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1
Pair distribution function analysis of nanostructural deformation of calcium silicate hydrate under compressive stress
Bae, S.*; Jee, H.*; 兼松 学*; 城 鮎美*; 町田 晃彦*; 綿貫 徹*; 菖蒲 敬久; 鈴木 裕士
Journal of the American Ceramic Society, 101(1), p.408 - 418, 2018/01
ケイ酸カルシウム水和物(CSH)に関する原子レベルの構造や変形機構には不明な点が多い。本研究では、X線散乱法に基づく原子対相関関数(PDF)により、ケイ酸三カルシウム(C$$_{3}$$S)ペースト中に存在するCSH相のナノ構造変形挙動を評価した。単軸圧縮負荷を受けるC$$_{3}$$Sペーストの変形を、ひずみゲージ,ブラッグピークシフト, PDFから求められるマクロからミクロな変形より評価した。PDF解析により、0-20${AA}$の範囲ではCSH相の影響が支配的であること、その一方で、20${AA}$を超える範囲では、他の結晶相の影響が支配的であることが明らかとなった。CSHの変形に支配的である20${AA}$以下の範囲では、塑性変形を示すステージI(0-10MPa)と、弾性変形を示すステージIIの2つの変形過程に分けられることが分かった。その一方で、20${AA}$以上の範囲では、水酸化カルシウムに似た変形を示した。10MPa以下では、層間水やゲル水の移動に伴い、CSHの高密度化を生じたと考えられるが、除荷後には、その移動した水がCSH中に戻ることにより、変形が回復している可能性がある。
2
Development of an altitude-keeping system for underwater robots using laser beams
武村 史朗*; 田場 凌*; 平山 慶太*; Tansuriyavong, S.*; 川端 邦明; 相良 慎一*; 小笠原 敬*
Artificial Life and Robotics, 22(4), p.405 - 411, 2017/12
本論文では、サンゴ礁生態系調査のためのダイバーによるマンタ法を手本に、水中ロボットによってこれを実現する際に必要不可欠な、水中での水深を一定に維持制御するためのシステムについての研究開発を報告したものである。開発システムは、レーザースポット光を海底に照射し、画像処理によりそれを検出することで水深を推定し、制御に反映させるものである。開発したプロトタイプによる実験結果について述べた。
3
Application of topographical source model for air dose rates conversions in aerial radiation monitoring
石崎 梓; 眞田 幸尚; 石田 睦司; 宗像 雅広
Journal of Environmental Radioactivity, 180, p.82 - 89, 2017/12
福島第一原子力発電所事故後、空間線量率や放射性物質の沈着量の把握のため航空機モニタリングが実施されてきた。航空機モニタリングではヘリコプターに搭載された検出器を用いて地表面からの$$gamma$$線を計測し、空間線量率や放射性物質の沈着量に換算しているが、現行の換算手法では地表面を平坦と仮定している。そのため、地形の起伏が比較的大きな場所では変換誤差が生じる。本研究では地形の起伏を考慮した地形補正モデルを用いて実際の航空機モニタリング測定データを解析するとともに、従来法による結果と比較を行う。
4
A Power spectrum approach to tally convergence in Monte Carlo criticality calculation
植木 太郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(12), p.1310 - 1320, 2017/12
モンテカルロ法臨界計算での実効増倍率・燃料集合体出力等の信頼区間算出においては、中心極限定理に基づくタリー標準化関数の分布収束の判定が根本的に重要である。この課題に対処するため、タリー標準化関数のパワースペクトル評価手法を開発したことを報告する。具体的には、タリー標準化関数のブラウン橋への分布収束により、タリー標準化関数のパワースペクトルが周波数の逆2乗則分布に収束することを導出し、パワースペクトルの対数分布の勾配の算出を通して分布収束を診断できることを示した。また、分布収束の不十分さを、非整数ブラウン運動モデルにより評価できることも示した。本開発手法の妥当性を、加圧水型軽水炉の局所出力および燃料・コンクリート系デブリモデルを例として、検証した。
5
Broad linewidth of antiferromagnetic spin wave due to electron correlation
森 道康
Journal of the Physical Society of Japan, 86(12), p.124705_1 - 124705_7, 2017/12
We study magnetic excitations in a bilayer of antiferromagnetic (AF) insulator and correlated metal, in which the double occupancy is forbidden. Effective action of AF spinwave in the AF insulator is derived by using the path integral formula within the second order of an inter-plane coupling. The electrons correlation in the metallic plane is treated by the Gutzwiller approximation, which renormalizes the hopping integrals as proportional to hole density. Remarkable is that the AF magnons are broaden at low energies, only when the metallic planes includes correlation effect. The present results will be useful also to another bilayer of metal and ferrimagnet.
6
Benchmarking of economic evaluation models for an advanced loop-type sodium cooled fast reactor
向井田 恭子; 加藤 篤志; 塩谷 洋樹; 早船 浩樹; 小野 清
Nuclear Engineering and Design, 324, p.35 - 44, 2017/12
高速増殖炉サイクル実用化研究開発プロジェクトにおいては、革新的ループ型ナトリウム冷却高速炉システム(SFR)の総合評価のため、経済性解析モデル(JAEAモデル)が開発された。JAEAモデルは、マスフローを模擬することで各施設における処理量とその組成を算出することが可能で、処理量に応じた経済性を評価する機能を持つ。本報では、JAEAモデルと国際的に認められたコードとの経済性評価手法の違いを明らかにし、その計算機能を検証するため、JAEAモデルとG4-ECONSを用いてSFRの発電原価を評価した。結果、JAEAモデルは大きく割引率に影響を受けることを明らかにした。現在価値を考慮しない場合、二つの手法の結果は大よそ同様であったが、稼働率の感度はG4-ECONSの方がJAEAモデルよりも比較的に高い結果となった。
7
RELAP5 uncertainty evaluation using ROSA/LSTF test data on PWR 17% cold leg intermediate-break LOCA with single-failure ECCS
竹田 武司; 大津 巌
Annals of Nuclear Energy, 109, p.9 - 21, 2017/11
An experiment was conducted for the OECD/NEA ROSA-2 Project using LSTF, which simulated a cold leg intermediate-break loss-of-coolant accident with 17% break in a PWR. Assumptions were made such as single-failure of high-pressure and low-pressure injection systems. In the LSTF test, core dryout took place because of rapid drop in the core liquid level. Liquid was accumulated in upper plenum, SG U-tube upflow-side and inlet plena because of counter-current flow limiting (CCFL). The post-test analysis by RELAP5/MOD3.3 code revealed that peak cladding temperature (PCT) was overpredicted because of underprediction of the core liquid level due to inadequate prediction of accumulator flow rate. We found the combination of multiple uncertain parameters including the Wallis CCFL correlation at the upper core plate, core decay power, and steam convective heat transfer coefficient in the core within the defined uncertain ranges largely affected the PCT.
8
Benchmark experiment on copper with graphite by using DT neutrons at JAEA/FNS
権 セロム*; 太田 雅之*; 佐藤 聡*; 今野 力; 落合 謙太郎*
Fusion Engineering and Design, 124, p.1161 - 1164, 2017/11
磁場閉じ込め式核融合炉システムの超伝導コイルやIFMIF加速器中性子源でよく使われる銅の核データベンチマーク実験を原子力機構の核融合DT中性子源FNSで実施したが、閾反応以外の結果で計算値が実験値を大きく過小評価しており、共鳴領域で銅核データの弾性散乱、捕獲反応断面積に問題がある可能性を指摘した。そこでグラファイト付銅実験体系を提案し、低エネルギー成分を増やした入射中性子場を設けて新ベンチマーク実験を実施した。放射化箔を用いて反応率を測定し、この実験解析をMCNPコード、最新の核データライブラリーを用いて行った。しかし、未だに低エネルギー中性子に感度を有する反応の反応率は計算値が実験値を大幅に過小評価した。銅核データの詳細検討より、前回試験的に作成した修正核データを用いることでこの過小評価の解消できることを明らかにした。この結果で低エネルギー中性子成分が多い中性子場でもこの断面積の修正の妥当性を確認できた。
9
女川原子力発電所の事例に学ぶ
芳中 一行
技術士, 29(11), p.12 - 15, 2017/11
東日本大震災の際、シビアアクシデントを免れた女川原子力発電所の取組みの事例から学ぶことを目的として、同発電所の見学会及び意見交換を実施した。安全に対する取組みの姿勢を含む組織の文化、経営哲学、技術継承等、さまざまな視点からの意見交換を通じて、シビアアクシデントを免れた背景の一端にあるものを感じとることができた。技術士として、安全文化醸成に通じる彼らの経験を埋もれさせることなく、経験知として整理し社会に発信していくことが重要である。
10
大型加速器を用いた核破砕中性子源
羽賀 勝洋
波紋, 27(4), p.155 - 158, 2017/11
高出力加速器を用いたパルス核破砕中性子源は、物質科学や生命科学の分野において最先端の研究を行うために適した高強度で幅の狭い良質な中性子を供給できる有用な装置である。このシステムでは、高出力加速器で作り出すkWからMWオーダーの陽子ビームを重金属の標的に入射し、標的原子核との核破砕反応により大量の中性子を生成し、この中性子を減速材や反射体で熱・冷中性子に減速し、先端的な中性子実験装置群に供給する。本稿では主にJ-PARCのパルス核破砕中性子源を例に、中性子ビームを生成するしくみと中性子源の構造の概要、水銀標的等の標的の工学的設計手法、パルス陽子ビームの入射により水銀中で発生する最大40MPaにも達する圧力波による標的容器の損傷を低減する方法などの技術課題について、水銀標的システムを例に取りながら解説する。
11
Inter atomic force constants of $$beta$$-PbF$$_{2}$$ from diffuse neutron scattering measurement
Xianglian*; Bao, W.*; Guo, T.*; Li, P.*; 佐久間 隆*; 井川 直樹
International Journal of Innovation in Science and Mathematics, 5(6), p.165 - 167, 2017/11
633Kにて$$beta$$-PbF$$_{2}$$の中性子散漫散乱実験を実施した結果、振動性のある散漫強度が観察された。この振動性散漫散乱は原子の熱振動に起因する相関効果によって説明することができ、この相関効果とDebye-Waller熱因子から計算して得られた、第1、第2最近接原子間の力定数は各々、0.36eV/$AA $^{2}$$ (距離; ${it r}$ = 2.599 $AA )$、0.21eV/$AA $^{2}$$ (${it r}$=3.001 $AA )$と求められた。
12
Distribution of $$^{137}$$Cs on components in urban area four years after the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident
吉村 和也; 斎藤 公明; 藤原 健壮
Journal of Environmental Radioactivity, 178-179, p.48 - 54, 2017/11
This study evaluated relative $$^{137}$$Cs inventory on urban surfaces to the initial inventory on plane permeable field in evacuation zone about four years after the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident. The average relative inventory of paved ground was 0.18, accounting for 20% of that on plane permeable ground. Other urban surfaces showed small average values less than 0.1, indicating rapid removal of radiocesium from urban surfaces. Roads, roofs and rooftops, however, showed large variations in the relative inventories, which occasionally exceeded 0.4. Difference in material was indicated to be a factor of the variation observed for roofs/rooftops. Different relative inventories were found for roads and roofs between this study and the case in Europe, suggesting the importance to evaluate regionally-specific relative inventory on urban surfaces.
