled fast reactor was reviewed considering WJSRF.
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Determination of optimal vapor pressure data by the second and third law methods
中島 邦久
Mass Spectrometry (Internet), 5(2), p.S0055_1 - S0055_6, 2016/12
平衡蒸気圧データは、蒸気種だけでなく凝縮相の熱力学的性質を調べる際にも利用されているが、蒸気圧データについては、2桁あるいはそれ以上の違いがあることは珍しいことではない。本報告では、蒸気圧測定における信頼性向上のために、第二法則,第三法則処理と呼ばれる手法を用いた新しいデータ解析の手法を提案している。この手法をセシウムメタボレート, CsBO$$_{2}$$や銀の蒸気圧測定データに対して適用した結果、信頼性の高い蒸気圧データの選定につながることが分かった。この新しい熱力学的手法では、測定データの取り扱いにおいて、特別なテクニックや経験を必要とせず、測定手法に関係なく汎用性もあることから蒸気圧測定における信頼性向上のための手法として役に立つと考えられる。
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高速実験炉「常陽」の原子炉容器内観察・補修技術開発; 変形した実験装置の回収
芦田 貴志; 伊東 秀明; 宮本 一幸*; 中村 俊之; 古賀 和浩*; 大原 紀和*; 猪 博一*
日本原子力学会和文論文誌, 15(4), p.210 - 222, 2016/12
高速実験炉「常陽では、照射試験を終えた温度制御型材料照射装置(MARICO-2)の試料部を原子炉容器内から取り出すための作業が行われた。しかし、保持機構と試料部が完全に分離できていない状態で回転プラグを操作したことにより、試料部が炉内燃料貯蔵ラック上から突き出た状態で変形していることが炉内観察等の調査の結果確認された。また、突き出た試料部は、回転プラグに設置された炉心上部機構(UCS)の下面と干渉する高さにあり、UCSの下面を部分的に損傷させたことも確認された。UCSと試料部の干渉を避けるため、可動範囲を制限した結果、燃料交換機能が一部阻害された状態となった。復旧措置として、損傷したUCSの交換と変形した試料部の回収が決定され、試料部については、2007年12月に回収方法の検討に着手し、治具の設計・製作、モックアップ試験等の準備を経て、2014年6月11月に回収作業を実施した。回収した試料部は「常陽」に隣接する照射後試験施設において、各種試験に向けた照射試料の取り出し等が行われている。本件は、試料部の回収を通して得られたSFR炉内の遠隔補修技術の開発成果について、装置の設計・製作及び作業の実績を踏まえて報告するものである。
81
内管加熱二重管における海水の非沸騰熱伝達への影響
上澤 伸一郎; Liu, W.; Jiao, L.; 永武 拓; 高瀬 和之; 柴田 光彦; 吉田 啓之
日本原子力学会和文論文誌, 15(4), p.183 - 191, 2016/12
東京電力福島第一原子力発電所事故において、炉心の冷却のために海水が注入された。炉心が海水に晒されたことはこれまで経験がなく、海水注入による冷却材の物性値の変化や海水塩の析出が炉心の冷却能力へ与えた影響についての理解が求められる。また、現在の炉内状況把握のため、海水の伝熱流動評価モデルの作成が必要不可欠である。本論文では、非沸騰条件における二重管流路内の温度計測と流速分布計測を実施し、人工海水の伝熱流動特性について、純水やNaCl溶液との比較検証を行い、海水の伝熱流動評価モデルの作成を試みた。その結果、本実験においては、レイノルズ数2300[-]以上の強制対流域では、純水のみならず、人工海水やNaCl溶液においてもその伝熱流動特性はDittus-Boelterの式で示せることが確認されたとともに、加熱二重管内の流速分布においても作動流体に対する違いは見られなかった。自然対流が混じる共存対流の乱流域においても、人工海水やNaCl溶液のヌッセルト数は、純水と同様にグラスホフ数やプラントル数、レイノルズ数の無次元数で整理できた。このように、海水の物性値を考慮すれば、海水単相流の伝熱流動特性は、純水と同様の既存の伝熱流動評価モデルで評価できることが明らかにされた。
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Creep-fatigue evaluation method for weld joint of Mod.9Cr-1Mo steel, 2; Plate bending test and proposal of a simplified evaluation method
安藤 勝訓; 高屋 茂
Nuclear Engineering and Design, 310, p.217 - 230, 2016/12
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
本研究では有限要素法解析と溶接継手を有する板曲げ試験に基づき改良9Cr-1Mo鋼溶接継手のクリープ疲労評価法を提案する。溶接継手における冶金的構造不連続を考慮した有限要素法解析を実施しひずみ集中および再配分について評価した。非弾性解析では、母材、溶接金属および母材の熱影響部を考慮した解析を実施して、冶金的構造不連続による弾性追従について評価を実施した。このようにして得られた弾性追従係数に基づいて簡易評価法を提案した。
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Effect of thermo-mechanical treatments on nano-structure of 9Cr-ODS steel
岡 弘; 丹野 敬嗣; 大塚 智史; 矢野 康英; 上羽 智之; 皆藤 威二; 大沼 正人*
Nuclear Materials and Energy (Internet), 9, p.346 - 352, 2016/12
The effect of thermo-mechanical treatments (TMTs) on the evolution of nano-structure in an oxide dispersion strengthened (ODS) ferritic/martensitic steel (Fe-9Cr-2W-0.22Ti-0.36Y2O3) was investigated. TMTs involve hot extruding and subsequent forging, which are expected to be part of a future industrial-scale manufacturing process of the ODS steel. It was shown that the ODS steel was composed of two phases - a fine-grained residual ferrite phase and a transformable martensite phase. The number density of the nano-sized particles in the residual ferrite phase was significantly higher than that in the martensite phase. The TMTs did not significantly affect the number density, but slightly affected the size distribution of the nano-sized particles in both ferrite phase and martensite phase. Moreover, the volume fraction of the residual ferrite phase decreased after TMTs. In summary, the TMT conditions could be a parameter which affects the nano-structure of the ODS steel.
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Dissolution behavior of lithium compounds in ethanol
古川 智弘; 平川 康; 近藤 浩夫; 金村 卓治
Nuclear Materials and Energy (Internet), 9, p.286 - 291, 2016/12
国際核融合材料照射試験施設(IFMIF)の中性子源として使用されるリチウムは、大気中の酸素や窒素と容易に化学反応を生じる。IFMIFにおいて使用機器の交換の場合には、その機器に付着したリチウムは、酸化リチウムや水酸化リチウムのようなリチウムに変化することから、これらを交換する機器から安全に除去することが要求される。本研究では、候補洗浄剤であるエタノール中における各種のリチウム化合物(窒化物、水酸化物および酸化物)の溶解挙動について、温度および時間をパラメータに調べた。
85
Tensile properties and hardness of two types of 11Cr-ferritic/martensitic steel after aging up to 45,000 h
矢野 康英; 丹野 敬嗣; 関尾 佳弘; 岡 弘; 大塚 智史; 上羽 智之; 皆藤 威二
Nuclear Materials and Energy (Internet), 9, p.324 - 330, 2016/12
 被引用回数:1
The relationship among tensile strength, Vickers hardness and dislocation density for two types of 11Cr-ferritic/martensitic steel (PNC-FMS) was investigated after aging at temperatures between 400 and 800$$^{circ}$$C up to 45,000 h and after neutron irradiation. A correlation between tensile strength and Vickers hardness was expressed empirically. The linear relationship for PNC-FMS wrapper material was observed between yield stress and the square of dislocation density at RT and aging temperature according to Bailey-Hirsch relation. Therefore, it was clarified that the correlation among dislocation density, tensile strength and Vickers hardness to aging temperature to aging temperature was in good agreement. On the other hand, the relationship between tensile strength ratio when materials were tested at aging temperature and Larson-Miller parameter was also in excellent agreement with aging data between 400 and 700$$^{circ}$$C. It was suggested that this correlation could use quantitatively for separately evaluating irradiation effects from neutron irradiation data containing both irradiation and aging effects.
86
Strength anisotropy of rolled 11Cr-ODS steel
丹野 敬嗣; 矢野 康英; 岡 弘; 大塚 智史; 上羽 智之; 皆藤 威二
Nuclear Materials and Energy (Internet), 9, p.353 - 359, 2016/12
核融合炉のブランケットおよび高速炉の燃料被覆管といった炉内機器の材料は、高熱流束と中性子重照射にさらされるため、高温強度と耐照射性に優れている必要がある。その候補材料として酸化物分散強化型(ODS)鋼の開発が進められている。原子力機構(JAEA)では先進高速炉の燃料被覆管用に9Crおよび11Cr-ODS鋼の開発を進めている。本研究ではJAEA-11Cr-ODS鋼を圧延し、その異方性を評価するため、圧延方向と横断方向について引張試験とクリープ試験を700$$^{circ}$$Cで実施した。その結果、引張強さでは異方性を示さなかったが、クリープ強度では明瞭な異方性を示した。各種観察と元素分析の結果、クリープ強度異方性はTi析出物を内包した旧粉末境界が原因であると分かった。
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Overview and outcomes of the OECD/NEA benchmark study of the accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station
永瀬 文久; Gauntt, R. O.*; 内藤 正則*
Nuclear Technology, 196(3), p.499 - 510, 2016/12
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
OECD/NEAが主催する福島第一原子力発電所での事故に関するベンチマーク研究計画(BSAF計画)を2012年の11月に開始した。計画の目標は、事故の進捗と燃料デブリの分布を含む炉内状況を推定し、福島第一原子力発電所の廃止作業に反映することである。8ヵ国の15研究機関がシビアアクシデント総合解析コードを用いて、地震から6日間について、熱流動挙動を解析した。冷却材水位、水素発生量、炉心溶融の開始と進展、圧力容器の破損、溶融固化物の分布と組成、及び溶融物とコンクリートの反応について参加者から提出された計算結果を比較検討した。本論文は、比較と議論の結果を不確かさ及びデータニーズとともにプロジェクトの成果として取り纏めたものである。
88
The Reaction mechanism of polyalcohol dehydration in hot pressurized water
Ruiz-Barragan, S.*; Ribas Ari$~n$o, J.*; 志賀 基之
Physical Chemistry Chemical Physics, 18(47), p.32438 - 32447, 2016/12
 パーセンタイル:100(Chemistry, Physical)
反応場として熱水の使用は、グリーンケミストリー分野において非常に有望な技術である。これを活用するにあたり、熱水における反応機構を解明することが重要である。本研究では、熱水における2,5-ヘキサンジオールの脱水の反応機構について、ストリング法, メタダイナミクス法, 分子動力学法という三つの異なる第一原理シミュレーションを用いて研究を行った。その結果、この反応はプロトン化、結合交替と脱プロトン化を含む反応全体において、安定な中間体を形成することなく、連続的に進行することがわかった。この際、周囲の水の作る水素結合ネットワークは、反応の開始時と終了時における効率的なプロトンリレーを促す上で重要な役割を持っていることが明らかになった。この反応は36kcal/molのエネルギー障壁のあるSN2経路を取ることがわかり、実験で観測されている高い立体選択性と反応速度に一致する結果を得た。
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Superconductivity in repulsively interacting fermions on a diamond chain; Flat-band-induced pairing
小林 恵太*; 奥村 雅彦; 山田 進; 町田 昌彦; 青木 秀夫*
Physical Review B, 94(21), p.214501_1 - 214501_7, 2016/12
 パーセンタイル:100(Physics, Condensed Matter)
平坦バンドが超伝導性を示す可能性を探るために、平坦バンドを形成する最も単純な準一次元系の一つであるダイアモンド鎖上の斥力相互作用するフェルミオン系について調べた。厳密対角化法と密度行列繰り込み群法を用いて調べた結果、フェルミエネルギーに近い空の平坦バンドと相互作用する分散バンドが満たされる1/3フィリングよりも少しだけ小さなフィリングで、長い相関距離を持つクーパー対が有意な束縛エネルギーを持つことがわかった。さらに、この対相関関数は、ダイアモンド鎖の外側のサイトに存在するフェルミオン対によるものであることを明らかにした。また、厳密に1/3フィリングの時、系は絶縁体になり、ダイアモンド鎖の外側のサイトに存在するフェルミオンがトポロジカルに区別可能なエンタングル状態を形成していることがわかった。
90
Azimuthally anisotropic emission of low-momentum direct photons in Au+Au collisions at $$sqrt{s_{NN}}$$ = 200 GeV
Adare, A.*; 長谷川 勝一; 今井 憲一; 永宮 正治; 佐甲 博之; 佐藤 進; 谷田 聖; PHENIX Collaboration*; 他545名*
Physical Review C, 94(6), p.064901_1 - 064901_14, 2016/12
 被引用回数:12 パーセンタイル:6.53(Physics, Nuclear)
The PHENIX experiment at the BNL Relativistic Heavy Ion Collider has measured second- and third-order Fourier coefficients of the azimuthal distributions of direct photons emitted at midrapidity in Au+Au collisions at $$sqrt{s_{NN}}$$ = 200 GeV for various collision centralities. Combining two different analysis techniques, results were obtained in the transverse momentum range of $$0.4 < p_T < 4.0$$ GeV/$$c$$. At low $$p_T$$ the second-order coefficients, $$v_2$$, are similar to the ones observed in hadrons. Third-order coefficients, $$v_3$$, are nonzero and almost independent of centrality. These new results on $$v_2$$ and $$v_3$$, combined with previously published results on yields, are compared to model calculations that provide yields and asymmetries in the same framework. Those models are challenged to explain simultaneously the observed large yield and large azimuthal anisotropies.
91
Measurements of double-helicity asymmetries in inclusive $$J/psi$$ production in longitudinally polarized $$p+p$$ collisions at $$sqrt{s}=510$$ GeV
Adare, A.*; 今井 憲一; 長谷川 勝一; 永宮 正治; 佐甲 博之; 佐藤 進; 谷田 聖; PHENIX Collaboration*; 他328名*
Physical Review D, 94(11), p.112008_1 - 112008_10, 2016/12
 パーセンタイル:100(Astronomy & Astrophysics)
We report the double-helicity asymmetry, $$A_{LL}^{J/psi}$$, in inclusive $$J/psi$$ production at forward rapidity as a function of transverse momentum $$p_T$$ and rapidity $$|y|$$. The data analyzed were taken during $$sqrt{s}=510$$ GeV longitudinally polarized $$p+p$$ collisions at the Relativistic Heavy Ion Collider in the 2013 run using the PHENIX detector. At this collision energy, $$J/psi$$ particles are predominantly produced through gluon-gluon scatterings, thus $$A_{LL}^{J/psi}$$ is sensitive to the gluon polarization inside the proton. We measured $$A_{LL}^{J/psi}$$ by detecting the decay daughter muon pairs $$mu^+mu^-$$ within the PHENIX muon spectrometers in the rapidity range $$1.2<|y|<2.2$$. In this kinematic range, we measured the $$A_{LL}^{J/psi}$$ to be $$0.012 pm 0.010 ({rm stat}) pm 0.003 ({rm syst})$$. The $$A_{LL}^{J/psi}$$ can be expressed to be proportional to the product of the gluon polarization distributions at two distinct ranges of Bjorken $$x$$: one at moderate range $$x cong 5 times 10^{-2}$$ where recent data of jet and $$pi^0$$ double helicity spin asymmetries have shown evidence for significant gluon polarization, and the other one covering the poorly known small-x region $$x cong 2 times 10^{-3}$$ Thus our new results could be used to further constrain the gluon polarization for $$x < 5 times 10^{-2}$$.
