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1
Estimation of $$Delta$$${it R}$/${it R}$ values by benchmark study of the M$"o$ssbauer Isomer shifts for Ru, Os complexes using relativistic DFT calculations
金子 政志; 安原 大樹*; 宮下 直*; 中島 覚*
Hyperfine Interactions, 238(1), p.36_1 - 36_9, 2017/11
Ru, Os錯体の結合状態に対する密度汎関数計算の妥当性を評価することを目的として、$$^{99}$$Ru, $$^{189}$$Osのメスバウアー異性体シフト実験値を用いて理論計算手法のベンチマークを行った。結果、Ru錯体およびOs錯体の原子核位置での電子密度の計算値はメスバウアー異性体シフト実験値とよく相関した。
2
プルトニウム研究1棟廃止措置準備作業
瀬川 優佳里; 堀田 拓摩; 北辻 章浩; 熊谷 友多; 青柳 登; 中田 正美; 音部 治幹; 田村 行人*; 岡本 久人; 大友 隆; et al.
JAEA-Technology 2016-039, 64 Pages, 2017/03
本報告書は、プルトニウム研究1棟の廃止措置に関して施設利用者である研究グループが主体的に取り組んだ準備作業についてまとめたものである。プルトニウム研究1棟は、平成25年度から推進された原子力機構改革において、廃止措置対象施設の一つに選定された。廃止措置の決定により、それまで施設を利用してきた研究グループは、実験器具及び測定機器を撤去し、核燃料物質の一部及び放射性同位元素を他施設へ運搬する必要が生じた。放射化学研究グループでは、廃止措置準備を円滑に実施するため平成27年4月に「プルトニウム研究1棟使用機器撤去作業チーム」を立ち上げ、使用機器の撤去、薬品の処分、放射能汚染した可能性がある水銀の安定化処理、核燃料物質の安定化処理、核燃料物質・放射性同位元素の他施設への運搬グローブボックス汚染状況の調査について計画を立案し実施した。核燃料物質の使用の許可に関わる作業を除き、作業は平成27年12月に完了した。本報告書では、今後の老朽化施設廃止の際に役立てられるように、これらの作業について細目立てし、詳細に報告する。
3
ICSBEPハンドブックを用いたJENDL-4.0のU-233体系に対する積分ベンチマークテスト
桑垣 一紀*; 長家 康展
JAEA-Data/Code 2017-007, 27 Pages, 2017/03
これまでJENDL-4.0のU-233体系に対する積分ベンチマークテストは、連続エネルギーモンテカルロコードMVPを使用して、国際臨界安全ベンチマーク評価プロジェクト(ICSBEP)ハンドブックに掲載されている金属燃料高速体系、溶液燃料体系の一部のみで行われていた。本研究では、U-233体系に対する包括的な積分ベンチマークテストを行うため、化合物燃料熱体系(主に格子体系)を含むMVP入力データが未整備の体系についてその入力データを作成し、JENDL-4.0の臨界性に対する予測精度を評価した。その結果、すべての体系において実験値に対して過小評価する傾向があることが分かった。また、ENDF/B-VII.1のU-233熱体系に対する積分テストでは、炉特性パラメータATFF(Above-Thermal Fission Fraction)に対するC/E値の依存性の問題が指摘されており、JENDL-4.0を用いた積分ベンチマークテストにおいてもATFFを計算し、C/E値との依存性を調べた。その結果、JENDL-4.0にENDF/B-VII.1と同様の傾向があることが確認された。
4
MVP/GMVP第3版; 連続エネルギー法及び多群法に基づく汎用中性子・光子輸送計算モンテカルロコード(翻訳資料)
長家 康展; 奥村 啓介; 櫻井 健; 森 貴正
JAEA-Data/Code 2016-019, 450 Pages, 2017/03
高速かつ高精度な中性子・光子輸送モンテカルロ計算を実現するため、日本原子力研究開発機構において、2つのモンテカルロコードMVP(連続エネルギー法)とGMVP(多群法)が開発されてきた。これらのコードはベクトル型アルゴリズムを採用し、ベクトル計算機用に開発されてきたが、標準並列化ライブラリーMPIを用いた並列計算にも対応しており、一般の計算機環境でもモンテカルロ計算の高速化が可能である。両コードは正確な物理モデル、詳細な幾何形状表現法、分散低減法等、実用コードとして十分な機能を有している。これらコードの第1版は1994年、第2版は2005年に公開され、それ以降も様々な改良と機能拡張が行われてきた。第2版公開以降の主な改良点と新機能は、(1)実効増倍率に対する摂動計算手法、(2)厳密共鳴弾性散乱モデル、(3)動特性パラメータ計算機能、(4)光核反応モデル、(5)遅発中性子のシミュレーション、(6)多群定数生成機能等である。本報告書では2つのコードで用いられている物理モデル、幾何形状表現法、新たな機能及びそれらの使用法が記載されている。
5
MVP/GMVP version 3; General purpose Monte Carlo codes for neutron and photon transport calculations based on continuous energy and multigroup methods
長家 康展; 奥村 啓介; 櫻井 健; 森 貴正
JAEA-Data/Code 2016-018, 421 Pages, 2017/03
