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1
土岐花崗岩のブロックサンプルを用いた拡散試験
濱 克宏; 岩崎 理代*; 森川 佳太*
JAEA-Technology 2017-015, 45 Pages, 2017/07
日本原子力研究開発機構では、地層処分技術に関する研究開発のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を岐阜県瑞浪市において進めている。物質移動に関する調査研究では、研究坑道周辺の数mから100m程度のブロックスケールを対象にして、岩盤中の物質移動に関わる現象の理解を進めつつ、物質移動に関わるパラメータ値の測定技術および物質移動に関わるモデル化・解析・評価技術を体系的に整備することを目標として実施している。岩石中の微視的な構造が物質移動に果たす役割を評価することを目的として、岩石ブロックサンプル(30cm$$times$$30cm$$times$$20cm)を用いた拡散試験を実施した。拡散試験実施後の岩石ブロックサンプルを切断し、試験後の岩石中でのトレーサーとして添加したウラニンの分布を観察した。その結果、石英などの鉱物では、鉱物粒界や粒内割れ目にウラニンが認められ、一方、特定の鉱物(斜長石)では鉱山物内部にウラニンの分布が確認された。このことは、微小空隙の分布や鉱物分布がウラニンの拡散に影響を与えていることを示すと考えられる。
2
電位規制クーロメトリーによる標準物質として使用する硝酸プルトニウム溶液の値付けのための分析(共同研究)
山本 昌彦; Holland, M. K.*; Cordaro, J. V.*; 久野 剛彦; 駿河谷 直樹
JAEA-Technology 2017-014, 63 Pages, 2017/06
本件では、同位体希釈質量分析法で使用する標準物質の候補である硝酸Pu溶液の値付けのための分析にファラデーの電気分解則に基づく絶対分析法である電位規制クーロメトリーを適用した。測定装置には国際規格ISO 12183に準拠するものを使用し、その校正は国際単位系であるSI単位にトレーサブルとなる計測機器を使用して実施した。装置の性能評価のためにPu金属標準物質から調製した試料を測定した結果、測定値は表示値と$$pm$$0.05%以内で良好に一致し、繰り返し測定の相対標準偏差も0.05%以下と非常に高い精度でPuを分析できることが分かった。そこで、本法で同位体希釈質量分析の標準物質候補となりうる$$^{239}$$Puの同位体組成比が比較的高い混合酸化物粉末から精製した硝酸Pu溶液を測定した。その結果、繰り返し測定の相対標準偏差は0.05%以下、信頼区間が95%を示す包含係数k=2として評価した測定値の不確かさは0.069%以下と標準物質の測定法として求められる精度を満足する水準で精密にPuを分析することができた。
3
再冠水試験におけるボーリングピットの埋め戻し試験
高安 健太郎; 大貫 賢二*; 川本 康司*; 高山 裕介; 見掛 信一郎; 佐藤 稔紀; 尾上 博則; 竹内 竜史
JAEA-Technology 2017-011, 61 Pages, 2017/06
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、超深地層研究所計画に基づき、結晶質岩(花崗岩)を対象として三つの必須の課題(地下坑道における工学的対策技術の開発、物質移動モデル化技術の開発、坑道埋め戻し技術の開発)の調査研究を進めている。これらの研究開発課題のうち、坑道埋め戻し技術の開発の一環として再冠水試験を実施している。この試験は、坑道掘削による周辺岩盤や地下水に及ぼす影響が、坑道の冠水によって回復する過程を把握することを目的として、深度500mの水平坑道の北端部切羽より約40m手前に止水壁を施工して冠水坑道とし、再冠水して実施するものである。本報告書は、再冠水試験の一環として2014年度に実施した冠水坑道のピットにベントナイト混合土を用いた埋め戻し試験と埋め戻し施工の結果、及び引き続き2014年9月から2016年3月までのピットでの観測結果を報告するものである。
4
照射後試験施設から発生する廃棄物の放射能評価方法の検討,2