13
Role of soil-to-leaf tritium transfer in controlling leaf tritium dynamics; Comparison of experimental garden and tritium-transfer model results
太田 雅和; Kwamena, N.-O. A.*; Mihok, S.*; Korolevych, V.*
Journal of Environmental Radioactivity, 178-179, p.212 - 231, 2017/11
環境中トリチウム移行モデルは有機結合型トリチウム(OBT)が組織自由水中トリチウム(TFWT)から直接形成されると仮定している。一方、植生中OBT/TFWT比は一定でないことが観測されている。本研究では2つのトリチウム移行モデル(CTEM-CLASS-TT及びSOLVEG-II)の計算値及びトリチウム放出施設近傍での野外実験の観測値の比較を行った。野外実験では3つの異なる灌漑(灌漑なし、低トリチウム水による灌漑及び高トリチウム水による灌漑)が施され、得られたトリチウム移行の差異は土壌から葉へのトリチウム輸送が葉内OBT/TFWT比に及ぼす影響に関する知見を与えるものであった。灌漑なし及び低トリチウム水による灌漑では、葉のTFWT及びOBT濃度の計算値は施設起因のトリチウムプルームの通過に対応した経時変化を示した。高トリチウム水による灌漑下では、土壌中の高濃度トリチウムの影響により、葉のTFWT濃度が高く維持され、OBT濃度はこのTFWT濃度と平衡となり、プルームの通過に関係なく高い値が保たれた。以上より、土壌中トリチウム濃度が高い状況では、土壌から葉へのトリチウム輸送の効果により、大気中トリチウム濃度に関係なく葉のOBT/TFWT比が決まることが明らかとなった。このことはトリチウムの経口摂取による被ばくを正確に評価するためには、トリチウム移行モデルは土壌から葉へのトリチウム輸送を厳密に考慮する必要があることを示している。
14
Experimental characterization of concrete removal by high-power quasicontinuous wave fiber laser irradiation
Nguyen, P. L.; 大道 博行; 山田 知典; 西村 昭彦; 長谷川 登*; 河内 哲哉*
Journal of Laser Applications, 29(4), p.041501_1 - 041501_11, 2017/11
トンネルなどのインフラの保守保全作業は、技術者の目視確認、手作業(触診・打音・叩き落とし)で行われている。これらの作業は、非常に時間がかかり、大きな危険が伴うため、従来技術に変わる効率的で安全な保守保全技術の確立が求められている。本研究では、叩き落としに変わる技術として、高出力QCWファイバーレーザーを用いたコンクリート穿孔、切断除去技術の開発を行っており、その結果について報告する。
15
Development of determination method of $$^{93}$$Mo content in metal waste generated at the Japan Power Demonstration Reactor
島田 亜佐子; 大森 弘幸*; 亀尾 裕
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 314(2), p.1361 - 1365, 2017/11
コンクリート等に含まれる$$^{93}$$Moの分析法を改良し、金属廃棄物に含まれる$$^{93}$$Moの分析法を開発した。試料に添加するアスコルビン酸の量や洗浄液、繰り返し回数などを最適化し、0.5gのステンレスや炭素鋼からMoを分離可能な手法を確立した。測定試料としては分離した溶液をTa板に直接滴下し、乾固することで薄膜線源を調製した。開発した手法を用いて動力試験炉(JPDR)で発生した金属廃棄物に含まれる$$^{93}$$Moを分析し、目標を下回る検出下限値が得られることを確認した。
16
Measurement and estimation of the $$^{99}$$Mo production yield by $$^{100}$$Mo($$n,2n$$)$$^{99}$$Mo
湊 太志; 塚田 和明*; 佐藤 望*; 渡辺 智*; 佐伯 秀也*; 川端 方子*; 橋本 慎太郎; 永井 泰樹*
Journal of the Physical Society of Japan, 86(11), p.114803_1 - 114803_6, 2017/11
核診断に使われる$$^{99m}$$Tcの親核である$$^{99}$$Moの生成量の測定と計算を行った。$$^{99}$$Moは$$^{100}$$Mo($$n$$,$$2n$$)$$^{99}$$Mo反応によって作られ、中性子源はC($$d$$,$$n$$)反応を用いた。中性子のエネルギー範囲は熱領域から約40MeVまでである。測定された$$^{99}$$Moの生成量は、最新のC($$d$$,$$n$$)反応の実験データおよびJENDL評価済み断面積を用いて予測された数値計算結果と一致していることが分かった。次に、経済的に適した$$^{99}$$Moの生成法を模索するため、$$^{99}$$Mo生成の条件を変えた新しい系統的な数値計算を実施した。考慮した条件は、$$^{100}$$MoO$$_{3}$$サンプルの質量、炭素標的とサンプル間の距離、重陽子ビームの半径、照射時間である。得られた$$^{99}$$Moの生成量より、一つの加速器で$$^{99}$$Moの日本の需要量の約30%を担うことができることが分かった。また、1日2回$$^{99}$$Moから$$^{99m}$$Tcを溶出することで、$$^{99}$$Moの需要量の約50%まで引き上げることが可能であることが分かった。
17
放射性廃棄物のガラスによる固化
天本 一平
Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan, 24(391), p.393 - 401, 2017/11
ガラスは非晶質であるため、組成を変化させることが容易であり、さまざまな特性を制御できる。例えばソーダ石灰ガラスに酸化ホウ素を添加したホウケイ酸塩ガラスは、耐熱性や強度の面で優れており、幅広い用途がある。原子力の分野においても、放射性廃棄物を不動化して長期安定化を図るため、ホウケイ酸塩ガラスが放射性廃棄物の固化媒体として用いられている。高レベル放射性廃棄物を充填したガラスをガラス固化体と呼んでいる。本稿は、放射性廃棄物の分類や処理方法、製造したガラス固化体の特性やその後の処分方法について述べており、さらにホウケイ酸塩ガラス以外の固化媒体についても紹介している。
18
Research and development on pyrochemical treatment of spent nitride fuels for MA transmutation in JAEA
林 博和; 佐藤 匠; 柴田 裕樹; 津幡 靖宏
NEA/NSC/R(2017)3, p.427 - 432, 2017/11
原子力機構におけるMA核変換用窒化物燃料の乾式処理技術の研究開発の進捗について、窒化物燃料の乾式処理主要工程の装置開発の状況を中心に紹介する。装置開発については、溶融塩電解における燃料溶解速度の向上を目指した陽極、及びCd電極に回収した金属元素の再窒化試験を100グラムCd規模で実施する装置の開発について報告する。
19
Effects of $$gamma$$ irradiation on the adsorption characteristics of xerogel microcapsules
大西 貴士; 田中 康介; 小山 真一; Ou, L. Y.*; 三村 均*
NEA/NSC/R(2017)3, p.463 - 469, 2017/11
資源の有効利用、廃棄物低減のために、無機イオン交換体(タングストリン酸アンモニウム(AMP)またはフェロシアン化銅(KCuFC))をアルギネートゲルで内包するマイクロカプセル(AWP-ALGまたはKCuFC-ALG)、および、アルギネートゲルそのもの(ALG)を用いた核種分離システムの開発を実施している。ALG, AWP-ALGおよびKCuFC-ALGは、それぞれ、Zr, CsおよびPdを選択的に吸着することが明らかになっている。しかしながら、$$gamma$$線照射に伴う吸着特性の変化については、十分に調べられていない。そこで、$$^{60}$$Co線源によって$$gamma$$線を3898kGyまで照射した後、各種マイクロカプセルの吸着特性を評価した。その結果、AWP-ALGまたはKCuFC-ALGは、内包する無機イオン交換体によってCsまたはPdを吸着するため、$$gamma$$線照射を通して吸着特性に変化は見られなかった。一方、ALGは$$gamma$$線照射に伴って放射線分解が進行し、Zrに対する吸着特性が低下した。
20
Hillocks created for amorphizable and non-amorphizable ceramics irradiated with swift heavy ions; TEM study
石川 法人; 田口 富嗣*; 大久保 成彰
Nanotechnology, 28(44), p.445708_1 - 445708_11, 2017/11
 被引用回数:1
近年、照射材料工学研究グループは、高速重イオン照射したセラミックスの表面ナノ構造(ヒロック)を透過型電子顕微鏡で直接観察できる手法を初めて開発した。この手法を用いた観察の結果、非晶質化する材料であるY$$_{3}$$Fe$$_{5}$$O$$_{12}$$(YIG)ではヒロックも非晶質化していること、一方、非晶質化しないCaF$$_{2}$$等のフッ化物ではヒロックも非晶質化せず結晶性を有していることを発見した。さらに、YIGではヒロックの直径とイオントラック損傷の直径が同じであるのに対して、フッ化物ではヒロックの直径がイオントラック損傷の直径より常に大きいことを見出した。非晶質化する/しないという材料特性が、照射で形成されるナノ構造の寸法に影響を与えるという結果は、イオンの飛跡に沿って局所的に融解した後の再結晶化プロセスの有無が最終的な損傷形態を決定しているというシナリオで全て説明できる。
21
長寿命核種の分離変換技術の現状,4; 加速器駆動システムを用いた核変換システムと分離変換技術の成熟度
辻本 和文; 荒井 康夫; 湊 和生
日本原子力学会誌, 59(11), p.644 - 648, 2017/11
本稿は、日本原子力学会「放射性廃棄物の分離変換」研究専門委員会において、国内外における分離変換技術や関連する技術の研究開発状況について調査・分析してきた結果を基に、長寿命核種の分離変換技術の現状について、4回に分けて紹介するものである。第4回にあたる本稿では、加速器と未臨界炉を組み合わせた加速器駆動システム(ADS)と核変換用窒化物燃料を用いた核変換システムについて解説するとともに、分離変換技術の開発がどの段階まで進んでいるのかを解説する。ADSについては、ADSによるMA核変換システムの特徴について述べるとともに、日本原子力研究開発機構(JAEA)で概念検討を進めている液体鉛ビスマス冷却システムを解説した。また、JAEAで実施中の主な研究開発項目を述べるとともに、現在計画中の新たな実験施設を紹介した。窒化物燃料については、MA核変換システム用燃料としての特徴、製造技術と使用中の燃料ふるまい評価における課題を解説するとともに、JAEAで実施中の主な研究開発項目を紹介した。最後に、新技術の着想から実用化までをいくつかの段階に分けて技術開発の進展を体系的に示す指標である技術成熟度(TRL)を用いて、わが国における分離変換技術の成熟度を評価した結果を示した。
22
福島の環境回復に向けた取り組み,7; 福島沿岸域における放射性セシウムの動きと存在量
乙坂 重嘉; 小林 卓也; 町田 昌彦
日本原子力学会誌, 59(11), p.659 - 663, 2017/11
