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1
アクチニドイオン分析のためのキャピラリー電気泳動-レーザー励起蛍光検出用新規プローブの開発
佐藤 義行; 原賀 智子; 中野 裕太*; 大内 和希; 伊東 祐有希*; 石森 健一郎; 高橋 邦明; 齋藤 伸吾*
no journal, , 
放射性廃棄物中のアクチニド(Th, U, Np, Pu, Am及びCm)に対する簡易迅速分析法の開発を目的として、キャピラリー電気泳動-レーザー励起蛍光検出法(CE-LIF)の適用性を検討した。本研究では、アクチニドイオン検出用試薬として、4-8座の非環状型あるいは大環状型の配位構造の異なる8種類の蛍光性配位子を新規に合成し、CE-LIF分析に最適な配位構造を探索した。その結果、Th及びUはそれぞれ8座非環状型、4座非環状型(平面)配位子を適用することにより他のアクチニドイオンから分離検出することに成功した。また、Npは6-7座の非環状型あるいは大環状型配位子を用いて、Puは6座及び8座の非環状型配位子と7座大環状型配位子を適用した際に検出可能であった。さらに、Am及びCmは4座平面配位構造を除く7種類の配位子を適用した際に検出可能であった。このように6種類のアクチニドイオンそれぞれに対して検出可能な配位子を見いだすことができた。これによりCE-LIFを用いた放射性廃棄物中のアクチニドに対する簡易迅速分析法の基礎を構築した。
2
Capillary electrophoresis with laser-induced fluorescence detection for ultratrace uranyl ion using a highly emissive phenanthroline-dicarboxylate derivative probe
原賀 智子; 佐藤 義行; 大内 和希*; 渋川 雅美*; 石森 健一郎; 亀尾 裕; 齋藤 伸吾*
no journal, , 
放射性廃棄物試料中のウラニルイオンを簡易かつ高感度に分析する方法を開発するため、キャピラリー電気泳動-レーザー励起蛍光検出法(CE-LIF)の適用性について検討した。本検討では、CE-LIFにおいて必要となる蛍光プローブの開発を行い、平面4座配位のフェナントロリンジカルボン酸骨格を有する蛍光プローブを用いることにより、ウラニルイオンの高感度検出が可能となった。本検討により、従来のCE法の検出限界(ppmレベル)を大幅に改善したpptレベルの検出限界を達成するとともに、開発した蛍光プローブは、ウラニルイオンに対する検出選択性が高く、共存イオンの影響を受けにくい手法であることがわかった。今後、放射性廃棄物試料のように様々な金属イオンが共存する試料に対する適用が期待できる。
3
Safe and rapid analytical methods for actinide ions and radioactive Sr-90 in high-dose radiation samples using fluorescent probes in capillary electrophoresis
原賀 智子; 中野 裕太*; 佐藤 義行; 大内 和希*; 廣瀬 和生*; 渋川 雅美*; 石森 健一郎; 亀尾 裕; 齋藤 伸吾*
no journal, , 
高放射線量の放射性廃棄物試料中のアクチノイドおよび放射性ストロンチウムに対する安全かつ迅速な分析法を開発するため、極少量の試料で迅速な分析が可能なキャピラリー電気泳動法の適用性を検討した。本検討では、アクチノイドに対する高感度オンキャピラリー分析法を構築するため、ポリアミノカルボン酸骨格を有する蛍光性分析用試薬(蛍光プローブ)を開発し、放射性廃液試料中のアクチノイドの定量に成功した。放射性ストロンチウムに対しては、分取後に放射線測定が必要であるため、等速電気泳動法を用いて目的の成分を正確に分取する手法を開発し、福島第一原子力発電所事故によって発生した滞留水試料中のSr-90の定量に成功した。本検討により、アクチノイドの分析においては、従来のキャピラリー電気泳動法の検出限界(ppmレベル)を大幅に改善したpptレベルの検出限界を達成するとともに、放射性ストロンチウムの分析においては、従来の2週間から1日程度に短縮することが可能となった。
4
弱酸性溶液中でのNpの電極反応
北辻 章浩; 大内 和希; 音部 治幹
no journal, , 
中性から酸性溶液中でのネプツニウムイオンの金電極上での電解酸化還元反応を調べた。pH2より酸性度の高い溶液中では、Np(V)の還元電流は水素発生電流に隠れ電位窓内に観測できなかった。より酸性度の低い溶液中ではNp(V)の還元に起因する電流ピークがボルタモグラム上に観測された。この還元反応の詳細を調べたところ、還元生成物が電極上に析出することが分かった。また、析出により電極が不活性化すること、析出化学種の溶出によると考えられる酸化電流ピークが観測されること、還元による析出量に限度があることなどが分かった。これまでに明らかにしたウラン(V)イオンの還元-析出電極反応と比較し、両者の違いについて考察した。