辻 智之; 星野 譲; 坂井 章浩; 坂本 義昭; 鈴木 康夫*; 町田 博*
JAEA-Technology 2017-010, 75 Pages, 2017/06
研究施設等廃棄物の埋設処分に向けた合理的な廃棄物確認手法確立のために、照射後試験施設から発生した放射性廃棄物に対する放射能濃度評価手法を検討する必要がある。このため、ニュークリア・デベロップメントの照射後試験施設をモデルに理論計算を主体とする新たな放射能濃度評価手法の検討を行った。この結果、埋設処分の安全評価上重要と考えられる17核種(H-3, C-14, Co-60, Ni-63, Sr-90, Tc-99, Cs-137, Eu-154, U-234, U-235, U-238, Pu-238, Pu-239, Pu-240, Pu-241, Am-241, Cm-244)のうち、Sr-90, Tc-99, Eu-154等の14核種に対し、理論計算手法を適用できる可能性を得た。
5
地下水中の溶存無機炭素を対象とした放射性炭素同位体測定のためのガス化回収法の適用性検討
加藤 利弘; 岩月 輝希; 西尾 智博*
JAEA-Technology 2017-009, 30 Pages, 2017/06
地下水の年代は、地層中の地下水流動を理解する上で重要な情報である。放射性炭素同位体による年代測定は、約5万年前以降に涵養した地下水に適用でき、地下水流動を推定する有効な手段となる。地下水中の炭素は主に溶存無機炭素(DIC: Dissolved Inorganic Carbon)として存在しており、従来は化学的操作により沈殿物として回収した後に、高純度の固体炭素(グラファイト)を作製していた。この方法では、グラファイトの作製に多くの操作が必要であると同時に、地下水の性状によっては沈殿物が生成しない、あるいは測定値が著しくばらつく等の問題点があった。そこで、本研究では、沈殿法に代わる手法として溶存無機炭素のガス化回収技術に着目し、地下水試料への適用を検討した。土岐地球年代学研究所内ペレトロン年代測定棟前処理室に設置されたガス化回収装置を用いて、溶存無機炭素回収性能を評価するとともに、ガス回収時における顕著な問題として地下水中の硫化水素の混入に伴う回収率の低下に関わる対策について検討した。以上の知見をもとに、ガス化回収手順を確立するとともに、実際の地下水中の溶存無機炭素をガス化回収法で処理した結果について取りまとめた。
6
幌延深地層研究計画; 平成29年度調査研究計画
花室 孝広
JAEA-Review 2017-013, 22 Pages, 2017/06
本計画は、原子力機構が堆積岩を対象に北海道幌延町で実施している。原子力機構の第3期中長期計画では、幌延深地層研究計画について、「実際の地質環境における人工バリアの適用性確認、処分概念オプションの実証、地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証に重点的に取り組む。また、平成31年度末までに研究終了までの工程やその後の埋戻しについて決定する。」としている。幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの調査研究段階に分けて進めることとしており、全体の期間は20年程度を考えている。平成29年度は、地下施設での調査研究段階(第3段階)を継続しながら、第3期中長期計画の3年度目として、同計画に掲げた3つの課題を達成していくための調査研究を実施する。
7
模擬廃棄物ホウケイ酸ガラス試料のXAFS測定(共同研究)
永井 崇之; 小林 秀和; 捧 賢一; 菖蒲 康夫; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 山中 恵介*; 太田 俊明*
JAEA-Research 2017-005, 54 Pages, 2017/06