福島の環境回復に関してまとめた連載記事の一つである。福島第一原子力発電所事故によって環境に放出された放射性セシウムの約7割は海洋に運ばれたと見積もられている。政府等によるモニタリング調査に加えて、国内外の多くの機関の調査研究によって、放射性セシウムの海洋における分布や動態が浮き彫りとなってきた。時間的・空間的に連続した観測データを得ることが困難な海洋においては、数値シミュレーションが積極的に活用され、事故後に新たに得られた知見を踏まえ、さらなる改良が進められている。本論文では、福島の沿岸域におけるセシウムの動きと存在量について俯瞰し、環境回復の現状の科学的な理解を深めるとともに、今後取り組むべき課題について解説している。
23
原子力分野のリーダー育成をめざして
河野 裕子
日本原子力学会誌, 59(11), P. 671, 2017/11
IAEAは、将来原子力を計画・運営・管理するリーダーとなる人材の育成を目的としたマネジメントスクールを2010年より開催している。2014年から運営は日本主催となったことから、Japan-IAEAと冠することになり、平成29年度は7月18日から8月3日までの約3週間、東京(東京大学弥生アネックス、工学部3号館)及び福島県、茨城県において開催。講義や施設見学を通して原子力を学び、3週間の生活におけるコミュニケーションを通して、参加者同士の国際的な人的ネットワークを構築する機会を得た。
24
第16回学術大会(大分); 一般演題-E2 放射線計測-2
三上 智
日本放射線安全管理学会誌, 16(2), P. 41, 2017/11
筆者が座長を務めた口頭発表セッションの概要をまとめた。
25
Establishment of a Laboratory for $$gamma$$-ray Spectrometry of Environmental Samples Collected in Fukushima
三枝 純; 依田 朋之; 前田 智史; 岡崎 勤; 大谷 周一; 山口 敏夫; 栗田 義幸; 波澄 篤; 米澤 仲四郎*; 武石 稔
Proceedings of 14th International Congress of the International Radiation Protection Association (IRPA-14), Vol.3 (Internet), p.1078 - 1085, 2017/11
2011年3月の福島第一原子力発電所の事故後、原子力機構は新たに放射能分析施設を福島に立ち上げた。分析施設では高分解能$$gamma$$線スペクトロメトリに基づき、土壌や水、ダストフィルタ、植物といった環境試料の放射能分析を月当たり約1,000件のペースで行っている。2012年9月の施設立上げ以来、分析結果の信頼性や、分析依頼者及び機器オペレータの利便性向上を目指した技術開発を実施し、制度的・技術的な課題を継続的に改善することで、ISO/IEC 17025規格に適合する試験所としての認定を得た。
26
Application of a communication-avoiding generalized minimal residual method to a gyrokinetic five dimensional Eulerian code on many core platforms
井戸村 泰宏; 伊奈 拓也*; 真弓 明恵; 山田 進; 松本 和也*; 朝比 祐一*; 今村 俊幸*
Proceedings of 8th Workshop on Latest Advances in Scalable Algorithms for Large-Scale Systems (ScalA 2017), p.7_1 - 7_8, 2017/11
ジャイロ運動論的5次元オイラーコードGT5Dに省通信一般化最小残差(CA-GMRES)法を適用し、一般化共役残差(GCR)法を用いたオリジナルコードとの性能比較をJAEA ICEX(Haswell)、Plasma Simulator(FX100)、Oakforest-PACS(KNL)において実施した。CA-GMRES法はGCR法に比べて約3.8倍の演算密度となることから、メモリとネットワークの帯域が制限された将来のエクサスケールアーキテクチャに適合する。性能評価の結果、GCR法に比べて計算カーネルは1.47$$sim$$2.39倍加速され、1,280ノード処理におけるデータ縮約通信は全体コストの5$$sim$$13%から約1%に削減された。
27
An Application of the probabilistic fracture mechanics code PASCAL-SP to risk informed in-service inspection for piping
真野 晃宏; 山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.
Proceedings of Asian Symposium on Risk Asessment and Management 2017 (ASRAM 2017) (USB Flash Drive), 12 Pages, 2017/11
米国等では原子力発電所の配管系を対象として、リスク情報を活用した供用期間中検査(RI-ISI)が広く実施されている。Westinghouse Owners Groupが開発したRI-ISI手法では、配管系をセグメントに区分し、非破壊試験を考慮した配管セグメントの漏えい頻度に基づいて、試験程度を決定する。配管セグメントの漏えい頻度の評価には、試験における亀裂の検出確率を亀裂寸法によらず一定値とみなす等の仮定に基づく統計モデルが用いられている。一方で、確率論的破壊力学(PFM)解析では、現実に即した亀裂検出確率評価モデルにより、詳細に漏えい頻度を評価可能である。原子力機構では、経年事象や非破壊試験等を考慮して配管セグメントの漏えい頻度を評価可能なPFM解析コードPASCAL-SPを開発している。本研究では、PASCAL-SPを用いて、試験チームの熟練度、試験時期及び補修範囲の考え方について異なる条件の下でセグメントの漏えい頻度及び試験程度を評価した。その結果、試験程度を現実に即して柔軟に評価できることから、PASCAL-SPはRI-ISIにおける有効なツールであると結論付けた。
28
An Estimation method of flaw distributions reflecting inspection results through Bayesian update
Lu, K.; 宮本 裕平*; 真野 晃宏; 勝山 仁哉; Li, Y.
Proceedings of Asian Symposium on Risk Asessment and Management 2017 (ASRAM 2017) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2017/11
近年、原子炉圧力容器(RPV)のような安全上重要機器に対する構造健全性評価において、確率論的破壊力学(PFM)に基づく手法が各国で用いられている。PFM解析では、対象となる機器の想定される欠陥を考慮して、その破損確率や破損頻度を評価する。そのため、PFMに基づきRPVの健全性評価を行う場合、欠陥分布(欠陥深さ及び密度分布)を重要な影響因子として合理的に設定する必要がある。最近、べイズ更新に基づき検査結果を欠陥分布に反映する手法が示され、検査で亀裂が見つかった場合に適用できる尤度関数が提案された。一方、RPVに対する検査の結果として欠陥指示がない可能性があるが、その場合のべイズ更新に必要な尤度関数が提案されていない。そこで、本研究では、検査により欠陥指示があった場合となかった場合の両方に適用できる尤度関数を提案した。また、提案した尤度関数を用いて、べイズ更新により検査結果を反映した欠陥分布を更新した例を示した。以上より、本研究で提案した尤度関数が、欠陥指示がない場合にも適用できることを明らかにした。
29
A Refined analysis on the power reactivity loss measurement in Monju
谷中 裕; 竹越 淳; 岸本 安史*; 毛利 哲也; 宇佐美 晋
Progress in Nuclear Energy, 101(Part C), p.329 - 337, 2017/11
ナトリウム冷却高速炉における出力欠損反応度は燃焼欠損反応度と並び、炉心のPu富化度と制御棒本数を決める重要な設計パラメータとなっている。そのため、1994年から1995年にかけて実施された「もんじゅ」性能試験においても、これら特性値の測定が実施され、解析されてきた。直近の「もんじゅ」性能試験における出力係数測定試験に関する解析例としては、高野の論文がある。高野論文では考慮されていない最新の知見として、炉内温度分布の考慮、結晶拘束効果の考慮、対数平均温度の考慮、炉内膨張詳細化効果、最新の核データライブラリ(JENDL-4.0)の使用、測定値補正の精緻化がある。本研究では、これらの項目を全て考慮して、モデルの詳細化に伴う解析結果への影響を定量的に明らかにした。また、その結果、解析は実験を4.6%過大評価することがわかった。このバイアスについて、各種誤差要因以外の要因として炉心心湾曲効果を考慮した評価を行った結果、測定値と1.1%の差で一致した。これにより、出力上昇に伴う炉心湾曲効果が出力欠損反応度のような解析においては重要な要因である可能性が示唆された。
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マイクロドジメトリの観点から見た線量の不均一性
佐藤 達彦
Radioisotopes, 66(11), p.507 - 512, 2017/11
マクロな視点で見れば均一に見える放射線場でも、DNAや細胞核などミクロな視点で見ればその線量は大きくばらついている。このミクロな線量の不均一性が照射効果に与える影響を定量化するためには、その確率密度分布を評価する必要がある。本稿では、マイクロドジメトリの観点から線量不均一性の概念について解説するとともに、近年、我々が開発したミクロ線量の確率密度分布計算手法やその応用例について紹介する。
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Magnetic Bragg dip and Bragg edge in neutron transmission spectra of typical spin superstructures
間宮 広明*; 大場 洋次郎; 寺田 典樹*; 渡邉 騎通*; 廣井 孝介; 篠原 武尚; 及川 健一
Scientific Reports (Internet), 7, p.15516_1 - 15516_8, 2017/11
結晶構造による中性子回折に由来する中性子透過率の減少であるブラッグディップとブラッグエッジが近年注目を集めているが、スピン配列による磁気回折に由来する磁気ブラッグディップと磁気ブラッグエッジを観測した報告はこれまでなかった。磁気ブラッグディップと磁気ブラッグエッジの観測ができると、スピン配列の解析に従来用いられてきた中性子回折法に比べ、試料環境機器の配置の自由度が格段に向上し、様々な極限環境での実験ができるようになると期待される。そこで本研究では、スピン超格子による磁気ブラッグディップと磁気ブラッグエッジの観測を目的として、典型的なスピン超格子を持つ反強磁性体であるニッケル酸化物の中性子透過率スペクトル測定を行った。その結果、単結晶では磁気ブラッグディップ、多結晶では磁気ブラッグエッジを世界で初めて観測することに成功した。
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焼もどしマルテンサイト鋼の水素昇温脱離プロファイルの二種類のトラップサイトを仮定した数値シミュレーション
土田 豊*; 海老原 健一
鉄と鋼, 103(11), p.653 - 659, 2017/11
低温昇温脱離解析によって得られた焼戻しマルテンサイト鋼の非常に薄い平板試料の水素熱脱離曲線に見られる単一ピークを2つのガウス分布の重ねあわせにより適切に再現した。さらに、ChooとLeeの方法を用い、それぞれのガウス分布から同定したピーク温度から、それぞれのピークに対応する水素トラップサイトのデトラップ速度定数に関するパラメータを算出した。水素拡散を無視した熱解離律則条件に基づくKissingerモデルに算出されたパラメータを組み入れ、水素熱脱離を計算したところ、それぞれのガウス分布のピーク形状を再現できることが分かった。また、同様に、算出されたパラメータを熱脱離解析に関する反応拡散方程式に組み入れ、またトラップサイト濃度を適切に設定して計算したところ、実験熱脱離曲線を再現することができた。これらの結果から、ガウス分布の当てはめで得たパラメータが妥当であることが確認され、また、2つのガウス分布に対応するトラップサイトが転位と粒界であると推定できる。
