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1
Effect of topsoil removal and selective countermeasures on radiocesium accumulation in rice plants in Fukushima paddy field
Yang, B.*; 恩田 裕一*; 大森 良弘*; 関本 均*; 藤原 徹*; 脇山 義史*; 吉村 和也; 高橋 純子*; Sun, X.*
Science of the Total Environment, 603-604, p.49 - 56, 2017/12
 パーセンタイル:100(Environmental Sciences)
In this study, the effect of topsoil removal measure and fertilizer application on radiocesium uptake by rice plants was investigated over a four-year period. The results indicate that the effect of topsoil removal measure on the accumulation of radiocesium in rice plants was effective. We summarized four year's data to further confirm that potassium and nitrogen fertilizers had an opposite effect on the accumulation of radiocesium in rice plants. Increasing potassium and reducing nitrogen fertilizer conditions tended to inhibit the radiocesium uptake by rice plants.
2
福島事故廃棄物を対象とした$$^{93}$$Zr, $$^{93}$$Mo, $$^{107}$$Pd及び$$^{126}$$Sn分析法の開発
青野 竜士; 佐藤 義行; 島田 亜佐子; 田中 究; 上野 隆; 石森 健一郎; 亀尾 裕
JAEA-Technology 2017-025, 32 Pages, 2017/11
福島第一原子力発電所で生じた事故廃棄物を対象として抽出された処分安全評価上重要となる放射性核種のうち、分析手法が定まっていない$$^{93}$$Zr, $$^{93}$$Mo, $$^{107}$$Pd及び$$^{126}$$Snの4核種の分析法を開発した。主要な分析対象試料として、福島第一原子力発電所構内で採取された滞留水・処理水を想定した。この滞留水・処理水中に含まれる$$^{93}$$Zr, $$^{93}$$Mo, $$^{107}$$Pd及び$$^{126}$$Snに対して、目的核種の分離・精製法の開発、回収率向上に取り組み、この成果を本報告にまとめた。
3
Experimental characterization of concrete removal by high-power quasicontinuous wave fiber laser irradiation
Nguyen, P. L.; 大道 博行; 山田 知典; 西村 昭彦; 長谷川 登*; 河内 哲哉*
Journal of Laser Applications, 29(4), p.041501_1 - 041501_11, 2017/11
トンネルなどのインフラの保守保全作業は、技術者の目視確認、手作業(触診・打音・叩き落とし)で行われている。これらの作業は、非常に時間がかかり、大きな危険が伴うため、従来技術に変わる効率的で安全な保守保全技術の確立が求められている。本研究では、叩き落としに変わる技術として、高出力QCWファイバーレーザーを用いたコンクリート穿孔、切断除去技術の開発を行っており、その結果について報告する。
4
Distributions of density and fission products in the reaction product between irradiated MOX fuel and molten zircaloy-2
石見 明洋; 勝山 幸三; 前田 宏治; 古屋 廣高*
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(11), p.1274 - 1276, 2017/11
 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)
X線CTによってMOX燃料とジルカロイ反応生成物の2次元、3次元画像を取得した。また、Cs-137とEu-154のFP核種とCo-60の放射化核種の$$gamma$$線強度分布を取得した。2次元画像から、金属層領域において燃料と被覆管の平均密度が得られた。また、3次元画像から、燃料片とポアの状況を明確に把握することができた。$$gamma$$線測定より、Cs-137は未反応燃料領域と金属層領域内のポア部分において観察され、Eu-154は全ての領域に観察された。Co-60は金属層領域にのみ観察された。
5
福島の環境回復に向けた取り組み,7; 福島沿岸域における放射性セシウムの動きと存在量
乙坂 重嘉; 小林 卓也; 町田 昌彦
日本原子力学会誌, 59(11), p.659 - 663, 2017/11
福島の環境回復に関してまとめた連載記事の一つである。福島第一原子力発電所事故によって環境に放出された放射性セシウムの約7割は海洋に運ばれたと見積もられている。政府等によるモニタリング調査に加えて、国内外の多くの機関の調査研究によって、放射性セシウムの海洋における分布や動態が浮き彫りとなってきた。時間的・空間的に連続した観測データを得ることが困難な海洋においては、数値シミュレーションが積極的に活用され、事故後に新たに得られた知見を踏まえ、さらなる改良が進められている。本論文では、福島の沿岸域におけるセシウムの動きと存在量について俯瞰し、環境回復の現状の科学的な理解を深めるとともに、今後取り組むべき課題について解説している。
