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1
Effect of alloying elements on grain boundary sliding in magnesium binary alloys; Experimental and numerical studies
染川 英俊*; 都留 智仁
Materials Science and Engineering A, 708, p.267 - 273, 2017/12
マグネシウム合金における合金元素の粒界すべりへの影響を実験と第一原理計算によって検討した。ナノインデンテーションの実験から、粒界すべりに関係する緩衝能力やひずみ速度依存性が合金元素の添加によって大きく異なることが確認された。合金元素の粒界への影響に関して、第一原理計算を用いて粒界エネルギー変化を求め実験と比較した結果、得られた粒界エネルギーは緩衝能力と相関関係があることがわかった。また、これらの粒界特性の変化は第一原理計算による電子状態解析から合金元素の粒界における化学的性質によって特徴づけられることがわかった。
2
Benchmark experiment on copper with graphite by using DT neutrons at JAEA/FNS
権 セロム*; 太田 雅之*; 佐藤 聡*; 今野 力; 落合 謙太郎*
Fusion Engineering and Design, 124, p.1161 - 1164, 2017/11
磁場閉じ込め式核融合炉システムの超伝導コイルやIFMIF加速器中性子源でよく使われる銅の核データベンチマーク実験を原子力機構の核融合DT中性子源FNSで実施したが、閾反応以外の結果で計算値が実験値を大きく過小評価しており、共鳴領域で銅核データの弾性散乱、捕獲反応断面積に問題がある可能性を指摘した。そこでグラファイト付銅実験体系を提案し、低エネルギー成分を増やした入射中性子場を設けて新ベンチマーク実験を実施した。放射化箔を用いて反応率を測定し、この実験解析をMCNPコード、最新の核データライブラリーを用いて行った。しかし、未だに低エネルギー中性子に感度を有する反応の反応率は計算値が実験値を大幅に過小評価した。銅核データの詳細検討より、前回試験的に作成した修正核データを用いることでこの過小評価の解消できることを明らかにした。この結果で低エネルギー中性子成分が多い中性子場でもこの断面積の修正の妥当性を確認できた。
3
Estimation of $$Delta$$${it R}$/${it R}$ values by benchmark study of the M$"o$ssbauer Isomer shifts for Ru, Os complexes using relativistic DFT calculations
金子 政志; 安原 大樹*; 宮下 直*; 中島 覚*
Hyperfine Interactions, 238(1), p.36_1 - 36_9, 2017/11
Ru, Os錯体の結合状態に対する密度汎関数計算の妥当性を評価することを目的として、$$^{99}$$Ru, $$^{189}$$Osのメスバウアー異性体シフト実験値を用いて理論計算手法のベンチマークを行った。結果、Ru錯体およびOs錯体の原子核位置での電子密度の計算値はメスバウアー異性体シフト実験値とよく相関した。
4
Study of the neutron multiplication effect in an active neutron method
米田 政夫; 大図 章; 森 貴正; 中塚 嘉明; 前田 亮; 呉田 昌俊; 藤 暢輔
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(11), p.1233 - 1239, 2017/11
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
アクティブ中性子法における中性子増倍効果に関して、解析及び実験による研究を実施した。アクティブ中性子法を用いた核物質の測定では、第2世代以降の中性子による中性子増倍の影響を受ける。しかしながら、そのような中性子増倍効果による影響について、これまで十分に調べられてこなかった。本研究では、第3世代中性子による中性子増倍が無視できる場合において、測定データから第2世代中性子による中性子増倍効果の影響を補正する手法について調べ、測定データから中性子増倍の影響を除外する補正方法を提案した。更に、本手法を利用した深い未臨界度の評価手法についても示した。
5
Measurement and estimation of the $$^{99}$$Mo production yield by $$^{100}$$Mo($$n,2n$$)$$^{99}$$Mo
湊 太志; 塚田 和明*; 佐藤 望*; 渡辺 智*; 佐伯 秀也*; 川端 方子*; 橋本 慎太郎; 永井 泰樹*
Journal of the Physical Society of Japan, 86(11), p.114803_1 - 114803_6, 2017/11