5
ウランの原子価変化に伴う凝集体形成過程の解明
大内 和希; 音部 治幹; 北辻 章浩
no journal, , 
U(V)からU(IV)の還元反応において、U(IV)の酸化物凝集体の形成に伴いU(V)の電極還元速度およびU(V)の不均化反応速度が増加する自己触媒作用を示すことを、これまでに見出している。本研究では、Uの原子価変化と凝集体形成の相関およびその形成過程を調査した。U(V)からU(IV)へ還元される-0.35V(対銀/塩化銀参照電極)を印加して電気化学水晶振動マイクロバランス測定を行ったところ、周波数が負に変化したことから電極上でのウラン凝集体の形成を確認することができた。この凝集体の形成過程は、形成速度から、(1)凝集開始までの誘導過程、(2)凝集開始$$sim$$析出量$$sim$$4nmolの初期凝集過程、(3)成長速度が一定となる二次凝集過程(析出量$$>$$4nmol)の3段階で進行していると考えられる。凝集体形成過程のpH依存性(pH2$$sim$$4)を調査した。pH3.1以上で凝集体が形成し、pHが高くなるとともに誘導時間が短くなり、初期および二次凝集体の形成速度が大きくなった。これは、凝集体形成反応への水酸化物の関与を示している。
6
アクチノイドの電解析出反応; Npの還元析出
北辻 章浩; 大内 和希; 音部 治幹; 木原 壯林*
no journal, , 
中性から酸性溶液中でのネプツニウムの電解還元挙動を調べた。pH3.8のNp(V)溶液を用いて、サイクリックボルタンメトリー測定したところ、Np(V)が還元され、還元生成物の電極上への析出が観測された。また、析出物の溶出反応に起因する酸化電流ピークも観測した。定電位差で一定時間前電解した後、ストリッピングボルタンメトリー測定したところ、観測される陽極溶出反応の電気量は、前電解時間によらずほぼ一定になった。また、Np(V)濃度を1から5mMの間で変化させても、溶出電流ピークの電気量に大きな変化は観察されなかった。この様な電解析出量飽和はUの還元析出では観測されない。U(V)とNp(V)の還元凝集反応の違いについて考察した。
7
弱酸性溶液中におけるウラン凝集体形成反応
大内 和希; 北辻 章浩; 音部 治幹; 木原 壯林*
no journal, , 
本研究では、原子価変化に伴い凝集体が形成する反応のメカニズムを解明することを目的とし、電気化学水晶振動子マイクロバランス(EQCM)によりウラン(U)の原子価変化と凝集体形成反応の相関を調査した。pH3.4の弱酸性溶液中でU(VI)の還元を行ったところ、周波数が負に変化したことから電極上でのウラン凝集体の形成を確認することができた。析出速度の変化から、この凝集体の形成過程は、(1)凝集開始までの誘導過程、(2)一時的に速度が速くなる準安定凝集過程、(3)一定の成長速度となる安定凝集過程の3段階で進行していると考えられる。次に、pH2$$sim$$4での凝集体形成過程を調査した。pH2$$sim$$3で凝集体は形成せず、pH3.1以上で凝集体が形成した。pHが高くなるとともに誘導時間が短くなり、準安定および安定凝集体の形成速度が大きくなった。これは、U水酸化物が凝集体形成反応に関与していることを示唆している。また、析出速度と還元速度は同程度であることから、凝集体形成反応はバルク相での反応を経由することなく電極表面で成長すると考えられる。
8
弱酸性溶液中におけるウランの原子価変化に伴う微粒子化反応
大内 和希; 音部 治幹; 北辻 章浩
no journal, , 
先行研究では、弱酸性溶液中のU(V)からU(IV)の還元反応において、U(IV)の酸化物微粒子の形成に伴いU(V)の電極還元および不均化反応速度が増加する自己触媒作用を示すことを見出した。本研究では、電気化学水晶振動子マイクロバランス(EQCM)を用いて電極表面に析出した凝集体の質量を測定することで、Uの原子価変化とそれに伴うU酸化物微粒子の形成反応との相関を調査した。pH3.4の弱酸性溶液中のU(VI)の還元に伴う析出の速度変化から、凝集体の形成過程は、凝集開始までの誘導過程、凝集体開始後一時的に速い成長速度を示す準安定凝集過程、一定の成長速度になる安定凝集過程の3段階で進行していることが分かった。次に、pH2$$sim$$4での凝集体形成過程を調査したところ、pHが高くなるとともに誘導時間が短くなり、準安定および安定凝集体の成長速度が大きくなった。これは、U水酸化物が凝集体形成反応に関与していることを示唆している。
9