6
第16回学術大会(大分); 一般演題-E2 放射線計測-2
三上 智
日本放射線安全管理学会誌, 16(2), P. 41, 2017/11
筆者が座長を務めた口頭発表セッションの概要をまとめた。
7
Identification of penetration path and deposition distribution of radionuclides in houses by experiments and numerical model
廣内 淳; 高原 省五; 飯島 正史; 渡邊 正敏; 宗像 雅広
Radiation Physics and Chemistry, 140, p.127 - 131, 2017/11
The dose assessment for people living in preparation zones for the lifting of the evacuation order is needed with the return of the residents. However, it is difficult to assess exactly indoor external dose rate because the indoor distribution and infiltration pathways of radionuclides are unclear. This paper describes indoor and outdoor dose rates measured in eight houses in the difficult-to-return zone in Fukushima prefecture to examine the distribution of radionuclides in a house and the main infiltration pathway of radionuclides. In addition, it describes also dose rates calculated with a Monte Carlo photon transport code to understand thoroughly the measurements. These measurements and calculations provide that radionuclides can infiltrate mainly through ventilations, windows, and doors, and then deposit near the gaps, while those infiltrate hardly through sockets and air conditioning outlets.
8
Localization of cesium on montmorillonite surface investigated by frequency modulation atomic force microscopy
荒木 優希*; 佐藤 久夫*; 奥村 雅彦; 大西 洋*
Surface Science, 665, p.32 - 36, 2017/11
粘土鉱物表面におけるイオン交換反応は、通常その交換量だけに着目し、ミクロスコピックな研究はまだあまりなされていない。本研究では、反応が多く起こると考えられている粘土鉱物表面に着目し、周波数変調方式原子間力顕微鏡を用いてイオン分布を調べた。粘土鉱物はモンモリロナイト、イオンはセシウムイオンを対象として、研究を行った。その結果、セシウムが線状に分布し、その構造がしばらく保たれるという現象を発見した。第一原理シミュレーションにより、粘土鉱物内部の構造を評価したが、内部の電荷が直線構造を取る可能性は低いことが示された。これらの結果は、この直線構造の起源は粘土鉱物表面-イオン-水の三者による未解明吸着プロセスが存在することが示唆していると考えられる。
9
AWJによる模擬燃料集合体加熱試験体の切断作業
阿部 雄太; 中桐 俊男; 綿谷 聡*; 丸山 信一郎*
JAEA-Technology 2017-023, 46 Pages, 2017/10
本件は、廃炉国際共同研究センター(Collaborative Laboratories for Advanced Decommissioning Science: CLADS)燃料溶融挙動解析グループにて平成27年度に実施した「プラズマトーチによる模擬燃料集合体加熱試験(Phase II)」で用いた試験体について実施したAbrasive Water Jet (AWJ)切断作業に関する報告である。模擬燃料集合体は、外周のるつぼ及び模擬燃料にジルコニア、制御ブレード及びステンレス、そして被覆管及びャンネルボックスにジルカロイ(Zr)を利用している。したがって、プラズマトーチを用いて高温に加熱し物質移行した模擬燃料集合体に対して、材料分析を実施するためには、硬度及び靭性の異なる材料を一度に切断する必要がある。加えて、本試験体は、大型かつ、溶融物を保持するためエポキシ樹脂が充填されている。これらの影響を鑑みて、AWJ切断を選定した。以下の点を工夫することで、本試験体をAWJで切断することができた。ホウ化物の溶融部分のように1回(ワンパス)で切断できない場合は、アップカットとダウンカットを繰り返す往復運動により切断を行った。切断が困難な箇所には、Abrasive Injection Jet(従来工法AIJ)方式より切断能力が高いAbrasive Suspension Jet(ASJ)方式を用いた。本作業を通じて、プラズマトーチを用いた模擬燃料集合体加熱試験における切断方法が確立できた。なお、切断作業では、AWJの先端で切断能力を失うと送り方向と反対に噴流が逃げる際に生じる湾曲した切断面が試験体中央部で確認できた。その結果を元に、切断面の荒さや切断時間の短縮のための課題の抽出を行った。
10
福島における放射性セシウムの環境動態研究の現状; 根拠となる科学的知見の明示をより意識した情報発信の一環として
鶴田 忠彦; 新里 忠史; 中西 貴宏; 土肥 輝美; 中間 茂雄; 舟木 泰智; 御園生 敏治; 大山 卓也; 操上 広志; 林 誠二*; et al.