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Inductively coupled plasma-mass spectrometry
江坂 文孝
Analytical Sciences, 33(10), p.1097 - 1098, 2017/10
誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)法は環境科学、地質学、臨床分野などで幅広く用いられている。本報告では、ICP-MS法を用いて行われている最新の文献を紹介するとともに、今後の展開について述べる。
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台風201326号出水に伴う新田川起源懸濁態放射性核種の沿岸域でのインベントリ解析
内山 雄介*; 東 晃平*; 小谷 瑳千花*; 岩崎 理樹*; 津旨 大輔*; 上平 雄基; 清水 康行*; 恩田 裕一*
土木学会論文集,B2(海岸工学)(インターネット), 73(2), p.I_685 - I_690, 2017/10
福島新田川流域には原子力発電所事故直後に大量の放射性セシウム137($$^{137}$$Cs)が大気経由で沈着し、高濃度の懸濁態$$^{137}$$Csとして河道に集積したのち、出水毎に間欠的に海域へ供給され、沿岸域の底質環境に影響を与え続けている。本研究では、4段ネストJCOPE2-ROMS海洋モデル、波浪推算モデルSWAN、河川土砂流出モデルiRIC-Nays2DH、混合粒径土砂3次元海洋輸送モデル、放射性核種吸着モデルを連成させた超高解像度広域での土砂およびそれらに吸着した懸濁態$$^{137}$$Csの海洋移流分散モデリングを行い、台風201326号出水イベントに伴う新田川起源土砂の河口・沿岸域における輸送、再懸濁、堆積、浸食過程の時空間特性を評価した。その結果、台風通過直後に新田川から海域へ流入した懸濁態$$^{137}$$Csの総量の約45.3%は河口1km圏内に堆積していた。さらに、浅海域における沿岸漂砂の輸送には南方向への偏りがみられた。以上の結果は現地調査結果とも整合的であった。
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琉球諸島周辺海域における生態系ネットワーク形成に対する黒潮の影響について
小谷 瑳千花*; 内山 雄介*; 鹿島 基彦*; 上平 雄基; 御手洗 哲司*
土木学会論文集,B2(海岸工学)(インターネット), 73(2), p.I_1315 - I_1320, 2017/10
本研究では、琉球諸島周辺を対象とした3次元流動再解析値を用いてサンゴの卵と浮遊幼生を想定したLagrange粒子追跡計算を行い、漂流ブイ観測との比較を行った。また、琉球諸島におけるコネクティビティを定量化するともに、特に黒潮の影響を受けて長距離移動する粒子の分散過程に着目した解析を実施した。シミュレーション結果は漂流ブイ観測結果を良好に再現していた。また、石西礁湖北部から放出される粒子は黒潮にトラップされやすく、北東方向へ長距離移動するのに対し、石西礁湖南部では東向き流速の影響を受けると黒潮にトラップされにくくなり、南から東方向へ輸送されることがわかった。黒潮によって北東方向へ輸送された粒子は、黒潮と沖縄本島間に発生するメソスケール渦に伴う黒潮反流によって黒潮を離脱し、沖縄本島へ接近することが示唆された。
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楢葉町; 楢葉遠隔技術開発センターの取り組み
荒川 了紀
エネルギーレビュー, 37(10), p.17 - 18, 2017/10
楢葉遠隔技術開発センターは、2013年に福島県楢葉町に設立された。本稿では、設備、研究開発、施設利用について紹介する。
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1/2インチ配管内の検査補修用レーザー加工ヘッドの開発
小松 和三*; 関 健史*; 長縄 明大*; 岡 潔*; 西村 昭彦
保全学, 16(3), p.89 - 95, 2017/10
原子炉伝熱管内壁検査補修技術として1インチ内径の伝熱管の内壁を検査補修できるレーザー加工ヘッドの検査改良を行った。次世代高速炉では1/2インチ内径の伝熱管が使用されることから、これに対応したレーザー加工ヘッドを設計した。光ファイバスコープを中心に据え、中心軸上に据え付けた45度のミラーを直動方向と回転方向の2方向に移動させる定在波型アクチュエーターを組み込んだ。試作機は良好に動作し、1/2インチ内径の伝熱管の内壁を観察補修できる性能を有することが試験により明らかとなった。
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Sources of $$^{137}$$Cs fluvial export from a forest catchment evaluated by stable carbon and nitrogen isotopic characterization of organic matter
武藤 琴美; 安藤 麻里子; 小嵐 淳; 竹内 絵里奈; 西村 周作; 都築 克紀; 松永 武*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 314(1), p.403 - 411, 2017/10
 被引用回数:1
福島第一原子力発電所事故により森林に沈着した放射性Csが河川を通して流出することで、下流の市街地や農地への汚染が長期間続くことが懸念されている。本研究では、森林から河川への放射性Cs流出挙動を評価するために、落葉広葉樹林を集水域とする小河川に放射性Csの連続捕集装置を設置し、事故の半年後から4年間調査を行った。河川中の放射性Csを懸濁態と溶存態に分けて採取し、懸濁態は粒径ごとに分画した。また、河川中の懸濁物と土壌について、炭素及び窒素の量と同位体比を分析し比較した。その結果、放射性Csの主要な流出形態は粒径75$$mu$$m以下の懸濁態であり、分解の進んだリターと鉱物土壌を起源としていることが明らかになった。また、リター分解を起源とする溶存態Csの流出量も無視できないことが分かった。リターから土壌への放射性Csの移行が進んでいることから、今後、溶存態による河川流出は数年で減少する一方、懸濁態による河川流出は長期間継続することが示唆された。
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中性子回折法による鉄筋コンクリートの付着応力度分布の非破壊測定
鈴木 裕士; 楠 浩一*; 兼松 学*; 向井 智久*
コンクリート構造物の補修、補強、アップグレード論文報告集, 17, p.179 - 184, 2017/10
中性子回折法は材料深部の残留応力を非破壊・非接触で測定できる手法の一つとして知られている。われわれは、世界で初めて、鉄筋コンクリートの付着挙動の評価に中性子回折法を応用し、コンクリート内部に埋設された鉄筋の付着応力度分布の非破壊・非接触測定に成功するとともに、コンクリートのひび割れや鉄筋腐食に伴う応力分布の変化を捉えることにも成功した。このように、中性子回折法は鉄筋コンクリートの付着挙動の評価に有効なひずみ測定技術であり、今後、鉄筋コンクリートの構造力学研究や構造材料研究に広く応用されると期待される。本論文では、これまでに得られた成果を総括する。
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AWJによる燃料集合体溶融模擬材の切断実証および評価
丸山 信一郎*; 綿谷 聡*
三井住友建設技術研究開発報告, (15), p.107 - 112, 2017/10
福島第一原子力発電所(以下、1Fと称す)の廃止措置において、安全で確実な燃料デブリの取出しを行うためには、燃料デブリの形態や特性を推定することが不可欠となる。その推定のため、事故時の燃料集合体の溶融移行挙動調査が行われている。調査にあたり、燃料集合体溶融模擬材の切断が必要となり、切断にはジルコニウム合金とステンレスの溶融混合材料やセラミックの切断実績のあるアブレイシブウォータージェット(以下、AWJと称す)工法を適用することとした。結果、燃料集合体溶融模擬材を切断でき、切断可能な条件のデータを取得できた。今後、そのデータは、燃料デブリの取出しの検討に役立てることができる。
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A Quasi-classical trajectory calculation for the cesium exchange reaction of $$^{133}$$CsI (v = 0, j = 0) + $$^{135}$$Cs $$rightarrow$$ $$^{133}$$Cs + I$$^{135}$$Cs
小林 孝徳*; 松岡 雷士*; 横山 啓一
日本エネルギー学会誌, 96(10), p.441 - 444, 2017/10
セシウム交換反応$$^{133}$$CsI (v=0, j=0) + $$^{135}$$Cs $$rightarrow$$ $$^{133}$$Cs + I$$^{135}$$Csの反応断面積を調べるため、ab initio分子軌道法計算により作成したポテンシャルエネルギー面を用いた準古典的トラジェクトリー計算を行った。ポテンシャルエネルギー面から反応中間体Cs$$_{2}$$Iの生成に入口障壁がないこと、2つのCsI結合が等価であることが明らかになった。トラジェクトリー計算により反応断面積は衝突エネルギーの増加と共に単調増加することが分かった。CsI分子の初期内部状態がv=0, j=0の場合の反応速度定数は500-1200Kの温度範囲で3$$times$$10$$^{-10}$$cm$$^{3}$$ molecule$$^{-1}$$s$$^{-1}$$程度と見積もられ、わずかながら負の温度依存性が見られた。
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原爆線量DS02の改訂版(DS02R1線量)
古田 琢哉
日本保健物理学会ホームページ(インターネット), 2 Pages, 2017/10
現在の国際的な放射線防護基準は、広島・長崎の原爆被爆者の長期にわたる健康調査とDS02推定方式による被爆者個人別の線量推定値を基に策定されている。DS02は被爆時の所在地や周囲の遮蔽条件等の被爆者個人別の詳細データを入力として線量値を推定するため、入力値の精度が線量推定値の精度、そして放射線リスクの評価の精度に直結する。本解説記事では、DS02線量推定方式の核となるシステム本体はそのままに、被爆者個人別の詳細データの改善とその影響について調べた論文(DS02R1)を紹介する。
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Quantum twin spectra in nanocrystalline silicon
松本 貴裕*; 大原 高志; 杉本 秀彦*; Bennington, S. M.*; 池田 進*
Physical Review Materials (Internet), 1(5), p.051601_1 - 051601_6, 2017/10
We identified twin split scattering spectra in hydrogen-terminated nanocrystalline silicon by using inelastic neutron scattering spectroscopy. A standard theoretical analysis based on the localized wave function of hydrogen in not sufficient to explain this duality. We show that this duality originates from the cooperative motion of hydrogen and silicon.