核診断に使われる$$^{99m}$$Tcの親核である$$^{99}$$Moの生成量の測定と計算を行った。$$^{99}$$Moは$$^{100}$$Mo($$n$$,$$2n$$)$$^{99}$$Mo反応によって作られ、中性子源はC($$d$$,$$n$$)反応を用いた。中性子のエネルギー範囲は熱領域から約40MeVまでである。測定された$$^{99}$$Moの生成量は、最新のC($$d$$,$$n$$)反応の実験データおよびJENDL評価済み断面積を用いて予測された数値計算結果と一致していることが分かった。次に、経済的に適した$$^{99}$$Moの生成法を模索するため、$$^{99}$$Mo生成の条件を変えた新しい系統的な数値計算を実施した。考慮した条件は、$$^{100}$$MoO$$_{3}$$サンプルの質量、炭素標的とサンプル間の距離、重陽子ビームの半径、照射時間である。得られた$$^{99}$$Moの生成量より、一つの加速器で$$^{99}$$Moの日本の需要量の約30%を担うことができることが分かった。また、1日2回$$^{99}$$Moから$$^{99m}$$Tcを溶出することで、$$^{99}$$Moの需要量の約50%まで引き上げることが可能であることが分かった。
6
Hillocks created for amorphizable and non-amorphizable ceramics irradiated with swift heavy ions; TEM study
石川 法人; 田口 富嗣*; 大久保 成彰
Nanotechnology, 28(44), p.445708_1 - 445708_11, 2017/11
近年、照射材料工学研究グループは、高速重イオン照射したセラミックスの表面ナノ構造(ヒロック)を透過型電子顕微鏡で直接観察できる手法を初めて開発した。この手法を用いた観察の結果、非晶質化する材料であるY$$_{3}$$Fe$$_{5}$$O$$_{12}$$(YIG)ではヒロックも非晶質化していること、一方、非晶質化しないCaF$$_{2}$$等のフッ化物ではヒロックも非晶質化せず結晶性を有していることを発見した。さらに、YIGではヒロックの直径とイオントラック損傷の直径が同じであるのに対して、フッ化物ではヒロックの直径がイオントラック損傷の直径より常に大きいことを見出した。非晶質化する/しないという材料特性が、照射で形成されるナノ構造の寸法に影響を与えるという結果は、イオンの飛跡に沿って局所的に融解した後の再結晶化プロセスの有無が最終的な損傷形態を決定しているというシナリオで全て説明できる。
7
長寿命核種の分離変換技術の現状,4; 加速器駆動システムを用いた核変換システムと分離変換技術の成熟度
辻本 和文; 荒井 康夫; 湊 和生
日本原子力学会誌, 59(11), p.644 - 648, 2017/11
本稿は、日本原子力学会「放射性廃棄物の分離変換」研究専門委員会において、国内外における分離変換技術や関連する技術の研究開発状況について調査・分析してきた結果を基に、長寿命核種の分離変換技術の現状について、4回に分けて紹介するものである。第4回にあたる本稿では、加速器と未臨界炉を組み合わせた加速器駆動システム(ADS)と核変換用窒化物燃料を用いた核変換システムについて解説するとともに、分離変換技術の開発がどの段階まで進んでいるのかを解説する。ADSについては、ADSによるMA核変換システムの特徴について述べるとともに、日本原子力研究開発機構(JAEA)で概念検討を進めている液体鉛ビスマス冷却システムを解説した。また、JAEAで実施中の主な研究開発項目を述べるとともに、現在計画中の新たな実験施設を紹介した。窒化物燃料については、MA核変換システム用燃料としての特徴、製造技術と使用中の燃料ふるまい評価における課題を解説するとともに、JAEAで実施中の主な研究開発項目を紹介した。最後に、新技術の着想から実用化までをいくつかの段階に分けて技術開発の進展を体系的に示す指標である技術成熟度(TRL)を用いて、わが国における分離変換技術の成熟度を評価した結果を示した。
8
焼もどしマルテンサイト鋼の水素昇温脱離プロファイルの二種類のトラップサイトを仮定した数値シミュレーション
土田 豊*; 海老原 健一
鉄と鋼, 103(11), p.653 - 659, 2017/11
低温昇温脱離解析によって得られた焼戻しマルテンサイト鋼の非常に薄い平板試料の水素熱脱離曲線に見られる単一ピークを2つのガウス分布の重ねあわせにより適切に再現した。さらに、ChooとLeeの方法を用い、それぞれのガウス分布から同定したピーク温度から、それぞれのピークに対応する水素トラップサイトのデトラップ速度定数に関するパラメータを算出した。水素拡散を無視した熱解離律則条件に基づくKissingerモデルに算出されたパラメータを組み入れ、水素熱脱離を計算したところ、それぞれのガウス分布のピーク形状を再現できることが分かった。また、同様に、算出されたパラメータを熱脱離解析に関する反応拡散方程式に組み入れ、またトラップサイト濃度を適切に設定して計算したところ、実験熱脱離曲線を再現することができた。これらの結果から、ガウス分布の当てはめで得たパラメータが妥当であることが確認され、また、2つのガウス分布に対応するトラップサイトが転位と粒界であると推定できる。