ガラス固化プロセスで製造されるガラス固化体中のホウ素(B)や廃棄物成分の局所構造は、固化体に含まれる廃棄物成分による影響を受ける。本研究は、模擬廃棄物ガラス試料を作製し、放射光XAFS測定によるガラス試料中のB及び廃棄物成分の局所構造を評価した。BのK吸収端XAFS測定において、薄板状の試料を用いて良好なXANESスペクトルが得られることを確認し、原料ガラスに廃棄物成分を添加するとB-Oの3配位sp$$^{2}$$構造(BO$$_{3}$$)割合が減少して4配位sp$$^{3}$$構造(BO$$_{4}$$)割合が増加することを明らかにした。また、組成のSiO$$_{2}$$/B$$_{2}$$O$$_{3}$$比の低下又は(SiO$$_{2}$$+B$$_{2}$$O$$_{3}$$)/Al$$_{2}$$O$$_{3}$$比の上昇によって、BO$$_{3}$$割合が増加しBO$$_{4}$$割合が減少すること、P$$_{2}$$O$$_{5}$$の添加によって、BO$$_{3}$$割合が減少しBO$$_{4}$$割合が増加することを明らかにした。廃棄物成分のXAFS測定において、B$$_{2}$$O$$_{3}$$含有率が高い組成ほどセリウム(Ce)原子価が還元されること、原料ガラスへP$$_{2}$$O$$_{5}$$を添加するとCe原子価が還元されることを確認した。またイメージング測定により、ガラス中に析出するRu化合物の状況は組成のB$$_{2}$$O$$_{3}$$含有率を変えても変わらなかった。本研究は、資源エネルギー庁より日本原子力研究開発機構が受託した次世代再処理ガラス固化技術基盤研究事業の実施項目「高レベル廃液ガラス固化の高度化」の一つとして実施した。
8
幌延深地層研究施設における掘削影響領域の評価; 深度250mを対象とした試験(共同研究)
青柳 和平; 窪田 健二*; 中田 英二*; 末永 弘*; 野原 慎太郎*
JAEA-Research 2017-004, 91 Pages, 2017/06
本研究では、幌延深地層研究センターの地下施設のうち、250m調査坑道において、掘削影響領域における水理・力学・物理特性等を調査し、掘削影響領域の範囲や掘削影響領域において生じた物理変化の要因、およびその経時変化を評価することを目的として、弾性波トモグラフィ調査、弾性波屈折法探査、比抵抗トモグラフィ調査や透水試験を実施した。弾性波トモグラフィの結果、坑道掘削に伴い、坑道壁面から約1mの範囲内でP波速度が顕著に低下した。P波速度の低下と割れ目密度との間に相関があることが示されたことから、坑道掘削に伴って約1mの範囲まで割れ目が発達したと推定される。透水試験の結果、坑壁から0.5$$sim$$1m離れた領域において、掘削に伴い透水係数が増大した。同一の調査箇所ではないものの、坑壁からの距離はP波速度の低下域と概ね調和しており、割れ目の形成に伴う透水係数の増大を捉えた可能性が示された。また、比抵抗トモグラフィ調査の結果から、掘削に伴う顕著な不飽和領域の形成は生じていないことが推察された。これらの調査結果から、掘削損傷領域の水理・力学特性を評価する手法として、今回採用した原位置試験方法や評価手法が妥当であることが示された。
9
リスクコミュニケーション実施上の課題の研究; 平成27年度(委託研究)
田中 勝*; 青山 勲*; 石坂 薫*; 大畑 ゆき*; 福池 伊織*; 川瀬 啓一; 渡邊 雅範; 時澤 孝之; 宮川 洋*; 石森 有
JAEA-Research 2017-003, 65 Pages, 2017/06
日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターと福島環境安全センターは共同で、今後の跡措置や環境回復等の事業に関して、地域との継続性のある関係構築に必要な条件や、活動を通して得られる効果を把握するため、閉止鉱山及び産業廃棄物処分場でのリスクコミュニケーション事例を委託調査した。その結果、(1)地域におけるつながりや、つながりの場の形成、(2)既存のリソース(人員・土地・施設等)の活用、(3)地域における新たな価値の創出、(4)事業の安全性の担保や信頼の醸成に向けた取り組み、などによる、事業の安全性や周辺環境の健全性を長期的に確認できる仕組みや環境保全などについて学べる地域的フィールドの創成、が重要であることが示唆された。
10
幌延深地層研究センター調査坑道における地下水の地球化学モニタリング装置による地下水圧の連続観測結果
女澤 徹也; 望月 陽人; 宮川 和也; 笹本 広