92
Characterization of the insoluble sludge from the dissolution of irradiated fast breeder reactor fuel
粟飯原 はるか; 荒井 陽一; 柴田 淳広; 野村 和則; 竹内 正行
Procedia Chemistry, 21, p.279 - 284, 2016/12
Insoluble sludge is generated in reprocessing process. Actual sludge data, which had been obtained from the dissolution experiments of irradiated fuel of fast reactor "Joyo" were reevaluated especially from the view point of the characterization of sludge. The yields of sludge were calculated from the weight and there were less than 1%. Element concentrations of sludge were analyzed after decomposing by alkaline fusion. As the results, molybdenum, technetium, ruthenium, rhodium and palladium accounted for mostly of the sludge. From their chemical compositions and structure analyzed by XRD show good agree that main component of sludge is Mo$$_{4}$$Ru$$_{4}$$RhPdTc regardless of the experimental condition. At the condition of reprocessing fast breeder fuel, it is indicated that molybdenum and zirconium in dissolved solution is low, therefore zirconium molybdate hydrate may not produce abundant amount in the process.
93
Effect of sludge behavior on performance of centrifugal contactor
坂本 淳志; 佐野 雄一; 竹内 正行
Procedia Chemistry, 21, p.495 - 502, 2016/12
The effects of sludge behavior on performance of centrifugal contactor were investigated. The sludge accumulation in the centrifugal contactor was observed only in the rotor during the operation. Based on the sludge accumulation behavior, the effects of sludge accumulation in the rotor on performance of phase separation and of extraction were investigated using several types of rotors which simulated the different sludge accumulation levels in the separation area. It was confirmed that sludge accumulation in the rotor would affect the phase separation performance, but not affect the extraction performance. This tendency can be explained by the structure of the centrifugal contactor, in which extraction reaction and phase separation proceed mainly in the housing and rotor, respectively.
94
Uranium and plutonium extraction by ${it N,N}$-dialkylamides using multistage mixer-settler extractors
伴 康俊; 宝徳 忍; 筒井 菜緒; 鈴木 明日香; 津幡 靖宏; 松村 達郎
Procedia Chemistry, 21, p.156 - 161, 2016/12
${it N,N}$-ジアルキルアミドを用いたU及びPu回収プロセスの妥当性を示すための連続抽出試験を実施した。このプロセスは${it N,N}$-(2-エチルヘキシル)-2,2-ジメチルプロパンアミドを抽出剤に用いた第1サイクル及び${it N,N}$-ジ(2-エチルヘキシル)ブタンアミドを抽出剤に用いた第2サイクルから構成されている。第1サイクルへの供給液は0.92M(mol/dm$$^{3}$$)のU、1.6mMのPu及び0.6mMのNpを含んだ5.1M硝酸であり、第1サイクルの抽残液を第2サイクルの供給液として使用した。UのUフラクション及びU-Puフラクションへの移行率はそれぞれ99.1%及び0.8%であり、PuのU-Puフラクションへの移行率は99.7%であった。U-PuフラクションにおけるUのPuに対する濃度比は9であり、Puは単離されていない。また、UフラクションにおけるUのPuに対する除染係数として4.5$$times$$10$$^{5}$$を得た。これらの結果は本プロセスの妥当性を支持するものである。
95
On the structure observed in the in-flight $$^{3}$$He($$K^{-}, Lambda p)n$$ reaction at J-PARC
関原 隆泰; Oset, E.*; Ramos, A.*
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2016(12), p.123D03_1 - 123D03_27, 2016/12
 被引用回数:6 パーセンタイル:19.74(Physics, Multidisciplinary)
In this contribution we theoretically investigate what is the origin of the peak structure observed in the E15 experiment of the in-flight $$^{3}$$He($$K^{-}, Lambda p)n$$ reaction at J-PARC, which could be a signal of the lightest kaonic nuclei, that is, the $$bar{K} N N (I=1/2)$$ state. For the investigation, we evaluate the $$Lambda p$$ invariant mass spectrum assuming two possible scenarios to interpret the experimental peak. One assumes that the $$Lambda(1405)$$ resonance is generated after the emission of an energetic neutron from the absorption of the initial $$K^-$$, not forming a bound state with the remaining proton. The other scenario implies that, after the emission of the energetic neutron, a $$bar{K} N N$$ bound state is formed. Our results show that the experimental signal observed in the in-flight $$^{3}$$He($$K^{-}, Lambda p)n$$ reaction at J-PARC is qualitatively well reproduced by the assumption that a $$bar{K} N N$$ bound state is generated in the reaction, definitely discarding the interpretation in terms of an uncorrelated $$Lambda (1405) p$$ state.
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四季による固体のダイナミクス研究
梶本 亮一
Radioisotopes, 65(12), p.523 - 534, 2016/12
パルス中性子源に設置されたチョッパー型中性子分光器は広い運動量・エネルギー空間のダイナミクスを測定することが可能であり、液体・ソフトマターから固体まで幅広い対象における研究に用いられている。J-PARCにおいても4台のチョッパー型中性子分光器が設置されているが、四季はその中でも最も早く稼働した装置であり、10$$^{-1}$$$$sim$$$$10^2$$meVのエネルギー領域におけるダイナミクスを大強度・高効率で測定することが可能である。本稿では四季における固体ダイナミクス研究の例を単結晶試料の測定例を基に紹介する。
97
金属粉末直噴型レーザーコーティングプロセスの計算科学シミュレーション
村松 壽晴
レーザー研究, 44(12), p.799 - 803, 2016/12
本稿では、加工材料にレーザー光が照射されてから加工が完了するまでの複合物理過程を定量的に取扱えるようにするために開発中の、計算科学シミュレーションコードSPLICEの概要と評価例、およびオーバーヘッドの大幅低減を目指し、SPLICEコードをディジタルモックアップ装置として利用するフロントローディング実現に対する見通しを述べる。
98
Forest type effects on the retention of radiocesium in organic layers of forest ecosystems affected by the Fukushima nuclear accident
小嵐 淳; 安藤 麻里子; 松永 武; 眞田 幸尚
Scientific Reports (Internet), 6, p.38591_1 - 38591_11, 2016/12
 被引用回数:3 パーセンタイル:42.79(Multidisciplinary Sciences)
森林表面の有機層による放射性セシウムの保持が森林生態系内の放射性セシウムの動態において重要な役割を果たすが、日本の森林生態系において森林タイプが有機層による放射性セシウムの保持能力やそのプロセスに及ぼす影響はよくわかっていない。本研究では、福島原子力発電所事故の影響を受けた福島市内のタイプの異なる森林において、有機層が放射性セシウムをどれだけ、どのように保持しているかを調査した。その結果、落葉広葉樹林と比較して、針葉樹林の有機層によるセシウム保持能力が高く、その保持能力は樹木フェノロジーとリター分解プロセスの違いによって説明できることが示された。
99
加速器質量分析による日本刀の$$^{14}$$C年代と暦年代
永田 和宏*; 松原 章浩*; 國分 陽子; 中村 俊夫*
鉄と鋼, 102(12), p.736 - 741, 2016/12
 パーセンタイル:100(Metallurgy & Metallurgical Engineering)
本研究では、鋼で作られた4種類の日本刀に含まれる炭素の同位体である放射性同位体$$^{14}$$Cと安定同位体の$$^{12}$$Cと$$^{13}$$Cを加速器質量分析計により定量した。そして、$$^{14}$$Cの放射性壊変による濃度減少を利用した放射性炭素年代法により$$^{14}$$C年代を求め、さらに暦年較正により暦年代を決定した。また、この暦年代と茎に刻印された作者の活動時期とを比較し、刀の製作年代を検証した。放射性炭素年代より求めた暦年代と、作者名や作者が活動した年代に木炭の樹齢を考慮すると、最も古くかつ確率密度の高い年代が刀の制作年代に対応することが分かった。
100
「ふげん」の取り組み; 運転終了までの歴史と廃止措置の取り組み
森下 喜嗣
電気評論, 101(11), p.24 - 29, 2016/11
電気技術雑誌「電気評論」(月刊)2016年11月発行の特集「原子炉廃止措置技術の動向」に、「ふげん」の廃炉までの歴史と廃止措置計画ならびにこれまでの技術的課題への取り組み状況等を紹介する。
101
福島県沖海域を対象とした海洋拡散予測システムの開発と検証
上平 雄基; 川村 英之; 小林 卓也; 内山 雄介*
土木学会論文集,B2(海岸工学)(インターネット), 72(2), p.I_451 - I_456, 2016/11
福島第一原子力発電所事故を教訓として、緊急時に放射性核種の海洋拡散を予測するシステムの必要性が高まっている。日本原子力研究開発機構(JAEA)では海洋拡散予測システムの開発を行ってきたが、本研究ではダウンスケーリングによる沿岸域の高解像度モデルを導入することで、システムを高度化することを目的とした。さらに、本システムを福島第一原子力発電所事故に適用することで、これまで再現することが困難であった水平スケールが数キロメートルのサブメソスケールの海象に伴う$$^{137}$$Csの海洋中移行過程を解析し、システムの検証を行った。その結果、シミュレーションによる流速場は人工衛星で観測された時空間変動をよく捉えつつ、高解像度化に伴うフロントや渦の強化を表現できていること、及び、沿岸域、中深層での$$^{137}$$Cs濃度分布の再現性の向上が確認された。また、事故から約3か月間、福島県沖海域では海面冷却や前線不安定に伴うサブメソスケールの渦が卓越し、それらの渦により強化された下降流により、$$^{137}$$Csが中深層に活発に輸送されていた可能性が示唆された。
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黒潮暖水波及に伴う沖縄本島周辺海域における非対称海洋構造の形成機構
内山 雄介*; 小谷 瑳千花*; 山西 琢文*; 上平 雄基; 御手洗 哲司*
土木学会論文集,B2(海岸工学)(インターネット), 72(2), p.I_481 - I_486, 2016/11
琉球諸島周辺海域に生息するサンゴ礁が地球温暖化などの影響によって白化や衰退が進展しており、サンゴ礁保護のために周辺の流動構造、特に黒潮波及効果を評価することは重要である。そこで、米国で開発された領域海洋モデルROMSを用いて沖縄本島周辺の海洋構造の東西の非対称性の実態把握を行い、黒潮反流の発生特性に関する解析を実施した。その結果、渡嘉敷海域での南下流の発達は黒潮-本島間に発生する負のメソスケール渦である黒潮反流の発達によって惹起されており、反流は春季に強化され、冬季に弱化していたことがわかった。この反流の消長は同海域におけるサブメソスケール渦の季節的な発達特性と相関があることが示された。
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高速炉の炉心安全性試験EAGLEプロジェクト; カザフスタンとの研究協力
神山 健司; 佐藤 一憲; 久保 重信
エネルギーレビュー, 36(11), p.46 - 49, 2016/11
日本原子力研究開発機構がカザフスタン共和国国立原子力センターとの研究協力として実施してきたナトリウム冷却高速炉の炉心安全を対象とした試験研究EAGLEプロジェクトについて、研究の経緯、概要、これまでの実施状況と成果について紹介する。
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福島第一原子力発電所現状視察
須藤 俊幸
技術士, 28(11), p.8 - 11, 2016/11
福島第一原子力発電所の事故から5年が経過し、原子力・放射線部会では発電所の現状を自ら確認し,技術士として情報発信すべく見学会を主催した。集合地点から発電所間の移動の際の風景,発電所での各原子炉、汚染水処理、構内、労働環境の改善等の状況について報告する。廃止措置に向けて現場は変化し続け、必ずしも順調とはいえないが粘り強く地道に進展している。関係者の真摯な努力と使命感に感銘を受けた。
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中性子透過率スペクトル測定を利用した新しい中性子散乱実験
大場 洋次郎*; 諸岡 聡; 佐藤 博隆*; 佐藤 信浩*; 井上 倫太郎*; 杉山 正明*
波紋, 26(4), p.170 - 173, 2016/11
Based on the time-of-light (TOF) technique, new generation pulsed neutron sources enable novel neutron scattering experiments. Using small-angle neutron scattering (SANS) at the pulsed neutron sources, simultaneous measurements of SANS and Bragg edge transmission can be performed. From the SANS profiles, the precipitates and inclusions in metals and alloys are characterized, while the Bragg edge transmission spectra give crystallographic information about the matrix. This is a powerful tool for quantitative characterization of the microstructures in the metals and alloys. The neutron transmission experiments have potential for further development. Magnetic Bragg edge transmission analysis will be useful for magnetic materials. These new neutron scattering techniques enhance the usability and flexibility of neutron scattering experiments.
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全反射高速陽電子回折による金属表面上のグラフェン・シリセンの構造決定
深谷 有喜
表面科学, 37(11), p.547 - 552, 2016/11
本稿では、全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法による金属基板上のグラフェンとシリセン(グラフェンのシリコン版)の構造決定について紹介する。グラフェン(シリセン)におけるバックリング(座屈構造)の有無や基板との間隔は、基板上に吸着したグラフェン(シリセン)の物性の起源を調べるうえで重要な因子である。本研究では、TRHEPDの表面敏感性を利用して、CoとCu基板上のグラフェンとAg基板上のシリセンにおけるこれらの構造パラメータを決定した。
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Evaluation of DNA damage induced by Auger electrons from $$^{137}$$Cs
渡辺 立子; 服部 佑哉; 甲斐 健師
International Journal of Radiation Biology, 92(11), p.660 - 664, 2016/11
 パーセンタイル:100(Biology)
本研究では、$$^{137}$$Csによる内部照射の担い手となるオージェ電子や内部転換電子等の低エネルギー電子のエネルギースペクトルや電子の放出位置の違いが、DNAレベルの微小な標的における線量分布とDNA損傷に与える影響を明らかにするために、電子線のトラックの微視的なシミュレーションに基づいた、線量分布とDNA損傷スペクトル(量や質)の推定を行った。方法としては、細胞集団モデルを標的系として、微視的なトラックシミュレーションを行い、次に、DNA損傷生成モデルに基づいた損傷スペクトルを計算した。計算結果を解析したところ、オージェ電子線等によるDNA損傷のスペクトルには、外部照射($$gamma$$線照射)の場合と比べて大きな差が生じないことが示され、内部照射は外部照射と比べてDNA損傷が起きやすいということはないという結果が得られた。
108
Deceleration processes of secondary electrons produced by a high-energy Auger electron in a biological context
甲斐 健師; 横谷 明徳; 鵜飼 正敏; 藤井 健太郎; 渡辺 立子
International Journal of Radiation Biology, 92(11), p.654 - 659, 2016/11
 パーセンタイル:100(Biology)
We performed a fundamental study of deceleration of low-energy electron ejected from water to predict clustered DNA damage formation involved in the decelerating electrons in water using a dynamic Monte Carlo code included Coulombic force between ejected electron and its parent cation. The decelerating electron in water was recaptured by the Coulombic force within hundreds of femtosecond. We suggested that the return electron contribute to modification of DNA damage because the electron will recombine to electric excited states of the parent cation, or will be prehydrated in water layer near the parent cation in DNA. Thus effect of the Coulombic force plays a significant role in evaluation of DNA damage involved in the electron deceleration in water.