9
Effect of crystal orientation on incipient plasticity during nanoindentation of magnesium
染川 英俊*; 都留 智仁; Singh, A.*; 三浦 誠司*; Schuh, C. A.*
Acta Materialia, 139, p.21 - 29, 2017/10
 被引用回数:1
ナノインデンテーションにおけるポップイン挙動は転位の活動によって生じるため、結晶方位に強く影響する。我々はマグネシウムに対するナノインデンテーションに対する実験と分子動力学計算によって方位の影響を詳細に検討した。実験によるインデンテーションから、底面の押込みにおけるポップイン荷重とそれに付随した変位は柱面への押込みより大きくなることがわかり、原子シミュレーションによる荷重-変位関係からも同様の結果が得られた。これらの方位による違いは、押込みによって生成される転位のタイプによって特徴づけられ、柱面のポップインは押込み軸に垂直な底面すべりによって生じる一方、底面では押込み方向の変位を生成しない底面すべりだけでなく錐面上に転位が生成されるためであることがわかった。
10
Evaluation of the accuracy of mono-energetic electron and beta-emitting isotope dose-point kernels using particle and heavy ion transport code system: PHITS
椎葉 拓郎*; 久峩 尚也*; 黒岩 靖淳*; 佐藤 達彦
Applied Radiation and Isotopes, 128, p.199 - 203, 2017/10
 パーセンタイル:100(Chemistry, Inorganic & Nuclear)
単色電子や$$beta$$放出核種の線量・点カーネル(ある点線源による吸収線量の減衰を線源からの距離の関数として表したもの)は、RI内用療法などの治療計画で極めて重要となる。本研究では、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて単色電子(0.015, 0.1, 1.0, 2.0MeV)及び$$beta$$放出核種($$^{89}$$Sr, $$^{90}$$Y, $$^{131}$$I)の水及び骨に対する線量・点カーネルを計算し、EGSnrc, GATE6.0, MCNP4C, FLUKAなど他の計算コードによる結果と比較した。その結果、PHITSによる計算結果は他のコードの結果と概ね4%の範囲内で一致した。この結果から、PHITSを用いて計算した線量・点カーネルはRI内用療法の線量評価に用いるのに十分な精度を有していると考えられる。
11
Mesoporous alumina as an effective adsorbent for molybdenum (Mo) toward Instant production of radioisotope for medical use
Saptiama, I.*; Kaneti, Y. V.*; 鈴木 裕美*; 鈴木 善貴; 土谷 邦彦; 榮 武二*; 高井 公子*; 福光 延吉*; Alothman, Z. A.*; Hossain, M. S. A.*; et al.
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 90(10), p.1174 - 1179, 2017/10
放射化法における$$^{99}$$Moは比放射能が低いことから、医療用Mo吸着材として高いMo吸着性能を有する材料が求められている。このため、メソポーラス構造を持つアルミナの開発を進めている。本研究では、メソポーラスアルミナ(MA)を開発し、比表面積や結晶構造の違いによるMo吸着性能の評価を行った。この結果、焼結温度の違いによるMAの気孔径や比表面積の違いを明らかにするとともに、Mo溶液の違いによるMo吸着性能を明らかにした。
12
台風201326号出水に伴う新田川起源懸濁態放射性核種の沿岸域でのインベントリ解析
内山 雄介*; 東 晃平*; 小谷 瑳千花*; 岩崎 理樹*; 津旨 大輔*; 上平 雄基; 清水 康行*; 恩田 裕一*
土木学会論文集,B2(海岸工学)(インターネット), 73(2), p.I_685 - I_690, 2017/10