JAEA-Review 2017-018, 86 Pages, 2017/10
2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故以降、福島環境安全センターでは、福島の環境回復に向けた取組みとして、事故により環境中に放出された放射性物質のうち特に放射性セシウムの分布状況を評価し将来予測を行うとともに、森林から河川水系を経て海洋に至る環境や我々の生活圏での放射性セシウムの移動状況に係る調査研究「環境動態研究」に取り組んでいる。この度、最新の成果をとりまとめるとともに他機関の関連する最新の成果も参照しまとめたことから、研究成果報告書類として報告する。なお、本成果は、外部への情報発信の一つである福島部門ウェブサイトにおけるQAページを、根拠情報となる科学的知見を含め「根拠に基づく情報発信」として更新するにあたり、コンテンツとして活用されるものである。
11
Quantitative analysis of radiocesium retention onto birnessite and todorokite
Yu, Q.*; 大貫 敏彦*; 香西 直文; 坂本 文徳; 田中 万也; 笹木 恵子*
Chemical Geology, 470, p.141 - 151, 2017/10
本研究では、2種類のMn酸化物(トドロカイトとバーネサイト)が持つCs保持能を評価した。トドロカイトには、Csの吸着選択性がバーネサイトよりも高いサイトがあることがわかった。Cs初期濃度10$$^{-9}$$mol/Lで吸着させた後、吸着したCsを1M NaClとNH$$_{4}$$Clで脱離させたところ、約34%のCsが脱離せずにトドロカイトに残った。この値はバーネサイトに残ったCsの割合よりもずっと多かった。これらの結果は、トドロカイトが土壌中の放射性Csの固定に寄与することを強く示唆する。
12
台風201326号出水に伴う新田川起源懸濁態放射性核種の沿岸域でのインベントリ解析
内山 雄介*; 東 晃平*; 小谷 瑳千花*; 岩崎 理樹*; 津旨 大輔*; 上平 雄基; 清水 康行*; 恩田 裕一*
土木学会論文集,B2(海岸工学)(インターネット), 73(2), p.I_685 - I_690, 2017/10
福島新田川流域には原子力発電所事故直後に大量の放射性セシウム137($$^{137}$$Cs)が大気経由で沈着し、高濃度の懸濁態$$^{137}$$Csとして河道に集積したのち、出水毎に間欠的に海域へ供給され、沿岸域の底質環境に影響を与え続けている。本研究では、4段ネストJCOPE2-ROMS海洋モデル、波浪推算モデルSWAN、河川土砂流出モデルiRIC-Nays2DH、混合粒径土砂3次元海洋輸送モデル、放射性核種吸着モデルを連成させた超高解像度広域での土砂およびそれらに吸着した懸濁態$$^{137}$$Csの海洋移流分散モデリングを行い、台風201326号出水イベントに伴う新田川起源土砂の河口・沿岸域における輸送、再懸濁、堆積、浸食過程の時空間特性を評価した。その結果、台風通過直後に新田川から海域へ流入した懸濁態$$^{137}$$Csの総量の約45.3%は河口1km圏内に堆積していた。さらに、浅海域における沿岸漂砂の輸送には南方向への偏りがみられた。以上の結果は現地調査結果とも整合的であった。
13
三春町、南相馬市; 福島環境安全センター三春施設・南相馬施設の取り組み
菖蒲 信博
エネルギーレビュー, 37(10), p.21 - 22, 2017/10
福島第一原子力発電所の事故以降、原子力機構は福島の環境回復のための研究開発を行ってきた。ここでは、福島環境安全センターにおける主な取組として、放射線モニタリング・マッピング技術開発、放射性セシウムの長期環境動態研究、除染・減容技術の高度化に向けた技術開発等について紹介する。
14
楢葉町; 楢葉遠隔技術開発センターの取り組み
荒川 了紀
エネルギーレビュー, 37(10), p.17 - 18, 2017/10
楢葉遠隔技術開発センターは、2013年に福島県楢葉町に設立された。本稿では、設備、研究開発、施設利用について紹介する。
15
Using two detectors concurrently to monitor ambient dose equivalent rates in vehicle surveys of radiocesium contaminated land
武石 稔; 柴道 勝; Malins, A.; 操上 広志; 村上 晃洋*; 三枝 純; 米谷 雅之
Journal of Environmental Radioactivity, 177, p.1 - 12, 2017/10