109
Review of the microdosimetric studies for high-energy charged particle beams using a tissue-equivalent proportional counter
津田 修一; 佐藤 達彦; 小川 達彦; 佐々木 慎一*
JPS Conference Proceedings (Internet), 11, p.060004_1 - 060004_6, 2016/11
高エネルギー荷電粒子に対する生物学的効果を評価するうえで、細胞内の微小な領域中のビームの飛跡及びその近傍における詳細なエネルギー付与分布に関する情報は重要である。本研究では機構で開発した生物学的線量評価モデルに組み込まれているエネルギー付与分布計算モデルの精度検証を行うために、種々の高エネルギー荷電粒子ビームに対する線エネルギー($$y$$)分布測定を実施してきた。放射線計測器に関する国際会議において、原子力機構で開発した高エネルギー荷電粒子に対する$$y$$分布測定用の壁なし型組織等価比例計数管について紹介するとともに、これまでに行った一連の研究成果を報告する。
110
Evaluation of neutron response of criticality accident alarm system detector to quasi-monoenergetic 24 keV neutrons
辻村 憲雄; 吉田 忠義; 八島 浩*
JPS Conference Proceedings (Internet), 11, p.050005_1 - 050005_6, 2016/11
The criticality accident alarm system (CAAS), recently developed and installed at the Tokai Reprocessing Plant of the Japan Atomic Energy Agency, consists of a plastic scintillator combined with a cadmium-lined polyethylene moderator and thereby responds both to neutrons and $$gamma$$ rays. To evaluate the neutron absorbed dose rate response of the CAAS detector, a 24 keV quasi-monoenergetic neutron irradiation experiment was performed at the B-1 facility of Kyoto University Research Reactor. The evaluated neutron response of the detector was confirmed to be in reasonably good agreement with the prior computer-predicted response.
111
Performance of Panasonic ZP-1460 electronic personal dosemeter under exposure conditions likely to be found at Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant
辻村 憲雄; 吉田 忠義; 星 勝也; 百瀬 琢麿
JPS Conference Proceedings (Internet), 11, p.070008_1 - 070008_6, 2016/11
A study on the performance of the Panasonic ZP-1460 electronic personal dosemeter, the model used in the aftermath of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident in March 2011, was conducted under actual exposure situations likely encountered in the plant. The tests pertained to (1) the dose rate response over dose rates $$>$$100 mSv/h and (2) the angular response on an anthropomorphic phantom exposed to the rotational and isotropic irradiation geometries. The test results confirmed that the dosemeter provides H$$_{p}$$(10) as a reasonably close estimate of the effective dose for any exposure geometries. The dosemeter response data evaluated in this study can be utilized for converting dosemeter readings to the absorbed dose to any organs and tissues for epidemiologic purposes.
112
Development of micro-structured fluorescent plates for high-resolution imaging
酒井 卓郎; 安田 良; 飯倉 寛; 松林 政仁
JPS Conference Proceedings (Internet), 11, p.020005_1 - 020005_6, 2016/11
We have developed novel fluorescent plates for high-resolution imaging. The devices consist of capillary plates and fine phosphor grains, namely each capillary is filled with the grains. We used the capillary plates (HAMAMATSU, J5112-25D25U1TB) as substrates. The thickness of the plate is 1 mm and the diameter of each hole is 25 $$mu$$m. The phosphor grains are sifted silver-activated zinc sulfide (ZnS:Ag). The mean particle size is approximately 7 $$mu$$m. The fabricated fluorescent plates are observed using an optical microscope and a scanning electron microscope. The observation results show that all capillaries are filled with grains very well. The imaging experiment is performed using a small X-ray source. The results show that the fluorescent plates are expected to be compatible with both spatial resolution and detection efficiency.
113
The Evaluation of the 0.07 mm and 3 mm dose equivalent with a portable beta spectrometer
星 勝也; 吉田 忠義; 辻村 憲雄; 岡田 和彦
JPS Conference Proceedings (Internet), 11, p.070009_1 - 070009_6, 2016/11
市販のスペクトロメータを使用して、いくつかのベータ核種についてスペクトルを測定した。得られたスペクトルの形状は理論値とよく一致した。パルス波高分布にエネルギーごとのICRP74の換算係数を乗じて、任意の深さの線量当量を評価した。スペクトルから評価した線量当量は線量率基準とよく一致した。
114
Measurement of radioactive contamination on work clothing of workers engaged in decontamination operations
辻村 憲雄; 吉田 忠義; 星 勝也
JPS Conference Proceedings (Internet), 11, p.070003_1 - 070003_7, 2016/11
To rationally judge the necessity of the contamination screening measurements required in the decontamination work regulations, a field study of the surface contamination density on the clothing of the workers engaged in decontamination operations was performed. The clothing and footwear of 20 workers was analyzed by high-purity germanium (HPGe) $$gamma$$-ray spectroscopy. The maximum radiocesium activities ($$^{134}$$Cs + $$^{137}$$Cs) observed were 3600, 1300, and 2100 Bq for the work clothing, gloves, and boots, respectively, and the derived surface contamination densities were below the regulatory limit of 40 Bq/cm$$^{2}$$. The results of this field study suggest that the upper bounds of the surface contamination density on the work clothing, gloves, and boots are predictable from the maximum soil loading density on the surface of clothing and footwear and the radioactivity concentration in soil at the site.
115
Nanoscopic structural investigation of physically cross-linked nanogels formed from self-associating polymers
関根 由莉奈; 遠藤 仁*; 岩瀬 裕希*; 竹田 茂生*; 向井 貞篤*; 深澤 裕; Littrell, K. C.*; 佐々木 善浩*; 秋吉 一成*
Journal of Physical Chemistry B, 120(46), p.11996 - 12002, 2016/11
 パーセンタイル:100(Chemistry, Physical)
コントラスト変調中性子小角散乱法を用いてコレステロール置換プルラン(CHP)が形成するナノゲルの内部微細構造の評価を行った。溶媒の重水分率の異なるCHPナノゲル水溶液の散乱強度を分離してCHPナノゲルを構成するプルラン、コレステロール、プルランーコレステロールのcross-termの部分散乱関数を求めて解析を行った。結果、プルラン鎖が形成するナノゲル骨格は半径8.1nmの大きさであった。また、CHPナノゲル内において、約3個のコレステロール分子から成る架橋点が19個形成され、フラクタル次元2.6で分布していることを明らかにした。また、架橋点と高分子鎖のcross-termを解析したところ、部分鎖の大きさは半径約1.7nmであった。以上の結果より、ナノゲルの内部微細構造を明らかにした。
116
Year-round variations in the fluvial transport load of particulate $$^{137}$$Cs in a forested catchment affected by the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident
松永 武; 中西 貴宏; 安藤 麻里子; 竹内 絵里奈; 武藤 琴美; 都築 克紀; 西村 周作; 小嵐 淳; 乙坂 重嘉; 佐藤 努*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 310(2), p.679 - 693, 2016/11
 被引用回数:1 パーセンタイル:100(Chemistry, Analytical)
福島第一原子力発電所事故に由来する放射性Csの森林集水域からの流出挙動とその変動要因を解明するために、渓流水中の懸濁態放射性Csの流出量を2012年から2年間連続して測定した。懸濁態$$^{137}$$Csの流出は、流域からの懸濁物質の流出と密接な関係があり、降雨量の多い8-9月に増加した。$$^{137}$$Csは懸濁物質中の粘土鉱物に強く結びついており、流下中に水中に溶存しないことが、鉱物同定及び抽出実験の結果より示唆された。また、単位懸濁物質量あたりの$$^{137}$$Cs濃度は、2012年から徐々に低下していた。これらの結果より、懸濁態$$^{137}$$Csの流出量は、降雨量に関連した懸濁物質量の変動と、懸濁物質中の$$^{137}$$Cs濃度の経年変化の両方の影響を受けて変化していることが明らかとなった。
117
中性子回折によるA1050アルミニウムの集合組織測定
徐 平光; Harjo, S.; 小貫 祐介*
加工と熱処理による優先方位制御, p.1 - 6, 2016/11
金属材料の加工性などの材料特性を考察するためには、材料全体の平均的な集合組織を明らかにする必要がある。高い透過能を有する中性子線を用いた集合組織測定では、材料全体の平均情報を一度に測定できる利点があり、研究用原子炉JRR-3の残留応力解析装置RESA-1や、大強度陽子加速器施設J-PARCにおける工学中性子回折装置TAKUMIとiMATERIAで実施可能である。本研究では、軽金属学会軽金属部会の共通アルミニウム合金試料を用いて、TAKUMIとiMATERIA装置による検出器パネルを分割した高精度集合組織測定技術の妥当性を検討した。両装置から得られた集合組織結果がX線回折結果とほぼ一致していることなどを示した。
118
原子力発電所事故後の汚染地域における住民の被ばく線量評価と管理に関する研究
高原 省五
環境衛生工学研究, 30(4), p.12 - 30, 2016/11
本稿は著者の学位論文の一部を要約した紹介記事である。著者の学位論文は、福島第一原子力発電所事故後の住民の被ばく線量評価と管理について以下の3点に取り組んでいる。(1)環境モニタリングに結果に基づいて複数経路からの被ばく線量を評価するモデルの開発、(2)汚染の空間的変動及び生活習慣の個人差を考慮した確率論的な線量評価手法の開発、そして、(3)原子力事故後の汚染地域の管理における社会的・倫理的な課題とその解決方法の検討である。本稿はこれらのうち、(1)及び(2)について、沈着物からの外部被ばくと土壌の直接摂取からの内部被ばくによる被ばく線量評価モデルの開発と、汚染濃度の空間的変動と生活習慣の個人差を考慮するために確率論的な線量評価手法を開発した成果について記載した。
119
放射能分析建屋内への放射性セシウムの混入状況及び混入低減策
栗田 義幸; 三枝 純; 前田 智史
日本放射線安全管理学会誌, 15(2), p.180 - 185, 2016/11
2012年に原子力機構は環境レベルの放射能分析を行うための分析所を福島市に整備した。この分析所の主要な測定対象核種である放射性セシウム($$^{134}$$Cs, $$^{137}$$Cs)について、屋内への混入状況とその影響をゲルマニウム検出器を用いた$$gamma$$線スペクトロメトリに基づき調査した。その結果、表面汚染密度は通常の放射線管理における検出下限値を大きく下回り、放射能測定に影響を与えるレベルではないことが確認された。
120
Flux pinning properties in YBCO films with growth-controlled nano-dots and heavy-ion irradiation defects
末吉 哲郎*; 上滝 哲也*; 浦口 雄世*; 末永 桃太郎*; 牧原 隆博*; 藤吉 孝則*; 石川 法人
Physica C, 530, p.72 - 75, 2016/11
 被引用回数:1 パーセンタイル:100(Physics, Applied)
重イオン照射法により向上した超伝導状態のYBCO薄膜における磁束ピニング特性を、さらに向上させるためにBaSnO$$_{3}$$ナノドットを薄膜内に導入し、その効果を調べた。その結果、ナノドットを導入した場合、単に重イオン照射した試料よりも、特に磁場方向が$$c$$軸方向に近い方向の条件で、顕著な磁束ピニング特性の向上が見られた。重イオン照射欠陥とナノドットを組み合わせることにより、全方位的な磁場方向条件での磁束ピニング特性の向上が達成できる可能性を示すことができた。
121
Spin transport in half-metallic ferromagnets
大沼 悠一; 松尾 衛; 前川 禎通
Physical Review B, 94(18), p.184405_1 - 184405_5, 2016/11
 パーセンタイル:100(Physics, Condensed Matter)
本論文では、有限温度におけるハーフメタル強磁性体のスピン伝導を理論的に調べた。サイドジャンプ機構とスキュー散乱機構から得られるスピンホール伝導度を、久保公式を用いて導出した。その結果、電子マグノン相互作用によって、マイノリティ電子スピンのバンドギャップ中に有限の状態密度が現れ、これによってスピンホール伝導度が得られることを示した。また、スピンホール伝導度が温度の$${3/2}$$乗に比例するため温度変化に敏感であること、それによってスピンホール伝導度がハーフメタル強磁性体のマイノリティスピン状態を調べる手法になりうることを提案した。
122
Measurements of directed, elliptic, and triangular flow in Cu+Au collisions at $$sqrt{s_{NN}}$$=200 GeV
Adare, A.*; 長谷川 勝一; 今井 憲一; 永宮 正治; 佐甲 博之; 佐藤 進; 谷田 聖; PHENIX Collaboration*; 他397名*
Physical Review C, 94(5), p.054910_1 - 054910_18, 2016/11
 被引用回数:6 パーセンタイル:24.85(Physics, Nuclear)
Measurements of anisotropic flow Fourier coefficients ($$v_n$$) for inclusive charged particles and identified hadrons $$pi^{pm}$$, $$K^{pm}$$, $$p$$, and $$bar{p}$$ produced at midrapidity in Cu+Au collisions at $$sqrt{s_{NN}}$$ = 200 GeV are presented. The data were collected in 2012 by the PHENIX experiment at the Relativistic Heavy-Ion Collider (RHIC). The particle azimuthal distributions with respect to different-order symmetry planes $$Psi_n$$, for $$n=$$1, 2, and 3 are studied as a function of transverse momentum $$p_T$$ over a broad range of collision centralities. Mass ordering, as expected from hydrodynamic flow, is observed for all three harmonics. The charged-particle results are compared with hydrodynamical and transport model calculations. We also compare these Cu+Au results with those in Cu+Cu and Au+Au collisions at the same $$sqrt{s_{NN}}$$ and find that the $$v_2$$ and $$v_3$$, as a function of transverse momentum, follow a common scaling with $$1/(epsilon_n N_{rm part}^{1/3})$$.
123
Nitrogen hot trap design and manufactures for lithium test loop in IFMIF/EVEDA project
若井 栄一; 渡辺 一慶*; 伊藤 譲*; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 八木 重郎*; 近藤 浩夫; 金村 卓治; 古川 智弘; 平川 康; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 11, p.2405112_1 - 2405112_4, 2016/11
The lithium target facility of IFMIF (International Fusion Materials Irradiation Facility) consists of target assembly, lithium main loop, lithium purification loops, the diagnostic systems, and remote handling system. Major impurities in the lithium loop are proton, deuterium, tritium, 7-Be, activated corrosion products and the other species (C, N, O). It is very important to remove nitrogen content in lithium loop during operation, in order to avoid the corrosion/erosion of the nozzle of lithium target for the stable lithium flow on the target assembly. Nitrogen in the lithium can be removed by N hot trap using Fe-5at%Ti alloy at temperatures from 400 to 600$$^{circ}$$C. In this study, the specification and the detailed design were evaluated, and the component of N hot trap system was fabricated.