JAEA-Data/Code 2017-010, 63 Pages, 2017/06
日本原子力研究開発機構は、北海道幌延町において、深地層の研究施設を活用した地層科学研究および地層処分研究開発を実施している。幌延深地層研究センターでは、地層科学研究の一環として、地下施設内の調査坑道において、岩盤中の地下水の水圧・水質変化の観測を目的として開発された地下水の地球化学モニタリング装置を用い、観測を継続している。本報では、140m調査坑道および350m調査坑道に設置された地下水の地球化学モニタリング装置を用い、2016年3月31日(平成27年度末)までに取得した水圧の観測結果をとりまとめた。
11
宮崎平野北部の正断層(川南断層)に係る地形・地質データ
丹羽 正和; 黒澤 英樹*; 小坂 英輝*; 生田 正文*; 高取 亮一*
JAEA-Data/Code 2017-009, 71 Pages, 2017/06
2011年東北地方太平洋沖地震から1ヶ月後に発生した福島県浜通りの地震では、それまで地質断層であるという見解もあった正断層が活動しており、地殻変動の規則性、継続性に基づく地質環境の長期予測の観点からは、地層断層の再活動が地層処分のサイト選定や安全評価に及ぼす影響を検討しておく必要がある。そこで筆者らは、海溝型地震などによる地殻応力・歪の変化に伴い地質断層が再活動する可能性を評価する手法を構築する目的で、南海トラフ巨大地震の想定震源域の西端部に位置し、沿岸域に正断層の存在が知られている宮崎平野を対象とした事例研究を進めてきた。本報告書は、宮崎平野における主に川南断層の活動履歴や活動性を明らかにするための地形・地質調査および試料分析の内容を取りまとめたものである。
12
超深地層研究所計画における研究の歩み
笹尾 英嗣
原環センタートピックス, (122), p.4 - 12, 2017/06
原子力機構は、高レベル放射性廃棄物の地層処分事業と安全規制の両面を支えるため、地層処分技術に関する研究開発を進めてきた。このうち、東濃地科学センターでは、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、岐阜県瑞浪市において超深地層研究所計画を進めている。本報告では、本計画を中心に、これまでの経緯および成果、並びに研究開発の現状を紹介する。
13
TRU廃棄物地層処分施設の化学的変遷を考慮した長期力学挙動解析コードの開発
三原 守弘; 平野 史生; 高山 裕介; 京川 裕之*; 大野 進太郎*
原子力バックエンド研究(インターネット), 24(1), p.15 - 25, 2017/06
TRU廃棄物地層処分施設の長期力学挙動を評価するための解析コードMACBECEを開発した。解析コードには、メント系材料のカルシウムの溶出やベントナイト系材料のカルシウム型化やスメクタイトの溶解などの化学的変遷に伴う力学特性変化および周辺岩盤との力学的な相互作用を考慮した。開発した解析コードを用いてクリープ変形が生じやすいと考えられる軟岩サイトを想定し、TRU廃棄物処分施設の建設段階から、処分施設閉鎖後10万年までの力学挙動解析を行った。緩衝材の力学挙動モデルとして、ECモデルを用いることで応力が降伏曲面の特異点付近に陥ることを解消でき、数値解析上、安定な解を得ることができた。さらに、周辺岩盤と処分施設の力学的相互作用を同時に解析することにより、周辺岩盤と処分施設の力学挙動を別々に解析した第2次TRUレポートの結果と比較して処分坑道の内径変位量が半分程度となることが示された。
14
花崗岩類中の鉱物分布および鉱物組合せとその量比(モード組成)の新たな評価手法の構築; 走査型X線分析顕微鏡で取得した元素分布図を用いた画像解析
石橋 正祐紀; 湯口 貴史*
応用地質, 58(2), p.80 - 93, 2017/06