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Benchmarking of flux-driven full-F gyrokinetic simulations
朝比 祐一*; Grandgirard, V.*; 井戸村 泰宏; Garbet, X.*; Latu, G.*; Sarazin, Y.*; Dif-Pradalier, G.*; Donnel, P.*; Ehrlacher, C.*
Physics of Plasmas, 24(10), p.102515_1 - 102515_17, 2017/10
トカマクプラズマにおける熱流駆動型のイオン温度勾配乱流を計算するために2つの大域的full-Fジャイロ運動論コードのベンチマークを行う。この目的のために、full-Fジャイロ運動論方程式を現実的な熱流束固定条件で計算するセミ・ラグランジアンコードGYSELA、および、オイラーコードGT5Dを採用する。時空間特性に注目して雪崩的な輸送現象を評価した。自己組織化臨界現象(SOC)的な振舞いを議論するために統計解析を実施し、両方のコードで高周波側で$$1/f$$スペクトルから$$1/f^3$$スペクトルへの遷移を確認した。このベンチマークに基づき、SOC的な振舞いは数値計算法に依存しないロバーストな特徴であることを検証した。
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Global kinetic simulations of neoclassical toroidal viscosity in low-collisional perturbed tokamak plasmas
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
Physics of Plasmas, 24(10), p.102522_1 - 102522_9, 2017/10
軸対称磁場閉じ込め装置であるトカマク型プラズマにおいて、誤差磁場等に起因する3次元的な非軸対称成分を持つ摂動磁場の効果が閉じ込め性能向上や不安定性制御の観点から注目されている。近年、3次元摂動磁場が駆動する衝突性粘性について、従来より広く用いられてきたバウンス平均理論モデルと大域的運動論シミュレーションの両者で得られた結果が一致しないことが指摘され、その物理機構の解明が課題となっていた。本研究では、二つの異なるモデルに基づいた大域的運動論シミュレーションを用いて詳細な解析を行い、上記の差異が生じる物理機構について検討した。その結果、理論モデルと大域的シミュレーションの不一致が、(1)粒子軌道の効果によって粒子軌道の共鳴構造が失われ、粒子が実効的に感じる摂動磁場強度が弱まること、(2)粒子軌道に沿った位相混合により速度空間構造内に微細構造が生成され輸送量の減衰が起きること、の二つが原因であることを明らかにした。
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Report on OPIC Laser Solutions for Space and the Earth (LSSE 2017)
戎崎 俊一*; 和田 智之*; 斎藤 徳人*; 藤井 隆*; 西村 昭彦
レーザー研究, 45(10), p.664 - 665, 2017/10
OPIC-LSSE2017においての活動報告を取りまとめた。宇宙と地球の諸問題に関してレーザー技術を応用して解決をはかる会議である。取り上げたトピックスは、ファイバスコープの原子力及び医療応用、宇宙デブリのレーザー除去、社会インフラにおけるコンクリート構造物の劣化検査、福島原子力発電所の燃料デブリに対するレーザー分光分析、高圧線碍子に付着する塩分のLIBS遠隔計測、原子力機構の敦賀拠点及び楢葉拠点での人材育成活動など広範囲にわたる。
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Neutron resonance analysis for nuclear safeguards and security applications
Paradela, C.*; Heyse, J.*; Kopecky, S.*; Schillebeeckx, P.*; 原田 秀郎; 北谷 文人; 小泉 光生; 土屋 晴文
EPJ Web of Conferences (Internet), 146, p.09002_1 - 09002_4, 2017/09
Neutron-induced reactions can be used to study the properties of nuclear materials in the field of nuclear safeguards and security. The elemental and isotopic composition of these materials can be determined by using the presence of resonance structures in the reaction cross sections as fingerprints. This idea is the basis of two non-destructive analytical techniques which have been developed at the GELINA neutron time-of-flight facility of the JRC-IRMM: Neutron Resonance Capture Analysis (NRCA) and Neutron Resonance Transmission Analysis (NRTA). A full quantitative validation of the NRTA technique was obtained by determining the areal densities of enriched reference samples used for safeguards applications with an accuracy better than 1%. Moreover, a combination of NRTA and NRCA has been proposed for the characterisation of particle-like debris of melted fuel formed in severe nuclear accidents. In order to deal with the problems due to the diversity in shape and size of these samples and the presence of strong absorbing matrix materials, new capabilities have been implemented in the resonance shape analysis code REFIT. They have been validated by performing a blind test in which the elemental abundance of a combined sample composed of unknown quantities of materials such as cobalt, tungsten, rhodium or gold was determined with accuracies better than 2%.
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Recent improvements of particle and heavy ion transport code system: PHITS
佐藤 達彦; 仁井田 浩二*; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; 松田 規宏; 奥村 啓介; et al.
EPJ Web of Conferences (Internet), 153, p.06008_1 - 06008_6, 2017/09
粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、原子力機構を中心とする日本やヨーロッパの研究所が共同で開発しているモンテカルロ放射線輸送計算コードである。PHITSには、様々な物理モデルやデータライブラリが含まれており、ほぼ全ての放射線の挙動を1TeVまで解析可能である。現在、国内外2500名以上のユーザーが、加速器設計、放射線遮へい、放射線防護、医学物理、地球惑星科学など様々な分野で利用している。本発表では、PHITS2.52からPHITS2.82までの間に導入した新しい物理モデルや計算機能などを紹介する。
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A New evaluation of the neutron data standards
Carlson, A. D.*; Pronyaev, V.*; Hale, G. M.*; Zhenpeng, C.*; Capote, R.*; Duran, I.*; Hambsch, F.-J.*; 河野 俊彦*; 国枝 賢; 他13名*
EPJ Web of Conferences (Internet), 146, p.02025_1 - 02025_4, 2017/09
近年測定された新しい断面積測定値を反映させることにより、IAEA標準核データである$$^1$$H(n,n), $$^6$$Li(n,t), $$^{10}$$B(n,$$alphagamma$$), $$^{10}$$B(n,$$alpha$$), C(n,n), $$^{197}$$Au(n,$$gamma$$), $$^{235}$$U(n,f)及び$$^{238}$$U(n,f)反応断面積の更新を行った。また、Au(n,$$gamma$$)反応断面積については、従来の標準核データに格納されていたデータを低エネルギー側へ拡張した。さらに、$$^{209}$$Biや$$^{238}$$U等に対する高エネルギー核分裂断面積、熱中性子反応による$$^{235}$$Uの核分裂中性子スペクトルや$$^{252}$$Cf自発核分裂中性子スペクトル等のデータを標準断面積に準じる参考値として整備した。
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Evaluation of effective dose coefficient with variation of absorption fraction in gastrointestinal system for ingestion of radiocesium
Pratama, M. A.; 高原 省五; 波戸 真治*
保健物理, 52(3), p.200 - 209, 2017/09
本研究の目的は、胃腸管吸収率($$f_{1}$$ 値)の変動が預託実効線量換算係数にもたらす変化を特定することに加えて、年齢別に異なる$$f_{1}$$ 値に対する年齢別の預託実効線量換算係数を提供することである。この目的を達成するため、本研究では、$$f_{1}$$ 値を0から1の範囲で変化させて、1歳, 5歳および成人に対する預託実効線量換算係数を計算した。計算にはオークリッジ国立研究所の開発したDCALコードを利用した。この結果、吸収率が低くなると、他の年齢に比べて成人の換算係数が大きく減少することが分かった。これは、放射性セシウムが胃腸管で吸収された場合、その生物学的半減期は成人の方が長いため、1歳および5歳と比べて体内での被ばくが大きくなるためである。
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Electronic structure of ThRu$$_2$$Si$$_2$$ studied by angle-resolved photoelectron spectroscopy; Elucidating the contribution of U 5$$f$$ states in URu$$_{2}$$Si$$_{2}$$
藤森 伸一; 小畠 雅明; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 藤森 淳; 山上 浩志; 松本 裕司*; 山本 悦嗣; 立岩 尚之; et al.
Physical Review B, 96(12), p.125117_1 - 125117_9, 2017/09
 パーセンタイル:100(Physics, Condensed Matter)
The Fermi surface and band structure of $$mathrm{ThRu}_2mathrm{Si}_2$$ have been studied by angle resolved photoelectron spectroscopy (ARPES) with the incident photon energies of $$hnu$$ = 665-735 eV. Detailed band structure and the three-dimensional shape of the Fermi surface were derived experimentally, and they are quantitatively explained by the band-structure calculation based on the density functional approximation. Comparison of the experimental ARPES spectra of $$mathrm{ThRu}_2mathrm{Si}_2$$ with those of $$mathrm{URu}_2mathrm{Si}_2$$ shows that they have considerably different spectral profiles particularly in the energy range of $$E_mathrm{B} = E_mathrm{F}$$ - 1 eV. Some energy bands with their energy dispersions of about 1 eV observed in $$mathrm{URu}_2mathrm{Si}_2$$ are missing in the ARPES spectra of $$mathrm{ThRu}_2mathrm{Si}_2$$ measured along the same high symmetry line of Brillouin zone, suggesting that U 5$$f$$ states form these bands in $$mathrm{URu}_2mathrm{Si}_2$$. The relationship between the ARPES spectra of $$mathrm{URu}_2mathrm{Si}_2$$ and $$mathrm{ThRu}_2mathrm{Si}_2$$ is very different from the case between $$mathrm{CeRu}_2mathrm{Si}_2$$ and $$mathrm{LaRu}_2mathrm{Si}_2$$ where their intrinsic difference is limited only in the very vicinity of the Fermi energy. The present result argues that the U 5$$f$$ electrons in $$mathrm{URu}_2mathrm{Si}_2$$ have strong hybridization with ligand states, and essentially have an itinerant character.
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Observation of momentum-dependent charge excitations in hole-doped cuprates using resonant inelastic X-ray scattering at the oxygen $$K$$ edge
石井 賢司*; 遠山 貴巳*; 浅野 駿*; 佐藤 研太朗*; 藤田 全基*; 脇本 秀一; 筒井 健二*; 曽田 繁利*; 宮脇 淳*; 丹羽 秀治*; et al.