124
Improvement of ex-vessel molten core behavior models for the JASMINE code
松本 俊慶; 川部 隆平; 杉山 智之; 丸山 結
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2016/11
シビアアクシデント時に溶融炉心が圧力容器外に放出される場合の格納容器破損防止対策として、事前注水や格納容器スプレイによりペデスタルやキャビティに予め水を張ることが考えられている。このときの燃料デブリ冷却性を評価するため、JASMINEコードの溶融炉心挙動モデルを改良した。溶融炉心がジェット状に水中に落下する際、水との相互作用により粒子状のデブリを放出する(ブレークアップ)。冷却性に影響を及ぼすデブリ粒径分布の取り扱いを改良し、スウェーデン王立工科大学(KTH)で実施されたジェットブレークアップ実験DEFOR-Aの解析を行い、実験結果と比較した。また、溶融ジェットが床面に到達するとメルトプールを形成し、水平方向に広がる。冷却性評価で重要となる広がり面積を評価するため、クラスト形成モデル等を導入し、同じくKTHで実施されたメルト広がり実験PULiMSの解析を行い、実験結果と比較した。両現象の評価精度の向上に向けて、さらなる改良点を検討した。
125
Development of air cooling performance evaluation method for fuel debris on retrieval of Fukushima Daiichi NPS by dry method, 2; Outline of numerical method and preliminary analysis of free convection around fuel debris
山下 晋; 上澤 伸一郎; 吉田 啓之
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2016/11
福島第一原子力発電所廃止措置における燃料デブリ取り出し工法において、気中工法が検討されている。気中における燃料デブリの冷却能力の検討が、この工法実現のための重要な課題であるといえる。しかしながら、燃料デブリの形状や表面温度には大きな不確かさがあり、冷却能力を評価するには、それらの影響を含めて自然対流による冷却能力を評価する必要がある。そこで原子力機構では、JUPITERコードを使って、燃料デブリの自然対流による冷却能力を評価できる手法の開発を行っている。本報では、解析手法の概要と予備解析として実施した、模擬体系での自然対流による燃料デブリから気中への熱伝達の評価結果等について発表する。
126
Analysis with CFD code for THAI test on thermal-hydraulics during PAR activation
佐藤 允俊; 松本 俊慶; 杉山 智之; 丸山 結
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/11
A numerical analysis was carried out on the thermal-hydraulic behavior during the operation of the PAR for the HR-5 test conducted in the OECD/NEA THAI project. In the HR-5 test, measurements were performed in the test vessel on the volume fractions of oxygen and hydrogen, gas temperature, pressure, flow velocity at the PAR inlet and so on. The open source code OpenFOAM was used for the present study with the reactingFoam solver which is appropriate to treat thermal-hydraulic phenomena including chemical reactions. The code was implemented with the correlation equations for the PAR used in the HR-5 and was modified to be capable of calculating the gas composition change during the recombination of hydrogen and oxygen. Comparison was made between the analysis and experimental results in the gas volume fraction and so on. It was shown that the analyses well reproduced the recombination behavior at the PAR and influences of the recombination heat on the thermal-hydraulic behavior.
127
Water experiments on thermal striping in reactor vessel of advanced sodium-cooled fast reactor; Influence of flow collector of backup CR guide tube
小林 順; 江連 俊樹; 田中 正暁; 上出 英樹
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 5 Pages, 2016/11
原子力機構は先進的なナトリウム冷却大型高速炉(SFR)の設計研究を実施してきた。燃料集合体からの高温のナトリウムは、制御棒チャンネルからの低温のナトリウムとUIS下部において混合する。炉心出口における流体の混合による温度変動はUIS下部における高サイクル熱疲労の原因となる。原子力機構はSFRのUIS下部における有意な温度変動に対する対策について水流動試験を実施してきた。一方、確実な炉停止のために自己作動型炉停止機構(SASS)が後備炉停止系制御棒に設置されている。後備系制御棒案内管にはSASSの信頼性向上のためにフローコレクタと呼ばれる流れの案内構造を有している。フローコレクタはUIS下部における温度変動に影響を与える可能性がある。本研究は、後備系チャンネル周辺の温度変動にフローコクレタが与える影響について調査したものである。
128
Event sequence analyses of a forest fire heat effect on a sodium-cooled fast reactor for an external hazard PRA methodology development
岡野 靖; 山野 秀将
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2016/11
森林火災に関するPRA手法開発の一環として、高速炉への熱影響に関する事象シーケンス評価を行った。潜在的な脆弱性に関連する事象シナリオを開発し、その際、森林火災により外部電源が喪失していること等を保守的に仮定した。イベントツリーの開発においては、外部電源喪失を起因事象とし、ヘディングとしては、外部燃料タンク、非常用ディーゼル発電機、補助冷却系、崩壊熱除去のための空気冷却器に関するものを設定した。故障確率は、森林火災の熱強度に応じた破損曲線や、保守的な仮定に基づく値を用いた。外部電源喪失の条件のもと、炉心損傷頻度はおおよそ10$$^{-7}$$/年となった。重要なヘディングは、外部燃料タンクの健全性に関するものであった。
129
Development of extreme rainfall PRA methodology for sodium-cooled fast reactor
西野 裕之; 栗坂 健一; 山野 秀将
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/11
The objective of this study is to develop a probabilistic risk assessment (PRA) methodology for extreme rainfall with focusing on decay heat removal system of a sodium-cooled fast reactor. For the extreme rainfall, annual excess probability depending on the hazard intensity was statistically estimated based on meteorological data. To identify core damage sequence, event trees were developed by assuming scenarios that structures, systems and components (SSCs) important to safety are flooded with rainwater coming into the buildings through gaps in the doors and the SSCs fail when the level of rainwater on the ground or on the roof of the building becomes higher than thresholds of doors on first floor or on the roof during the rainfall. To estimate the failure probability of the SSCs, the level of water rise was estimated by comparing the difference between precipitation and drainage capacity. By combining annual excess probability and the failure probability of SSCs, the event trees led to quantification of core damage frequency, and therefore the PRA methodology for rainfall was developed.
130
Event sequence analysis of core disruptive accident in a metal-fueled sodium-cooled fast reactor
山野 秀将; 飛田 吉春; 久保 重信; 植田 伸幸*
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/11
本研究では、金属燃料ナトリウム冷却高速炉における反応度推移と溶融燃料再配置を調べるため、大型炉を対象として炉心損傷事故の事象推移解析を実施した。流量減少時スクラム失敗事故で開始される起因過程解析はCANISコードで実施され、それは出力ピークが小さいことを示した。その解析結果を初期条件として、SIMMER-IIIコードを全炉心規模解析に適用し、反応度推移と溶融燃料再配置を含む事象推移を明らかにすることとした。その結果、全炉心解析での再臨界は非常にマイルドなエネルギー放出となる結果を得た。金属燃料炉心でマイルドなエネルギー放出となるのは金属燃料の比熱が小さいことと即発的な負のフィードバック反応度メカニズムが大きく作用するためである。
131
Development of air cooling performance evaluation method for fuel debris on retrieval of Fukushima Daiichi NPS by dry method, 3; Heat transfer and flow visualization experiment of free convection adjacent to upward facing horizontal surface
上澤 伸一郎; 柴田 光彦; 山下 晋; 吉田 啓之
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2016/11
A dry method for fuel debris retrieval is proposed for decommissioning of TEPCO's Fukushima Daiichi NPS. However, air cooling performance has not yet been strictly evaluated for the fuel debris. We have developed an evaluation method based on a numerical simulation code, JUPITER, to understand the cooling performance. Moreover, a heat transfer and flow visualization experiment in air is also conducted in order to validate the numerical analysis. In this paper, to decide measurement targets of the experiment, we roughly estimated the heat transfer of the fuel debris exposed to the air. The rough estimation indicated that the evaluation of the free convection and the radiation heat transfer were important to understand the heat transfer of the debris. Considering the estimations, a preliminary experiment for the free convection in air adjacent to upward-facing horizontal heat transfer surface was conducted to discuss applicability of the temperature measurement systems and the flow visualization systems to the experiment for the validation of the JUPITER. By the preliminary experiment, we confirmed that heat transfer temperature, air temperature and emissivity can be measured with thermocouples and the infrared camera. The applicability of a PIV to measure velocity fields of the free convection in air was also confirmed.
132
In-vessel retention of unprotected accident in a fast reactor; Assessment of material-relocation and heat-removal behavior in ULOF
曽我部 丞司; 鈴木 徹; 和田 雄作; 飛田 吉春
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2016/11
The achievement of in-vessel retention (IVR) of accident consequences in an unprotected loss of flow (ULOF), which is one of the technically inconceivable events postulated beyond design basis, is an effective and rational approach to enhancing the safety characteristics of the sodium-cooled fast reactor. The objective of the present study is to show that the decay heat generated from the relocated fuels would be stably removed in post-accident-material-relocation/post-accident-heat-removal (PAMR/PAHR) phase, where the relocated fuels mean fuel discharged from the core into low-pressure plenum through control-rod guide tubes, and fuel remnant in the disrupted core region (non-discharged fuel). As a result of the assessment, it can be concluded that the stable cooling of the relocated fuels was confirmed and the prospect of IVR was obtained.
133
Improvements to the simmer code model for steel wall failure based on EAGLE-1 test results
豊岡 淳一; 神山 健司; 飛田 吉春; 鈴木 徹
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2016/11
In this paper, for the purpose establishing more generalized models for the SIMMER code to reproduce the effect of steel component on mixture-to-wall heat transfer in the EAGLE-1 program, the authors performed a model improvement for the SIMMER code to treat the direct contact of the molten steel in a more mechanistic manner. By this model improvement, evaluations with unifying agreement on a result of the EAGLE-1 program using the SIMMER code could be possible.
134
Experimental database for bed formation behaviors of solid particles
Sheikh, M. A. R.*; Son, E.*; 神山 基紀*; 森岡 徹*; 松元 達也*; 守田 幸路*; 松場 賢一; 神山 健司; 鈴木 徹
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/11
ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故における再配置過程では、微粒化デブリによる堆積ベッド形成挙動がデブリベッド冷却による炉容器内事故終息の観点で重要である。本研究では、粒子堆積ベッド形成挙動に関する実験データベースを構築するため、微粒化デブリを模擬した固体粒子を円筒型の水プール中へ重力落下によって放出させ、粒子堆積ベッドの形状及び高さを測定する実験を行った。本実験では、材質及びサイズの異なる3種類(アルミナ,ジルコニア,スティール)の球形・非球形粒子を用い、これらのパラメータが粒子ベッドの堆積形状に及ぼす影響を調べるとともに、その結果に基づき粒子ベッドの堆積高さを予測する整理式を実験データベースとして開発した。開発した整理式は、本実験で把握された重要パラメータに対する堆積ベッド高さの変化傾向をよく再現しており、広範な適用性を有していることが示された。
135
A Recent experimental program to evidence in-vessel retention by controlled material relocation during core disruptive accidents of sodium-cooled fast reactors
松場 賢一; 神山 健司; 豊岡 淳一; Zuev, V. A.*; Ganovichev, D. A.*; Kolodeshnikov, A. A.*
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 5 Pages, 2016/11
ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故では、炉心領域の溶融燃料が炉心外へ流出することで損傷炉心がより深い未臨界状態に至るとともに、分散燃料が冷却の容易なデブリになると考えられる。このため、制御棒案内管を通じた燃料流出は炉心損傷事故の終息に影響を及ぼす重要な過程である。日本原子力研究開発機構とカザフスタン共和国国立原子力センターとの共同研究EAGLE計画では、制御棒案内管を通じた燃料流出挙動の解明を目的とした炉外試験をはじめとする新たな試験研究を開始した。本報告では、新たに開始した試験研究の進捗について、これまでに得られた試験結果を含めて述べる。
136
Production of droplets during liquid jet impingement onto a flat plate
Yi, Z.*; 大箭 直輝*; 榎木 光治*; 大川 富雄*; 大野 修司; 青柳 光裕; 高田 孝
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2016/11
ナトリウム(Na)冷却高速炉におけるNa漏えい・燃焼時の熱影響を適切な信頼性確保しつつ解析評価するためには、漏えいNaの液滴量を物理的な観点から合理的に設定することが重要である。本研究では基礎実験として、下向きの水噴流を水平板に衝突させ、その際の液滴化率を計測した。計測の結果として液滴飛散率は、ウェーバー数とストローハル数、オーネゾルゲ数の関数として定式化できることが示された。
137
Identification of important phenomena under sodium fire accidents based on PIRT process with factor analysis in sodium-cooled fast reactor
青柳 光裕; 内堀 昭寛; 菊地 晋; 高田 孝; 大野 修司; 大島 宏之
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/11
ナトリウム冷却高速炉のナトリウム燃焼時には、多くの現象が複合して生じる。本研究では、ナトリウム燃焼時の重要現象を同定するためにPIRT手法を適用した。本PIRT手法においては、要因分析を用いて重要度評価を実施する上での適切な評価指標を設定するとともに、要素および事象進展の両分析から関連現象を抽出した。重要度評価は事象進展に評価指標を関連付けて実施して、重要度評価表を完成させた。
138
Development of air cooling performance evaluation method for fuel debris on retrieval of Fukushima Daiichi NPS by dry method, 1; Outline of research project
吉田 啓之; 上澤 伸一郎; 山下 晋; 永瀬 文久
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2016/11
To perform the decommissioning of the TEPCO's Fukushima Daiichi Nuclear Power Station, it is considered that application of four methods (full submersion, submersion, partial submersion and dry methods) to perform fuel debris retrieval from the reactor pressure vessels and the primary containment vessels. In the dry method, the fuel debris is exposed in air, and neither cooling nor filling of water is involved. Therefore, by using this method, the stopping water leakage from the PCV is not necessary. However, evaluation of the cooling performance of air convection for fuel debris is required to perform this method. JAEA starts the research project to develop an evaluation method to estimate the air cooling performance for fuel debris. The evaluation method is developed based on the JUPITER, which has been originally developed to estimate the relocation behavior of melting fuel, in order to estimate the cooling performance by considering the melting fuel debris distribution as initial and boundary conditions. To develop and validate the simulation method for the air cooling of the fuel debris, experimental database is required. Then, a heat-transfer and flow visualization experiment of free and/or mixed convection adjacent to upward-facing horizontal surface is conducted in this research project.
139
Study on spray cooling capability for spent fuel pool at coolant loss accident, 1; Research plan
Liu, W.; 永武 拓; 柴田 光彦; 小泉 安郎; 吉田 啓之; 根本 義之; 加治 芳行
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2016/11
福島第一原子力発電所における事故を踏まえ、原子力発電所や再処理施設にある使用済燃料プールに対しては、冷却機能の喪失によるプール水位の低下に伴う、燃料の温度上昇に起因した燃料破損、再臨界等の事故発生防止のため、注水機能の強化等の安全対策が求められている。この使用済燃料プールにおける安全対策としては、可搬式スプレイによる注水が期待されているが、使用済燃料プールにおける冷却性能に関しては、評価手法が確立されていない。そこで、原子力機構では、事故時における使用済燃料プール挙動評価手法開発の一部として、スプレイ冷却性能評価手法の確立を目的とした研究を行っている。この評価手法開発においては、使用済燃料プールに保管された燃料集合体の冷却に直接関与することが考えられる気液対向流制限(CCFL)や、スプレイにより生成された液滴径がCCFL挙動に及ぼす影響などの基礎的な現象の明確化、及びコード検証用データの取得が必要である。本報では、現象の明確化、検証用データ取得のための試験を含む、本研究の計画について紹介する。
140
Development of evaluation method for hydraulic behavior in venturi scrubber for filtered venting
堀口 直樹; 吉田 啓之; 中尾 泰大*; 金子 暁子*; 阿部 豊*
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2016/11
The filtered venting system is used to realize the venting of the high pressure contaminated gas from the PCV to the outside of the nuclear power plant with suppressing the release of the radioactive materials. To operate the filtered venting system effectively, it is important to evaluate the decontamination performance of this system. The Venturi scrubber is the main component of the systems, and decontamination performance is affected by the hydrodynamic behavior in the Venturi scrubber. In this study, to develop the decontamination performance evaluation method of the filtered venting system, numerical simulation method to predict hydrodynamic behavior in the Venturi scrubber has been developed. In this paper, experimental observation under adiabatic (air-water) condition was conducted, and a numerical simulation code with one-dimensional two-fluid model was developed based on experimental results. In addition, numerical results were validated by comparing with experimental results. As the results, it was confirmed that it has the capability to evaluate the parameters with following accuracy, superficial gas velocity with +30%, the static pressure in throat part with $$pm$$10%, superficial liquid velocity with $$pm$$80%, droplet diameter with $$pm$$30% and the droplet ratio with -50%.