花崗岩類中の鉱物分布やモード組成は、その形成過程の検討、花崗岩類中の割れ目の分布特性や基質中の物質移動を理解する上で有用な情報である。モード解析手法としては、ポイントカウンティング法、電子顕微鏡など用いた画像解析手法などが提案される。しかし、既存手法では観測者の技量や解析可能な領域が狭いなどの課題がある。そこで、本研究は、測定領域が広い走査型X線分析顕微鏡(SXAM)で取得した元素分布図を用いて、鉱物個々の化学組成の不均質性を考慮し、花崗岩類中の二次鉱物も含めた鉱物分布とモード組成を簡易かつ客観的に評価できる新たな手法(MJPD法)を提示する。MJPD法は、各鉱物から出力される元素のX線強度分布を正規分布と仮定し、X線強度のバラつきを考慮して各画素の鉱物種を同定可能とした。土岐花崗岩の肉眼観察で顕著に変質を被る試料と被らない試料を対象としてMJPD法の妥当性を検証した結果、岩石薄片程度であれば、SXAMで約10,000秒測定することで簡易にモード組成が把握でき、かつ鉱物分布図の構築が可能であることを確認した。また、MJPD法は、他の機器で取得した元素分布図にも適用可能であり、今後の適用の拡大が期待できる。
15
Development of a back analysis method for the estimation of in situ stress based on the measured convergence in the Horonobe Underground Research Laboratory
青柳 和平; 亀村 勝美*; 名合 牧人*; 菅原 健太郎*; 松原 誠*
Proceedings of ITA-AITES World Tunnel Congress 2017 (WTC 2017) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/06
高レベル放射性廃棄物地層処分場の建設において、地下坑道の設計の高度化に資するために、処分場周辺の初期地圧状態の情報が重要である。これまで、初期地圧計測は、国内外の多くの現場で行われてきたが、評価結果のバラつきは大きいことがしばしばある。そのため、坑道の支保設計への反映が難しいという問題がある。この背景を踏まえ、本研究では、坑道で取得された内空変位計測結果に基づき、広域的な地圧状態を推定するための逆解析手法を構築することを目的とした。解析には、幌延深地層研究センターの深度350mの周回坑道において、様々な方向で計測された内空変位のデータを使用した。また、解析モデルには、周回坑道周辺の断層や不連続面を取り入れ、地質構造の影響も含めて詳細な検討を行った。解析による地圧の推定結果は、地下施設建設前に実施した水圧破砕法による測定結果に概ね整合するものであったため、広域地圧状態の推定における本手法の適用可能性が示された。
16
プルトニウム転換技術開発施設における硝酸プルトニウム溶液の安定化処理に係る分析業務報告; 平成27年12月$$sim$$平成28年10月
堀籠 和志; 田口 茂郎; 石橋 篤; 稲田 聡; 久野 剛彦; 駿河谷 直樹
JAEA-Technology 2017-008, 14 Pages, 2017/05
東海再処理施設のプルトニウム転換技術開発施設では、硝酸プルトニウム溶液を安定な形態のウラン・プルトニウム混合酸化物に転換し、硝酸プルトニウム溶液が有する水素発生などの潜在的ハザードを低減するための安定化処理を平成26年4月から開始し、平成28年7月に終了した。本処理を円滑に進めるため、同分析設備では、ウラン・プルトニウム混合酸化物粉末及びその原料となる硝酸ウラニル溶液、硝酸プルトニウム溶液等の分析を実施してきた。本報告書は、本処理に係わる平成27年12月から平成28年10月までに実施した約2,200件の分析業務及び分析設備の保守・点検などの関連業務の実績についてまとめたものである。
17
Characterization of rare earth elements (REEs) associated with suspended particles in deep granitic groundwater and their post-closure behavior from a simulated underground facility
岩月 輝希; 宗本 隆志*; 久保田 満*; 林田 一貴; 加藤 利弘*
Applied Geochemistry, 82, p.134 - 145, 2017/05