Physical Review B, 96(11), p.115148_1 - 115148_8, 2017/09
We investigate electronic excitations in La$$_{2-x}$$(Br,Sr)$$_x$$CuO$$_4$$ using resonant inelastic X-ray scattering (RIXS) at the oxygen $$K$$ edge. We observed momentum-dependent spectral weight below 1 eV, which is consistent with theoretical calculation of the dynamical charge structure factor on oxygen orbitals in a three-band Hubbard model. Our results confirm that the momentum-dependent charge excitations exist on the order of the transfer energy ($$t$$), and the broad spectral line shape indicates damped and incoherent character of the charge excitations at the energy range in the doped Mott insulators.
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Experiments on gas entrainment phenomena due to free surface vortex induced by flow passing beside stagnation region
江連 俊樹; 伊藤 啓; 田中 正暁; 大島 宏之; 亀山 祐理*
Proceedings of 17th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-17) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2017/09
ナトリウム冷却高速炉設計の重要課題である液面からのカバーガス巻込みについて、よどみ部と周辺流れの間に発生する自由表面渦ガス巻込みに関する実験研究を行った。水平および吸込み流速を数条件変化させ、自由液面の可視化と粒子画像流速計測適用することで自由液面部くぼみ形状と渦廻りの流速分布をそれぞれ同時に計測した。実験で得られた液面形状および速度分布より、ガス巻込み渦に関する循環、鉛直報告速度勾配およびくぼみ形状それぞれの時間発達の関係をガス巻込み評価手法整備用の基礎実験データとして定量把握した。さらに、渦モデルに基づくガス巻込み評価の有効性を確認した。
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Analytical study of the applicability of FeCrAl-ODS cladding for BWR
高野 渉*; 草ヶ谷 和幸*; 後藤 大輔*; 坂本 寛*; 山下 真一郎
Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/09
事故耐性燃料の一つである酸化物分散強化したFeCrAl鋼(FeCrAl-ODS)に着目した。FeCrAl-ODSは、BWRに適用できる見通しはあるものの、相対的に高い中性子吸収が補償されなければならない。我々は、中性子経済性に対するインパクトを減らすための薄肉FeCrAl-ODS被覆管を設計し、薄肉FeCrAl-ODS被覆管で構成される9$$times$$9型先進沸騰水型軽水炉(ABWR)バンドルを装荷した時の、炉心の特性を評価した。ウォーターロッドやチャンネルボックスにも薄肉FeCrAl-ODSを適用した。解析の結果、FeCrAl-ODS炉心反応度は、UO$$_{2}$$燃料を上限の5wt%までウラン濃縮度を増加させることで十分な値が得られることを確認した。さらに、幾つかの代表的なFeCrAl-ODSの炉心特性をジルカロイ炉心の時と比較し、通常時及び過渡時の薄肉FeCrAl-ODS被覆管の熱機械的挙動は許容できる範囲にあることも確認した。これらの結果から、本研究の解析条件の範囲においては、FeCrAl-ODSがBWRに適用できると結論される。
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Improving the corrosion resistance of silicon carbide for fuel in BWR environments by using a metal coating
石橋 良*; 田邊 重忠*; 近藤 貴夫*; 山下 真一郎; 永瀬 文久
Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/09
沸騰水型原子炉環境における炭化ケイ素(SiC)の耐食性を改善するため、SiCの耐食性に及ぼすコーティングの効果を評価した。SiCは、ジルカロイに比べて水素発生速度や反応熱が低いため、事故耐性燃料の有力な候補材料として期待されている。しかしながら、SiC燃料被覆管やチャンネルボックスを実際に適用するには、いまだに多くの解決すべき課題が残されており、その一つが高温水中での腐食である。SiCは化学的には安定であるが、酸化によって形成されるSiO$$_{2}$$が高温水に溶出する。SiCの溶解速度は非常に低いが、炉水に溶出したSiO2濃度は規制基準値以下に抑制されなければならない。本研究では、非照射条件での高純度水中における腐食試験前後を比較し、SiCの腐食挙動に及ぼす候補コーティング技術の効果を評価した。
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Welding technology R&D of Japanese accident tolerant fuel claddings of FeCrAl-ODS steel for BWRS
木村 晃彦*; 湯澤 翔*; 坂本 寛*; 平井 睦*; 草ヶ谷 和幸*; 山下 真一郎
Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/09
接合による微細組織変化に焦点を当てた議論では、ODS鋼のPRW接合に及ぼすAl添加の効果がポイントとされている。FeCrAl-ODS鋼製の被覆管に対してSUS430製の端栓を接合する方法として、電子ビーム(EB)接合やタングステン不活性ガス(TIG)接合等を含む通常の接合方法も実施し、端栓を接合したODS鋼管材サンプルを室温で引張試験した。EB接合したFeCrAl-ODS/SUS430サンプルは、ODS鋼管の胴体部で破壊した。このことから、接合部はODS鋼管の胴体部よりも強度が高いことが示された。一方、TIG接合したFeCrAl-ODS/SUS430サンプルでは接合部で破壊した。接合部に対するX線CTスキャン解析を実施し、事故耐性燃料用ODS鋼被覆管に対する前述した幾つかの接合方法の実用性を評価するために、接合強度とX線CT解析結果の相関関係付けを実施した。
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The Applicability of SiC-SiC fuel cladding to conventional PWR power plant
古本 健一郎*; 渡部 清一*; 山本 晃久*; 手島 英行*; 山下 真一郎; 齋藤 裕明; 白数 訓子
Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/09
2015年以降、三菱原子燃料(MNF)は、日本原子力研究開発機構(JAEA)が経済産業省からの受託事業で実施している日本の事故耐性燃料の研究開発プロジェクトに加わった。このプログラムにおいて、MNFは、現行の沸騰水型軽水炉(PWR)において炭化ケイ素複合材料(SiC)を被覆管として導入した場合の影響を評価することを担当している。本論文では、既存のPWRに対してSiCを被覆管として用いる場合の適用性に関する評価結果を報告する。既存PWRへのSiC被覆管の適用性評価として、SiC複合材を用いた場合の解析評価と炉外試験の両方を実施した。解析評価では、三菱独自の燃料設計コードとJAEAが開発した燃料ふるまいコードを用いた。なお、これらのコードは、SiC複合材被覆管を用いた燃料のふるまいを評価するために改良が施されている。一方、炉外試験としては、SiC複合材サンプルの熱伝導度測定とオートクレーブを用いた腐食試験を実施した。合わせて、設計基準事故を模擬した条件下でのSiC複合材の性能評価が行えるようにするために、新たに試験装置も開発した。
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Overview of Japanese development of accident tolerant FeCrAl-ODS fuel claddings for BWRs
坂本 寛*; 平井 睦*; 鵜飼 重治*; 木村 晃彦*; 山路 哲史*; 草ヶ谷 和幸*; 近藤 貴夫*; 山下 真一郎
Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2017/09
本論文では、現在、経済産業省のプログラムにおいて進められている沸騰水型原子炉(BWR)用事故耐性FeCrAl-ODS燃料被覆管の開発の状況について概要を述べる。本プログラムでは、多種多様な内容の研究により、軽水炉において事故耐性燃料等を実用化するために必要な技術基盤を整備することが目的である。FeCrAl-ODS燃料被覆管の開発においては、実験研究と解析研究の両方を実施してきており、FeCrAl-ODS燃料被覆管の主要な材料特性に関しては、解析研究における評価を実験的にもサポートするために、本事業で製作した各種形状の試験片を用いてデータ取得やデータ拡充を行う。本事業では、機械的な特性に及ぼす中性子照射の影響を調べるために、米国オークリッジ国立研究所の高照射束炉(HFIR)を用いた中性子照射試験も実施している。
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Safety evaluation of accident tolerant fuel with SiC/SiC cladding
佐藤 寿樹*; 武内 豊*; 垣内 一雄*; 山下 真一郎; 永瀬 文久
Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2017/09
2015年以降、既存軽水炉に事故耐性燃料を適用するための技術基盤を整備することを目的に掲げて、新たに日本国内の研究開発プロジェクトが立ち上がった。炭化ケイ素(SiC)は、事故耐性燃料候補材料の一つであり、本プログラムにおいて適用性に関する広範囲の研究が実施されている。本プログラムの研究の一つとして、設計基準内での燃料ふるまい解析を含めた新たな手順を開発し、それを用いて予備的な解析を実施した。解析の結果として、ジルカロイとSiCでは、典型的な過渡事象や冷却水喪失挙動において大きな違いは無いことが結論付けられた。
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FEMAXI-7 prediction of the behavior of BWR-type accident tolerant fuel rod with FeCrAl-ODS steel cladding in normal condition
山路 哲史*; 山崎 大輝*; 岡田 知也*; 坂本 寛*; 山下 真一郎
Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/09
現行のBWR9$$times$$9型燃料においてジルカロイ被覆管をFeCrAl-ODS鋼被覆管(経済産業省の研究開発プロジェクトで開発中の一種の酸化物分散強化型鋼)に置き換えた時の事故耐性燃料性能の特徴について、燃料ふるまい解析コードFEMAXI-7を用いて評価した。特に、燃料温度、核分裂ガス放出、ペレット-被覆管機械的相互作用(PCMI)に及ぼす、クリープひずみ速度やODS被覆管の肉厚の影響について調査した。
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Characterization study of four candidate technologies for nuclear material quantification in fuel debris at Fukushima Daiichi Nuclear Power Station, 4; Numerical simulations for active neutron technique
米田 政夫; 前田 亮; 大図 章; 呉田 昌俊; 藤 暢輔
Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference (GLOBAL 2017) (USB Flash Drive), 3 Pages, 2017/09
アクティブ中性子法の一つであるFNDI法を用いた核物質の計量管理技術の開発を行っている。FNDI法は、対象物にパルス中性子を照射し、そこで発生する核分裂中性子の総数及び消滅時間を用いて核分裂性物質量を求める測定法である。FNDI法を用いたデブリ計測システムの設計解析に取り組んでおり、次のような計算モデルを作成してシミュレーションを実施した。装置高さ: 140cm、装置外径: 80cm、He-3検出器(長さ100cm、直径2.5cm)本数: 16本。デブリの状態として湿式と乾式の2種類を考え、乾式デブリでは中性子の減速効果を補うために収納管周りにポリエチレンを取り付けている。シミュレーションは計算コードMVPを用いた。本発表では燃焼組成や均質度を変えた様々なデブリに対する計算結果及びFNDI法を用いたデブリ測定の適用範囲に関する検討結果を示す。
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Hazard curve evaluation for forest fire smoke effects on air-cooling decay heat removal systems
岡野 靖; 山野 秀将
Proceedings of International Topical Meeting on Probabilistic Safety Assessment and Analysis 2017 (PSA 2017) (USB Flash Drive), p.1334 - 1342, 2017/09
本研究は、森林火災の煤煙の影響に関するハザード曲線を、ロジックツリーに基づく新しい手法により評価したものである。煤煙に関する応答曲面はFARSITEとALOFT-FTの2つのシミュレーションコードを用いて評価し、モンテカルロシミュレーションにより煤煙量に対する年超過頻度が求められる。導出されたハザード曲線は頻度10$$^{-2}$$/年に対し約3.5kg(フィルターの単位面積かつ単位風速当り)となった。
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Scaling of memories and crossover in glassy magnets
Samarakoon, A. M.*; 高橋 満*; Zhang, D.*; Yang, J.*; 片山 尚幸*; Sinclair, R.*; Zhou, H. D.*; Diallo, S. O.*; Ehlers, G.*; Tennant, D. A.*; et al.