福島新田川流域には原子力発電所事故直後に大量の放射性セシウム137($$^{137}$$Cs)が大気経由で沈着し、高濃度の懸濁態$$^{137}$$Csとして河道に集積したのち、出水毎に間欠的に海域へ供給され、沿岸域の底質環境に影響を与え続けている。本研究では、4段ネストJCOPE2-ROMS海洋モデル、波浪推算モデルSWAN、河川土砂流出モデルiRIC-Nays2DH、混合粒径土砂3次元海洋輸送モデル、放射性核種吸着モデルを連成させた超高解像度広域での土砂およびそれらに吸着した懸濁態$$^{137}$$Csの海洋移流分散モデリングを行い、台風201326号出水イベントに伴う新田川起源土砂の河口・沿岸域における輸送、再懸濁、堆積、浸食過程の時空間特性を評価した。その結果、台風通過直後に新田川から海域へ流入した懸濁態$$^{137}$$Csの総量の約45.3%は河口1km圏内に堆積していた。さらに、浅海域における沿岸漂砂の輸送には南方向への偏りがみられた。以上の結果は現地調査結果とも整合的であった。
13
琉球諸島周辺海域における生態系ネットワーク形成に対する黒潮の影響について
小谷 瑳千花*; 内山 雄介*; 鹿島 基彦*; 上平 雄基; 御手洗 哲司*
土木学会論文集,B2(海岸工学)(インターネット), 73(2), p.I_1315 - I_1320, 2017/10
本研究では、琉球諸島周辺を対象とした3次元流動再解析値を用いてサンゴの卵と浮遊幼生を想定したLagrange粒子追跡計算を行い、漂流ブイ観測との比較を行った。また、琉球諸島におけるコネクティビティを定量化するともに、特に黒潮の影響を受けて長距離移動する粒子の分散過程に着目した解析を実施した。シミュレーション結果は漂流ブイ観測結果を良好に再現していた。また、石西礁湖北部から放出される粒子は黒潮にトラップされやすく、北東方向へ長距離移動するのに対し、石西礁湖南部では東向き流速の影響を受けると黒潮にトラップされにくくなり、南から東方向へ輸送されることがわかった。黒潮によって北東方向へ輸送された粒子は、黒潮と沖縄本島間に発生するメソスケール渦に伴う黒潮反流によって黒潮を離脱し、沖縄本島へ接近することが示唆された。
14
Lead benchmark experiment with DT neutrons at JAEA/FNS
権 セロム*; 太田 雅之*; 佐藤 聡*; 今野 力; 落合 謙太郎*
Fusion Science and Technology, 72(3), p.362 - 367, 2017/10
鉛は核融合炉システムで中性子増倍、トリチウム増殖及び冷却材の候補材料である。更に$$gamma$$線の遮蔽材でもあり、IFMIF加速器中性子源ではビームダンプ、機器の遮蔽への使用が期待されている。7年前に鉛の核データベンチマーク実験を原子力機構のDT中性子源FNSで実施したが、低エネルギー中性子に感度を有する反応の結果に実験室壁等の散乱によるバックグランド中性子の影響が含まれていた。そこでバッググランド中性子を吸収する酸化リチウムで囲んだ鉛実験体系で新たなベンチマーク実験を実施した。放射化箔を用いて反応率を測定し、この実験解析をMCNPコード、最新の核データライブラリーを用いて行った。7年前に測定できなかった低エネルギー中性子に感度を有する反応の反応率の測定には成功したものの、全ての反応率結果で鉛体系表面からの距離とともにどの核データライブラリーを用いた計算値も実験値を過小評価する傾向が見られた。鉛核データの詳細検討により計算値の過小評価原因として考えられる核データ間の差を指摘した。
15
Processes affecting long-term changes in $$^{137}$$Cs concentration in surface sediments off Fukushima
乙坂 重嘉
Journal of Oceanography, 73(5), p.559 - 570, 2017/10
福島県,宮城県、及び茨城県の沖合71観測点で得られた表層(深度0-10cm層)堆積物中の放射性セシウムの濃度の時間変化の傾向をまとめるとともに、その変化に及ぼす堆積物の鉛直混合の影響について詳しく議論する。沿岸域(水深100m以浅の海域)における表層堆積物中の$$^{137}$$Cs濃度は、観測点によってその速度は異なるものの、2011年から2015年までに、平均して一年あたり27%の割合で減少した。このような$$^{137}$$Cs濃度の目立った時間変化は、沖合海域では見られなかった。沿岸域における表層堆積物中の$$^{137}$$Cs濃度減少には、堆積物の鉛直混合に伴う希釈が最も大きく寄与しており、堆積物鉛直混合モデルによる解析の結果、上記の減少率の半分以上がこの過程で説明することができた。$$^{137}$$Csを吸着した堆積物の水平移動や、堆積物からの$$^{137}$$Csの溶脱も、表層堆積物中の$$^{137}$$Cs濃度減少に寄与しているが、堆積物の鉛直混合に比べて効果は低いと推測された。
16
Preface "Radionuclides in coastal sediments after the accident of Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant; Distribution, dynamics and fate"
長尾 誠也*; 乙坂 重嘉; 帰山 秀樹*
Journal of Oceanography, 73(5), P. 527, 2017/10