高速かつ高精度な中性子・光子輸送モンテカルロ計算を実現するため、日本原子力研究開発機構において、2つのモンテカルロコードMVP(連続エネルギー法)とGMVP(多群法)が開発されてきた。これらのコードはベクトル型アルゴリズムを採用し、ベクトル計算機用に開発されてきたが、標準並列化ライブラリーMPIを用いた並列計算にも対応しており、一般の計算機環境でもモンテカルロ計算の高速化が可能である。両コードは正確な物理モデル、詳細な幾何形状表現法、分散低減法等、実用コードとして十分な機能を有している。これらコードの第1版は1994年、第2版は2005年に公開され、それ以降も様々な改良と機能拡張が行われてきた。第2版公開以降の主な改良点と新機能は、(1)実効増倍率に対する摂動計算手法、(2)厳密共鳴弾性散乱モデル、(3)動特性パラメータ計算機能、(4)光核反応モデル、(5)遅発中性子のシミュレーション、(6)多群定数生成機能等である。本報告書では2つのコードで用いられている物理モデル、幾何形状表現法、新たな機能及びそれらの使用法が記載されている。
6
Development of the Eulerian atmospheric transport model GEARN-FDM; Validation against the European tracer experiment
門脇 正尚; 堅田 元喜; 寺田 宏明; 永井 晴康
Atmospheric Pollution Research, 8(2), p.394 - 402, 2017/03
世界版緊急時環境線量情報予測システム(WSPEEDI)は、粒子法による大気拡散モデルGEARNを用いている。総観規模より大きな計算対象領域においては粒子法のもつ統計誤差や計算機資源の確保が問題となる。本研究では、WSPEEDIの長距離の大気拡散シミュレーションにおける性能向上のために、有限差分法に基づく大気拡散モデルGEARN-FDMを開発した。移流拡散方程式は質量保存を満たす移流スキームとクランクニコルソン法で解かれる。水平拡散を計算するために、サブグリッドスケールの水平拡散の効果をパラメタリゼーションとして導入した。モデルの妥当性を欧州大気拡散実験データを用いて検証した結果、濃度分布や最大濃度の観測時刻、プリューム到達時刻は良好に再現された。計算による測定値の再現度を評価する統計値も、従来モデル同等以上の結果が得られ、モデルの妥当性を確認した。シミュレートされた水平拡散係数は沿岸や山岳で大きく、それらの場所をプリュームが通過するときに強い拡散が生じていた。水平拡散による輸送を正確にモデル化することは、放射性核種輸送計算をするうえで重要であることが示唆される。
7
Ionization of protoplanetary disks by galactic cosmic rays, solar protons, and supernova remnants
片岡 龍峰*; 佐藤 達彦
Geoscience Frontiers, 8(2), p.247 - 252, 2017/03
原始惑星円盤における銀河宇宙線・太陽陽子・超新星残骸による電離量評価は、惑星形成の解析に重要となる。そこで、我々は粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて様々なスペクトルの宇宙線に対する原始惑星円盤の電離減衰長(電離密度が1/eになる距離)を計算した。その結果、銀河宇宙線による電離減衰長は118g cm$$^{-2}$$となり、一般的に使われている値よりも20%ほど高いことが分かった。また、太陽陽子による電離減衰長は、銀河宇宙線による値と比較して最大で5%程度大きく、最小で20%程度小さいことが分かった。さらに、原始惑星円盤の成分を考慮した混合ガスを想定することにより電離減衰長は約10%増加することが分かった。この結果は、原始惑星円盤におけるデッドゾーンの大きさの推定に重要な影響を与える。
8
Applicability of the two-angle differential method to response measurement of neutron-sensitive devices at the RCNP high-energy neutron facility
増田 明彦*; 松本 哲郎*; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; 佐藤 大樹; 佐藤 達彦; 岩瀬 広*; 八島 浩*; 中根 佳弘; 西山 潤*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 849, p.94 - 101, 2017/03
大阪大学核物理研究センターRCNPの陽子-リチウム核反応を用いた高エネルギー準単色中性子場は、放射線測定器の特性試験や校正などに利用されている。この中性子場のエネルギースペクトルは、0度方向に放出される中性子によるピーク部とそれ以外の角度に放出される連続部からなる。このうち、各試験で対象とするエネルギーはピーク部であるが、われわれは、これまでに0度と他角度方向に設置した検出器応答から、連続部の寄与を差し引く二角度差分法を開発してきた。本研究では、高密度ポリエチレン(HDPE)減速材付属のボナー球検出器に対する本手法の適用性を、96-387MeVの準単色中性子を用いて調査した。その結果、様々な大きさのHDPEに対して本手法は適応可能であることを検証できた。一方で、小型のHDPEは、中性子場のコリメータ,壁等による低エネルギー散乱中性子に感度を有するため、二角度差分法の他に、検出器の設置角度毎に低エネルギー散乱中性子に対する検出器応答の補正が必要である等、本中性子場を利用するユーザーに対する有益な指針を示すことができた。
9