141
J-PARCクライストロン電源の高圧整流器の改修
千代 悦司; 佐川 隆*; 鳥山 稔*
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.400 - 402, 2016/11
J-PARCリニアックのクライストロン電源は、12相の600Vの交流電圧を位相制御されたサイリスタにてチョップし、変圧器にて110kVまで昇圧し、整流器にて直流化し、直流高電圧を発生している。本電源では、昇圧変圧器、整流器および平滑用リアクトルが一体化し、変圧整流器を構成しているが、この変圧整流器の整流器が、稼働時間が30,000時間以上経過すると故障が発生し、しばしば加速器を長期間停止させてきた。整流器は、ダイオードと分圧用のコンデンサーを並列に接続し、多段にスタックすることで耐電圧を得ている。故障した整流器を調査したところ、セラミックコンデンサーのモールド内のセラミック沿面で絶縁破壊しており、耐圧以上の電圧がコンデンサーに印加されていた。高電圧がコンデンサーに印加される原因を調査し、その対策を整流器に施した。現在、改修された整流器を装着した変圧整流器を長時間運転し、対策の妥当性を評価している。
142
J-PARC MRにおける大強度ビーム取り出し時の空胴電圧変動
田村 文彦; 吉井 正人*; 大森 千広*; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.808 - 810, 2016/11
J-PARC MRは現在、ニュートリノ実験に約390kWの大強度陽子ビームを供給している。ビームはキッカー電磁石を用いた速い取り出しにより取り出されるが、ビームの取り出し直後に20マイクロ秒程度の短時間空胴電圧が跳ね上がることがわかった。これは、RFフィードフォワード法によるビームローディング補償信号が、ビーム取り出し後も系の遅延時間だけ出続けることが原因である。MRの金属磁性体空胴は、Q値が22と低いために、ビーム負荷の急激な変動に対して10マイクロ秒程度の応答時間で反応してしまう。ビーム強度の増加につれ、電圧の跳ね上がりが増加傾向にあり、この電圧の跳ね上がりは共振用の真空コンデンサの寿命に関連があると考えられるため、対策が必要である。本発表では、跳ね上がりの抑止の結果およびビームローディングの解析について示す。この電圧変化はRCSではより影響が大きいが、RCSへの応用も期待できる。
143
J-PARC運転データアーカイバにおけるHBase/Hadoopのバージョンアップ対応及びZooKeeperを使ったデータ収集ツールの冗長化
池田 浩; 菊澤 信宏; 吉位 明伸*; 加藤 裕子
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.637 - 640, 2016/11
J-PARCのLINAC, RCSから得られる制御に必要な大量なデータは、現在PostgreSQLに格納しているが、これをHBaseに格納する計画を進めている。HBaseはいわゆるNoSQLと呼ばれるデータストアで、大量のデータをスケーラブルに扱うことが可能である。HBaseはHadoop上で構築され、両者ともZooKeeperを利用した冗長性の管理が行われている。本格的な運用に先立って、我々のクラスタのHBase/Hadoopのバージョンアップを再度行った。これは、旧バージョンが既にサポート外であること、HBaseのAPIに関する後方互換性の明示的表明、運用開始後はバージョンアップが困難になることが理由として挙げられる。これに伴い、キックスタートや監視スクリプトの修正、これまで作成したツールのアップデートを行った。一方、HBase/Hadoopはデータを堅固に保護するが、そもそもデータを格納できなければこの堅固性は意味を失う。このため、HBase等と同様にZooKeeperを用いてデータ収集ツールを冗長化し、複数ノードに配備することで障害発生時に自動的に対応できるようにした。本発表では、バージョンアップの対応の内容、及び、データ収集ツールの冗長化とその過程で判明した問題について報告する。
144
J-PARC 3GeV RCSキッカー電磁石電源の現状
富樫 智人; 高柳 智弘; 山本 風海; 金正 倫計
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.725 - 728, 2016/11
大強度陽子加速器施設(J-PARC)の3-GeV RCS(Rapid Cycling Synchrotron)では、3GeVに加速した大強度陽子ビームの取り出しにサイラトロンスイッチを採用したキッカー電磁石電源システムを利用している。本システムの電源は、使用開始からおよそ10年が経過しているが、定期的な保守点検や消耗品の交換を実施する事により現在も順調な稼働を継続している。また、サイラトロンの取り扱いについては、長年の経験をもとにした維持管理手法の確立により高い稼働率を維持するとともに、寿命については平均で10,000時間を超える利用が可能な状況にまで改善されている。一方、消耗品については、経年的に製造中止品が増加しており、代替え品の選定が懸案となっている。また、高圧機器の絶縁と冷却に使用しているシリコン油についても耐電圧性能の劣化が進んでいる傾向があり性能の回復方法や入れ替え手順などの検討が必要となってきている。本報告では、これまでの運転状況並びに保守点検結果を交えながらキッカー電磁石電源の現状について報告する。
145
J-PARCイオン源の現状
大越 清紀; 池上 清*; 高木 昭*; 浅野 博之; 上野 彰; 柴田 崇統*; 南茂 今朝雄*; 神藤 勝啓; 小栗 英知
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.940 - 943, 2016/11
J-PARCリニアックのセシウム添加高周波駆動型(RF)負水素イオン源は、2014年10月から運転を行っている。2015年、本学会で報告した良質アンテナの選別やアンテナダメージを軽減する立上げ方法に効果があり、ここ一年間はアンテナ破損によるビーム停止は発生していない。利用運転では、ピーク電流を33mAから45mAに増加させたが、特に故障もなく1,350時間の連続運転に成功している。ビーム電流値の安定度は、フィードバックシステムにより、低エネルギービーム輸送系(LEBT)にて$$pm$$2%以内に維持できている。本発表では、RF負水素イオン源の最近1年間の運転実績及びトラブルの報告の他、イオン源テストスタンドの整備状況についても報告する。
146
J-PARC 3MeVリニアック用制御システム開発
澤邊 祐希*; 石山 達也; 高橋 大輔; 加藤 裕子; 鈴木 隆洋*; 平野 耕一郎; 武井 早憲; 明午 伸一郎; 菊澤 信宏; 林 直樹
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.647 - 651, 2016/11
J-PARCでは実機の安定運転に必要なビームスクレーパ照射試験およびレーザ荷電変換試験を実施するために3MeVリニアックを再構築した。3MeVリニアックは、セシウム添加高周波駆動負水素イオン源(RFイオン源)から負水素イオンビームを取り出し、高周波四重極型リニアック(RFQ)で3MeVまでビームを加速する。3MeVリニアックを制御するには、加速器およびレーザから人への安全を確保する人的保護システム(PPS)、加速器構成機器を保護するための機器保護システム(MPS)、各機器の同期をとるタイミングステム、およびEPICSを用いた遠隔制御システムが重要となる。本発表では、これらの3MeVリニアック用制御システムについて報告する。
147
J-PARC RCSエネルギー増強のための主電磁石の検討
谷 教夫; 渡辺 泰広; 發知 英明; 原田 寛之; 山本 昌亘; 金正 倫計; 五十嵐 進*; 佐藤 洋一*; 白形 政司*; 小関 忠*
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.708 - 711, 2016/11
J-PARC加速器の大強度化を進めるために、3GeV RCSの加速エネルギーを現在の3GeVから3.4GeVに増強する案が検討されている。そのため、3.4GeVを目指したRCS電磁石の検討が行われた。空間電荷効果の影響でRCSからの3GeV 1MWビームでは、MRの入射部でのビームロスが5%と大きい。入射ビームを3.4GeVにすると、ビームロスが1%程度となり、MRで1MWビームの受け入れが可能となる。四極電磁石の検討では、磁場測定データを基に評価が行われた。四極電磁石は、3.4GeVでも電源の最大定格値を超えないことから、電磁石・電源共に対応可能であることがわかった。しかし、偏向電磁石は、3次元磁場解析データから、3.4GeVでは飽和特性が5%以上悪くなった。電源についても、直流及び交流電源の最大定格が現電源と比べて15%及び6.2%超えており、現システムでは難しいことがわかった。このため、偏向電磁石については、既存の建屋に収まることを前提として、電磁石の再設計を行った。その結果、電源は直流電源の改造と交流電源の交換で実現可能となることがわかった。本論文では、RCS電磁石の出射エネルギー増強における検討内容及びその結果見えてきた課題について報告する。
148
In-situ visual exploration of multivariate volume data based on particle based volume rendering
河村 拓馬; 野田 智之; 井戸村 泰宏
Proceedings of 2nd Workshop on In Situ Infrastructures for Enabling Extreme-scale Analysis and Visualization (ISAV 2016) (Internet), p.18 - 22, 2016/11
視点拘束を受けない粒子データを用いて多変量ボリュームデータを可視化する粒子ベースボリュームレンダリング(PBVR)に基づく新しいIn-Situオンライン可視化フレームワークを開発した。我々が開発したオンラインアプローチは粒子データを使用した対話的な視点探索とシミュレーション実行時の多次元伝達関数の変更を可能とする。この実行時可視化は数千コアまでのストロングスケーリングを示し、計算時間も小さい。これらの特徴は大規模シミュレーションをモニタリングするための柔軟なIn-Situデータ探索を提供する。提案フレームワークをJUPITERコードによる圧力容器内部の燃料溶融シミュレーションに適用することにより、その有用性を示した。
149
Left-preconditioned communication-avoiding conjugate gradient methods for multiphase CFD simulations on the K computer
真弓 明恵; 井戸村 泰宏; 伊奈 拓也; 山田 進; 今村 俊幸*
Proceedings of 7th Workshop on Latest Advances in Scalable Algorithms for Large-Scale Systems (ScalA 2016) (Internet), p.17 - 24, 2016/11
左前処理省通信共役勾配(LP-CA-CG)法を多相数値流体力学コードJUPITERの圧力Poisson方程式に適用した。LP-CA-CG法の演算密度を分析し、内積処理と三項間漸化式処理のループ分割を行うことで演算密度を大きく向上した。ブロックヤコビ前処理及びアンダーラップ前処理を適用した2つのLP-CA-CGソルバを開発した。京コンピュータ上では局所的な1対1通信のスケールが良好であることと、アンダーラップ前処理を適用すると収束性が悪くなることにより、ブロックヤコビ前処理ソルバにより良好な性能が得られた。このソルバは3万ノードまで良好な強スケーリングを示し、大域的集団通信のコストを69%削減することにより従来のCG法ソルバに比べて高い性能を達成した。
150
Nuclear thermal design of high temperature gas-cooled reactor with SiC/C mixed matrix fuel compacts
相原 純; 後藤 実; 稲葉 良知; 植田 祥平; 角田 淳弥; 橘 幸男
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.814 - 822, 2016/11
原子力機構(JAEA)は、耐酸化性向上のため高温ガス炉(HTGR)の燃料要素へのSiC/C混合母材の適用に関するR&Dを開始している。このR&Dの一部として、SiC/C混合母材燃料コンパクトを使ったHTGRの核熱設計を行った。核熱設計は、途上国用の小型HTGRであるHTR50Sをベースに行った。日本における製造実績を考慮し、ウランの濃縮度の上限は10wt%とし、濃縮度と可燃性毒物(BP)の種類はベースとしたHTR50Sと等しい(各々3及び2種類)とした。以上の制限内で、我々は本来のHTR50Sと同等の性能を持つ炉心の核熱設計に成功した。この核熱設計に基づき、通常運転時の被覆燃料粒子の内圧に対する健全性は保たれると評価された。
151
HTTR-GT/H$$_{2}$$ test plant; System performance evaluation for HTTR gas turbine cogeneration plant
佐藤 博之; 野本 恭信; 堀井 翔一; 角田 淳弥; Yan, X.; 大橋 弘史
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.759 - 766, 2016/11
本研究では、HTTRにガスタービンと水素製造施設を接続したHTTR-GT/H$$_{2}$$プラントの性能評価を行った。起動停止運転及び負荷追従運転について検討するとともに、発電機負荷喪失時や水素製造施設異常時におけるプラント動特性評価を行い、HTTR-GT/H$$_{2}$$プラントにより、実用高温ガス炉の運転制御技術の確証試験が実施できることを明らかにした。
152
Sensitivity analysis of xenon reactivity temperature dependency for HTTR LOFC test by using RELAP5-3D code
本多 友貴; 深谷 裕司; 中川 繁昭; Baker, R. I.*; 佐藤 博之
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.704 - 713, 2016/11
高温ガス炉は固有の安全性を保有しており、この安全性を実証するために高温工学試験研究炉(HTTR)を用いて強制冷却喪失試験(LOFC試験)を実施している。原子炉出力9MWにおけるLOFC試験では、原子炉出力低下後に再臨界が確認された。これまで、強制冷却喪失事象を評価するため、RELAP5-3Dコードを用いて一点炉動特性解析手法の高度化を進めてきている。本研究では、高温ガス炉は原子炉出入口に大きな温度差があり、過渡時の温度変動領域が大きいことから、Xe-135反応度の温度依存性に着目し、Xe-135の吸収断面積の温度依存性について、原子炉出力9MWにおけるLOFC試験における再臨界への影響を評価した。その結果、このXe-135反応度の温度依存性の影響は非常に大きく、高温ガス炉の強制冷却喪失事象においてはこの温度依存性を適切に考慮することが重要であることを明らかにした。
153
IS process hydrogen production test for components and system made of industrial structural material, 2; H$$_{2}$$SO$$_{4}$$ decomposition, HI distillation, and HI decomposition section
野口 弘喜; 竹上 弘彰; 上地 優; 田中 伸幸; 岩月 仁; 笠原 清司; 久保 真治
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.1029 - 1038, 2016/11
原子力機構では、高温ガス炉の核熱利用技術として熱化学法ISプロセスの研究開発を行っている。工業材料を用いて100L/h規模の連続水素製造試験装置を製作した。初めに、本試験装置の各機器の機能確認を行うため、5つに分割された工程毎に試験を実施した。本報告では、5工程のうち、硫酸分解工程、HI蒸留工程及びHI分解工程の結果を示した。硫酸分解工程では、硫酸分解器による硫酸分解反応試験を行い、酸素製造量は供給硫酸量に比例することを示し、また、SO$$_3$$分解率は約80%であった。以上より、設計通りの性能を有していることを明らかにした。HI蒸留工程では、共沸以上のHIx水溶液を用いた蒸留試験を行い、塔頂から高濃度HI水溶液、塔底から共沸組成のHIx水溶液の生成を確認し、蒸留による分離が設計通りに行われていることを示した。HI分解工程では、HI分解器によるHI分解反応試験を行い、分解率約18%で安定した水素製造が可能であることを示し、設計通りの性能を有していることを示した。シリーズ(I)で示すブンゼン反応工程、HI濃縮工程の結果と合わせて、工程別試験を完了した。その後、これらの結果を基に、連続水素製造試験を実施し、8時間の水素製造に成功した。
154
IS process hydrogen production test for components and system made of industrial structural material, 1; Bunsen and HI concentration section
田中 伸幸; 竹上 弘彰; 野口 弘喜; 上地 優; 岩月 仁; 会田 秀樹; 笠原 清司; 久保 真治
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.1022 - 1028, 2016/11
原子力機構では、工業製材料を使用した100L/hr規模の連続水素製造試験装置を完成させた。連続水素製造試験に先立って、製作した各機器の機能確認を行うため、5つある工程の工程別試験をそれぞれ実施した。本発表では、5工程のうち、ブンゼン反応工程及びHI濃縮工程の結果を示した。ブンゼン反応工程では、供給された反応原料がブンゼン反応器において混合され、ブンゼン反応が進行しなければならない。反応原料のSO$$_{2}$$が全て溶液中に吸収されていることから、原料が確実に混合され、かつ、ブンゼン反応が速やかに進行していることを示し、ブンゼン反応器の機能が設計通りであることを明らかにした。HI濃縮工程では、製作した電解電気透析(EED)スタックを用いて、HI濃縮試験を実施した。その結果、既報の予測式に一致する濃縮性能を持つことを確認し、EEDスタックの機能確認を完了した。シリーズ(II)で示す硫酸工程, HI蒸留, HI分解工程の結果と合わせて、工程別試験を完了した。その後、これらの結果を基に、連続水素製造試験を実施し、8時間の水素製造に成功した。
155
Development of safety requirements for HTGRs design
大橋 弘史; 佐藤 博之; 中川 繁昭; 徳原 一実; 西原 哲夫; 國富 一彦
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.330 - 340, 2016/11
日本原子力学会「高温ガス炉の安全設計方針」研究専門委員会では、高温工学試験研究炉(HTTR)で得られた知見、福島第一原子力発電所事故の教訓、将来の水素製造施設の接続における安全上の機能要求などを考慮した、実用高温ガス炉の安全要件を検討している。本報告では、安全要件の検討プロセス、作成した安全要件案の概要などについて報告する。
156
The IAEA coordinated research project on modular HTGR safety design; Status and outlook
Reitsma, F.*; 國富 一彦; 大橋 弘史
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.341 - 352, 2016/11
国際原子力機関(IAEA)では、2014年に開始した高温ガス炉の安全設計に関する協力研究計画(CRP)において、日本を始めとする各国がこれまでに蓄積した高温ガス炉に関する知見に基づき、軽水炉とは異なる高温ガス炉の安全上の特徴を考慮し、高温ガス炉の安全要件の検討を進めている。本講演では、本CRPの概要、高温ガス炉の安全上の特徴、既存の軽水炉安全要件の高温ガス炉への適用性、CRPで検討中の高温ガス炉安全要件案などについて報告する。
157
Development of a core coolant flow distribution calculation code for HTGRs
稲葉 良知; 本多 友貴; 西原 哲夫
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.985 - 990, 2016/11
高温ガス炉の熱的健全性を確保するために、定格運転時における燃料最高温度は、設計目標値以下である必要がある。ブロック型高温ガス炉の炉心熱流動設計において、燃料最高温度は、熱出力、炉心形状、出力・照射量分布及び炉心冷却材流量分布に基づいて評価される。高温工学試験研究炉(HTTR)の設計段階で使用された炉心冷却材流量配分計算コードは、UNIXシステム上での動作を前提としており、その操作及び実行手順は複雑で、使い勝手の良いものではなかった。それゆえに、簡単で易しい操作と実行手順を持つ、使い勝手の良い新しい炉心冷却材流量配分計算コードを開発してきた。本論文では、新コードの概要を述べ、その検証計算の第1段階として、1燃料カラムを持つ炉外試験のシミュレーション結果を示した。その結果は、試験結果と良い一致を見た。
158
Irradiation test about oxidation-resistant graphite in WWR-K research reactor
柴田 大受; 角田 淳弥; 坂場 成昭; 大崎 貴士*; 加藤 秀樹*; 井澤 祥一*; 武藤 剛範*; Gizatulin, S.*; Shaimerdenov, A.*; Dyussambayev, D.*; et al.