通常の車両サーベイでは、地上1m高さの空間線量率に換算するために、同じ場所で車両の検出器及び車両を移動し1m高さの空間線量率を手持ち測定器で測定し、両者を比較している。車両測定結果を地上1m高さ値に、より正確に換算するため、2個の検出器を原子力機構の専用のモニタリング車の異なる高さに設置し、福島の避難区域等で測定、地上1m高さの測定結果と比較した。その結果、車両の異なる高さに設置した単一の検出器測定値から地上1m高さ値に換算した場合に比べて、車両2検出器を両者とも用いて換算した方が精度が高く、手持ち測定値に対して$$pm$$20%の範囲内にあった。また道路上の放射性セシウムの存在量が周辺より少ない場合は、車両の検出器の測定高さを高くすることにより道路周辺の空間線量率に近づいた。また、車両検出器の設置高さにについてモンテカルロシミュレーションコードを用いて検討した。
16
Saturated pool nucleate boiling on heat transfer surface with deposited sea salts
上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 3(4), p.041002_1 - 041002_13, 2017/10
The progress of the accident of Fukushima Daiichi NPS has been calculated by severe accident analysis codes, for example, MAAP, SAMPSON and so on. However, the effects of the seawater on thermal-hydraulic behavior have not been considered in these calculations, although the seawater was injected into the reactors to cool down the nuclear fuels. Saturated pool nucleate boiling heat transfer experiments with on NaCl solution, natural seawater and artificial seawater were performed to examine the effects of salts on boiling heat transfer. The experimental results indicated that boiling curves were well predicted with the Rohsenow correlation although large coalescent bubble formation was inhibited in the NaCl solution, natural seawater and artificial seawater experiments. However, calcium sulfate was deposited on the heat transfer surface in the experiments with artificial seawater. After the formation of a deposit layer, a slow surface-temperature excursion was initiated at a heat flux lower than the usual critical heat flux. We confirmed that the relationship between the salt concentrations of the artificial seawater in the bulk fluid and the vaporization rate at the surface at which the slow surface-temperature excursion initiated. This relationship suggested that if the salt concentration of the seawater exceeded 11 wt%, the deposition of calcium sulfate on the heat transfer surface occurred even if the heat flux was zero.