Effect of twin boundary on crack propagation behavior in magnesium binary alloys; Experimental and calculation studies
染川 英俊*; 都留 智仁
Scripta Materialia, 130, p.114 - 118, 2017/03
マグネシウムのき裂進展挙動に対する合金元素の影響と{10$$bar{1}$$2}型の双晶境界における原子レベルの挙動について、実験と計算によって検討した。その結果、実験から合金元素が明確にき裂進展挙動に影響することがわかった。計算によって、閉殻な軌道を銀や亜鉛などの合金ではマグネシウムの双晶境界を強化する傾向があることがわかった。
10
Evaluation of neutron nuclear data on platinum isotopes
柴田 恵一
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(2), p.147 - 157, 2017/02
 パーセンタイル:0(Nuclear Science & Technology)
次期汎用評価済み核データライブラリJENDLのためにプラチナ同位体の中性子核データを$$10^{-5}$$eVから20MeVのエネルギー範囲で評価した。天然同位体の分離共鳴パラメータはMughabghabの推奨値を採用した。非分離共鳴パラメータは核反応モデルにより計算された全断面積及び捕獲断面積を再現するように決定した。分離共鳴領域以上のエネルギーでは、統計模型コードCCONEを用いて断面積を評価した。計算では、複合核過程に加えて、前平衡及び直接過程を考慮した。中性子とプラチナ同位体との相互作用はチャネル結合光学模型ポテンシャルを用いた。評価結果は実験値とよく一致しており、既存の評価済みデータを上回るものであった。今回得られた結果から、ENDF形式でデータファイルを作成した。
11
Positron annihilation in the near surface of room temperature ionic liquids
平出 哲也; O'Rourke, B. E.*; 小林 慶規*
Journal of Physics; Conference Series, 791(1), p.012029_1 - 012029_4, 2017/02
イオン液体である、N,N,N-trimethyl-N-propylammonium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (TMPA-TFSI)について、産総研に整備された垂直型の低速陽電子ビームを用いて、液面近傍における陽電子消滅率の測定を試みた。イオン液体の蒸気圧は非常に小さく、真空容器内にそのままイオン液体を配置することで、液面表面近傍の陽電子消滅率の測定を行うことが可能である。本測定は、イオン液体表面近傍における最初の陽電子消滅率の測定となる。その結果、三重項ポジトロニウムの消滅率が表面に近いほど大きくなることが分かった。
12
Structure of nitride layer formed on titanium alloy surface by N$$_{2}$$-gas exposure at high temperatures
武田 裕介; 飯田 清*; 佐東 信司*; 松尾 忠利*; 長嶋 泰之*; 大久保 成彰; 近藤 啓悦; 平出 哲也
Journal of Physics; Conference Series, 791(1), p.012022_1 - 012022_4, 2017/02
ゴルフクラブや、航空機用構造材料等に広く用いられているチタン合金は、表面を窒化処理することで硬さを飛躍的に増すことが知られているが、熱処理温度または時間によっては表面に形成された窒化層が負荷により簡単に剥離してしまい、実用性に欠く場合がある。そこでわれわれは2つの窒化条件、(1)810$$^{circ}$$C 600minと(2) 850$$^{circ}$$C 720minで処理した試料を準備し、その表面に形成された窒化層を、陽電子消滅$$gamma$$線ドップラー広がり(DB)測定で評価した。窒素の拡散のみ考慮して評価すると0.05-0.1$$mu$$mまで窒化されると予想されるが、DBによる評価では窒化によって導入される欠陥層は0.5$$mu$$mを超える領域まで達していることがわかった。
13
Dissolved radiocaesium in seawater off the coast of Fukushima during 2013-2015
福田 美保*; 青野 辰夫*; 山崎 慎之介*; 西川 淳*; 乙坂 重嘉; 石丸 隆*; 神田 譲太*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 311(2), p.1479 - 1484, 2017/02
 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)
福島第一原子力発電所(福島第一原発)近傍における海水中の放射性セシウム分布の決定要因を明らかにするため、2013年から2015年にかけて福島第一原発から10km圏内の7観測点で得られた海水中の$$^{137}$$Cs濃度と、海水の特性(塩分、水温、ポテンシャル密度)との関係についてまとめた。海水中の$$^{137}$$Cs濃度は原発近傍で高く、また比較的低密度の海水で高かった。この結果から、河川水や福島第一原発港湾内からの海水の流入が、局所的に高い$$^{137}$$Cs濃度の増加をもたらしたと推測される。なお、これらの比較的高い$$^{137}$$Cs濃度を持つ海水は、より低密度の海水の下層へと貫入することにより、水深20$$sim$$50m付近まで運ばれる場合があることが明らかになった。