福島第一原子力発電所事故から5年以上が経過し、海洋環境においても多くの調査研究が進められてきた。海底堆積物中の放射性セシウムの水平分布、時系列変動については、2011年5月より、主に宮城県・福島県・茨城県・千葉県沿岸域でのモニタリング調査が続けられている。しかしながら、事故由来放射性核種による海底堆積物及び海底付近の生態系への影響評価は、その局所依存性や観測の困難さ等により、他の環境調査に比べて遅れていた。今回、「Journal of Oceanography」誌において標題の特集セクションを組み、河口,沿岸及び沖合海域における海底堆積物中の放射性セシウムの濃度分布や、その数年規模での変化傾向と要因についての4報の論文を掲載した。本解説は、その特集の企画意図を示すとともに、内容を概観するものである。
17
Sources of $$^{137}$$Cs fluvial export from a forest catchment evaluated by stable carbon and nitrogen isotopic characterization of organic matter
武藤 琴美; 安藤 麻里子; 小嵐 淳; 竹内 絵里奈; 西村 周作; 都築 克紀; 松永 武*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 314(1), p.403 - 411, 2017/10
福島第一原子力発電所事故により森林に沈着した放射性Csが河川を通して流出することで、下流の市街地や農地への汚染が長期間続くことが懸念されている。本研究では、森林から河川への放射性Cs流出挙動を評価するために、落葉広葉樹林を集水域とする小河川に放射性Csの連続捕集装置を設置し、事故の半年後から4年間調査を行った。河川中の放射性Csを懸濁態と溶存態に分けて採取し、懸濁態は粒径ごとに分画した。また、河川中の懸濁物と土壌について、炭素及び窒素の量と同位体比を分析し比較した。その結果、放射性Csの主要な流出形態は粒径75$$mu$$m以下の懸濁態であり、分解の進んだリターと鉱物土壌を起源としていることが明らかになった。また、リター分解を起源とする溶存態Csの流出量も無視できないことが分かった。リターから土壌への放射性Csの移行が進んでいることから、今後、溶存態による河川流出は数年で減少する一方、懸濁態による河川流出は長期間継続することが示唆された。
18
核データ研究の最前線; たゆまざる真値の追及、そして新たなニーズへ応える為に,1; 多様化する原子核工学と核データのニーズ
須山 賢也; 国枝 賢; 深堀 智生; 千葉 豪*
日本原子力学会誌, 59(10), p.598 - 602, 2017/10
核データとは狭義には原子核と中性子の反応の確率であるが、一般的に言えば、原子核の物理的変化や反応の様子を表現するデータの事である。我が国が原子力開発に着手して以来、核データの開発は重要な技術開発のテーマであり、現在我が国の核データライブラリJENDLは世界で最も高い精度と完備性を兼ね備えた核データファイルの一つとして国際的に認知されている。本連載講座では、原子力開発に関係している方々を対象とし、核データ開発の意義、核データの開発の最新の状況、国際的な動向、そして今後の開発の方向性を解説する。
19
原爆線量DS02の改訂版(DS02R1線量)
古田 琢哉
日本保健物理学会ホームページ(インターネット), 2 Pages, 2017/10
現在の国際的な放射線防護基準は、広島・長崎の原爆被爆者の長期にわたる健康調査とDS02推定方式による被爆者個人別の線量推定値を基に策定されている。DS02は被爆時の所在地や周囲の遮蔽条件等の被爆者個人別の詳細データを入力として線量値を推定するため、入力値の精度が線量推定値の精度、そして放射線リスクの評価の精度に直結する。本解説記事では、DS02線量推定方式の核となるシステム本体はそのままに、被爆者個人別の詳細データの改善とその影響について調べた論文(DS02R1)を紹介する。
20
A Numerical simulation method for molten material behavior in nuclear reactors
山下 晋; 伊奈 拓也; 井戸村 泰宏; 吉田 啓之
Nuclear Engineering and Design, 322, p.301 - 312, 2017/10
過酷事故時の沸騰水型原子炉における溶融物の詳細な挙動について大きな注目を集めている。この挙動を明らかにするために、原子力機構では3次元多相多成分熱流動解析コードJUPITERを開発している。本論文では、JUPITERの妥当性を確認するために計算手法の基礎的妥当性検証及び実験結果との比較を実施し、良好な一致を得ることができた。加えて新たに開発したハイブリッド並列Poissonソルバーを導入することによって劇的に性能が向上した。そして、スーパーコンピュータ「京」において20万コアまでのストロングスケーリングを達成した。これらJUPITERの物理的、計算機的能力は、過酷事故時の各種溶融現象の評価を可能にするものと言える。