17
Processes affecting long-term changes in $$^{137}$$Cs concentration in surface sediments off Fukushima
乙坂 重嘉
Journal of Oceanography, 73(5), p.559 - 570, 2017/10
福島県,宮城県、及び茨城県の沖合71観測点で得られた表層(深度0-10cm層)堆積物中の放射性セシウムの濃度の時間変化の傾向をまとめるとともに、その変化に及ぼす堆積物の鉛直混合の影響について詳しく議論する。沿岸域(水深100m以浅の海域)における表層堆積物中の$$^{137}$$Cs濃度は、観測点によってその速度は異なるものの、2011年から2015年までに、平均して一年あたり27%の割合で減少した。このような$$^{137}$$Cs濃度の目立った時間変化は、沖合海域では見られなかった。沿岸域における表層堆積物中の$$^{137}$$Cs濃度減少には、堆積物の鉛直混合に伴う希釈が最も大きく寄与しており、堆積物鉛直混合モデルによる解析の結果、上記の減少率の半分以上がこの過程で説明することができた。$$^{137}$$Csを吸着した堆積物の水平移動や、堆積物からの$$^{137}$$Csの溶脱も、表層堆積物中の$$^{137}$$Cs濃度減少に寄与しているが、堆積物の鉛直混合に比べて効果は低いと推測された。
18
Horizontal and vertical distributions of $$^{137}$$Cs in seabed sediments around the river mouth near Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant
鶴田 忠彦; 原田 久也*; 御園生 敏治; 松岡 稔幸; 程塚 保行*
Journal of Oceanography, 73(5), p.547 - 558, 2017/10
福島県の沿岸域(沖合約5km程度まで)について、海底地形、海底土の堆積状況及び海底土の放射性Csの分布状況について調査を行った。放射性Csが農集する地点は凹状の窪地を有する特異な地点に限られ、その他の地点は、陸域と比較して放射性Cs量として2から3オーダー程度少ないことが明らかになった。
19
Preface "Radionuclides in coastal sediments after the accident of Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant; Distribution, dynamics and fate"
長尾 誠也*; 乙坂 重嘉; 帰山 秀樹*
Journal of Oceanography, 73(5), P. 527, 2017/10
福島第一原子力発電所事故から5年以上が経過し、海洋環境においても多くの調査研究が進められてきた。海底堆積物中の放射性セシウムの水平分布、時系列変動については、2011年5月より、主に宮城県・福島県・茨城県・千葉県沿岸域でのモニタリング調査が続けられている。しかしながら、事故由来放射性核種による海底堆積物及び海底付近の生態系への影響評価は、その局所依存性や観測の困難さ等により、他の環境調査に比べて遅れていた。今回、「Journal of Oceanography」誌において標題の特集セクションを組み、河口,沿岸及び沖合海域における海底堆積物中の放射性セシウムの濃度分布や、その数年規模での変化傾向と要因についての4報の論文を掲載した。本解説は、その特集の企画意図を示すとともに、内容を概観するものである。
20
Sources of $$^{137}$$Cs fluvial export from a forest catchment evaluated by stable carbon and nitrogen isotopic characterization of organic matter
武藤 琴美; 安藤 麻里子; 小嵐 淳; 竹内 絵里奈; 西村 周作; 都築 克紀; 松永 武*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 314(1), p.403 - 411, 2017/10
福島第一原子力発電所事故により森林に沈着した放射性Csが河川を通して流出することで、下流の市街地や農地への汚染が長期間続くことが懸念されている。本研究では、森林から河川への放射性Cs流出挙動を評価するために、落葉広葉樹林を集水域とする小河川に放射性Csの連続捕集装置を設置し、事故の半年後から4年間調査を行った。河川中の放射性Csを懸濁態と溶存態に分けて採取し、懸濁態は粒径ごとに分画した。また、河川中の懸濁物と土壌について、炭素及び窒素の量と同位体比を分析し比較した。その結果、放射性Csの主要な流出形態は粒径75$$mu$$m以下の懸濁態であり、分解の進んだリターと鉱物土壌を起源としていることが明らかになった。また、リター分解を起源とする溶存態Csの流出量も無視できないことが分かった。リターから土壌への放射性Csの移行が進んでいることから、今後、溶存態による河川流出は数年で減少する一方、懸濁態による河川流出は長期間継続することが示唆された。