14
Thermodynamic evidence for nematic superconductivity in Cu$$_{x}$$Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$
米澤 慎吾*; 田尻 兼悟*; 中田 勝*; 永井 佑紀; Wang, Z.*; 瀬川 耕司*; 安藤 陽一*; 前野 悦輝*
Nature Physics, 13(2), p.123 - 126, 2017/02
 被引用回数:1 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)
銅酸化物高温超伝導体や鉄系高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、様々な産業への応用が期待され世界中で盛んに研究されている。特に、従来とは異なった熱応答や電磁応答を示すトポロジカル超伝導体と呼ばれる物質群が注目を集めている。そこで、本論文では、トポロジカル絶縁体Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$に銅をインターカレートすることで作成される超伝導体Cu$$_{x}$$Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$の新奇物性を調べるために、磁場を面内に回転させて比熱を高精度に測定し、理論結果と比較した。なお、上記課題の解決にあたり、トポロジカル超伝導体の有効理論を構築することで本質を落とさずに系の自由度を大幅に縮小させることで幅広い温度磁場領域での実験結果との比較を可能にした。その結果、この物質では二回対称性のみを持つネマティック超伝導状態が生じていることを実験によって明らかにすることができた。これらの結果は、超伝導体の基礎物性を明らかにするのみならず、良い物性を持つデバイス開発に資する成果であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。
15
平成27年度計算科学技術研究実績評価報告
システム計算科学センター
JAEA-Evaluation 2016-003, 38 Pages, 2017/01
システム計算科学センターにおいては、「国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の中長期目標を達成するための計画(中長期計画)」に基づき、原子力分野における計算科学技術研究に関する研究開発を実施してきた。この研究開発は原子力基礎基盤研究のうちの1分野として位置づけられていることから、原子力基礎工学研究・評価委員会による助言と評価がなされるが、計算科学技術研究については、それを支援するために原子力基礎工学研究・評価委員会の下に計算科学技術研究専門部会が設置され、課題の詳細な内容等を評価することとなった。本報告は、平成27年度にシステム計算科学センターにおいて実施された計算科学技術研究の実績と、それに対する計算科学技術研究専門部会による評価をとりまとめたものである。
16
A Terrestrial ecosystem model (SOLVEG) coupled with atmospheric gas and aerosol exchange processes
堅田 元喜; 太田 雅和
JAEA-Data/Code 2016-014, 35 Pages, 2017/01
自然および人為起源の大気汚染物質(ガス・エアロゾル)の陸域生態系への移行過程を評価するために、大気中ガスやエアロゾルの乾性沈着とそれに関連する過程(氷相、植物成長、土壌有機物分解)の新しいスキームを、著者らの多層大気-土壌-植生1次元モデルSOLVEGに導入し、これらのスキームの検証試験を様々な植生地で行ってきた。本報告では、新たにモデル化したそれぞれの過程と、改良したモデルの利用方法の詳細を記述した。この改良によって、地球温暖化や大気汚染に伴う大気-陸面間の水・エネルギー・物質循環の変化と、それが生態系に及ぼす影響の評価を調べるための「陸域生態系モデル」の基盤が完成した。
17
Spectrum-dose conversion operator of NaI(Tl) and CsI(Tl) scintillation detectors for air dose rate measurement in contaminated environments
津田 修一; 斎藤 公明
Journal of Environmental Radioactivity, 166(Part 3), p.419 - 426, 2017/01
 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)
東京電力福島第一原子力発電所事故後、福島県をはじめ東日本の広域において、環境中の空間線量率測定等が継続して実施されている。測定には、原子力発電所等で利用されるサーベイメータ等の測定器が使用され、それらは基準校正場と呼ばれる既知の放射線場において、一方向からの照射条件で線量の校正が行われている。しかし一般に、測定器は入射する放射線の方向によって異なる感度を有し、実際の環境中では、放射線は様々な方向から測定器に入射する。そこで本研究では、通常よく用いられるNaI(Tl)およびCsI(Tl)シンチレーション式測定器で得られる線量の光子入射方向依存性を評価するために、ほぼ無限に広がった地面に放射性核種が存在する環境をPHITSコード上で再現し、周辺線量当量に対する環境測定用のスペクトル-線量変換演算子(G(E)関数)を導出した。その結果、通常よく用いられるシンチレーション式測定器は、単色エネルギー光子の場合、線量を最大で約40%過大評価する可能性のあるものの、実際の環境中では+20%以内で環境線源に対する線量を再現することを明らかにした。