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.567 - 571, 2016/11
高温ガス炉(HTGR)に用いられている黒鉛について、さらなる安全裕度を確保するため、耐酸化性を向上させることが望ましい。黒鉛表面へのSiC被覆は、そのための候補技術である。原子力機構と日本の黒鉛メーカ4社:東洋炭素,イビデン,東海カーボン,新日本テクノカーボンとで、耐酸化黒鉛を炉内黒鉛構造物に適用する研究を進めている。国際科学技術センター(ISTC)のパートナープロジェクトとして、カザフスタン共和国の核物理研究所(INP)のWWR-K炉により、照射キャプセル2体により耐酸化黒鉛に対する中性子照射試験を実施した。WWR-K炉で、照射温度1473Kにおける10サイクル200日間の照射試験を完了した。最大の高速中性子(E$$>$$0.18MeV)照射量は、中央の照射孔に装荷したキャプセルで1.2$$times$$10$$^{25}$$/m$$^{-2}$$、炉側部の照射孔に装荷したキャプセルで4.2$$times$$10$$^{24}$$/m$$^{-2}$$であった。照射後の試験片について、寸法、重量測定、光学顕微鏡による外観観察を実施した。今後、炉外での酸化試験を行う計画である。
159
Irradiation test and post irradiation examination of the high burnup HTGR fuel
植田 祥平; 相原 純; Shaimerdenov, A.*; Dyussambayev, D.*; Gizatulin, S.*; Chakrov, P.*; 坂場 成昭
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.246 - 252, 2016/11
燃焼度100GWd/t付近で使用する高温ガス炉の新型TRISO燃料の照射性能を調べるため、カザフスタン共和国核物理研究所(INP)のWWR-K照射炉においてキャプセル照射試験が実施された。照射されたTRISO燃料試料は、原子力機構が新たに設計し、HTTR燃料製造技術に基づいて製造されたものである。燃焼度100GWd/tまでの照射により当初予想量を超える核分裂生成物ガスの放出は起こらなかったものと考えられる。加えて、照射済みTRISO燃料の健全性評価と将来のさらなる高燃焼度化に向けた温ガス炉燃料設計の高度化を目的とした照射後試験を計画している。
160
Conceptual design of iodine-sulfur process flowsheet with more than 50% thermal efficiency for hydrogen production
笠原 清司; 今井 良行; 鈴木 孝一*; 岩月 仁; 寺田 敦彦; Yan, X.
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.491 - 500, 2016/11
原子力機構が開発を行っている商用高温ガス炉GTHTR300C(Gas Turbine High Temperature Reactor Cogeneration)を熱源とした、熱化学水素製造IS(iodine-sulfur)プロセスのフロー計算による概念検討を行った。水素製造効率を向上させる以下の革新的技術を提案し、プロセスに組み込んだ:ブンゼン反応廃熱の硫酸濃縮への回収、硫酸濃縮塔頂からの硫酸溶液投入による硫酸留出の抑制、ヨウ化水素蒸留塔内でのヨウ素凝縮熱回収。熱物質収支計算により、GTHTR300Cからの170MWの熱によって31,900 Nm$$^{3}$$/hの水素製造が可能であることが示された。上に示す革新的技術と、将来の研究開発により期待される高性能機器の採用によって、50.2%の水素製造効率の達成が見込まれた。
161
Single spin asymmetries of forward neutron production in polarized $$p+p$$ and $$p$$+A collisions at $$sqrt{s_{NN}}$$ = 200 GeV
谷田 聖; PHENIX Collaboration*
Proceedings of Science (Internet), 5 Pages, 2016/11
In high-energy hadron collisions, most energy goes to the forward region. However, particle production mechanisms in the forward region are not well understood as perturbative QCD is not applicable at small momentum transfers. We study single spin asymmetries ($$A_N$$) of forward neutron production in the PHENIX experiment using a transversely polarized proton beam. In 2015, we took data for $$p$$ + A collisions for the first time with Au and Al beams at $$sqrt{s_{NN}}$$ = 200 GeV and observed a surprising A dependence. The results are presented together with discussions on possible mechanisms that could explain them.
162
Investigation of snow cover effects and attenuation correction of $$gamma$$ ray in aerial radiation monitoring
石崎 梓; 眞田 幸尚; 森 愛理; 伊村 光生; 石田 睦司; 宗像 雅広
Remote Sensing, 8(11), p.892_1 - 892_12, 2016/11
 被引用回数:2 パーセンタイル:39.68(Remote Sensing)
積雪がある場合に航空機モニタリングを実施する場合、積雪層による$$gamma$$線の減弱により、空間線量率が適切に換算できない。この問題を解決するため、積雪深情報を用いた補正方法を検討し、実際の測定結果に適用した。本研究では3種類の補正方法を検討し、補正効果を比較した。補正精度のさらなる向上にためには、積雪水量をより正確に推定する必要がある。
163
Modelling of marine radionuclide dispersion in IAEA MODARIA program; Lessons learnt from the Baltic Sea and Fukushima scenarios
Peri$'a$$~n$ez, R.*; Bezhenar, R.*; Brovchenko, I.*; Duffa, C.*; Iosjpe, M.*; Jung, K. T.*; 小林 卓也; Lamego, F.*; Maderich, V.*; Min, B. I.*; et al.
Science of the Total Environment, 569-570, p.594 - 602, 2016/11
 被引用回数:1 パーセンタイル:65.05(Environmental Sciences)
IAEAのMODARIAプログラムの枠組みの中で、海洋拡散モデルの詳細な相互比較を、チェルノブイリ原子力発電所事故に伴うバルティック海及び東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う福島沖海域における放射性物質の海洋汚染について、$$^{137}$$Csを対象として実施した。複数の海洋拡散モデルとしてBOXモデルや3次元力学モデル等の多様なモデルを用いた。バルティック海におけるモデル比較では極めて良好な一致を示したものの、福島沖海域における比較では各研究機関が所有する海況場を入力として計算した結果に大きな相違が確認されたが、海況場を統一することで良好な一致を得た。本研究結果から、複雑な海洋環境において政策決定支援システムとして運用するオペレーショナルモデルの構築には複数のモデルによるシミュレーション結果をアンサンブル平均するマルチモデルアンサンブル手法を採用することが妥当であることが示唆されたが、緊急時対応としてシステムを運用する際には計算負荷の大きいマルチモデルアンサンブル手法は非現実的であり、効果的な予測手法を継続して検討することが課題である。
164
Validation study in SAS4A code in simulated mild TOP condition
川田 賢一; 鈴木 徹
Transactions of the American Nuclear Society, 115(1), p.1597 - 1598, 2016/11
Model improvements and validation efforts for SAS4A code, which is the most advanced computer code for simulating the primary phase of the Core Disruptive Accident (CDA) of MOX-fueled Sodium-cooled Fast Reactors, have been performed utilizing the experimental data from the CABRI programs by JAEA, IRSN, CEA and KIT. In order to confirm validity of improved models of SAS4A, a systematic and comprehensive validation plan was defined. It was based on the PIRT (Phenomena Identification and Ranking Table) result for CDA of MOX-fueled fast reactors. This paper describes the preliminary result of validation study for SAS4A code in simulated Transient Over-Power (TOP) condition. The capability of the SAS4A code on the burst failure mode have been examined and validated under various TOP conditions for fuel pins with different irradiated conditions. This study enhanced the credibility of SAS4A code under a wider range of evaluation conditions than ever before.
165
New reactor cavity cooling system (RCCS) with passive safety features; A Comparative methodology between a real RCCS and a scaled-down heat-removal test facility
高松 邦吉; 松元 達也*; 守田 幸路*
Annals of Nuclear Energy, 96, p.137 - 147, 2016/10
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
東京電力の福島第一原子力発電所事故(以下、福島事故)後、深層防護の観点から炉心損傷の防止対策が重要になった。そこで、動的機器および非常用電源等を必要とせず、福島事故のようにヒートシンクを喪失することのない、受動的安全性を持つ原子炉圧力容器の冷却設備を提案する。本冷却設備は安定して冷却できるため、定格運転時の一部の放出熱、および炉停止後の一部の崩壊熱を、常に安定的に受動的に除去できる。特に事故時において、本冷却設備が持つ冷却能力の範囲まで崩壊熱が減少した際、それ以降は非常用電源等が必要なくなり、長期間(無限時間)に渡って受動的な除熱が可能となる。一方、本冷却設備の優れた除熱性能を示すために、等倍縮小した除熱試験装置を製作し、ふく射および自然対流に関する実験条件をグラスホフ数を用いて決定することもできた。
166
Automatic Prompt Gamma-ray Analysis system; Automation of an existing large-scale analytical device
大澤 崇人
Automation and Control Trends, p.149 - 166, 2016/10
JRR-3ガイドホールに設置されている即発$$gamma$$線分析装置(PGA)は2012年から2013年にかけて自動化された。これは原子力施設にある、大規模だが古い測定装置の自動化の良い例であり、本稿ではこの開発内容を解説する。
167
日本を背負う科学技術への期待; 原子力利用の課題解決と高度利用へ
大井川 宏之
エネルギーレビュー, 36(10), p.10 - 11, 2016/10
原子力機構は、原子力に係る諸問題の解決や、より高度な原子力利用の可能性開拓を目指し、福島第一原子力発電所事故への対処、原子力の安全性の向上、高速炉技術と核燃料サイクルの確立、原子力のバックエンド対策、基礎基盤研究と人材育成など、幅広い原子力の研究開発に取り組んでいる。今後、他の国立研究開発法人, 大学, 企業等との連携を強化しつつ、我が国全体としての成果の最大化を図り、日本発のイノベーション創出に貢献していきたい。
168
Effect of remediation parameters on in-air ambient dose equivalent rates when remediating open sites with radiocesium-contaminated soil
Malins, A.; 操上 広志; 北村 哲浩; 町田 昌彦
Health Physics, 111(4), p.357 - 366, 2016/10
 パーセンタイル:100(Environmental Sciences)
Calculations are reported for ambient dose equivalent rates [$$H^{*}$$(10)] at1 m height above the ground surface before and after remediating radiocesium-contaminated soil at wide and open sites. The results establish how the change in $$H^{*}$$(10) upon remediation depends on the initial depth distribution of radiocesium within the ground, on the size of the remediated area, and on the mass per unit area of remediated soil. The remediation strategies considered were topsoil removal (with and without recovering with a clean soil layer), interchanging a topsoil layer with a subsoil layer, and in situ mixing of the topsoil. The results show the ratio of the radiocesium components of $$H^{*}$$(10) post-remediation relative to their initial values (residual dose factors). It is possible to use the residual dose factors to gauge absolute changes in $$H^{*}$$(10) upon remediation. The dependency of the residual dose factors on the number of years elapsed after fallout deposition is analyzed when remediation parameters remain fixed and radiocesium undergoes typical downward migration within the soil column.