瑞浪超深地層研究所において、地下水及び懸濁態粒子に含まれる希土類元素の挙動について研究を行った。その結果、地下水中の希土類元素の10$$sim$$60%が懸濁粒子に付着して存在することが確認された。希土類元素が付着する懸濁粒子は主に炭酸塩コロイドであり、一般的な地下水は炭酸塩鉱物に対して飽和平衡状態にあることから、炭酸塩コロイドの起源は炭酸塩鉱物と推察された。また、坑道閉鎖環境においては、地下水中の溶存態及びコロイド態の希土類元素濃度が、周辺の地下水に比べて有意に低下することが確認された。熱力学計算により地下水に溶存する希土類元素は主に炭酸錯体と推測され、坑道壁面のセメント吹付上に炭酸塩コロイドとともに吸着・共沈していると考えられた。以上の事から、地下施設におけるセメント材料の使用は、希土類元素の移動し難い環境を形成すると考えられる。
18
Sorption behavior of Np(V) on microbe pure culture and consortia
大貫 敏彦; 香西 直文; 坂本 文徳; 宇都宮 聡*; 加藤 憲二*
Chemistry Letters, 2(5), p.771 - 774, 2017/05
微生物共同体及び単離された鉄還元バクテリアへのNp(V)の吸着挙動を、休眠状態の細胞を用いてpH3$$sim$$7において調べた。不活性雰囲気における鉄還元菌へのNp(V)の吸着量及び大気状態での微生物共同体への吸着量は、pH5以下で大気条件下における鉄還元菌への吸着量より多かった。この結果は、微生物細胞表面への吸着以外のメカニズム、すなわちNp(IV)への還元反応が関わっている可能性を示唆する。
19
Preliminary assessment of the highest potential transmissivity of fractures in fault zones by core logging
石井 英一
Engineering Geology, 221, p.124 - 132, 2017/04
断層帯に関する既往の水理力学的研究によると、引張性/ハイブリッド性のダメージゾーン亀裂を伴わない断層帯は非常に脆性的な様式での断層運動を経験していない可能性が高く、断層帯中の亀裂の潜在的な最大透水量係数は10$$^{-8}$$m$$^{2}$$/s以下である可能性が高いことが想定される。本研究はこの想定を検証するために、断層帯中のダメージゾーン亀裂の破壊モード(引張性/ハイブリッド性/せん断性)と断層帯中の亀裂の最大透水量係数の関係を、幌延の珪質泥岩中のボーリング孔データ(コア観察結果と流体電気伝導度検層結果)から検討した。引張性/ハイブリッド性のダメージゾーン亀裂を伴わない断層帯の96%(35/36)は流体電気伝導度検層によって断層帯中に検出されるフローアノマリーの透水量係数は10$$^{-8}$$m$$^{2}$$/s以下であった。この結果は先述の想定を支持する。
20
三次元レーザスキャナ計測の坑道壁面の割れ目観察への適用性
早野 明; 板倉 賢一*
Journal of MMIJ, 133(4), p.76 - 86, 2017/04
大規模地下施設建設の坑道掘削時に行われる割れ目観察は、調査員の目視観察とクリノメーターを使用した割れ目方位の簡易計測といった従来からの手法に基づいている。そのため、調査の規模が大きいほどデータ品質の確保と調査員の安全確保が依然として課題である。計測対象物の三次元形状を表す点群を瞬時に取得できる三次元レーザスキャナ計測は、これらの課題解決に有効である。本研究では、レーザ計測の坑道壁面の割れ目観察への適用性を確認するために、坑道壁面の形状を表す点群から割れ目の方位やトレース長などの空間分布に関する情報を取得する方法を検討した。その手法は、坑道壁面形状を表す判読画像を用いた割れ目判読を基本としている。そして、その手法を掘削長50m程度の水平坑道に適用し、点群から取得できる割れ目データがどの程度従来手法に基づく割れ目データを再現しているのか確認した。その結果、調査員が目視観察により抽出した割れ目のうち8割強の割れ目が抽出され、割れ目方位も従来手法と比べて遜色ないことを確認した。点群から抽出できなかった割れ目のほとんどは、透水に寄与しないトレース長が短く密着性の良い割れ目であった。