18
Implementation of muon interaction models in PHITS
安部 晋一郎; 佐藤 達彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(1), p.101 - 110, 2017/01
 被引用回数:1 パーセンタイル:0(Nuclear Science & Technology)
宇宙線ミューオンを用いた原子炉の透視や核物質の検出、低エネルギー負ミューオンを用いた非破壊元素分析や超寿命核分裂生成物(LLFP)の核変換など、様々なミューオン応用研究が進められている。このようなミューオン応用研究にPHITSを適用可能とするため、本研究ではミューオンと物質との相互作用(制動放射、電子・陽電子対生成、ミューオン光核反応、負ミューオン捕獲反応)に関するモデルを構築し、PHITSに実装した。改良したPHITSは水中および地中での宇宙線ミューオンの透過フラックスおよび、ミューオン光反応および負ミューオン捕獲反応からの中性子生成に関する実験値をよく再現した。またコンクリート壁を前面に配置したミューオン照射による放射性核種生成断面積の測定実験を解析した結果、実験値との良好な一致が得られた。以上のように、粒子の透過距離や放射性核種生成の評価が重要となるミューオン施設の遮蔽設計に対して、新しい反応モデルを実装したPHITSの適用性が実証された。
19
Correction of the thermal neutron capture cross section of $$^{241}$$Am obtained by the Westcott convention
水山 一仁; 岩本 信之; 岩本 修
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(1), p.74 - 80, 2017/01
There is large discrepancy among the reported experimental data of the thermal neutron capture cross section of $$^{241}$$Am. The activation measurements provided larger cross sections than those in the time-of-flight (TOF) ones. The Westcott convention has been widely used for the derivation of the thermal neutron capture cross section in the activation measurements. The large discrepancy may be due to the existence of the resonances below the cadmium cut-off energy (E$$_{Cd}sim$$ 0.5 eV). By reviewing the Westcott convention, we developed the correction method taking account of the contribution of the resonances near or below $$E_{Cd}$$. The correction term was evaluated using the JENDL-4.0. Application of the present method successfully improved the existing discrepancy of the thermal capture cross section of $$^{241}$$Am.
20
Vertical distributions of global fallout $$^{137}$$Cs and $$^{14}$$C in a Japanese forest soil profile and their implications for the fate and migration processes of Fukushima-derived $$^{137}$$Cs
小嵐 淳; 安藤 麻里子; 天野 光*; 松永 武
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 311(1), p.473 - 481, 2017/01
 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)
核実験由来の$$^{137}$$Csと$$^{14}$$Cの、2001年における日本の森林土壌中の深さ分布を調査した。その結果、$$^{137}$$Csの多くは沈着から38年後もなお鉱物土壌層表層に存在していた。一方で、土壌特性の変化するA層とB層の境界層における$$^{137}$$Csの特異的な蓄積を発見した。この蓄積から、$$^{137}$$Csが年間0.20%の割合で有機物が豊富なA層を経由して下方へ移行したこと、及び層位境界層が$$^{137}$$Csの移行を妨げるバリアとして働くことを見出した。炭素14は$$^{137}$$Csと同様の深さ分布を示したことから、両核種が数十年の時間スケールで、同様の物理的経路を経て土壌中を移行したことが示唆された。