169
Local structure analysis of NaNbO$$_3$$ and AgNbO$$_{3}$$ modified by Li substitution
米田 安宏; 青柳 倫太郎*; Fu, D.*
Japanese Journal of Applied Physics, 55(10S), p.10TC04_1 - 10TC04_5, 2016/10
 被引用回数:1 パーセンタイル:100(Physics, Applied)
X線吸収微細構造(XAFS)と2体相関分布関数(PDF)を併用して、NaNbO$$_3$$及びLi置換したNa$$_{0.94}$$Li$$_{0.06}$$NbO$$_3$$の局所構造解析を行った。NaNbO$$_3$$は室温で反強誘電体として知られ、室温以下では反強誘電体の斜方晶と強誘電体の菱面体晶相が混在する温度領域が広く存在するため、相転移の全容は未だ明らかにはなっていない。我々は局所構造解析によって最低温相が菱面体晶構造であることを明らかにし、さらに秩序-無秩序型の相転移を仮定することでLi置換効果が理解できることがわかった。また、同様の現象がAgNbO$$_3$$においても観測されたため、これについても述べる。
170
Impacts of C-uptake by plants on the spatial distribution of $$^{14}$$C accumulated in vegetation around a nuclear facility; Application of a sophisticated land surface $$^{14}$$C model to the Rokkasho reprocessing plant, Japan
太田 雅和; 堅田 元喜; 永井 晴康; 寺田 宏明
Journal of Environmental Radioactivity, 162-163, p.189 - 204, 2016/10
 パーセンタイル:100(Environmental Sciences)
陸面$$^{14}$$Cモデル(SOLVEG-II)を用いて、植生の炭素取り込みが原子力施設周辺の植生への炭素14($$^{14}$$C)の蓄積に及ぼす影響を評価した。SOLVEG-II、気象モデルおよび大気拡散モデルを結合したモデル計算を、2007年の六ヶ所再処理工場(RRP)の試験運転中の$$^{14}$$CO$$_{2}$$移行に適用した。RRP周辺の水田における白米中$$^{14}$$C比放射能の計算値は観測値と一致した。RRPからの$$^{14}$$CO$$_{2}$$連続放出を仮定した数値実験の結果から、収穫時の稲の$$^{14}$$C比放射能と大気中$$^{14}$$C比放射能の年平均値が異なることが示され、これは大気中$$^{14}$$CO$$_{2}$$濃度の季節変動と稲の成長に起因したものであった。$$^{14}$$CO$$_{2}$$放出を日中に限定したところ、日中の光合成による高い$$^{14}$$CO$$_{2}$$取り込みの効果によって、夜間に放出を限定した場合に比べて稲の$$^{14}$$C蓄積が顕著に増加した。以上より、長期連続あるいは日内の短期$$^{14}$$CO$$_{2}$$放出時の$$^{14}$$Cの経口摂取による被ばく評価では、各々、植物の成長段階と光合成を考慮する必要があることがわかった。
171
Mineralogical characterization of radioactive particles from Fukushima soil using $$mu$$-XRD with synchrotron radiation
甕 聡子*; 向井 広樹*; 綿貫 徹; 大和田 謙二; 福田 竜生; 町田 晃彦; 倉又 千咲*; 菊池 亮佑*; 矢板 毅; 小暮 敏博*
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 111(5), p.305 - 312, 2016/10
 被引用回数:2 パーセンタイル:61.59(Mineralogy)
福島土壌粒子から放射能をもつ粒子を選び出し、50ミクロン程度の粒子一粒ごとに鉱物種の同定を放射光X線回折によって行った。板状の風化雲母の粒については様々な度合のバーミキュライト化されたものが見出された。ごく微粒子の塊である土壌粒子からは、長石や石英に加えてスメクタイト状の粘土鉱物が検出された。
172
Remaining lives of fatigue crack growths for pipes with subsurface flaws and subsurface-to-surface flaw proximity rules
勝又 源七郎*; Li, Y.; 長谷川 邦夫*; Lacroix, V.*
Journal of Pressure Vessel Technology, 138(5), p.051402_1 - 051402_5, 2016/10
 被引用回数:1 パーセンタイル:100(Engineering, Mechanical)
日本及び米国の維持規格では、機器の自由表面近傍にある内部欠陥を表面欠陥に置き換える接近性ルールがある。本論文では配管の内表面近傍に存在する内部欠陥を対象にして、従来の規格にある接近性ルールと、著者らが新たに提案した接近性ルールを用いて、疲労亀裂進展による疲労余寿命を求めた。その結果、欠陥の形状や寸法によっては現行規格に含まれている接近性ルールは非保守的となる場合があり、われわれが提案した接近性ルールが有効なものであることが分かった。
173
A Screening method for prevention of ratcheting strain derived from movement of temperature distribution
岡島 智史; 若井 隆純; 安藤 勝訓; 井上 康弘*; 渡邊 壮太*
Journal of Pressure Vessel Technology, 138(5), p.051204_1 - 051204_6, 2016/10
 パーセンタイル:100(Engineering, Mechanical)
In this paper, we simplify the existing method and propose a screening method to prevent thermal ratcheting strain in the design of practical components. The proposed method consists of two steps to prevent the continuous accumulation of ratcheting strain. The first step is to determine whether all points through the wall thickness are in the plastic state. The second step is to determine whether the accumulation of the plastic strain saturates. To validate the proposed method, we performed a set of elastoplastic finite element method (FEM) analyses, with the assumption of elastic perfectly plastic material. Not only did we investigate about the effect of the axial length of the area with full section yield state but also we investigated about effects of spatial distribution of temperature, existence of primary stress, and radius thickness ratio.
174
環境試料中ストロンチウム-90分析用自動化システムの性能試験
藤田 博喜; 野島 健大; 永岡 美佳; 大澤 崇人; 横山 裕也; 小野 洋伸*
KEK Proceedings 2016-8, p.168 - 172, 2016/10
平成25年1月から平成27年3月までの期間において、復興促進プログラム(マッチング促進)として、「環境試料中ストロンチウム-90($$^{90}$$Sr)分析用自動化システムの開発」に取り組んだ。灰試料(農畜産物及び海水産物)を対象としてストロンチウムを単離するまでの工程を自動化することはできたが、実際の試料中$$^{90}$$Sr濃度測定を行うことができていなかったため、本システムによる分析を実施し、作業者による分析・測定結果と比較することにした。また、システムを改良し、各分析工程における装置の性能を向上させることができたので、その内容についても報告する。
175
環境試料中有機結合型トリチウム(OBT)分析における迅速燃焼装置を用いた前処理法の検討
眞鍋 早知; 松原 菜摘; 三枝 純; 武石 稔
KEK Proceedings 2016-8, p.281 - 285, 2016/10
環境試料中の有機結合型トリチウム(以下、OBT)を分析するために必要な前処理法として石英管燃焼法と迅速燃焼装置を用いた手法がある。東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、海産物中のOBTを迅速に評価することが求められており、このためには前処理に要する時間の短縮や操作性の向上等が必要である。そこで、迅速燃焼装置を用いた前処理のうち、燃焼過程について試料の形状や供試量を変化させ、燃焼水の収量、回収率を整理・検討した。
176
環境モニタリングにおける東電原発事故影響の評価に向けた検討(海産生物)
永岡 美佳; 松原 菜摘; 藤田 博喜; 中野 政尚
KEK Proceedings 2016-8, p.134 - 138, 2016/10
再処理施設周辺の環境モニタリングは、陸上環境放射能監視と海洋環境放射能監視に分類され、線量率等の監視、試料の採取、分析・測定等を行い、四半期毎に「環境放射線管理報告書」として原子力規制委員会に報告をしている。これらのモニタリング結果は、旧原子力安全委員会の「環境放射線モニタリング指針」に従って、原子力施設の平常運転時でのモニタリング結果から「平常の変動幅」を決定して、施設からの放射性物質放出の影響の有無を評価してきた。しかしながら、東京電力福島第一原子力発電所事故以降、茨城県の放射能状況は大きく変化し、特に線量率やセシウム-134($$^{134}$$Cs)及びセシウム-137($$^{137}$$Cs)において、「平常の変動幅」を上回った測定結果が観測され、これまでの「平常の変動幅」を用いたモニタリング結果の評価が困難である。このため、新たに「事故後の変動幅」を設定し、施設からの異常の有無を環境モニタリング結果から評価できるようにすることが求められている。そこで、本研究では、海産生物(シラス, カレイ又はヒラメ, 貝類, 褐藻類)を対象とし、$$^{134}$$Cs及び$$^{137}$$Csにおける「事故後の変動幅」を検討した結果を発表する。
177
宅地における$$^{137}$$Cs分布特性
吉村 和也; 藤原 健壮; 斎藤 公明
KEK Proceedings 2016-8, p.67 - 71, 2016/10
平坦な浸透面の初期$$^{137}$$Cs沈着量に対する、宅地の各被覆要素における相対沈着量を求め、宅地における$$^{137}$$Cs分布状況を示すパラメータを得た。2015年1月時点の相対沈着量は平坦な浸透面で最も高く(0.92)、次いで地表舗装面(0.28)が高い値を示した。家屋外面を構成する屋根、壁、窓などの相対沈着量は0.1未満であり、事故後4年近く経過した建築物の汚染レベルは現時点で限定的であることが確認された。地上舗装面、及び屋根の相対沈着量は、チェルノブイリ原子力発電所事故後のヨーロッパのケースと異なる値を示した。そのため今後は、相対沈着量の変動要因を定量的に評価し、経時変化を把握することで地域固有のパラメータ化を行うことが正確な被ばく線量の予測評価に重要と考えられる。
178
「第5回ANNRI研究会」会議報告
中村 詔司; 藤 暢輔; 木村 敦; 片渕 竜也*
核データニュース(インターネット), (115), p.49 - 60, 2016/10
2016年8月4日、東京工業大学先導原子力研究所にて開催された「第5回ANNRI研究会」の会議内容について報告するものである。本研究会は、日本原子力研究開発機構(JAEA)原子力基礎工学研究センター、J-PARCセンター(JAEA & KEK)、東京工業大学先導原子力研究所、及び首都大学東京との共同主催にて開催された。本研究会では、ANNRIにより切り拓かれつつある研究を中心に、関連する分野の最前線の研究成果について講演頂き、専門分野を超えて議論すると共に今後の利用を推進する上での課題や必要な取組について討議された。また、今回はANNRI建設にご尽力頂いた東京工業大学井頭政之教授の特別講演も併せて開催された。
179
日本原子力学会「2016年秋の大会」核データ部会、炉物理部会、加速器・ビーム科学部会、及び「シグマ」特別専門委員会、企画・合同セッション「原子炉・加速器施設の廃止措置と放射化核データライブラリの現状」概要報告
中村 詔司
核データニュース(インターネット), (115), p.18 - 23, 2016/10
本件は、日本原子力学会2016年秋の大会(平成28年9月7日(水) 13:00$$sim$$14:30 (L会場))において、核データ部会、炉物理部会、加速器・ビーム科学部会、及び「シグマ」特別専門委員会の合同で開催された企画セッション「原子炉・加速器施設の廃止措置と放射化核データライブラリの現状」についての概要を報告するものである。セッションでは、廃止措置に向けた課題、九州大学で進めている実験施設の廃止措置の状況、廃止措置に伴う放射化量評価に資する核データライブラリの現状について等の発表があり、それらの発表内容をまとめている。
180
NEAデータバンク運営委員の再編成; 新たな運営委員会MBDAVの設置
須山 賢也
核データニュース(インターネット), (115), p.61 - 69, 2016/10
近年、経済協力開発機構原子力機関データバンクの運営組織の改革の議論が進められている。本稿はその背景と経緯について解説を行う。
181
Re-structuring of the scientific program of the NEA (No.41, p.37 (1992))
須山 賢也
核データニュース(インターネット), (115), p.70 - 79, 2016/10
1992年に当時の日本原子力研究所核データセンター長菊池康之氏が「NEA科学プログラムの再編成」という記事を核データニュース第41号に投稿した。本稿はその英訳版である。
182
環境モニタリングデータの詳細度制御
宮村 浩子; 武宮 博; Wu, H.-Y.*; 高橋 成雄*
可視化情報学会誌, 36(143), p.152 - 156, 2016/10
福島第一原子力発電所の事故を受け、空間線量率に関する継続的な調査が実施されている。調査によって得られたモニタリングデータは、データベースに蓄えられて、広く公開されている。近年、空間線量率を空間・時間方向に詳細に計測することが可能になり、計測によって得られるデータは大規模化している。大規模データを可視化し解析するためには、表示するデータの数を削減し簡略化する必要が生じる。しかし、不用意にデータを削減すると、分布に関する重要な情報を見逃してしまうおそれがある。そこで我々は重要な特徴を保持しつつデータ数を削減し、可視化対象を簡略化する詳細度制御法を考案した。本手法では、微分トポロジー特徴解析によって分布の局所的特徴と大局的特徴を同時に抽出する。そして抽出した特徴を考慮した稜線縮退操作によって簡略化モデルを生成する。
183
Cataractogenesis following high-LET radiation exposure
浜田 信行*; 佐藤 達彦
Mutation Research; Reviews in Mutation Research, 770(Part B), p.262 - 291, 2016/10
 被引用回数:7 パーセンタイル:34.34(Biotechnology & Applied Microbiology)
眼の水晶体は、人体の中で最も放射線感受性の高い組織の一つであり、白内障は、あるしきい値以下の線量では生じない組織応答と考えられている。放射線による白内障発生を防ぐため、国際放射線防護委員会(ICRP)は、2011年以降、水晶体の線量限度値として20mSv/年を奨励している。しかし、この奨励値は、低LET放射線に対する白内障発生の知見から決められたものであり、生物学的効果比が高いと考えられている高LET放射線被ばくによる白内障発生に対して適切かどうかは、十分な検討が行われていない。そこで、本レビューでは、高LET放射線被ばくによる白内障発生に関するICRPの防護指針の変遷や、その疫学・放射線生物学に関する知見を整理するとともに、将来必要な研究に関して議論する。
184
Spontaneous decays of magneto-elastic excitations in non-collinear antiferromagnet (Y,Lu)MnO$$_{3}$$
Oh, J.*; Le, M. D.*; Nahm, H.-H.*; Sim, H.*; Jeong, J.*; Perring, T. G.*; Woo, H.*; 中島 健次; 河村 聖子; Yamani, Z.*; et al.
Nature Communications, 7, p.13146_1 - 13146_6, 2016/10
 被引用回数:3 パーセンタイル:48.04(Multidisciplinary Sciences)
(Y,Lu)MnO$$_{3}$$において、磁気励起とフォノンが結合する磁気弾性励起を中性子散乱により観測し、その量子的振る舞いを調べた。
185
Investigation on the plasticity correction of stress intensity factor calculations for underclad cracks in reactor vessels
Lu, K.; 勝山 仁哉; Li, Y.