Scientific Reports (Internet), 7, p.12053_1 - 12053_8, 2017/09
Glassiness is ubiquitous and diverse in characteristics in nature. Understanding their differences and classification remains a major scientific challenge. Here, we show that scaling of magnetic memories with time can be used to classify magnetic glassy materials into two distinct classes. The systems studied are high temperature superconductor-related materials, spin-orbit Mott insulators, frustrated magnets, and dilute magnetic alloys. Our bulk magnetization measurements reveal that most densely populated magnets exhibit similar memory behavior characterized by a relaxation exponent of $$1-n$$ $$approx$$ $$0.6$$(1). This exponent is different from $$1-n$$ $$approx$$ $$1/3$$ of dilute magnetic alloys that was ascribed to their hierarchical and fractal energy landscape, and is also different from $$1-n=1$$ of the conventional Debye relaxation expected for a spin solid, a state with long range order.
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Operation status of the J-PARC RF-driven H$$^{-}$$ ion source
小栗 英知; 大越 清紀; 池上 清*; 高木 昭*; 浅野 博之; 柴田 崇統*; 南茂 今朝雄*; 上野 彰; 神藤 勝啓
AIP Conference Proceedings 1869, p.030053_1 - 030053_7, 2017/08
J-PARCリニアックのビーム増強を行うために、セシウム添加型高周波負水素イオン源の運転を2014年9月から開始した。本イオン源は、ステンレス製プラズマ生成室、ビーム引出系及び差動真空排気用大型真空チェンバで主に構成されている。本イオン源は、2014年10月の運転中にアンテナが故障したが、それ以降、現在に至るまで重大なトラブルは発生していない。現状、ビーム電流45mA、デューティーファクタ1.25%(ビーム幅0.5msec、パルス繰り返し率25Hz)にて1,000時間以上の連続運転を達成している。本発表では、本イオン源の長時間運転における運転パラメータや安定性について報告する。
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High density plasma calculation of J-PARC RF negative ion source
柴田 崇統*; 浅野 博之; 池上 清*; 内藤 富士雄*; 南茂 今朝雄*; 小栗 英知; 大越 清紀; 神藤 勝啓; 高木 昭*; 上野 彰
AIP Conference Proceedings 1869, p.030017_1 - 030017_11, 2017/08
J-PARCでは2014年9月より、セシウム(Cs)添加型・マルチカスプ・高周波放電型(RF)負水素(H$$^{-}$$)イオン源の利用運転が開始され、電流値45mA、繰返し1.25%(0.5ms, 25Hz)のH-ビームを1000時間連続で引き出すことに成功している。本研究では、J-PARCイオン源内のRFプラズマに対する数値計算モデルを構築することで、プラズマの点火過程と定常状態におけるH$$^{-}$$生成・輸送に関わる物理過程を解明する。シミュレーションモデルでは、(1)荷電粒子(電子,水素陽イオン, Csイオン)、(2)イオン源内に形成される誘導性・容量性電磁場の時間変化、および(3)荷電粒子と水素原子・分子間の衝突過程を同時に計算する。また、同モデルを高エネルギー加速器研究機構並列計算機システムA(32ノード・256GBメモリ)に適用することで、10$$^{18}$$m$$^{-3}$$以上の高密度となるRFプラズマの挙動を十分な統計性を以て計算することが可能である。発表では、RFプラズマの成長過程に重要なプラズマパラメータを、プラズマ温度・密度、および電磁場分布の時間発展とともに示す。
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Time-reversal symmetry breaking and gapped surface states due to spontaneous emergence of new order in $$d$$-wave nanoislands
永井 佑紀; 太田 幸宏*; 田中 佳織*
Physical Review B, 96(6), p.060503_1 - 060503_5, 2017/08
 パーセンタイル:100(Physics, Condensed Matter)
銅酸化物高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、様々な産業への応用が期待され世界中で盛んに研究されている。特に、近年、ナノ構造作製技術が向上し、詳細なコントロールによって超伝導体の物性をコントロールすることが可能になってきた。本論文では、銅酸化物高温超伝導体のモデルとしてよく用いられる$$d$$波超伝導体のナノ構造体を対象とし、ひし形形状ナノ超伝導体の高精度シミュレーションの結果を報告する。なお、上記課題の解決にあたり、自己無撞着場計算において高パフォーマンスを示す縮約シフト共役勾配法による超伝導体向け超並列シミュレーションコードの開発を行った。そして、この$$d$$波ナノ超伝導体では、低温で時間反転対称性を破った新しい超伝導相が現れることがわかった。この相を利用することで、銅酸化物高温超伝導体の臨界電流を上昇させることが可能であると考えられる。これらの結果は、実用上重要な高臨界電流超伝導デバイス開発に資する成果であり、広く原子力分野のためのシミュレーション技術開発にも資する成果である。
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Lattice softening in body-centered-cubic lithium-magnesium alloys
Winter, I. S.*; 都留 智仁; Chrzan, D. C.*
Physical Review Materials (Internet), 1(3), p.033606_1 - 033606_9, 2017/08
体心立方-六方晶遷移が生じる組成のリチウム-マグネシウム合金の格子軟化現象を第一原理計算によって検討した。我々の計算から、このような組成のリチウム-マグネシウム合金は体心立方相が安定となる限界の組成に近づくにつれて$$C_{11}-C_{12}$$の弾性係数の軟化を示すとともに、$$Gamma$$点と$$N$$点の音響フォノンの分岐を生じることがわかった。また、このような格子軟化は転位芯領域の増加を引き起こす。以上の性質は合金の延性向上をもたらすアプローチの一つになると考えられるとともに、ゴムメタルの機械特性を示す重要な特性であることを明らかにした。
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Performance evaluation of runtime data exploration framework based on in-situ particle based volume rendering
河村 拓馬; 野田 智之; 井戸村 泰宏
Supercomputing Frontiers and Innovations, 4(3), p.43 - 54, 2017/07
最新のメニーコア・プラットフォーム上で、In-Situ粒子ベースボリュームレンダリング(In-Situ PBVR)に基づくIn-Situデータ探索フレームワークのパフォーマンスを検証した。In-Situ PBVRはコストの高い順序計算を回避することができ、並列モンテカルロサンプリングによって、大規模なボリュームデータを小さな可視化用粒子データに変換する。この特徴により、大規模シミュレーションのボトルネックである、1ノードあたりのメモリ制限や、計算速度とノード間通信速度のパフォーマンスギャップを回避することができる。さらに、サイズの小さな粒子データをクライアントPCに転送することによる自由な視点位置のボリュームレンダリング、そして非同期のファイルベースの制御シーケンスによるバッチ処理実行時の可視化パラメータを変更という、In-Situデータ探索が可能になった。In-Situ PBVRは、8208個のIntel Xeon Phi7250(Knights Landing)プロセッサで構成されたOakforest-PACS上で、約10万コアまでの強スケーリング(問題サイズを固定し、CPU数を増加させて処理を加速させるスケーリング)と省メモリ特性を示した。
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Mechanical and thermal properties of (U,Pu)O$$_{2-x}$$
廣岡 瞬; 加藤 正人
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Next Generation Nuclear Systems for Sustainable Development (FR-17) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2017/06
空隙率、酸素金属比(O/M)及びPu含有率をパラメータとしてMOXペレット中の音速測定を行った。空隙率は最も重要な因子であり、O/MやPuがヤング率に与えうる影響は20GPa程度であるが、空隙率が20%増加するとヤング率は100GPaも低下することが明らかとなった。取得した音速のデータと、デバイモデル及び熱膨張の文献データを用いることにより、ヤング率の温度依存性及び比熱の評価を行った。高温になるほどヤング率が低下する傾向に関して文献データとよい一致を示す結果が得られ、また、比熱に関してもショットキー項と高温項を考慮することで文献データとよく一致する結果が得られた。
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LEBT commissioning of the J-PARC LINAC
柴田 崇統*; 池上 清*; Liu, Y.*; 丸田 朋史*; 内藤 富士雄*; 高木 昭*; 浅野 博之; 近藤 恭弘; 三浦 昭彦; 小栗 英知; et al.