Deposition of uranium oxide following the reduction in weak acid solution using Electrochemical Quartz Crystal Microbalance (EQCM)
大内 和希; 音部 治幹; 北辻 章浩; 山本 正弘
no journal, , 
本研究では、電気化学水晶子マイクロバランス(EQCM)を用いてウランの原子価変化に伴う4価ウランの凝集を調査した。弱酸性溶液中で6価ウランの還元反応のEQCM測定を行ったところ、4価ウランの析出物が電極表面に観測された。析出速度の変化から、析出過程は、凝集開始までの誘導過程、一時的に速い速度を示す準安定凝集過程、一定の速度になる安定凝集過程の3段階に分けられることがわかった。また、析出物の酸化電位、析出速度のpH依存性および電解停止後の析出物の質量変化から凝集反応機構の推定を行った。析出開始までの誘導過程では、電極表面で6価ウランが5価に還元され、その後不均化反応により4価が形成する。準安定凝集体過程では、4価ウランがウラン水酸化物を形成し,それを核として凝集しコロイドなどの様々な安定状態の凝集体を形成する。安定凝集体過程では、それらの凝集体は脱水し、より安定なウラン酸化物を形成すると考えられる。
10
Electrode reduction of actinyl ions followed by deposition in weak acid solution
北辻 章浩; 大内 和希; 音部 治幹
no journal, , 
ウラン等のアクチノイドイオンの電気化学的に非可逆な酸化還元反応において、酸性度の低い溶液中で原子価変化により誘起されるコロイド粒子の生成反応に着目した。金電極を用いてウラン6価イオンを定電位差電解して還元反応を調べたところ、pH2より酸性度の低い溶液では電解初期には還元生成したU(V)の4価への還元速度は比較的小さいが、U(IV)が生成するに従いU(IV)への還元速度が大きくなること、還元生成したU(IV)が電極上に析出することが分かった。これに対し、Np(V)の還元では、電解初期から電極上へのNp(IV)の析出が観測された。また、電解析出層の形成によりNp(V)の還元速度が低下するなど、UとNpでは異なる還元-析出反応を示した。
11
5価ウラン還元における金属コロイドの触媒効果
北辻 章浩; 大内 和希; 音部 治幹
no journal, , 
これまでにU(V)の電解還元に関し、U(IV)コロイドの存在下ではU(V)の還元速度が増大し、還元生成物であるU(IV)のコロイドが成長する、U(V)の自触媒還元反応について報告してきた。U以外の金属の類似化学種が同様な触媒作用を示す可能性を調べるため、U(IV)の類似化学種としてZr(IV)を共存させた溶液条件でのU(V)の還元を調べた。溶液中にZr(IV)を共存させ、金電極を用いて定電位差電解すると、電解初期のU(VI)からU(V)への還元電流に、U(V)の還元電流が上乗せされ、電解初期においてもU(IV)まで還元されZr(IV)が触媒作用を示すことが確認できた。この様なZr(IV)による触媒作用の大きさは、Zr(IV)溶液の調製方法に依存すること、ZrO$$_{2}$$などの酸化物微粒子を共存させた場合には観測されないことなどを明らかにした。ZrはIV価の安定性が大きく、本実験条件下では原子価変化がないと考えられる。このため、U(V)の自触媒還元において、U(IV)水酸化物コロイド自身は電子授受に関与せず、反応場として触媒作用を与えると考えられる。
12
電解析出した4価ウランの状態変化
大内 和希; 北辻 章浩; 音部 治幹; 木原 壯林*
no journal, , 
本研究では、U析出物の状態変化に関する知見を得るために、電気化学水晶振動子マイクロバランスを用いて電極表面に電解析出したU(IV)析出物の重量の時間変化を調査した。電極表面に電解析出したU析出物は、電解を停止すると、U(VI)の有無に関わらず重量が減少した。一方、U(VI)を含まない溶液中で酸化電位(+0.2V)を印加すると、より速く減少し、還元電位(-0.35V)を印加すると、減少しなかった。以上より、電解析出したU析出物の減少は、酸化溶出によるものと考えられる。また、酸化電位印加時の減少速度は、電解開始直後は極めて速いが、その後遅くなった。これは、酸化されにくい安定な状態の析出物の形成によるものと考えられる。そこで、還元電位を印加し電極に析出物を留める時間を0$$sim$$1000sと変化した際の析出物の酸化電位を測定したところ、時間が経過するほど酸化電位が正電位側にシフトするとともに還元されず電極表面に残る量が増大した。よって、時間経過とともにU(IV)析出物がより電気化学的に安定なU酸化物へ変化している可能性を示唆している。