日本機械学会M&M2016材料力学カンファレンス講演論文集(インターネット), p.499 - 501, 2016/10
高経年化した原子炉圧力容器(RPV)の健全性評価では、加圧熱衝撃事象やRPV内表面近くに亀裂を想定し、それにより求められる応力拡大係数(K値)を用いた評価が行われている。クラッド下亀裂を想定する場合、RPVの内表面には肉盛溶接された相対的に降伏応力が低いステンレス鋼のクラッドがあるため、このクラッドの塑性の影響を考慮してK値を適切に算出する必要がある。われわれはこれまでに、国内3ループPWR型軽水炉のRPVにおけるクラッド下亀裂に対する三次元有限要素解析を行い、より合理的なK値を求めることができる塑性補正法を提案した。本報告では、これまでに提案したK値の塑性補正法について、中性子照射による影響を考慮した場合及び、2ループと4ループのようにPWR型軽水炉のRPVの形状が異なる場合の適用性について検討した結果をまとめる。
186
半円より奥に深い亀裂の応力拡大係数解の比較
永井 政貴*; Lu, K.; 釜谷 昌幸*
日本機械学会M&M2016材料力学カンファレンス講演論文集(インターネット), p.481 - 483, 2016/10
近年、原子力発電プラントのニッケル合金溶接部において、アスペクト比$$a/l$$=0.5 ($$a$$:亀裂深さ、$$l$$:亀裂長さ)を超える半円より奥に深い応力腐食割れ(SCC)亀裂が検出される事例が報告されている。このような亀裂を有する構造物の健全性を合理的に評価するため、半円より奥に深い亀裂の応力拡大係数解が複数提案されている。本発表では、半円より奥に深い亀裂の応力拡大係数解について、解の相互比較およびSCCによる亀裂進展のベンチマーク解析を行い、異なる解による解析結果を報告する。
187
海水塩析出物を伴う伝熱面の限界熱流束状態発生機構に関する研究
上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之
日本機械学会熱工学コンファレンス2016講演論文集(USB Flash Drive), 2 Pages, 2016/10
東京電力福島第一原子力発電所事故では、炉心冷却のため海水が注入されたことから、炉内状況を正確に把握するためには、海水塩析出物が沸騰熱伝達に与える影響の評価が求められる。本発表では、海水プール核沸騰実験を行い、海水塩析出物を伴う伝熱面の温度逸走開始後から伝熱面焼損に至るまでの伝熱特性に焦点を当て、海水塩析出が伝熱面焼損に与える影響について議論する。実験の結果、天然海水と同海水塩濃度の3.5wt%、それよりも高濃度の7wt%, 9wt%, 10wt%の人工海水において、伝熱面表面に海水塩である硫酸カルシウムが析出し成長することで、特定の熱流束より伝熱面温度が連続的に上昇し、最終的には伝熱面が焼損することを確認した。その伝熱面焼損に至る物理機構はこれまで確認されてきた、蒸留水の場合の様な核沸騰限界に起因するものではなく、析出物厚さの成長に伴う経時的熱伝導劣化による海水特有の機構であった。また、析出した硫酸カルシウム二水和物が熱伝導率の低い無水和物へ転移することが示唆され、その転移による熱伝導の劣化も伝熱面焼損に影響を与えていると考えらえる。このように海水沸騰では、蒸留水とは異なるメカニズムによって伝熱面焼損が起きると考えられ、蒸留水よりも低熱流束で伝熱面が焼損する要因であると推測される。
188
二重管内強制流動サブクール沸騰限界熱流束の予測
Liu, W.; Podowski, M. Z.*
日本機械学会熱工学コンファレンス2016講演論文集(USB Flash Drive), 2 Pages, 2016/10
強制流動サブクール沸騰は、加圧水型原子炉や核融合炉インバーターなどの高熱流束機器の冷却で表れる。これらの機器の出力は冷却限界、いわゆる限界熱流束(Critical Heat Flux、CHF)に制限される。強制流動サブクール沸騰に対する限界熱流束の予測に関して、基礎研究として円管を対象に多くの研究がなされてきたが、原子炉炉心のような複雑体系における予測技術は確立されていない。これまでに、炉心燃料集合体の簡略体である二重管を研究対象として、液相単相の速度分布計算に二重管用相関式を用いて、円管で検証されたCHF予測手法の妥当性を評価し、その適応性を確認した。しかし、炉心の燃料集合体等の複雑な流路に対して、相関式での対応には限界がある。そこで本研究では、二重管を対象として、汎用CFDコードとliquid sublayer dryoutモデルを組み合わせることで、複雑流路への適用性を向上させた強制流動サブクール沸騰限界熱流束予測手法を検討した。本手法により、二重管内のCHFを$$pm$$20%程度で予測できることを確認した。また、CHFの抗力係数、ボイド率、大気泡厚みに対する感度解析を実施し、抗力係数とボイド率の感度が高いことを確認した。
189
市販CPU等半導体素子を使用したロボットおよび無人建設重機の耐放射線性評価と放射線環境下での管理方法
川妻 伸二; 淺間 一*
日本ロボット学会誌, 34(8), p.552 - 557, 2016/10
2011年3月11日に発生した福島第一原子力発電所事故が発生するまで、市販CPU等半導体素子を使用したロボットおよび無人建設重機の耐放射線性評価や放射線環境下での管理方法について、ロボットや建設銃器の研究者、開発者またはユーザを対象としたガイドラインは無かった。大都市災害用に開発されたロボット「クインス」や土砂災害用の無人重機のようなロボットを投入するにあたり、それらの耐放射線性評価や放射線環境下での管理方法が必要となった。1980年代から1990年代にかけて原子力機構(JAEA)が構築した部品や材料の耐放射線性データベースをもとに、市販CPU等半導体素子を使用したロボットおよび無人建設重機の耐放射線性評価や放射線環境下での管理方法のガイドラインを作成した。
190
Diluted magnetic semiconductors with narrow band gaps
Gu, B.; 前川 禎通
Physical Review B, 94(15), p.155202_1 - 155202_8, 2016/10
 被引用回数:1 パーセンタイル:68.16(Physics, Condensed Matter)
The diluted magnetic semiconductors (DMSs) have received considerable attention owing to potential applications based on the use of both charge and spin degrees of freedom in electronic devices. Historically, (Ga,Mn)As has received the most attention in DMSs, and so far the highest Curie temperature in (Ga,Mn)As has been $$T_{c}$$ = 190 K in the experiment. The substitution of divalent Mn atoms into trivalent Ga sites introduces hole carriers; thus, (Ga,Mn)As is a $$p$$-type DMS. Here, we propose a method to realize DMSs with $$p$$- and $$n$$-type carriers by choosing host semiconductors with a narrow band gap. By employing a combination of the density function theory and quantum Monte Carlo simulation, we demonstrate such semiconductors using Mn-doped BaZn$$_{2}$$As$$_{2}$$, which has a band gap of 0.2 eV. In addition, we found a nontoxic DMS Mn-doped BaZn$$_{2}$$Sb$$_{2}$$, of which the Curie temperature $$T_{c}$$ is predicted to be higher than that of Mn-doped BaZn$$_{2}$$As$$_{2}$$, the $$T_{c}$$ of which was up to 230 K in a recent experiment.
191
Measurement of void fraction distribution in air-water two-phase flow in a 4$$times$$4 rod bundle
Liu, W.; Jiao, L.; 永武 拓; 柴田 光彦; 小松 正夫*; 高瀬 和之*; 吉田 啓之
Proceedings of 11th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-11) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/10
原子力機構では、福島事故時炉心露出過程を明らかにするため、また、事故時を対象とした炉心内二相流解析の予測精度の向上を目的として、ワイヤーメッシュセンサーを用い、高温高圧条件(2.8MPa, 232$$^{circ}$$C)下でのバンドル内ボイド率データの取得を行っている。試験装置は、9$$times$$9ワイヤーメッシュセンサーを4$$times$$4の模擬バンドル内に、軸方向2カ所に配置したものである。本研究では、製作したワイヤーメッシュセンサーの計測性能を確認するため、空気-水二相流を用いて大気圧室温条件で試験を実施した。製作したワイヤーメッシュセンサー及び計測システムが正しくボイド率を計測できることを確認すると共に、炉心スクラム後を想定した低流量条件でのバンドル内ボイド率分布及び気泡速度・長さに関する知見を得た。
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Outcome of first containment cooling experiments using CIGMA
柴本 泰照; 与能本 泰介; 石垣 将宏; 安部 諭
Proceedings of 11th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-11) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/10
The Japan Atomic Energy Agency (JAEA) initiated the ROSA-SA project in 2013 for the purpose of studying thermal hydraulics relevant to over-temperature containment damage, hydrogen risk, and fission product transport. For this purpose, the JAEA newly constructed the Containment InteGral Measurement Apparatus (CIGMA) in 2015 for the experiments addressing containment responses, separate effects, and accident managements. Recently, we successfully conducted first experiments using CIGMA to characterize the facility under typical experimental conditions. Among these experiments, the present paper focuses on the results of containment cooling tests, for which an upper part of the vessel outer surface was cooled by spray water. Several distinctive phenomena were observed in the tests, including inverse temperature stratification in the vessel due to the cooling in the upper region. The RELAP5 analysis result was also presented to roughly indicate the prediction capability of the best-estimate two-phase flow code in predicting the containment thermal hydraulics.
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PRA on mixed foreign substances into core of Japanese prototype FBR
西村 正弘; 深野 義隆; 栗坂 健一; 鳴戸 健一*
Proceedings of 13th Probabilistic Safety Assessment and Management Conference (PSAM-13) (USB Flash Drive), 12 Pages, 2016/10
FBRの燃料集合体は、稠密に配置され出力も高いことから、シビアアクシデントの起因事象の一つとして局所事故(LF)が考慮されている。もんじゅでは、設計基準事故(DBA)として1サブチャンネル完全閉塞が想定した評価が実施され、被覆管破損は限定された領域にとどまり、著しい炉心損傷にいたらないことが示されている。それに加えてひとつの設計基準事故を超える事象として、燃料集合体の中心66%が平板によって局所的に閉塞した事象の評価が実施されている。しかしながら、このような決定論的評価は現実的な想定に基づいていないことが実験の結果から明らかになってきている。それゆえ、この研究では最新知見を反映し、流路閉塞を起因とした局所事故のPRAを実施した。その結果、局所閉塞を起因とした局所事故による炉心損傷の伝播は、確率およびコンシケンスの両面から、ATWSやPLOHSのCDFに包含されうることが示された。
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Bayesian optimization analysis of containment venting operation in a BWR severe accident
Zheng, X.; 石川 淳; 杉山 智之; 丸山 結
Proceedings of 13th Probabilistic Safety Assessment and Management Conference (PSAM-13) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/10
Containment venting is one of essential measures to protect the integrity of the final barrier of a nuclear reactor, by which the uncontrollable release of fission products can be avoided. The authors seek to develop an optimization approach to the planning of containment-venting operations by using THALES2/KICHE. Factors that control the activation of the venting system, for example, containment pressure, amount of fission products within the containment and pH value in the suppression chamber water pool, will affect radiological consequences. The effectiveness of containment venting strategies needs to be confirmed through numerical simulations. The number of iterations, however, needs to be controlled for cumbersome computational burden of severe accident codes. Bayesian optimization is a computationally efficient global optimization approach to find desired solutions. With the use of Gaussian process regression, a surrogate model of the "black-box" code is constructed. According to the predictions through the surrogate model, the upcoming location of the most probable optimum can be revealed. The number of code queries is largely reduced for the optimum finding, compared with simpler methods such as pure random search. The research demonstrates the applicability of the Bayesian optimization approach to the design and establishment of containment-venting strategies under BWR severe accident conditions.
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Reliability enhancement of seismic risk assessment of NPP as risk management fundamentals; Quantifying epistemic uncertainty in fragility assessment using expert opinions and sensitivity analysis
崔 炳賢; 西田 明美; 糸井 達哉*; 高田 毅士*; 古屋 治*; 牟田 仁*; 村松 健
Proceedings of 13th Probabilistic Safety Assessment and Management Conference (PSAM-13) (USB Flash Drive), 8 Pages, 2016/10
本研究では、原子力施設のフラジリティ評価における認識論的不確定性評価に関する検討を行っている。検討のひとつとして、フラジリティ評価にかかわる重要因子の抽出と定量化のため、3次元有限要素モデルと質点系モデルを用いた原子炉建屋の地震応答解析結果の感度解析を実施し、主要因子に起因するばらつきを評価した。その結果を活用し、原子力施設のフラジリティ評価フローにおける認識論的不確定性レベルを段階的に区分し、将来のフラジリティ評価に活用可能な形で「専門知ツリー」を提案した。
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Estimation of rock mass stress state based on convergence measurement during gallery excavation
青柳 和平; 名合 牧人*; 亀村 勝美*; 菅原 健太郎*
Proceedings of 9th Asian Rock Mechanics Symposium (ARMS-9) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/10
Estimates of rock mass stress state and the mechanical characteristics of rock mass are important in the design of deep underground structures such as high-level radioactive waste disposal repositories. Stress measurements are conducted in boreholes to provide estimates of stress state. However, measurement results can vary highly as a result of rock mass heterogeneity, which causes difficulty in stress state evaluation. This study establishes a practical and effective method for estimating in situ stress based on the convergence measurement results obtained during gallery construction of the Horonobe Underground Research Laboratory (URL) project. The convergence was measured in various directions of the URL loop gallery to allow determination of the stress state over a large area. A back-analysis method was developed using the convergence measured during gallery excavation at 350 m depth. This method was applied to estimate the stress state corresponding to the rock mass behavior around the URL. The analysis results show good agreement with the in situ stress state reported in previous studies and confirm the applicability of the proposed method.
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XAFSとPDFを併用した強誘電体の局所構造解析
米田 安宏
セラミックス, 51(10), p.689 - 693, 2016/10
放射光偏向電磁石ビームラインを利用した局所構造解析として、XAFSとPDFを併用したBaTiO$$_3$$とNaNbO$$_3$$の研究例を紹介する。これらのサンプルは室温以下で正方晶構造から菱面体晶構造へと相転移を引き起こす。しかし局所構造解析では、強誘電相においてはいずれも菱面体晶構造に帰結する。BaTiO$$_3$$においてはPDFで得られたナノスケールの中距離レンジ構造を、NaNbO$$_3$$においてはXAFSとPDFを併用して得られた結果について概説する。
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High flux pinning efficiency by columnar defects dispersed in three directions in YBCO thin films
末吉 哲郎*; 西村 太宏*; 藤吉 孝則*; 光木 文秋*; 池上 知顯*; 石川 法人
Superconductor Science and Technology, 29(10), p.105006_1 - 105006_7, 2016/10
 パーセンタイル:100(Physics, Applied)
YBa$$_{2}$$Cu$$_{3}$$Oy(YBCO)薄膜において、イオン照射によって3方向に角度を分散させた柱状欠陥を導入することによって、超伝導磁束のピニング特性の変化を系統的に調べた。具体的には、輸送電流方向に対して垂直な面内に3方向を設定したA条件と、平行な面内に3方向を設定したB条件とで比較した。もともとのYBCOの臨界電流密度の異方性が、それぞれの柱状欠陥の導入条件によってどのように変化するかが焦点である。その結果、B条件の方が特に高い臨界電流密度を示すことが分かった。この結果は、柱状欠陥の磁束ピニング特性の向上効果は、それぞれの柱状欠陥の向上効果の単純な和ではないことを示した。また、その向上効果を最大化するためには、柱状欠陥の数だけでなくその方向の条件を工夫することによって達成可能だということを明らかにした。
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In situ X-ray diffraction study of the oxide formed on alloy 600 in borated and lithiated high-temperature water
渡邉 真史*; 米澤 利夫*; 菖蒲 敬久; 城 鮎美; 庄子 哲雄*
Corrosion, 72(9), p.1155 - 1169, 2016/09
 パーセンタイル:100(Materials Science, Multidisciplinary)
In situ X-ray diffraction (XRD) measurements of the oxide film formed on Alloy 600 in borated and lithiated high-temperature water were conducted to demonstrate a capability to investigate rapid changes in oxide films during transient water chemistry conditions. In the presence of dissolved hydrogen (DH) = 30 cm$$^{3}$$/kg [H$$_{2}$$O] and dissolved oxygen (DO) $$<$$ 0.06 ppm, only spinel oxides were detected and no significant NiO peak was found even after 1,220 h exposure. By contrast, once the DO was increased to 8 ppm, a NiO peak grew rapidly. Within 7 h, the amount of NiO became comparable to that of spinel oxide. However, when DO was decreased again below 0.3 ppm and DH was increased up to 30 cm$$^{3}$$/kg [H$$_{2}$$O], the ratio of NiO to spinel did not change during 10 h. Thus, the rate of dissolution of NiO in DH = 30 cm$$^{3}$$/kg water seemed to be lower than the growth rate of NiO in high DO conditions.
200
Redistribution and export of contaminated sediment within eastern Fukushima Prefecture due to typhoon flooding
北村 哲浩; 操上 広志; 佐久間 一幸; Malins, A.; 奥村 雅彦; 町田 昌彦; 森 康二*; 多田 和広*; 田原 康博*; 小林 嵩丸*; et al.
Earth Surface Processes and Landforms, 41(12), p.1708 - 1726, 2016/09
 被引用回数:1 パーセンタイル:60.4(Geography, Physical)
福島第一原子力発電所の事故に起因して福島の地表に降下した放射性物質の将来分布予測に関連し、まず土砂の移行を物理型集水域解析モデルGETFLOWSを用いて詳細解析した。対象領域は汚染度合いを考慮し浜通り側の5流域、小高川, 請戸川, 前田川, 熊川, 富岡川とした。これらの流域の水・土砂輸送プロセスを、地表水流動、地下水流動、地表水・地下水相互作用、浸食(堆積)によって生じる浮遊砂移動現象として解析した。特に河川に流入した砂量、河川底に堆積した砂量、海へ流出した砂量などを試算した。