Proceedings of 28th International Linear Accelerator Conference (LINAC 2016) (Internet), p.251 - 253, 2017/05
J-PARCリニアックでは2014年の大強度化に向けた機器アップグレード後、低エネルギービーム輸送(LEBT)内のビームコミッショニングを実施した。コミッショニングでは、LEBT内に取り付けられた2機のソレノイドコイル電流値、2機のステアリングコイル電流値、およびイオン源加速部の引出し電圧・加速電圧の調整を行った。LEBT内のビームを調整し、RFQ入口でのマッチングを最適化した結果、H$$^{-}$$ビーム電流値50mAの運転時に、従来より高いRFQ透過率96%を達成した。透過率向上の原因を理解するため、LEBT内部のビーム輸送過程をPIC-MCシミュレーションにより解析し、測定結果の比較から、イオン源・LEBTのパラメータ調整とビーム輸送過程の関係を明らかにする。
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Probabilistic risk assessment method development for high temperature gas-cooled reactors, 3; Development plan of seismic fragility analysis method
糸井 達哉*; 西田 明美; 高田 毅士*; 肥田 剛典*; 村松 健*; 佐藤 博之
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (DVD-ROM), 5 Pages, 2017/04
本論文では、地震フラジリティ評価を中心に実用高温ガス炉(HTGR)の地震PRA手法の開発計画の概要を述べる。提案する地震フラジリティ評価は、(1)地震フラジリティ評価における不確実性の適切な扱い、(2)断層破壊過程を考慮した地震動シミュレーションの活用、(3)地震フラジリティ評価のための詳細な有限要素モデルの利用、といった特徴を有する。今回提案する地震フラジリティ評価手法は、軽水炉の同評価手法としても適用可能である。
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原子核物理におけるチャネル結合法と核反応研究
福井 徳朗
原子核研究, 61(Suppl.1), p.22 - 25, 2017/03
量子力学の基本原理である重ねあわせの原理は、原子核物理においても重要である。最も単純な例では、重陽子の基底状態におけるs波とd波の混合が挙げられる。一般に、異なる量子状態(チャネル)の線形結合で記述された系のSchr$"o$dinger方程式は、チャネル結合方程式と呼ばれる連立方程式を導き、それを解くことでチャネルの混合を考慮した波動関数が得られる。本講演では、原子核物理におけるチャネル結合法の基本的性質について、先の重陽子の例に加え、Hartree-Fock法などのいくつかの例を通して、その理解を深めることを目的とする。続いて、核反応計算においてチャネル結合法を適用した我々の研究成果を紹介する。特に、散乱における粒子の内部励起に関するチャネル結合法(連続状態離散化チャネル結合法; CDCC)の説明に重点を置く。CDCCを用いた研究成果の1つとして、従来の簡単化した模型では決して現れなかった移行反応における新奇な反応メカニズムを報告する。
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「保物セミナー2016」印象記
真辺 健太郎
保健物理, 52(1), p.35 - 38, 2017/03
平成28年11月2日に大阪科学技術センターで「保物セミナー2016」が開催され、150名の参加があった。今回のセミナーは、「防護量と実用量 最新の動向」、「福島から考えるこれからのリスクコミュニケーション」及び「低線量放射線のヒトへの影響」の3つのテーマで構成されていた。各テーマでは、その分野の著名な専門家により、最新の動向や問題解決に向けた提案等の講演があった。他に、原子力規制庁の専門官による「放射線障害防止法関係の最近の動向」と題する特別講演があり、最近のトラブル事象や立入検査の実施状況、IAEAの総合的規制評価サービスを受け入れた結果等が紹介された。セミナーでは、各講演に対して、現在あるいは今後に想定される課題について参加者より質疑があり、その解決策等に関する議論も展開された。本稿は、セミナーでの講演や議論の概要、各テーマ等に関する著者の所感を取りまとめたものである。
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Reproduction of heavy-ion irradiation effect on organic polymers using radiation transport simulation code
小川 達彦; 八巻 徹也*; 佐藤 達彦
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 46, 2017/03
放射線施設安全や産業利用等の分野で、放射線照射による材料の物性変化は非常に重要となるため、様々な角度から研究が進められている。放射線による物性変化は、入射粒子のエネルギーが材料内に付与され、材料の化学結合がナノメートルからマイクロメートル程度の空間で局所的に変化することで起こる。従来、吸収線量が照射効果の指標とされてきたが、吸収線量や線エネルギー付与(LET)が同じでも、入射粒子の線種によって物性変化が異なる事例も知られている。放射線輸送計算コードPHITSは、ナノメートルからマイクロメートル程度の空間におけるエネルギー付与を計算する機能を持ち、LETの他に比エネルギー沈着(Specific energy deposition)などを計算できる。そこで、この機能を用いて計算した各線種ごとのエネルギー付与が起こす化学変化を理論的に予測して、線質による物性変化の違いを説明することを試みた。ポリエーテルスルホン膜に、10MeV陽子・50MeV $$^4$$He・$$^{12}$$Cを照射した際の引っ張り破断伸び低下を推定したところ、同じ吸収線量でも炭素照射による引っ張り破断伸びの低下は、陽子やヘリウム照射による低下の半分になるという実験結果を再現した。また、分子鎖の破断がランダムな位置で起こり、100eVの沈着でその領域が引っ張り強度を失うという仮定から、線量に対する引っ張り破断伸びの低下の飽和性も説明できた。
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Burn-up dependency of control rod position at zero-power criticality in the high-temperature engineering test reactor
本多 友貴; 藤本 望*; 澤畑 洋明; 高田 昌二; 沢 和弘
Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 3(1), p.011013_1 - 011013_4, 2017/01
HTTRの燃焼挙動は今後の高温ガス炉開発において重要なデータである。現在までにHTTRを用いた様々な試験が行われており、解析精度の検証が行われてきたが燃焼を伴う解析精度の検証が不十分であった。また、現在のHTTRは燃焼中期にあり、十分なデータが取得されている。そこで本研究では、燃焼を伴う臨界制御棒位置のデータを用いて核解析コードの解析精度の検討を行った。しかしながら、定格試験データは炉内に温度分布があるため、誤差要因が多く検証が困難であった。対してHTTRでは試験ごとに400Kの低温臨界制御棒位置のデータを保有しており、また400K条件での試験データは温度分布が無く解析値と比較する上で良質なデータであるため、まずこれらのデータを用いて燃焼による拡散計算コードCITATIONによる解析精度の検討を行い十分な精度があることを確かめた。これにより、Sm, Puなどの蓄積評価が十分であることを確認した。これらのコードの検証により将来高温ガス炉のための技術基盤の確立を目指す。
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Study on sensitivity of control rod cell model in reflector region of high-temperature engineering test reactor
本多 友貴; 藤本 望*; 澤畑 洋明; 高田 昌二; 沢 和弘
Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 3(1), p.011005_1 - 011005_6, 2017/01
HTTRでは制御棒二段階挿入方法を採用しており、1段目で反射体領域に制御棒を挿入し未臨界にする仕組みとなっている。また将来高温ガス炉においても反射体領域にのみ制御棒を挿入する設計が存在するため、1段目の反射体領域に挿入される制御棒の反応度の解析精度が重要となる。しかしながら、現在まで制御棒価値の高い燃料領域に挿入される制御棒に合わせてセルモデルを作成していたため、1段目の制御棒価値の解析精度が不十分であることが分かった。そこで1段目の制御棒を取り巻く状況に合わせて反射体領域断面積を作成することによる感度解析を行い、将来高温ガス炉の研究開発のための技術基盤の確立を目指す。
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Comparison between simulation and experimental results for neutron flux in DDA systems
前田 亮; 米田 政夫; 大図 章; 呉田 昌俊; 藤 暢輔; Bogucarska, T.*; Crochemore, J. M.*; Varasano, G.*; Pedersen, B.*
EUR-28795-EN (Internet), p.694 - 701, 2017/00
JAEA and EC/JRC have been carrying out collaborative research for developing new non-destructive assay techniques that can be utilized for quantifying high radioactive special nuclear materials such as spent fuel and next generation minor actinide fuels. In the research, accuracy of Monte Carlo simulation is important since it is utilized for design and development of a demonstration system of next-generation Differential Die-away (DDA) technique in JAEA. In order to evaluate the accuracy, neutron flux in the sample cavity of the PUNITA device which utilizes JRC type DDA technique and one of JAWAS-T device which utilizes JAEA type DDA technique were measured. The neutron flux in the target sample placed in the PUNITA sample cavity was also measured. The measurement results were compared with the simulation results. In this presentation, we report on comparison results for the neutron flux obtained by experiment and simulation.
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加熱中その場放射光X線回折による焼もどし組織の定量解析
諸岡 聡; 川田 裕之*; 大場 洋次郎*; 佐藤 真直*
平成28年度SPring-8産業新分野支援課題・一般課題(産業分野)実施報告書, p.95 - 98, 2017/00
Q&P(Quench and Partitioning)プロセスは、鉄鋼材料を高い衝撃吸収性を維持したまま高強度化するための有効的なミクロ組織制御法の一つである。本研究は、Q&Pプロセスで重要となる炭素分配挙動を任意の時間軸で観測し、炭素拡散挙動を定量化することを目的とする。本実験は産業利用IビームラインBL19B2を使用して、加熱中その場放射光X線回折測定を実施した。加熱による任意時間の回折線に対して、格子面間隔・積分強度の情報を評価することで、ミクロ組織の変化の乏しい温度域での炭素分配挙動を把握することに成功した。
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Measurement of neutron production double-differential cross-sections on carbon bombarded with 430 MeV/nucleon carbon ions
板敷 祐太朗*; 今林 洋一*; 執行 信寛*; 魚住 裕介*; 佐藤 大樹; 梶本 剛*; 佐波 俊哉*; 古場 裕介*; 松藤 成弘*
Journal of Radiation Protection and Research, 41(4), p.344 - 349, 2016/12
重粒子線治療は、根治性の高さや患者への身体的負担の小さなガン治療法として成果を上げているが、患者には術後の2次発ガンのリスクが伴う。このリスク評価では、体内の放射線挙動や核反応の理解が不可欠となり、放射線輸送計算コードが有用なツールとなる。計算コードの重イオン核反応に対する検証は十分でないため、放射線生成過程の実験データが必要となる。そこで、本研究では、新しいガン治療用のビームとして使用されている核子あたり430MeVの炭素ビームと人体構成物質との核反応から放出される中性子の二重微分断面積の実験データを整備した。実験は、放射線医学総合研究所のHIMAC加速器において実施した。核子当たり430MeVの炭素ビームを45$$^{circ}$$に傾けた5cm$${times}$$5cm$${times}$$1cmの固体炭素標的に入射し、生成される中性子を15$$^{circ}$$, 30$$^{circ}$$, 45$$^{circ}$$, 60$$^{circ}$$, 75$$^{circ}$$および90$$^{circ}$$方向に設置した中性子検出器で測定した。また、中性子の運動エネルギーは飛行時間法により決定した。取得した実験データとPHITSの計算値を比較したところ、PHITSはこのエネルギー領域における炭素からの中性子生成を適切に模擬できることが分かった。
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Magnon polarons in the spin Seebeck effect
吉川 貴史*; Shen, K.*; Flebus, B.*; Duine, R. A.*; 内田 健一*; Qiu, Z.*; Bauer, G. E. W.*; 齊藤 英治
Physical Review Letters, 117(20), p.207203_1 - 207203_6, 2016/11
 被引用回数:10 パーセンタイル:9.89(Physics, Multidisciplinary)
Sharp structures in the magnetic field-dependent spin Seebeck effect (SSE) voltages of Pt/Y$$_{3}$$Fe$$_{5}$$O$$_{12}$$ at low temperatures are attributed to the magnon-phonon interaction. Experimental results are well reproduced by a Boltzmann theory that includes magnetoelastic coupling. The SSE anomalies coincide with magnetic fields tuned to the threshold of magnon-polaron formation. The effect gives insight into the relative quality of the lattice and magnetization dynamics.